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森羅万象 ~ 歩く印象派

ネットワークは粘菌に学べ 単細胞でも効率的な経路形成

2010年01月30日 20時11分33秒 | 地球の不思議・宇宙の不思議
粘菌がほぼ忠実に再現した関東地方の鉄道網(高木清二・北海道大助教提供)(写真:産経新聞)
1月22日7時56分配信 産経新聞

  脳や神経を持たない単細胞生物の粘菌がつくるネットワークをもとに、人間社会の交通網や情報ネットワークの最適化にもつながる理論モデルを構築することに、手老(てろう)篤史・科学技術振興機構研究員らの研究グループが成功した。22日発行の米科学誌「サイエンス」に発表した。

 研究グループの手老研究員や中垣俊之・北海道大准教授、小林亮・広島大大学院教授らは、「迷路を解く粘菌」の研究で、2008年に「イグ・ノーベル賞」を受賞している。

 実験に使ったのは、「モジホコリ」という真正粘菌。複数のエサを見つけたときに形成する栄養輸送ネットワークに着目し、輸送効率や迂回(うかい)ルートなどの機能を解析した。関東地方に見立てた寒天の主要駅に相当する場所にエサを配置し、粘菌をはわせたところ、JR東海道線など現実の鉄道網を、ほぼ再現するケースもあった。

 実験を重ねてネットワーク形成の“粘菌理論”を導き、コンピューターのシミュレーションで機能を検証した結果、現実の鉄道網よりも効率的で、事故などのリスクにも強いネットワークを見いだすことができたという。手老研究員は「理論の精度を上げ、インフラ整備などに生かせるようにしたい」と話している。

3大都市圏の人口集中止まる…仕事・異動減り

2010年01月30日 06時10分39秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
1月29日21時0分配信 読売新聞

 総務省が29日に発表した2009年の住民基本台帳に基づく人口移動報告によると、3大都市圏(東京、名古屋、大阪)への転入超過数は全体で10万4369人となり、前年より4万9709人減った。

 減少幅が4万人台となったのは、バブル崩壊直後の1993年以来、16年ぶり。名古屋圏は7年ぶりに転出超過となった。

 同省は、08年秋の金融危機以降の景気低迷によって、大都市部での仕事が減り、地方から職を求めて転入する人が減ったことや、企業が経費のかかる人事異動を手控えていることなどが要因だと分析している。3大都市圏の人口集中にブレーキがかかったと言えそうだ。

 人口の転入超過数は、都道府県と大都市の1年間の転入者数から転出者数を差し引いて算出する。転出者数の方が多ければ転出超過になる。

 転入超過数は東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県)では11万7461人(前年比3万4235人減)だった。前年より3万人以上減ったのは16年ぶり。

 一方、名古屋圏(愛知、岐阜、三重3県)では4537人、大阪圏(大阪、兵庫、京都、奈良の2府2県)では8555人と、それぞれ転出超過となった。大阪圏で転出超過数が1万人を下回ったのは23年ぶりとなる。