2011年5月15日 02時02分 (2011年5月15日 02時08分 更新)
東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋内で東日本大震災発生当日の3月11日夜、毎時 300ミリシーベルト相当の高い放射線量が検出されていたことが14日、東電関係者への取材で分かった。高い線量は原子炉の燃料の放射性物質が大量に漏れ ていたためとみられる。1号機では、津波による電源喪失によって冷却ができなくなり、原子炉圧力容器から高濃度の放射性物質を含む蒸気が漏れたとされてい たが、原子炉内の圧力が高まって配管などが破損したと仮定するには、あまりに短時間で建屋内に充満したことになる。東電関係者は「地震の揺れで圧力容器や 配管に損傷があったかもしれない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認めた。第1原発の事故後、各地の原発では予備電源確保や防波堤設 置など津波対策を強化する動きが広がっているが、原発の耐震指針についても再検討を迫られそうだ。