All Things Must Pass

森羅万象 ~ 歩く印象派

「酒米は精米したあと投げておく」?(趣茶酒楽会山形旅行記)秀鳳編その2

2007年03月31日 12時27分53秒 | 趣茶

酒造りの工程でまず最初に行うのが精米。
精米とは、日本酒の香味や色沢を劣化させるとされる成分(脂肪酸・蛋白質・灰分など)をとり除くため、それらを
多く含む米の表面 部分を削ること。その削り具合は精米歩合で瓶のラベルに表記される。たとえば精米歩合60%
というのは「玄米の40%を削り落とした。」という意味。
ところで、秀鳳では精米をいつからおこなっているのかというと10月からだという。
「精米はなるべく早く始めて、投げておくんですよ。」と語るのは秀鳳杜氏頭の深瀬英雄氏。

「投げる」?
いったいどういう意味なんだろう?

質問してみると深瀬氏は丁寧に教えてくれた。
「精米は10月頃から始めるんですが、精米直後の米はかなり熱くなるんです。」(米同士の摩擦で)
「米粒の表面も乾燥していますし、そのままでは使えません。」
「そこで、精米した米を空気に晒して水分を吸わせるんです。特殊な道具は使いません。ただ、放っておくだけです。
我々はそれを『投げる』って言うんですが。」

なるほど、投げるといっても米をどこかへ文字通り投げるのではなく。空気に晒して放置しておくことなのか。
ちなみに、一ヶ月くらいは投げておくのだそうだ。

山形産の「美山錦」。
日付印が18年9月26日となっている。

精米歩合(せいまいぶあい)。 
良い酒ほど精米を高くするが、当然、歩留まりは悪くなる。価格も上がる訳だ。。

写真は「美山錦」を50%精米したもの。かなり丸みを帯びている。透明感がある。

沖縄戦 ゆがむ実相  (沖縄タイムスより転載)

2007年03月31日 08時00分10秒 | 沖縄の旅
「沖縄タイムス」2007年3月31日(土) 朝刊 27面

 高校教科書に掲載された沖縄戦の「集団自決」の実態が国によって隠された。文部科学省は、今回の教科書検定で「軍命の有無は断定的ではない」との見解を示し、過去の検定で認めてきた「集団自決」に対する日本軍の関与を否定。関与を記述した部分の修正を教科書会社に求めた。同省が変更理由に挙げたのは「集団自決」をめぐる訴訟での日本軍の元戦隊長の軍命否定証言と近年の「学説状況の変化」。文科省の姿勢に、県内の関係者からは「沖縄戦の実相の歪曲」「殉国美談に仕立て上げている」と批判が出ている。

 沖縄戦研究者の吉浜忍沖国大助教授は「検定意見で日本軍の『集団自決』への関与がぼかされたが、軍隊が誘導したのが実態だ」と沖縄戦の実相を指摘する。その上で「国によって沖縄戦が書き換えられた。これまでの研究や調査を逆転させようという政治的意図を感じる」。

 「『新しい歴史教科書をつくる会』や『集団自決』訴訟の原告側支援者が文科省に内容の訂正を申し入れた結果だ」。大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判(「集団自決」訴訟)支援連絡会の小牧薫事務局長は、日本軍の関与を薄める内容に変更された理由を推測する。「今後、沖縄戦そのものが削除される恐れがある」と危惧する。

 沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会事務局長の山口剛史琉球大学助教授も「『集団自決』訴訟の事実認定と証人尋問がこれからという段階で、極めて一方的だ」と文科省の姿勢に首をかしげる。「被告側は逆に『軍命があった』という証拠を出して反証している。それを一切無視した形で、かなり意図的なものと言わざるを得ないと思う」と語る。

 法律家の三宅俊司弁護士は「学者が客観的調査で調べた事実があるのに、裁判で争いがあるからといって、教科書に出さないのはおかしい」と、軍命を否定した検定の在り方を批判する。「教育は事実を教え、それを評価できる能力を育てることのはず。これでは思想統制だ。国民の教育権を侵害することになる」

 沖縄歴史教育研究会の代表を務める宜野湾高校教諭の新城俊昭さんは「『強制』という軍の関与を示す言葉が抜けると、住民が自ら死んだという殉国美談になる」と懸念する。「学校現場では沖縄の実相を教えることが難しくなると思う。それだけに今後はますます教師の技量が問われることになる」と指摘した。

 林博史・関東学院大教授(現代史)は「当日に部隊長が自決の命令を出したかどうかにかかわらず、全体的に見れば軍の強制そのもので、これを覆す研究は皆無といえる」と指摘。八○年代の教科書検定以降、「各教科書は、研究成果を踏まえて軍に強いられた自決であることを書いてきた。それを今回は、日本軍による加害性を教科書から消し去ろうとした。事実をあいまいにする政治的なひどい検定だ」と批判した。

「あれは軍命だった」
座間味・戦争体験者ら怒り

 沖縄戦時下、日本軍の軍命と誘導による「集団自決」で百七十七人が亡くなった座間味村では、軍の関与を削除した検定に怒りの声が上がった。

 日本軍と米軍の攻撃の中に取り残された中村一男さん(73)の家族は、日本軍に配られた手りゅう弾で「集団自決」を決行しかけた。「日本軍は各家庭に、軍が厳重に保管していた手りゅう弾をあらかじめ渡し、米軍の捕虜になるぐらいなら死になさいと話していた」とし、軍命否定は「歴史を歪曲することだ。私たちが戦争体験を語るのは事実を伝え、むごい戦争を二度と起こさないため。(国は)事実は事実として後世に伝えてもらいたい」と話した。

 集合場所とされた忠魂碑前へ向かうが断念、その後も「集団自決」しようとする家族を止めた宮里薫さん(74)は「書き換えで、軍命でなくなったのはおかしい。あれは軍の命令だった」と憤った。

 「僕の家族にも一発の手りゅう弾があった。軍のものだから、民間が勝手に取ることはできず、渡されたのは住民は死ねということだ。軍命がないというのは、住民の実感に合わない」と批判した。

軍関与削除「喜ばしい」/戦隊長側、法廷で発表

 【大阪】沖縄戦時に慶良間諸島で起きた住民の「集団自決」をめぐる訴訟の第八回口頭弁論で、戦隊長側の代理人が、三十日夕に文部科学省が公表した教科書検定の内容を法廷で事前に“発表”する一幕があった。識者からは「見過ごせないルール違反だ」との声が上がっている。

 代理人は口頭弁論終了間際の午後二時前、「本日、文科省が検定意見を付し、多くの教科書がこれに応じて記述を修正したと聞いた」と述べた。

 今回の教科書検定で、文科省が「日本軍による」など「集団自決」の主語を削除するよう教科書会社に求めたことを指摘。「真実が明らかになり、正しい記述がされるのは喜ばしい」とし「本件訴訟でもそのことを法廷で判決すべきだ」と述べた。

 裁判を傍聴した琉球大の高嶋伸欣教授は「一般の傍聴者がいる法廷で、社会的ルールを二の次にした行為だ。裁判と検定がなれ合った状態を看過できない」と批判した。

沖縄戦集団自決「強制」記述に修正意見 教科書検定 (朝日COMより)

2007年03月30日 19時55分38秒 | 沖縄の旅
「朝日新聞」2007年03月30日19時30分

 文部科学省が30日公表した06年度の教科書検定で、地理歴史・公民では、沖縄戦の集団自決をめぐって、「日本軍に強いられた」という内容に対し修正を求める意見が初めてついたことが分かった。強制性を否定する資料や証言を根拠に、従来の判断基準を変えたためだ。イラク戦争や靖国参拝など外交や政治にかかわる問題では、政府見解に沿う記述を求めるこの数年の傾向が今回も続いた。

 今回の対象は、高校中学年(主に2、3年で使用)の教科書。224点が申請され、検定意見を受けて各出版社が修正したうえで222点が合格。不合格の2点は、いずれも生物2だった。

 地歴公民のうち日本史では、沖縄戦の集団自決に関して「日本軍に強いられた」という趣旨を書いた7点すべてが「命令したかどうかは明らかと言えない」と指摘され、各社は「集団自決に追い込まれた」などと修正した。日本史の教科書は昨年も申請できたが、その際にはこうした意見はつかなかった。

 文科省は、判断基準を変えた理由を(1)「軍の命令があった」とする資料と否定する資料の双方がある(2)慶良間諸島で自決を命じたと言われてきた元軍人やその遺族が05年、名誉棄損を訴えて訴訟を起こしている(3)近年の研究は、命令の有無より住民の精神状況が重視されている――などの状況からと説明する。昨年合格した出版社には、判断が変わった旨は知らせるが、すぐに修正を求めることはしない方針だ。

 地歴公民では、他にも時事問題で政府見解に沿った意見がついた。その結果、イラク戦争では、「米英軍のイラク侵攻」が「イラク攻撃」に、自衛隊が派遣された時期は「戦時中」から「主要な戦闘終結後も武力衝突がつづく」に変わった。首相の靖国参拝をめぐる裁判では、「合憲とする判決はない」という記述に「私的参拝と区別する必要がある」と意見がつき、「公式参拝を合憲とする判決はない」となった。

 南京大虐殺では今回も、「犠牲者数について、諸説を十分に配慮していない」との意見が日本史5点についた。一方、政治・外交問題となり、中学の教科書からはなくなった「従軍慰安婦」(「慰安婦」「慰安施設」を含む)の問題は16点で取りあげられたが、意見は一つもつかなかった。

タイルでゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・・・

2007年03月30日 07時40分17秒 | タイル・ウォッチャーが行く!
昨日、広尾界隈でタイルを見つけた。これはすぐにR氏に報告だ。






タイルを撮り終えて、何の気なしに頭上を見上げて驚いた。
一見のどかな「広尾散歩通り」なのだが。

ここも「杜王町」だったのか。

例の「矢」ではないか!
即座に退散した。
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・・・・・・

スーパーの山菜

2007年03月29日 04時14分29秒 | 歩く印象派
スーパーに行ったら野菜売り場にコゴミとタラッペが並んでました。
パックに詰められて値札まで貼ってあるの見ると奇妙な気分に陥ります。
たぶん「商品」としての山菜(キノコもそう)に違和感を覚える私がいるからなのでしょう。
オ・寒さんのせいだと思います。
なるべく眺めないようにして通り過ぎることにしてます。

もろみの味は格別♪(趣茶酒楽会山形旅行記)秀鳳編その1

2007年03月27日 18時43分11秒 | 趣茶
趣茶酒楽会の方々と山形の酒蔵「秀鳳酒造場」を訪ねてきた。一行は総勢11名。
趣茶女将&マスター進氏それに金谷酒店の若旦那も同行という豪華な顔ぶれだ。

秀鳳は明治24年創業、現在は5代目。
「秀鳳」という名は“心和やか”にというも意味がこめられているそうだ。落ち着いた雰囲気の優しい酒造りを目指している。
2005年には全国酒類コンクールで見事第1位(純米酒と古酒の2冠=ダブルタイトル)に輝いている。
到着は予定より1時間遅れて午後3時となった。(安全運転だった。)

煙突が聳えるが、現在は使われていない。
さっそく酒蔵を案内してもらう。蔵の中は甘い麹の香が漂い、深呼吸すると酔ってしまいそうな感覚に陥る。

覗くとプツプツと泡立つのが見える。

もろみをすくってもらう。

そろりそろりと杯を受け取る。嬉しくて身震いする。

コンクール第1位の栄冠に輝いた38歳の若き杜氏相田勝之氏にもお目にかかれた。


自信作が並ぶ。

(その2へ続く)

キースとデップ

2007年03月26日 18時20分17秒 | Rock 音故知新
キース・リチャーズ        ジョニー・デップ(パイレーツ顔)      ジョニー・デップ(普通顔)

以下は太鼓さんのブログより

「あのさ、ジョニー・デップで思い出したけど、あのパイレーツ・オブ・カリビアンの演技さ、ストーンズのギターしき(弾き)のほら?なんだっけ?キースなんとかだっけ?そのしと(人)の雰囲気からしんと(ヒント)を得ての演技なんだってね~?」



言われてみればかなりそっくりだよね。
しかし、なんでまたキース顔にしたんだろうね?

しかもだ。、キース・リチャーズご本人様が第3作目にジョニー・デップ演じる海賊ジャック・スパロウの父親役として出演するらしい!のだ。こりゃかなりの怪作とみた。

山形と福島で見たタイル6題

2007年03月25日 23時38分44秒 | タイル・ウォッチャーが行く!
上の3枚は山形自動車道の蔵王下りPAにて発見。
下の3枚は東北自動車道の上り安達太良SAにて。
R様。これらをご覧になって何かわかることありますか?
ちなみに山形は屋外の歩道上、福島のは屋根のある壁面という環境でした。







※山形秀鳳酒造場訪問の旅詳細は今夜からUPします。

趣茶で鯨

2007年03月24日 07時43分44秒 | 趣茶
先日「趣茶」を訪ねたら進マスターがニコニコしながら取り出したのが上の写真。ミンククジラのブロックである。すごい迫力。さて、どういただこうか?

心優しいカンノさんからご相伴にあずかったのが黒木酒造の「喜六」。
無濾過・無調整・黒麹・無農薬・有機農法芋使用冬期限定酒と銘打ってある。わざわざ文字で強調するってことは
何かに対しての「差別化」だとは思うが、その分他の酒が心配になってくる表現ではある。しかし、
まあそのことは置いておくことにする。とにかく旨い!
カンノさんに多謝!

マスター「限定」15個の餃子を食す。
皮がモチモチとして美味い。手作りならではの食感だ。
写真左にちょいと覗くラー油も進さんのオリジナルである。

そして、メーンの鯨は鯨刺し定食にしてもらった。
鯨を堪能!趣茶で鯨もいい。

※本日はこれから趣茶酒楽会のみなさんと山形市の秀鳳酒造場を訪ねます。
金谷酒店の若旦那に同行していただくのでたいへん心強いです。
夜は上山温泉に宿をとりました。
詳しくは後ほどご報告いたします。