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海外からもやまない批判(C)ロイター
「#DontBeSilent」「#GenderEquality」「#男女平等」ーーついに各国の駐日大使館が抗議のツイッターデモを始めた。女性蔑視発言で国内外から集中砲火を浴びている東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長。逆ギレ会見も、国民の怒りの炎に油を注いだ。国内では“謝罪”を理由に森の続投容認も出ているが、冗談じゃない。森会長が居座り続ける限り、日本は世界の嘲笑の的だ。 森会長“逆切れ”会見でボランティア辞退続々…もはや東京五輪は開催不能 ◇ ◇ ◇ 「本人が謝罪して、発言を撤回されている。いろんな意見があることは分かっているが、最後まで全うしていただきたい」 日本オリンピック協会(JOC)の山下泰裕会長は5日、報道陣に森会長の進退について聞かれ、こう言い放った。五輪ホスト国の責任ある人物が「謝ったから、いいじゃん」という感覚とは驚きだ。 ホストシティー・東京の小池都知事もまたしかり。女性蔑視発言に「絶句した」と語る一方、森氏が会長に適格かどうかは「誰が(会長に)ふさわしいかは組織委の判断も必要」と述べるにとどめた。その組織委は来月の理事会で森会長の進退を議論する予定はないというから、あきれ返る。 都のオリ・パラ準備局には、5日夕方までに542件の電話やメールが殺到。森会長の発言を理由に都市ボランティアを辞退したいとの申し出は14件に上った。組織委にも抗議内容などを問い合わせたが、「個別の件数や内容についてはお答えを差し控えさせていただいております」(戦略広報課)と、取りつく島もなかった。 「あってはならない発言」と苦言を呈すだけの菅首相も甘すぎる。本来なら、サッサと「退場願う」のが筋。森会長の続投容認論が通用するのは日本だけ。世界は森会長の愚行を決して許さない。 「海外メディアは森会長を『sexist(性差別主義者)』と厳しく糾弾しています。女性が性被害を訴えた『#MeToo運動』以降、sexistは犯罪者も同然と批判されてきました。五輪組織委のトップが犯罪者同然の性差別主義者であることに世界はおののき、日本がいまだにジェンダー感覚にうといヤバイ国であることがバレてしまったのです。森会長が今の職に居座り続ける限り、日本の後進性をアピールしているようなものです」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学) ■国境を超えたツイッターデモの様相 国内より海外の方が森発言にカンカンで、フランスの欧州問題担当相を務めたナタリー・ロワゾー欧州議会議員は自身のツイッターで〈森さん、女性は簡潔に話せますよ。例えば、あなたにお答えするには「黙りなさい」で十分〉と不快感を表明。 カナダのアイスホッケー女子五輪金メダリストで国際オリンピック委員会(IOC)委員のヘーリー・ウィッケンハイザー氏も、自身のツイッターに〈この男を朝食のビュッフェ会場で絶対に追い詰める。東京で会いましょう〉と投稿。1万件もの「いいね」を集めたこの投稿に、海外ユーザーも〈素晴らしいアイデアだ〉〈私も一緒に!〉などと賛同の声を寄せている。 さらに、SNS上には〈#Mori resign(森、辞めろ)〉の英文ハッシュタグも登場。タグを取り上げた英BBCなどの報道と一緒に国内外で拡散されている。 各国の駐日大使館も立ち上がった。きのう午後以降、EU加盟国を中心に各大使館の公式ツイッターアカウントが「#DontBeSilent」(黙ってはいけない)、「#GenderEquality」(男女平等)、「#男女平等」とのハッシュタグを次々と投稿。賛同の輪が広がっている。 明言こそしていないが、森発言への抗議と考えるのが妥当で、さながら国境を超えたツイッターデモの様相だ。今や「森辞めろ!」が世界のコンセンサスなのである。 「政権は森会長の発言が国の恥であることをよく理解した方がいい。一刻も早く辞めさせることが、日本にとって最善です」(五野井郁夫氏) 東京五輪の「顔」が「性差別主義者」とは、世界に顔向けできまい。