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森羅万象 ~ 歩く印象派

「悪意」ではなく「恐怖」・韓国から日本を見る目

2013年09月28日 13時08分28秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)

以下はジョルダンニュース(9月26日)http://news.jorudan.co.jp/docs/news/detail.cgi?newsid=JD1380126051128より

 

旧暦の8月15日は、今年は新暦で9月19日だった。
中華圏や韓国では「中秋節」と言い、日本の「お盆」となる。先祖の霊が地上に降りてくるとい う日だ。この日をはさんで中華圏では「秋のお休み」。今年は気が早いところでは9月14日の土曜日からの1週間を休むところも多かった。大学などの教育機 関でも休講になるところが多いが、だいたいは18日から20日まで本格的な連休となった。今年は20日が金曜日だったため、そのまま週末も含めて18日か ら22日までという大型連休だった。

いつも韓国で仕事をしている私も、この18日からの休みに日本行きの飛行機を取ろうとしたが、1か月 前の予約では満席で取れなかったため、仕方なく前日の17日の便でかろうじて席が取れた。しかし、韓国でのテレビのニュースを見て「ひょっとして」と思 い、18日を一週間前に控えた11日に再度18日の予約を入れて見たところ、なんと簡単に取れてしまった。そして、18日の日に韓国から成田行きの飛行機 に搭乗して重ねて驚いた。韓国の人がほとんどいなくなっていたのだ。

連休ともなれば、特にアウトドアの山歩きが流行っている韓国では、日 本での山登りの客が増えてきていて、連休初日などはかなり前から日本行き飛行機の予約を取らないと席が取れないという状態だった。しかし、今回はいつもの 「連休ラッシュ」がなかった。いや、直前になってそのラッシュが消えた。

実は韓国内のニュースを見て「これは連休初日の飛行機が取れるか も?」と思ったのは、他でもない、日本の福島原発の事故による大量の放射能汚染水漏れのニュースが韓国でもこの期間にあり、特に韓国では日本からの魚の輸 入を停止するなどの措置が取られた、ということがあったからだ。
韓国ではソウルなど大都市で「日本居酒屋」が大流行していて、当然「日本製の魚の刺し身」などは多くの人に好まれている。日本で労働問題などでなにかと話題になることも多い大手居酒屋チェーンも進出していて、大繁盛していた。

し かし、2020年の東京オリンピック招致に成功した7日前後から、この大量の放射能汚染水問題のニュースが世界中に配信され、韓国でも多くの人の口にこの 話がのぼっていて、私も「日本は大丈夫ですか?」と聞かれることが非常に多くなっていた。そして、この連休が終わった途端、韓国系の航空会社が韓国-日本 便の大幅な減便などを行うことを発表した。韓国だけなく、このところ増便を繰り返していた台湾や中国からの日本への旅行客も、特に東京やその近辺へ行く飛 行機を中心に激減している。

一部の「嫌韓」と呼ばれている人たちは「韓国なんか来なくてせいせいする」と言っている人もいるようだが、これは韓国だけの話ではない。観光客の世界的な「日本忌避」が始まっていることを覚えておいたほうがいい。
国 土交通省・観光局の統計によれば、2013年1-8月の日本への外国からの入国者はおおよそ686万人で、そのうち韓国からの入国者が26%の180万人 と、一番多くかつ過去最高となっている。続いて台湾からが147万人(21%)、中国からが84万人(12%)、となっていて、この3国・地域だけで日本 への入国者数の70%近くを占める。

2020年の東京オリンピックでも、当然のことながら韓国からの観光客は一番多くなることが予想され る。逆に言えば、韓国や、台湾を筆頭とした中華圏からの観光客が減ると、日本のオリンピック、ひいては「日本復興」の掛け声も、特に観光立国を考えれば大 きな打撃を受ける可能性もあるのだ。

そして1週間の日本での休暇を終え、韓国の職場に戻ってきたとき、コンビニエンスストアに入って驚い た。このあいだまでコンビニの棚にあった「売れ筋」の日本製ビールの数や種類が半分以下に激減していたのだ。テレビをつければ「日本は、魚が危ない。水が 危ない」などのニュースも毎日のようにやっているが、一方で韓国の政府は日本からの魚の放射能汚染の全数検査を行うことを発表し「日本製は危なくない」と いうことをかなり力を入れて宣伝している。しかし、友人の韓国の人に聞いたら「韓国の政府の言うことはみんなあまり信用していない」と言う答えが返ってき た。
そう言われて、外務省が出している「日本製品を輸入禁止にしている国のリスト」を再度見てみた。韓国だけの「日本の水産品輸入禁止」がニュー スになっているが、中国、タイ、台湾なども含め、多くの国が韓国どころではない日本製品の輸入禁止措置をとっていることがわかる。韓国だけではないのだ。

韓国に限らず日本を見る外国人の目が、この半月ほどのあいだに、180度変わった。
オリンピックどころではなくなってきた、というのが実感だ。

(参考1)観光局統計の外国人観光客の入国統計

(参考2)外務省・日本製品の輸入禁止や制限をしている国のリスト

【ニュース解説チーム】
執筆者:m

 


群馬・太田→栃木・足利 越境通学 打ち切り紛糾

2013年09月25日 20時46分10秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)

東京新聞 2013年9月25日 夕刊

 半世紀にわたって「特例」として続いている群馬県太田市から隣接する栃木県足利市の小中学校への「越境通学」について、太田市が今月、二〇一四年 度からの中止の方針を示し、保護者が猛反発している。二十四日夜の説明会は三時間近く紛糾、「なぜ今変えるのか」「子どもの気持ちを考えて」と反対意見が 相次いだ。太田市教育委員会は在校生の転校に一定の猶予期間を設ける検討を始め、十月中にも最終判断する。 (美細津仁志)

 「太田の子どもは太田で育て、教育すべきだ」。今月三日の太田市議会一般質問で、清水聖義(まさよし)市長は今後、教育事務委託料に予算付けしな い考えを明らかにした。越境通学は長年、市議会で議論されてきたが、地元ではデリケートな問題として、多くは語られてこなかった。だが「ズルズル行っても 仕方がない」と、清水市長が大なたを振るった格好だ。

 太田市高瀬町の児童生徒百十六人のうち四十八人が約二キロ先の足利市立山辺小中学校に通う。地元の毛里田(もりた)小中学校までは約四キロと遠いためだ。最寄りの駅と郵便局など、生活圏は足利市にある。

 委託料は一九六四年に太田市が足利市と結んだ規約を元に足利市に支払い、山辺小中学校への越境通学を担保している。二〇一三年度は五百八十七万円。

 越境通学が廃止となれば在校生の転校は不可避で、太田市教委は九日付で関係する四十世帯に、新年度の方針を通知した。

 それによると、山辺中に通う生徒には部活動や受験などを考慮し、卒業までの通学を保証。一方、山辺小に通う児童には、一四年度から太田市側の毛里田小か駒形小に転校してもらう。小中学校の新一年生にも太田市側への入学を求めている。

 説明会は二十四日夜、地元公民館で非公開で行われ、父母三十八人に市教委が方針を伝えた。父母側は「猶予期間は設けないのか」「納得できない」な どと述べ冒頭から紛糾。「山辺小中学校に通えるから、引っ越してきた」「子どもの人権はどうなる。大人の事情ではないか」と迫る場面もあった。説明会は午 後七時半から約三時間に及んだ。

 渋沢啓史(ひろし)教育長は、小学一~五年の在校生について、「既に足利市から出ている入学許可証をほごにはできない」と理解を示した。終了後、清水市長に新年度以降も委託料を継続してもらう考えを明らかにした。

 受け入れ側の足利市教委の担当者は「太田市からの委託がなければ受託しようがない」と話している。

◆越境通学特例の経緯

 太田と足利の両市が委託料に基づく越境通学の規約を結んだのは1964年。太田市高瀬町から約4キロ離れた毛里田小中学校が遠いため、約2キロ先の山辺小中に通えるようにした。

 85年には山辺小とほぼ等距離の太田市側に駒形小、87年にはその先に城東中がそれぞれ開校し、同町から通学できるようになっている。

 近年は、毛里田小と駒形小でスクールバスが運行され、太田市側に通学する割合が増えている。本年度は町内の児童、生徒計116人のうち、48人が山辺小中へ通う。足利市に支払う委託料は約587万円。