群馬県東部を中心に竜巻とみられる局地的な突風が発生。館林市では、スーパーの駐車場の車十数台が横転し、割れた店の窓ガラスで買い物客ら13人がけがをしたほか、家屋の屋根が吹き飛ばされたり、電柱が倒れたりするなどの被害が相次いだ=27日午後4時36分、群馬県館林市、朝日新聞社ヘリから、豊間根功智撮影(朝日新聞 2009年7月27日21時35分更新)
7月27日16時11分配信 時事通信
27日午後2時15分ごろ、「竜巻が起きて屋根が飛んだ」などと、複数の通報が群馬県の館林地区消防組合消防本部(同県館林市)にあった。同本部によると、竜巻とみられる突風が複数の場所で発生し、市内のスーパー駐車場では車十数台が横転、13人がけがをした。いずれも軽傷という。
同本部によると、車が横転したのは「ベルク 館林大街道店」(同市大街道)の駐車場で、10~15台が横転し、運転手らが負傷した。市内ではほかにも数カ所で、計50棟前後の民家のガラスが割れたり、屋根が飛んだりするなどの被害が出たが、けが人の情報はないという。
前橋地方気象台は同日午前、県内ほぼ全域で竜巻注意報を出し、風が急変した際などは屋内に避難するよう呼び掛けていた。
2009年7月27日21時23分朝日新聞
突風で横転した車を元に戻す消防隊員=27日午後4時7分、群馬県館林市大街道1丁目のベルク館林大街道店、戸梶雄一撮影
「バリバリ」ガラス割れ停電 店内パニック 群馬の突風
竜巻とみられる突風で車は横倒しになり、民家の屋根は吹き飛んだ。27日の昼下がり、群馬県館林市の市中心部のスーパーでは買い物客らが割れたガラスで血を流し、店内はパニックに陥った。
スーパー「ベルク館林大街道店」では、2~86歳の買い物客ら14人が割れたガラスで手を切るなどした。
丸山智之店長(39)によると、突風が起きる前から風が強かったという。自転車が倒れてけがをした高齢の買い物客を助けようと店内に連れ込んだとき、「バリバリ」という大きな音を聞いた。ガラスが割れた。
約50人が居合わせた店内は停電で真っ暗になり、悲鳴が上がった。「外に出ると竜巻が渦を巻いているのが見えた」
同県邑楽町(おうらまち)中野の主婦川島三知子さん(61)はスーパー店内でレジ待ちをしていた。「ガラスが割れる大きな音がして、電気が消えてパニックになった。頭にけがをして、当てた手ぬぐいが血だらけになっていた男性もいた」と興奮気味に話した。
軽乗用車から降りて逃げようとしたが間に合わず、フロントガラスが割れて手を切った女性(23)もいたという。 館林市役所4階北側にいた市職員約20人も茶色の「竜巻」を目撃。ナイロン袋や木材を巻き上げ、ゆっくり移動したという。
「風が真っ黒な煙のようになって、ゴミなどを巻き上げていた」。ベルクの北側にある関根麗子さん(70)宅は、飛んできたトタンが1階寝室の壁を破り、直径80センチほどの穴が開いた。「停電で真っ暗のなか、部屋から出るのが精いっぱいだった」と話した。
竜巻とみられる突風で割れた店や駐車場の車の窓ガラスを清掃するスーパーの従業員たち=27日午後6時14分、群馬県館林市、上田潤撮影
館林市竜巻被害対策本部は、竜巻とみられる突風は幅40メートル前後、距離にして約3.6キロ、東西に移動したとみている。ベルクの駐車場では、車が横転したり車同士が衝突したりするなどして計30台の車両の破損が確認されたという。