安倍首相の責任論が噴出 自民党総務会、退陣要求も
2007年07月31日16時25分朝日COM
自民党が参院選で大敗したにもかかわらず、安倍首相が続投を決めたことをめぐり、31日午前の自民党総務会でベテラン議員を中心に首相の責任を問う発言が相次いだ。
野田毅元自治相は「参院選で政権選択を迫ったので、その結果、道は一つしかない。決断した方がいい」と発言。石破茂元防衛庁長官も「総理は『私か、小沢代表の選択だ』と何度も訴えた。これを有権者にどう説明するのか。挙党一致は答えにならない」と首相の退陣を促した。
深谷隆司元通産相は「選挙前の様々な問題で泥縄式の対応を国民はちゃんとみている。赤城さんは(大臣の)資格がない。即刻辞任してもらいたい」と首相の対応を批判しつつ、赤城農水相の辞任を要求した。
一方、惨敗の原因を明確にすべきだとの意見も相次いだ。加藤紘一元幹事長は「『首相続投で挙党一致』はいいが、敗因を分析なしで進めば、自民党はずたずたになる。今回の結末は自民党の基盤の崩壊だ」と述べた。谷垣禎一・前財務相も「なぜ国民から厳しい批判を浴びたのか整理しないといけない」と執行部に求めた。
これを受け、中川秀直幹事長は「(参院選敗北の)総括は8月中に結論を出したい」と述べた。丹羽雄哉総務会長は、総務会での意見を首相官邸にも近く伝える方針だ。
自民総務会で首相退陣論が噴出「政権選択迫ってしまった」
7月31日14時59分配信 読売新聞
自民党は31日午前、党本部で総務会を開き、参院選の結果について協議し、出席者からは続投を決めた安倍首相の退陣を促す意見も出た。
この中で、石破茂・元防衛長官が「首相は『私か(民主党代表の)小沢さんかの選択だ』と訴えた。これを私どもはどう説明するのか。挙党一致はこの答えにならない。次の選挙で振り子現象を期待するのは難しい」と述べた。野田毅・元自治相も、「首相自ら政権選択を迫ってしまったので、道は一つしかない。決断されたほうがよろしいのではないか」と語った。
深谷隆司・元通産相は、「赤城農相は辞めるべきだ。年金記録漏れ問題や『政治とカネ』の問題では、泥縄式の対応が多すぎた」と述べ、政府や党執行部の対応を厳しく批判した。
>「条件付き続投。負ければ退陣」の声も。
自民、展望なき続投 容易でない求心力の回復
2007年07月30日08時07分
憲法改正を目標に据えて「戦後レジームからの脱却」を掲げた安倍政権は、初の本格的な国政選挙で与党大敗という厳しい審判を受けた。安倍首相は続投する意向を表明したが、有権者からは事実上の不信任を突きつけられた。内閣支持率の低落傾向も続いており、求心力の回復も容易ではない。首相は内閣改造などの体制立て直しで難局を乗り切る構えだが、参院では法案審議の主導権を民主党に奪われ、政権運営は極めて厳しくなり、「いばらの道」を歩むのは避けられない。
写真厳しい選挙結果にぼうぜんとする安倍首相。右は中川秀直幹事長=29日午後10時26分、自民党本部で
歴史的大敗だったにもかかわらず、自民党内はあっという間に「続投支持」でまとまった。
「内閣の基本路線が否定されたとは思っていない。安倍政権もしっかりした人心一新の体制を築きなさい、と。そういう民意と感じている」
中川秀直幹事長は29日夜、首相の続投を支持したうえで、近く党役員人事・内閣改造を行う見通しを明らかにした。二階俊博国対委員長も続投について「妥当な判断だ。積極的に支持したい」と語った。
政権立て直しをはかる第一歩が人事となる。「状況を変えるには、人事で強い体制を作るしかない」(閣僚経験者)というわけだ。中川幹事長は首相に辞表を提出し、後任には麻生外相や二階氏が有力視されている。29日夕に首相公邸で首相と会談した麻生氏は、記者団に「幹事長就任の要請か」と問われ、「想像の域でしゃべらないで下さい」とけむに巻いた。
もちろん、厳しい情勢が伝えられた当初は、党内では「首相は辞めざるを得ないだろう」(津島派若手)との見方が広がった。あるベテラン議員は「続投は見苦しい。退陣は常識」とまで語った。ところが、首相が続投する意向を示すと声は小さくなった。後任がいないというのが、不満が噴出しない要因だ。党三役の一人は「安倍おろしをやる余裕が今の自民党にはない。党が壊れてしまうかどうかの瀬戸際だ」と語った。
とはいえ、党内の求心力を回復することは容易ではない。国会をどう乗り切るのか、解散せずに政権を運営していけるのか――。首相周辺は今後の厳しさを「進むも地獄、引くも地獄。それなら進む、ということだ」と表現する。
政権に批判的だった勢力も、こぞって続投容認を表明したが、「とりあえず」という含みは残したままだ。谷垣派の谷垣禎一会長は「国民の批判を受け止め、乗り越える体制を作れるかが大事だ。続投されるならされるで具体的にどうやっていくつもりか、少し見てみたい」。
古賀派の古賀誠会長も派閥の事務所で「辞めるだけが責任を取ることと思わない。様々な状況を踏まえて決断したということだから、それも責任の取り方だ」と語りつつも「支えることはしっかり支えるが、我々の意見は意見として言う」とも付け加えた。
何とかまとめていこうと、首相を支える町村派の町村信孝会長は29日夜、津島派の津島雄二会長に電話で協力を要請。津島氏は「挙党態勢でやりましょう」と応じたという。
とはいえ、人事で再び失敗したり、国会運営が行き詰まったりすると、「安倍おろし」が開封される可能性もある。解散・総選挙となれば「参院選で惨敗した安倍さんで戦えるのか」という声が若手を中心に広がることも予想される。党内政局になるか、それを振り切って解散に打って出るか。津島派幹部の笹川尭衆院議員は記者団にこう語った。「条件付き続投だ。落ち着いたら解散して、信を問う。負ければ退陣だ」
2007年07月31日16時25分朝日COM
自民党が参院選で大敗したにもかかわらず、安倍首相が続投を決めたことをめぐり、31日午前の自民党総務会でベテラン議員を中心に首相の責任を問う発言が相次いだ。
野田毅元自治相は「参院選で政権選択を迫ったので、その結果、道は一つしかない。決断した方がいい」と発言。石破茂元防衛庁長官も「総理は『私か、小沢代表の選択だ』と何度も訴えた。これを有権者にどう説明するのか。挙党一致は答えにならない」と首相の退陣を促した。
深谷隆司元通産相は「選挙前の様々な問題で泥縄式の対応を国民はちゃんとみている。赤城さんは(大臣の)資格がない。即刻辞任してもらいたい」と首相の対応を批判しつつ、赤城農水相の辞任を要求した。
一方、惨敗の原因を明確にすべきだとの意見も相次いだ。加藤紘一元幹事長は「『首相続投で挙党一致』はいいが、敗因を分析なしで進めば、自民党はずたずたになる。今回の結末は自民党の基盤の崩壊だ」と述べた。谷垣禎一・前財務相も「なぜ国民から厳しい批判を浴びたのか整理しないといけない」と執行部に求めた。
これを受け、中川秀直幹事長は「(参院選敗北の)総括は8月中に結論を出したい」と述べた。丹羽雄哉総務会長は、総務会での意見を首相官邸にも近く伝える方針だ。
自民総務会で首相退陣論が噴出「政権選択迫ってしまった」
7月31日14時59分配信 読売新聞
自民党は31日午前、党本部で総務会を開き、参院選の結果について協議し、出席者からは続投を決めた安倍首相の退陣を促す意見も出た。
この中で、石破茂・元防衛長官が「首相は『私か(民主党代表の)小沢さんかの選択だ』と訴えた。これを私どもはどう説明するのか。挙党一致はこの答えにならない。次の選挙で振り子現象を期待するのは難しい」と述べた。野田毅・元自治相も、「首相自ら政権選択を迫ってしまったので、道は一つしかない。決断されたほうがよろしいのではないか」と語った。
深谷隆司・元通産相は、「赤城農相は辞めるべきだ。年金記録漏れ問題や『政治とカネ』の問題では、泥縄式の対応が多すぎた」と述べ、政府や党執行部の対応を厳しく批判した。
>「条件付き続投。負ければ退陣」の声も。
自民、展望なき続投 容易でない求心力の回復
2007年07月30日08時07分
憲法改正を目標に据えて「戦後レジームからの脱却」を掲げた安倍政権は、初の本格的な国政選挙で与党大敗という厳しい審判を受けた。安倍首相は続投する意向を表明したが、有権者からは事実上の不信任を突きつけられた。内閣支持率の低落傾向も続いており、求心力の回復も容易ではない。首相は内閣改造などの体制立て直しで難局を乗り切る構えだが、参院では法案審議の主導権を民主党に奪われ、政権運営は極めて厳しくなり、「いばらの道」を歩むのは避けられない。
写真厳しい選挙結果にぼうぜんとする安倍首相。右は中川秀直幹事長=29日午後10時26分、自民党本部で
歴史的大敗だったにもかかわらず、自民党内はあっという間に「続投支持」でまとまった。
「内閣の基本路線が否定されたとは思っていない。安倍政権もしっかりした人心一新の体制を築きなさい、と。そういう民意と感じている」
中川秀直幹事長は29日夜、首相の続投を支持したうえで、近く党役員人事・内閣改造を行う見通しを明らかにした。二階俊博国対委員長も続投について「妥当な判断だ。積極的に支持したい」と語った。
政権立て直しをはかる第一歩が人事となる。「状況を変えるには、人事で強い体制を作るしかない」(閣僚経験者)というわけだ。中川幹事長は首相に辞表を提出し、後任には麻生外相や二階氏が有力視されている。29日夕に首相公邸で首相と会談した麻生氏は、記者団に「幹事長就任の要請か」と問われ、「想像の域でしゃべらないで下さい」とけむに巻いた。
もちろん、厳しい情勢が伝えられた当初は、党内では「首相は辞めざるを得ないだろう」(津島派若手)との見方が広がった。あるベテラン議員は「続投は見苦しい。退陣は常識」とまで語った。ところが、首相が続投する意向を示すと声は小さくなった。後任がいないというのが、不満が噴出しない要因だ。党三役の一人は「安倍おろしをやる余裕が今の自民党にはない。党が壊れてしまうかどうかの瀬戸際だ」と語った。
とはいえ、党内の求心力を回復することは容易ではない。国会をどう乗り切るのか、解散せずに政権を運営していけるのか――。首相周辺は今後の厳しさを「進むも地獄、引くも地獄。それなら進む、ということだ」と表現する。
政権に批判的だった勢力も、こぞって続投容認を表明したが、「とりあえず」という含みは残したままだ。谷垣派の谷垣禎一会長は「国民の批判を受け止め、乗り越える体制を作れるかが大事だ。続投されるならされるで具体的にどうやっていくつもりか、少し見てみたい」。
古賀派の古賀誠会長も派閥の事務所で「辞めるだけが責任を取ることと思わない。様々な状況を踏まえて決断したということだから、それも責任の取り方だ」と語りつつも「支えることはしっかり支えるが、我々の意見は意見として言う」とも付け加えた。
何とかまとめていこうと、首相を支える町村派の町村信孝会長は29日夜、津島派の津島雄二会長に電話で協力を要請。津島氏は「挙党態勢でやりましょう」と応じたという。
とはいえ、人事で再び失敗したり、国会運営が行き詰まったりすると、「安倍おろし」が開封される可能性もある。解散・総選挙となれば「参院選で惨敗した安倍さんで戦えるのか」という声が若手を中心に広がることも予想される。党内政局になるか、それを振り切って解散に打って出るか。津島派幹部の笹川尭衆院議員は記者団にこう語った。「条件付き続投だ。落ち着いたら解散して、信を問う。負ければ退陣だ」