尺骨と 橈骨（「しゃっこつ」と「とうこつ」）

　Ｇ整形外科医に行ってきた。左手の手首くるぶし付近の内部に痛みを感じるようになって約一ヶ月。最初は手首をひねる時に違和感を感じた程度だったのが、最近では車のハンドルを回すのも難儀となり、先日の日曜出勤では、片付け物を移動しただけで激痛が走りまったく使い物にならなかった。

　まずはレントゲン撮影。診察室で写真を見せてもらったが、骨自体にはまったく異常はないとのこと。問診で聞かれたのは「何かに左手をぶつけませんでしたか？」「利き腕はどちらですか？」「よく左手を使いますか？」だった。ぶつけた覚えはなく、利き腕は右で、日常生活でも左手はあまり使ってない旨を伝える。次に、医師は左手をつかんで、くるぶしを押したり、手首を左右に回したり上下に反らせたりしながら「どこか痛いですか？」と聞いてきたが、何の痛みも感じなかった。外部からの接触では、異常はないようだ。

　今度は私の方から、どんなときに痛みを感じるのか説明した。書棚から本を取り出したり、床に置いてある物を垂直に引き上げる際は問題ないが、先ほどの車のハンドル操作やオーディオのつまみを回したり、リュックザックを取って背負うときなどに痛みを感じることを伝えた。

　Ｇ医師の見立てはこうだ。
「ＺＥＲＯさんの痛みは普通ですと手首を使いすぎたいわゆる“腱鞘炎”に近いものですが、左手を酷使するようなお仕事にはつかれていないご様子ですので、これは、ご自身では気がつかないうちに左手に強い衝撃が加わった可能性が高いと思うんですよ。左手の手のひらに垂直にかなりの加重、例えば転びそうになってとっさに左手で全身を支えなければならなかったとか。そういう衝撃を受けると、上腕を支えて平行に並ぶ二本の骨、専門的にいうと尺骨（しゃっこつ）と橈骨（とうこつ）というんですが、その骨が手首付近でつぼまるように接しているんですが、何らかの強い衝撃が加わると離れてすき間もしくはズレができてしまうことがあるんですね。そうするとＺＥＲＯさんのおっしゃるように外部から押したりしても痛くはないのに、ひねりを伴う動作をおこなうと痛みを生じるということが起きるんですね。」
（１）普通の状態

（２）すき間が生じた状態


　ふむう。なるほど、自分で気がつかないうちにか。
この上腕の２本の骨（尺骨と橈骨）は、手首のみならず、指先の細かい動作までコントロールするという重要な役割を果たすことも教えてもらった。このことは診察後すぐにわかった。冒頭の写真は手首を固定するためのリストバンドだが、これを装着すると手首を上下に動かすことは可能だが、ひねったりとか回転を伴う動作はできなくなる。つまみは回せないし、耳掻き棒も使えない。昔、ＴＶで観た「サンダーバード」に登場する人形達の動きみたくなってしまう。

　治療法はとにかく、手首を「使わないこと」だそうだ。

＞どうもこの記事は「あのお方」あたりから思わぬ突込みが来る気配が濃厚で、やな予感がする！

それと、ここ２日間、コメント返しが遅れたのもこの治療の影響です。あしからず。