気ままな歳時記

 気ままに日々の出来事を写真で綴っていきたいと思います。

伊集院静さんの『受け月』

2008年02月18日 22時07分01秒 | 宮城県に馴染みの深い人々
 宮城県に馴染みの深い人々の作家第2弾は,伊集院静さんを取り上げます。

 伊集院静さんは,1度目の離婚の後にあの夏目雅子さん結婚し,彼女が白血病で亡くなった後,1992年に仙台出身の篠ひろ子さんと再々婚し,2008年現在,仙台市泉区の住宅団地に住んでいるようです。

 女優の西山繭子は実の娘さんで、ファッションコーディネーターの西山栄子は実姉,かつて読売ジャイアンツに在籍した高橋明投手は元義兄であり,華麗なる一族といった感じですね。

 その他に,1980年の松原みき,松任谷由実,松田聖子,薬師丸ひろ子などのコンサートツアーを手がけるかたわら,1981年、『皐月』で作家デビューし,代表作には『機関車先生』や『海峡』などがあります。

 伊達歩(だてあゆみ)の名で近藤真彦に提供した『愚か者』,『ギンギラギンにさりげなく』などのヒット曲を手がけた作詞家としても活躍していました。

 1992年7月15日、『受け月』で直木賞を受賞し,1993年、『乳房』が映画化、1997年、『機関車先生』がアニメ映画化し声優としても参加し,更に2004年には実写映画化されました。

 直木賞を受賞した『受け月』を初めとする,野球小説の短編集は,主にアマチュアの野球選手を描いているものが多く,一つ一つが心に残る物語で,何遍も読み返してしまう,とても印象的なもので,伊集院さん本人が,高校と大学で野球をやっていたことがその下敷きにあるようです。

 驚いたことに,長嶋監督も伊集院さんのファンのようで,この小説を見て感動したと言っています。
 この小説の主人公達は伊集院さんの分身であり,この主人公を描くことで,彼の人生観や野球観を私達に伝えようとしており,その魂の叫びが読む私達の何かを訴えかけてきます。

 この文庫本2冊で紹介されている野球小説の15編は,一つ一つ心の襞に残るもので,島本理性さんが解説で言っている言葉がとても印象的です。
 『伊集院さんの小説は最後の一ペ-ジまで面白く読み進めるだけでなく,一つ一つの物語の余韻が日々の中にほのかな花の香りのように紛れ込んで,良い小説を読んだという暖かな喜びが沸き上がってきます。』・・・と。

 あなたも一度,伊集院静さんの野球小説を読んでみてはいかが。

 『受け月』と『坂の上のμ(ミュー)』 


 受け月に願うと,願いが溢れないと言いますが