ここんところ朝方などはめっきり寒くなり、温かいお茶がおいしい季節になってきた・・。
普段使いのお茶といえば番茶ですが、地域によって思い浮かべる色が違うという。
番茶の色は、緑か茶色か? そもそも番茶とは何なのか? 番茶を巡る謎を迫ってみた。
「これがうちで出している京番茶です」。東京・表参道にある日本茶カフェ「茶茶の間」。
店主の“和多田喜さん”が運んできた番茶は、香ばしくすっきりとした味わいの、茶色の
お茶だったそうです。
京都で「お番茶」と呼ばれる京番茶は、煎茶のように茶葉をもまず、葉の形を残したまま
焙煎する。 店によってはかなりスモーキーなものもある。 お茶の色はどこも茶色だ。
一方、東京の赤羽で創業80年を超える茶葉販売店、思月園。 店主の“高宇さん”が煎れ
てくれる番茶は淡い黄緑色なんだそうだ。
京都と東京。 普段使いの「番茶」でなぜ色が違うのでしょうか? 先の高宇さんによると、
摘んだ葉を天日に長くさらすとは葉緑素が壊れ、茶色になるんだそうです。
かつては各地で茶の木が自家消費用に栽培されていた。 これを摘んで天日干しすることが
多く、番茶は茶色が基本となったそうです。 ほうじ茶のように高温で焙煎しても茶色に
なるという。 京番茶はこのパターンだそうです。
では東京の番茶はなぜ緑なのか? 高宇さんによると、東京の番茶は緑の煎茶だという。
煎茶のなかでも、硬くなった葉を使い、色は薄めになる。 静岡でも同じだそうです。
お茶の歴史に詳しい高宇さんは「明治以降の煎茶の輸出戦略が背景にある」と解説している。
明治時代、緑茶は生糸に次いで2番目に多い輸出産品だたそうだ。「輸出が奨励され、品質
を満たさない茶葉が下級品として国内消費に向けられた。それが番茶になった」ようだと
高宇さんは推測しているそうです。
もともと日常のお茶は茶色だったが、明治以降、煎茶の生産が盛んになり、下級煎茶が番茶
として広まった。 それでも地域によっては茶色い番茶が残った、というわけだという。
茶色が緑ではなくブラウンを指すのも、庶民のお茶がブラウンだったからとの説がある?
ところで、番茶の「番」は何を意味するのだろう。 伊藤園に聞くと「番外茶では」との
答えが返ってきた。 同社は番茶を次のように定義しているそうです。
①若芽を摘んだ後に出た芽を摘んだもの ②一、二番茶を摘んだ後、枝葉が伸びたのを秋
に摘んだもの ③仕上げ加工中に出てきた大きい葉を製品化したもの ④北海道などほ
うじ茶を指す地域も・・・。
実際、北海道では番茶と言えばほうじ茶だそうだ。 伊藤園によると、2016年のお茶
販売に占める割合は、関東が緑茶74%、玄米茶15%、ほうじ茶11%。 これに対
して北海道はほうじ茶が31%と際立って多い。 近畿や中四国地方は玄米茶が好きで
それぞれ26%、31%。 一方、九州ではほうじ茶が2%しか飲まれていないそうだ。
遅くに摘んだ茶、ということで「晩」から転じたとの説もあるんだそうです。 茶茶の間
の和多田さんは「おばんざいのばん、つまりは日常のお茶」とみているそうです。
地域の食文化に合わせて、今も各地に個性的な番茶が残っているそうだ。
例えば岡山県の美作番茶。 夏に摘んだ硬めの茶葉を、蒸し煮にして天日で干す。 乾燥
したらまた煮汁をかけて再び干す。小林芳香園によると「300年以上前から続く製法」
だという。 色は濃いめの茶色で、ほんのり酸味がある味わいだという。
高知県の碁石茶は乳酸菌発酵させ、酸味がある茶色の番茶。 徳島県の阿波番茶は桶に漬
け発酵させ、黄金色ですっきりした酸味がある。 和多田さんは「地域の歴史や文化に触
れる飲み物として番茶を楽しんでほしいもの」と話しています。
10月1日と31日はともに「日本茶の日」だったそうだ? (勉強不足で知りませんでした)
1日は豊臣秀吉が北野天満宮で茶会を開いた日、31日は栄西が日本茶の飲み方を中国から
持ち帰った日、とされているそうです。
急に寒くなった昨今、紅葉を眺めながら番茶を飲み比べるのはいかがでしょうか!
普段使いのお茶といえば番茶ですが、地域によって思い浮かべる色が違うという。
番茶の色は、緑か茶色か? そもそも番茶とは何なのか? 番茶を巡る謎を迫ってみた。
「これがうちで出している京番茶です」。東京・表参道にある日本茶カフェ「茶茶の間」。
店主の“和多田喜さん”が運んできた番茶は、香ばしくすっきりとした味わいの、茶色の
お茶だったそうです。
京都で「お番茶」と呼ばれる京番茶は、煎茶のように茶葉をもまず、葉の形を残したまま
焙煎する。 店によってはかなりスモーキーなものもある。 お茶の色はどこも茶色だ。
一方、東京の赤羽で創業80年を超える茶葉販売店、思月園。 店主の“高宇さん”が煎れ
てくれる番茶は淡い黄緑色なんだそうだ。
京都と東京。 普段使いの「番茶」でなぜ色が違うのでしょうか? 先の高宇さんによると、
摘んだ葉を天日に長くさらすとは葉緑素が壊れ、茶色になるんだそうです。
かつては各地で茶の木が自家消費用に栽培されていた。 これを摘んで天日干しすることが
多く、番茶は茶色が基本となったそうです。 ほうじ茶のように高温で焙煎しても茶色に
なるという。 京番茶はこのパターンだそうです。
では東京の番茶はなぜ緑なのか? 高宇さんによると、東京の番茶は緑の煎茶だという。
煎茶のなかでも、硬くなった葉を使い、色は薄めになる。 静岡でも同じだそうです。
お茶の歴史に詳しい高宇さんは「明治以降の煎茶の輸出戦略が背景にある」と解説している。
明治時代、緑茶は生糸に次いで2番目に多い輸出産品だたそうだ。「輸出が奨励され、品質
を満たさない茶葉が下級品として国内消費に向けられた。それが番茶になった」ようだと
高宇さんは推測しているそうです。
もともと日常のお茶は茶色だったが、明治以降、煎茶の生産が盛んになり、下級煎茶が番茶
として広まった。 それでも地域によっては茶色い番茶が残った、というわけだという。
茶色が緑ではなくブラウンを指すのも、庶民のお茶がブラウンだったからとの説がある?
ところで、番茶の「番」は何を意味するのだろう。 伊藤園に聞くと「番外茶では」との
答えが返ってきた。 同社は番茶を次のように定義しているそうです。
①若芽を摘んだ後に出た芽を摘んだもの ②一、二番茶を摘んだ後、枝葉が伸びたのを秋
に摘んだもの ③仕上げ加工中に出てきた大きい葉を製品化したもの ④北海道などほ
うじ茶を指す地域も・・・。
実際、北海道では番茶と言えばほうじ茶だそうだ。 伊藤園によると、2016年のお茶
販売に占める割合は、関東が緑茶74%、玄米茶15%、ほうじ茶11%。 これに対
して北海道はほうじ茶が31%と際立って多い。 近畿や中四国地方は玄米茶が好きで
それぞれ26%、31%。 一方、九州ではほうじ茶が2%しか飲まれていないそうだ。
遅くに摘んだ茶、ということで「晩」から転じたとの説もあるんだそうです。 茶茶の間
の和多田さんは「おばんざいのばん、つまりは日常のお茶」とみているそうです。
地域の食文化に合わせて、今も各地に個性的な番茶が残っているそうだ。
例えば岡山県の美作番茶。 夏に摘んだ硬めの茶葉を、蒸し煮にして天日で干す。 乾燥
したらまた煮汁をかけて再び干す。小林芳香園によると「300年以上前から続く製法」
だという。 色は濃いめの茶色で、ほんのり酸味がある味わいだという。
高知県の碁石茶は乳酸菌発酵させ、酸味がある茶色の番茶。 徳島県の阿波番茶は桶に漬
け発酵させ、黄金色ですっきりした酸味がある。 和多田さんは「地域の歴史や文化に触
れる飲み物として番茶を楽しんでほしいもの」と話しています。
10月1日と31日はともに「日本茶の日」だったそうだ? (勉強不足で知りませんでした)
1日は豊臣秀吉が北野天満宮で茶会を開いた日、31日は栄西が日本茶の飲み方を中国から
持ち帰った日、とされているそうです。
急に寒くなった昨今、紅葉を眺めながら番茶を飲み比べるのはいかがでしょうか!