Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

鍛えた耳に勝る測定器はない

2012年12月22日 | ピュアオーディオ

私は電子部品の会社でTR、R、Cの製造現場で直接モノ作りに当たった工程長や技術者でした。受け持った工程もMOLD、ハンダ付け、タイバーカット、ポストキュア、測定工程、QC、QA、生産技術等、25年間で色々な経験を積みました。

QAではJIS規格に則って「製品の信頼性試験」をしますし、測定工程では測定不良の低減の為に、その測定方法の中身をチャートにして不具合点を洗い出し、測定項目・測定順やその測定時間(mSEC)の標準化等もやって来ました。

測定の良い点と悪い点を自分なりに掴んでいると思っています。例えばテスターのリード線一つをとっても、「線抵抗値」に関心を持たれている電気技術者は意外と少ない。ましてやプローブの当たり角度やその反復性(毎回同じように当たっているが同じではない)に関心を持っている方は非常に少ない。

学校で電気を学んだ方は「テスター」について妄信的に信用している傾向が強い。QAではその測定器が「正しい測定値」を出しているのか「原器」と比較して信頼性を維持することをしているが、それを維持し続けることは非常に難しい。測定器は温度や湿度で常に変化している。常温(20℃)を維持するのも難しいから当然測定値も変化している。同じ個体を測定しても、毎日値が変わる。

オーディオでの測定項目も、周波数特性・音圧・SN比等は測定できても、それらを合わせた「音質」を測定する機器がないと感じている。音質の確認は「人間の耳」だけが頼りだと思っています。オーディオ機器の最終確認を「耳」で行えばそれで済むという訳でもありません。その検査者がどれだけの「鍛えた耳」を持っているかです。あとはその判断基準です。