The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1997 バタール・モンラッシェ エチエンヌ・ソゼ

2016-05-14 05:17:53 | ワイン
このクラスのグラン・クリュを飲むことにおいて、今回の場所設定は正しく賞賛に値し、むしろここで皆さんに、その時の窓の外の景色の荘厳さを、お披露目できずにいることがもどかしいくらいだ。


ご存知かとは思うけど、その昔ソゼの娘がジャン・マルク・ボワイヨに嫁いだわけだが、その時にソゼの葡萄畑は1/3に減ったけど、バタールとビアンブニュだけは残したとのことだ。
だから91年からエティケットからドメーヌは消えても、このバタールは自社で元詰めということなのだ。
しかも、ここの区画はピュリニのみに限定され、聞けば小道を挟んでモンラッシェの斜面下に位置するとのことで、加えてジェラール・ブードの手によることを鑑みれば、どんだけ?のワインであるかは、容易に想像できるというものだ。





飲んでみての感想を細かい表現は無しにして、まずは端的に言えば、ブードの見事な手綱さばきに感心する。
それは牧場を移動する羊の群れを一匹も逃さずコントロールする牧場犬のようにも見れる。
そしてそのワインの美しさは洞窟の奥底で見つけた輪郭美しい水晶のようでもある。
自然の力によって造られたそのバランス、そしてその鋭敏さ、そして見る者の目を奪う美しさはパーフェクトと言っても過言ではない。

確かにバタールなのだろうけれど、モンラッシェと言われれば、モンラッシェ気分で飲める気配漂う、そんなワインなのだ・・・

日々あれだこれだと飲むけれど、そのトキドキの非日常を味わえるのもワインなのだ。
世のワイン・ヒートに言おう、余計な勉強などするな!今その時のワインを体感しろ!と・・・
ワインヒートのこの感覚は、あなただけのものなのだ。

とある秘密会終わりました!

2016-05-13 21:57:38 | ワイン
と書けば、何のことやら?となるけれど、何のことはない、懐かしのセピアの小ワイン会ということだ。
FBにも、これだけ長くワインと付き合っていれば、こんなことも間々ありうることだ!と書いたけど、それにしてもその日の出展ワインの見事さと言ったら、半端じゃなかったのだ。
事前の打ち合わせもほどほどに、開けてびっくり玉手箱!
並んだワインはこのようなことに相成ったというわけ・・・

NV アヴィゾワーズ シャンパーニュ グランクリュ アグラパール・エ・フィス 


1997 バタール・モンラッシェ エチエンヌ・ソゼ




2006 ボンヌ・マール ドメーヌ・デュジャック


2004 コート・ロティ ラ・ムーリンヌ ギガル


1997 ロマネ・サン・ヴィヴァン カトゥル・ジュルノー ルイ・ラトゥール




いつものように、詳しくは後ほど・・・
保守本流のワインの流れに身を任せる日もあってもイイのだろうと思う。
日常は日常、非日常は気持ち的にもゴージャスに、その日はそんな日であったのだ・・・

主催者には、タダタダありがとう!と言うしかない。
ではでは・・・

2014 甲斐ブラン 洗馬 K-4 ヴォータノ・ワイン 塩尻市 長野県

2016-05-11 05:41:27 | ワイン
実はゴールデンウィークの谷間の30日に桔梗が原に行ってきた。
東京の娘視察のついでのアポなし突撃訪問だったので、もちろん幾つかののワイナリーは醸造人とは会うことが叶わなく、当然のことだが、一人で切り盛りしているヴォータノさんもその通りだったのだ。
で、とりあえずワイナリーの入り口の坂の前までは行ってみたのだが、人影は無く、そこが最後だったので、そのまま駅に向かったというわけだ。



洗馬は関西方面へ抜ける街道沿いの奥になるけれど、桔梗が原とはまた一つ違う土壌で、総体的に強いミネラルと濃厚な味わいのワインになる。
そして甲斐ブランは甲州とピノ・ブランの交配種とのことなので、その味わいは想像するに余りあるというわけだ。
すなわち、濃密な白ワインに違いない・・・
で、そんなこともあって、表題のワインを堪らず開けたというわけだ。





期待通りのこの色合い、ノンフィルトレだけに、僅かに濁るも、その色合いは鼈甲メガネのフレームのようだ。
そしてその香りだけれど、注がれてイキナリの先制攻撃♪
がツンとスパイシーにマッセで迫り、ネーブルオレンジに黄桃のニュアンスでネットリのコンクジュースの如し。
一口飲んでみれば、濃密極まりなく、甲州よりはピノブランのDNAを引き継いでいる。
マッタリと甘く、下にエキスが絡みつき、その余韻は絶えることの無い様に思われる。
言い過ぎを覚悟して書いてしまうけど、誰かのモンラッシェを連想してしまうのだ。

こんなワインが日本の桔梗が原にあったのか?(驚)というのが、正直な感想だ!
メルロを探して、旅に出て、家に帰って、食事に合わせて、このワインを開けたけど、新たな発見だった。

もちろん、このワインも一人一本の割り当てだけれど、また来年の便りを楽しみにすることしかない。
やはりニッポンワインのオートクチュールからは目を離せない!ということだ!

2015 ペティアン・ナチュレル フードル・ディスカンペット VdF ドメーヌ・ドゥ・ロクタヴァン

2016-05-08 23:35:21 | ワイン
フランスのジュラはアルボワの自然派によるペティアンなそうだが、これが実に旨かった!
シャルドネが主だった品種なことは分かるけれど、あとは不明・・・
ロクタヴァンはシャルル・ダガンとアリス・ブヴォの若い男女2人の醸造家が運営しているとのことだけれど、ワタクシ的には好きなタイプのナチュレなのだ。
それはタッチの柔らかさと、風味のピュアなスタイルなのがその理由だ。







このペティアンも亜硫酸無添加でもちろんノン・フィルトレ♪

飲んでみて思うのは、あわ立ちの細かさ、綺麗さと、風味に漂うレモンとリンゴの摩り下ろしと白い花の香りなのだ。
少し注文をつけるとすれば、もう少し価格帯が下がってくれれば申し分無しと言えるだろう。

とは言っても、このワインも探さなければ手に入れることの出来ないワインの一つなのだ。
人気ナチュールの希少性も困ったことではある。

2002 ラ・リコルマ トスカーナ IGT サン・ジュスト・ア・レンテンナーノ

2016-05-05 16:36:31 | ワイン
このワインはかつては万札一枚では、とうてい買うことが出来なかったワインだったのだ。
そして数あるトスカーナ産メルロの中でも、敢えて世評に従えば、まずは最高峰と言っても過言ではない。
その中でも2002年は少しずつ適正値段になりつつあるヴィンテージで、一方味わい的にはかのボルドーですら太刀打ちできない凝縮感を誇っている。
ありがたいことに、このワインを珈琲店主さんがパパジイの会に持ち込んできてくれた。



キャンティ・クラシコ地区のメルロ100%で10数年の熟成期間でどうよ?となるわけだが、実際飲んでみて、熟成の高原部まではまるで到達していない。
メルロ単一ということも根っこにはあるのだろうけれど、味わいは未だにくぐもっていて、飲み口は粉っぽい感じすら覚えるのだ。

それでも、30分ほどグラスで遊んでいると、ゴージャスな果実味と甘いタンニンに滑らかさが付与されて来る。
そうすると香り的にも、複雑な土地の香りと、焙煎、ガトー、キザミタバコなどが鏤められ、それがブラックチェリーやラズベリーの完熟果実などと相まって、それはある意味ボルドーを凌ぐダイナミズムを見せ付けるようになるのだ。

このワインは2haの僅か10樽、3000本の希少ワインであり、端正込めて造られることは言うまでも無い。
見事な造りと希少性、それにイタリアにおける評価もあって、価格も目が飛び出るものだったのだが、現在はペルカルロと同価格に落ち着いている。
されば10年待てる忍耐と体力がもし貴方にあるのなら、一つ買い置くのも肝要なのだろう。

さてどうだろうか・・・?