The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2013 ナナツモリ ブラン・ド・ノワール タカヒコ・ソガ

2016-02-14 09:58:12 | ワイン
言い回しによって、同じ意味でも、その印象は随分変る。
たとえば灰色カビ病菌とボトリチス・シネレア・・・
灰色カビ病と言ってしまえば、それによって出来うる貴腐のあの濃密な甘露たるべきワインの素晴らしさが一瞬のうちに消え去ってしまうのだ。

この『ナナツモリ ブラン・ド・ノワール』は理想的なボトリチス(貴腐)に感染したナナツモリのピノ・ノワールだけで造られたナチュラルな辛口スティル・ワインである。



タカヒコ氏曰く『できうれば、全てピノ・ノワールとして造りたかった』
なるほど、造り手さんからすれば、それはそうかもしれない、しかしながらこのワインは、スゴイ!このワインは見事なのだ!

蜂蜜、シナモン、紅茶や腐葉土などの貴腐香を存分に楽しめ、待てばオレンジピール、鼈甲アメのニュアンスまで感ぜられるわけだ・・・
その味わいは、トロリと濃縮されたフルーツソースのごとし!
そしてナチュラルなワインで見受けられる還元香やマメ香は一切ない。

わずか2600本の宝石のようなワイン・・・
月光氏が放った言葉が印象的だった『もしこの状態で発泡してたら、その辺のナチュラル系のシャンパーニュの上を行くだろう!』
そしてこうも言った『10000円以上は払ってもイイですよ』と・・・
このワインはそれで3本は買えるのだ!

ニッポンワインの面白い展開が、また見えてきた!

『盛岡 ワイン・サンプリング・クラブ』白ワインの流れ

2016-02-11 15:04:35 | ワイン
まずは先日リリースになった『14’祝 ドメーヌ・オヤマダ』をウェルカムに登場させ、皆で乾杯をした!
このワインはデラウエアを中心にプティマンサンと甲州を添加させたスパークリングワインで、薫り高くフレッシュな果実の、バランスの良い泡と言えるだろう。
インパクトは少なめだけれど、実に安定しており、スルスルッと飲めてしまう。



そしてここから白3種が続くのだが、今回は日本では珍しめの品種を並べてみた。
まずは『2014 アルバリーニョ カーブ・ドッチ』



続いて『2012 プティ・マンサン ココファーム・ワイナリー』



そして『2012 イノチェンテ アズッカ・エ・アズッコ』となるのだが、このイノチェンテはマルヴァジア、トレッビアーノ、にシャルドネが添加されている。



今回私も含めて11名の参加者だったのだが、好みのワインは?と言う質問には、アルヴァリーニョ5名、プティ・マンサン2名、イノチェンテ4名という結果となった。

それはそれとして、いずれも素晴らしい出来映えのワインだったことはまず断っておこう。
で、参加11名のうち6名が醸造人で1名が学識経験者だったわけだが、アルバリーニョを押した人は全てこのグループの人たちだった。
このアルバリーニョは美しくも流麗な酸味を持っていて、果実は繊細でスタイリッシュだった。
そこへもってきて、ミネラリーに引き締まったアロマに始まり、青リンゴ、パインに甘い香りが立ち上がるのだ。

醸造人の方々はこの手のエレガンス溢れる香り系白を目指しているということなのだろう!

一方、イノチェンテは日本では非常に珍しいイタリア系品種で、とくにもトレッビアーノのニュアンスが投影されているのには驚かされた。
しかもヴォリュームはこれが一番で、果実にも複雑性を見て取れる。
色合いも濃く、アロマも黄桃を思わせる濃密さも楽しめたのだ!

ワインだけ飲むのなら、このイノチェンテを選ぶ、和食が並んだ時にはアルヴァリーニョということになるのだろうか?

そしてプティ・マンサンは他の2種に見劣りすることは決してない。
むしろ蜂蜜系のニュアンスと、独特の南国系の果実香が魅力的で、もしネットで見つけたら瞬時にクリックする代物だ。

ということで、前段の白4品を飲み終わったところで、次なるワインは白ブラインドということになる。
まずはここまでで、次の機会に・・・

『盛岡 ワイン・サンプリング・クラブ』の流れです!

2016-02-09 22:26:49 | ワイン
第6回目を迎えたこの会も、いつものようにニッポンワインを並べて、その中に幾つかの海外物を挟むという手法でゆくつもりだったのですが、ナゼか途中でそのルーティンを変えてしまったのです。
というのも、ここにきて、ひょっとしたらニッポンワインだけでもイケルのではないか?という、ある種の確信めいたもの、ニッポンワインはもうソコまで来ている!という心根がそうさせたんですね♪

で、結果全12銘柄、最初から最後までニッポンワインで通したわけです。↓(アルザス2本は番外編)




今回の流れに合わせたお料理はこの5品。↓



で、これはイケテルどころか、なんともかんとも相当面白く飲めました。

いつものように、個別のコメントは後ほどユックリと・・・
結構長くなりますが、ユルリとお付き合いくださいまし(笑)

今宵はまずはここまで、それでは・・・

『オテル・ド・ヤマダ』にて、久しぶりのワイン会開催です。

2016-02-07 06:17:17 | ワイン
立春も過ぎて、そちこちに春の気配を感じつつも、まだまだ寒い日が続く今日この頃です。
前々から『盛岡ワイン・サンプリング・クラブ』の開催するタイミングを検討していたのですが、本日集合可能ということで、めでたく開催の運びとなりました。

もちろん、並ぶワインはニッポンワインです。
で、テーマは『日本におけるメルロ』としております。

この会を始めた5年ほど前には、こんなことを言っては失礼かもしれませんが、ニッポンワインだけでワイン会のリストを構築させることは、大変難しいことだったのですが、今はネタが多すぎて、逆に選ぶのが難しい情況で、嬉しい悲鳴を上げている、というのが偽らざる心境です。

で、このような多種多彩、さまざまな地域のワインが集まり、こんなワインリストが出来ました↓







今回も参加登録メンバーはニッポンワイン関係者となっておりますが、さてオテルでのワイン放談はどうなることやら!
怖いけれども、大いに楽しみなんですね・・・

いつものように、季節のお料理と一緒に、尽きないニッポンワイン魂を炸裂させましょうぞ!
つたない感想にはなりますが、あとでご報告いたします。

では・・・

2009 アルザス ピノ・ノワール フローネンベルグ ユベール・エ・エイディ オシェール

2016-02-04 17:54:45 | ワイン
このワインはアルザスのナチュール系のピノ・ノワールの中でも、一番濃厚極まりないスタイルのワインと言ってもイイのだろう。
何も足さない、何も引かない堂々たるヴァン・ナチュールなのだが、アルコール度数14.5%の迫力!
色合いはエッジまで濃厚なヴァイオレットで、僅かに濁りを見せる。



トップにはミネラリーな締まりをを感じるが、アロマはイチゴの果実から、待てばジャムっぽさをも楽しめる。
そしてステアーすることにより、下草や苔桃を感じつつ、僅かではあるけれど爽やかなミントの香りも見つけられるのだ。

こんなピノ・ノワールを飲んでみると、ジャンシス・ロビンソンが言った『ビオディナミはワインを厳しくする!』というコメントも肯ける。
しかしながら、同じビオディナミでも、その対極にあるようなワインもあるということも忘れてはいけないのだ。

この勇壮で厳しくそそり立つモノリスのようなアルザスには驚かされた。
加えて、このワインのエティケットは中味に相反するポップな代物つうのも面白い!





一度お試しあれ↓