The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

美味、ペサック・レオニャン!!

2006-07-17 00:18:16 | ワイン
若いボルドーを飲むのに、ある種の抵抗感を感じる事ありますよね!
特に本格的なメドックなどは、一旦熟成の極みに達している物を経験すると、
その高原部まで程遠い物を飲む羽目になる時に、よくそれを感じます。

でも、カタログ的に小さなグラスで飲み込んで行くワイン会では、そんな事はままありうるわけでして、それを何回も続けないのが所謂『ワイン大人』なのでしょう。
その飲んだ切り口を座標軸に、そのボルドーはそれくらいで飲めば美味しいだろう!
と考えながら、たまには特別な日に、大ぶりのグラスで、ゆっくりと頂く、
そんな至福の時間の為のヒントを享受してくれる事が、ワイン会の特典でもあるはずです。

な~~ンちゃって、たまには小難しい事を語ってしまいました。

さて今回の週末レストランに、ペサック・レオニャンの二種を出しました。
一つは99’ラトゥール・マルティヤック!!この会にしては珍しく若めのボルドーでありました。
しかしながら、これがペサック・レオニャンは若くてOK!!なんですね!
グラスに注ぎたては、確かにインキーな閉じを見せ、微かなピーマン香の後にブラックカラントの練れたアロマが立ち昇ります。
ヴィノム・ボルドーで3〇分程の待ちで、あでやかにメタモルフォーゼしてきます。
甘く、コクのある、程よい骨組の、ミディアムな酒質は満足できうる物になりました。
ここがメドックのそれと明らかに違う所・・・

一方、難しい88’のヴィンテージに、パプ・クレマンは最高のワインを造りあげた様であります。
これは、ペサック・レオニャンのビッグ2もビックリの大成功!
トップの強いミネラルと濃厚なカラントの風味に続き、
明確なピーマン香と微かなビターチョコのブケが心地よし!!
奥行きのある、雄大なスケールのフルーツは、このシャトーでは極めて珍しい物・・・
練れたラ・ミッションの十八番のシガーやアイラの香気は見つけれないものの、
十分に熟した甘いフルーツを楽しめます!

若くても、強くても、中堅のペッサク・レオニャンは狙い目です!

ボーヌの感触

2006-07-16 13:56:12 | ワイン
ついに、心配していた事が起こってしまった様です。
昨日の大相撲でのこと・・・

あの観衆の面前でロシア出身の力士R鵬が、押し出した千YT海に対して、目ん玉ひん剥いて罵倒をしてしまったようです。(千YT海も陰でとんでもない事、言ったらしいのですが・・・?)
ダメじゃん、そんな事したら~~

本人の弁では『かっとなって、何が何だかわからなくなった!自分を押さえる事が出来なかった』とのこと・・・
風呂場や仕度部屋でも大暴れしたそうですが・・・
どうなのでしょう?
大相撲の国際化もイイのですが、力士の品位はどこからくるのか?
何から醸し出されるのか?考えて欲しい・・・
何であれだけ時間をかけて、塩まきするのか?分かってるのかな~~?

朝SRの懸賞金の受け取り方一つをとっても、親方もっとしっかりせい!!
とわたしは言いたいですね~~!!大相撲のファンのひとりとして・・・

そう言えば、ワインも品位が大事!
第9回の週末レストランの中盤のピノ2銘柄、
ダンジェルヴィーユのヴォルネイ・シャンパンとフェブレイのコルトン!おいしゅうございました。
フェブレイは96’の凝縮性が優り、いまだにクローズの状態、
コルトンの土っぽいニュアンスや、スパイシーな香気は未だ見えません。
タニックで一本銚子のフルーツは、果てしない将来性に安堵するものの、全てを見せて欲しいと「I Cant Get No Satisfaction」状態は、わたくしだけではないでしょう。

一方、ダンジェルヴィーユの優雅さと言ったら、優良ボーヌの見本のような立ち居姿!
前から見ても美人、後ろも飛び付きたくなるぐらいの艶やかさ・・・
しなやかで甘い生体親和性、しっかり目の詰まった充実のフルーツ!
フィネスと言うワインの美意識の総どりの凄み!!
わたくし好きです、こうゆうピノって!

久しぶりの美味しいボーヌの感触でした♪

噂の黒塗りの寿司店

2006-07-14 00:29:54 | ライフ
ヌッフ行脚はもちろん、一本では終わりませんよ!
もういっちょうの掛け声よろしく、イトウゾ店長少し間を置いて登場・・・

ひょっとしたら、一本で帰るとふんだ節がある?
やっぱり、温度低め、
へへ~~??

でも不思議なアローマが、わんさか溢れ出ております。
酸味と果実のバランスで、絶対ピノ吉つぁん間違いなし!
甘いジャミーな芳香には、レッドフルーツと陳皮(オレンジの皮)の風味、
たっぷりのミネラルに、オリエンタルな香気が渦を巻いている・・・

いずれ、物凄いピノ・ノワールでしょう!!
でも、どこかで・・・遠い記憶が・・・
確か、ヤラ・イェーリングのピノ・ノワール??

でも、クスダ系のアタランギ?を出したのか?
お祭り好きのイトウゾ神父だ!それ~~~!!アタランギか??

結果はアタラン疑でした・・・
なんと、ヤラの近くオーストラリアのピノ・ノワールでありました。
結果、当たらずとも遠からずでしょうか?

最後に迷った自分に対し、憤懣やる方なく、ぶらぶらと本町へ・・・
『Yしの』以来、何度か御招待頂いていたのですが、
不義理をしておりました。
最近話題の黒塗りの「寿司とお酒のお店」・・・
『F原』を覗いてみました。

ワインダイニング『ヴァンダンジュ』もビックリの間接照明!
長い廊下の奥に広がる、秘密のカウンター、
窓の外には風にそよぐ小庭が気持ちを涼ませます。

や~、久しぶりの一言で始まる純米、吟醸の数々・・・
おつまみ、にぎりを軽く頂き、まずは顔見世興行でした。

相変わらずの、昆布じめや、ずけや、たたきで、魚を塩味で勧めてくれる。
正直言って、チョット醤油と薬味で食べたいな~~と頭を過る事もあります。

でも、これも一興・・・
楽しく飲ませて頂きました。

また今度、I井先生といっしょに、よろしく!
気がつくと、12時を回り、わたくしの人生、なにもせずに53年目を向かえます・・・
トホホ・・・

大通りブラインド行脚

2006-07-13 07:16:35 | ライフ
小雨の降る大通りにタクシーを走らせ、『N活ビル』の前で止まります。
むっとする湿った空気は、雨を降らしたくても待ちぼうけを食らっているかのよう・・・
週末の若者でごった返した大通りではありません!

7.13前日、この夜のワイン遊びのメニューはヌッフ行脚を選びました。

ほや、カツオのお造りをビールで、冷製カッペリーニは冷えたカヴァと共に頂き、腹ごしらえをする。これで準備完了!
チーズの盛り合わせを供に大ぶりのワイングラスを待ちます。

絶妙のタイミングで、イトウゾ店長が赤ワインと共に登場!
ブルゴーニュタイプの大ぶりのワイングラスには、濃厚な色合いのクリムゾンレッドの液体が・・・店長には勝ち誇ったかの様な笑みが?
まさか、グラスの形とチーズの盛り合わせのブリーに罠があるのでは???
なにもかにも、疑心暗鬼・・・

トップのアローマはカシス、レッドカラント系・・・
ミネラリーに閉まって、少し硬めかな?
でも酸味が美しく、バランスよ~~し!!
絶対、旧大陸じゃ~~~
03’か04’の黒々系ピノ??
でも、グラスを伝わるおみ足の太いこと?こつんとぶつかるタンニンさん?
これって、本当にピノなのかな~~?
イタリアあるかな?
そして下した解答は03’ブルピノ!!

ゲゲ!なんと日曜日の畳返しの術でした!!

03’サエッタ モンテベルナルディ(写真は同カンティーナのツィンガーナ)

サンジョベーゼ100%!!
ペルカルロのお返しか~~!!
皆さん、ピノの美しいアローマを信じないとだめだね~~!

本当に!

イトウゾ氏にはサンキュウ!!

カーゼ・バッセの3ヴィンテージ

2006-07-11 21:22:04 | ワイン
古典的な製法によるブルネロ、
しかしながら、ジャン・フランコ・ソルデーラの歴史はそれほど古くはないようです。

1975年から生産を始め、77’ヴィンテージのブルネロを1982年に出荷したのが最初との事・・・
それにしても、この風格、そして他を圧倒するワインの個性、
そしてブルネロの概念を打ち破る、惚れ惚れする香気と瑞々しい果実実!!

さて、このブルネロはどのような造りなのでしょう?
発酵はもちろん木製槽、自然な発酵、温度管理はなし、
なんと12000Lの大樽で熟成させるとの事・・・
今時の新進系と違い、一切のバリックの使用は拒絶しています。
ノーマルで4年、リゼルバで5年の熟成の後に、9ヶ月の瓶熟、
このブルネロに対する評価には特別な物があります。

98’は明るいガーネットの色合いで、スタイリッシュな味わいであります。
果実の凝縮性には欠けますが、滋味が豊富で、不思議なニュアンスのブルネロ・・・
香りの見事さと、味わいの余韻の長さは、正しくソルデーラの真骨頂!!

93’のみはレゼルバの造り、
濃厚なクリムゾンからガーネットの色合いであります。
ミネラルの効いたトップノーズに、ブラック・プルーンの砂糖漬けやオリーブの実の香りが立ち昇ります。
コンセントレートされた果実は、あくまでもしなやかさを保ち、キャンティ地区のそれとは一線を画しています。
堂々とした味わいと、品格!!このブルネロ、見事と言うしかありません!!

87’は98’より色合いも濃く、果実の充実具合も上を行きます。
約20年の歳月で、僅かに熟成のブケや、タンニンの溶け方も垣間見せてくれますが、
よく練れたピノ・ノワールなどの熟成感とは違います。
しな垂れかかる色香ではなく、複雑味にも背筋の通った、姿勢の良さが・・・
このブルネロが、全てを忘れてその身を投げ出してくれるまで、どれだけの年月が必要なのでしょう?

エティケットに描かれた古代のイルカが、微かにほほ笑んだかの様に見えました!
絶品のカーゼ・バッセ!今も余韻が続きます!!