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The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1953 シャトー・ムートン・ロートシルト

2018-11-22 23:41:04 | ワイン
実はこの同じヴィンテージのワインを歳祝いのお祝いの会で飲んだ。
というのも、何を隠そう1953年はワタクシのバースデイ・ヴィンテージなのだ。
あれから25年経って、再度ご相伴に預かるという素晴らしい経験をT君によってもたらせたということだ。
ワイン仲間とは本当にありがたいものだ。

このヴィンテージは当時、僅かに酸度が控えめで、甘く肥えて、すでに香りは官能的だった。
色合いは深みのあるルビーを呈しており、タンニンは舌先に優しく、味わいは練れた印象を感じていた。





そして今、よわい65歳にして53年物を飲む。
それは40歳の時分に飲んだ時に、このワインに感じた、長熟と言う意味では危うくキケンなスタイルを、今は感じない。
むしろ酸度が芽を出し、果実は溌剌として、退廃的ではあるものの、いわゆる熟成しすぎの危険水域からは脱出している。

それは、これ以上先でもダメだし、これ以上前でもダメ。
すなわちワイン熟成のジャストミート感が満載なのだ。

例のムートン・フレーヴァーは花盛りで、焙煎、なめし革、アミノ酸、そして東京ロマンティカ♪
このワインを持ってして、何が不足だと言うのであろうか?いや無い!と言う感じ。

いつも言うけど、これはこんなワインにありつけて、アリガトウと言うしか無いでしょ!

ありがたや、ムートン祭り!♪

2018-11-19 06:29:13 | ワイン
よわい65歳にして、まさか生まれ年のムートン・ロートシルトにありつけるとは想像だにしなかった。
それは年に一回のT君のワイン会の出来事。

まずはこれまた記念ラベルの2003年が出て、そのあとは1986年、1982年のパーカー100点の連発ときた。
その時点で、まずはムートン以外を予想することなど考えられず、それに色合いなどの情報を加味すると、さては出たかタマズサが怨霊!
てなことで、ワタクシは1953年だと確信したのだった。



それは何といっても、T君の心意気を感じての話になるわけだけれども、絶対出てくると確信に近い物があったのだ。
で、ともかくムートン祭りと相成ったのだけれど、まずは詳細はこれからユックリと報告をしようと思う。



ということで、目の保養にでもこのラインナップをご覧あれ。

1994 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ シロ・パチェンティ

2018-11-07 23:20:05 | ワイン
これはサンジョベーゼでもネッビオーロでも共通して言えることだが、相当評価の高いクラシックな造り手によるワインが、熟成を経て見事なメタモルフォーゼを遂げた時のオドロキは、ボルドーやブルゴーニュのそれに似ている。

シロ・パチェンティは若いうちにも何度か飲んでいる。
その時の印象は果実味がさながら毬藻羊羹のようで、プチッと刺したら、モロッと飛び出す素朴な果実を、噛むがごとくに丸ごとほうばる感じて飲んでいた。
香りはアロマがブラッキーに煙り、複雑性は微塵も無い。



それが今、モノの見事にメタモルフォーゼ!
麝香的なニュアンスありの、焙煎珈琲ありの、更には湿った森林のようにラヴィリンスが展開するのだ。
余韻はシリアスにくぐもっているも、飲んだ後の御出汁感はリストランテ・シカザワのこんな料理にも、もちアビナメント♪
実に楽しげな食事となった。





若いうちのそのワインの記憶に残っていて、更に今の状態もパパジイで確かめることが出来、そしてこのお店だったらと、満を持してそのワインを持ち込んだ。
そして思いの上を行く流れとなったわけ。

これはさすがに、ありがとう!と言うしかないでしょ。(笑)

2014 ピノ・ノワール スー・ラ・ロッシュ ドメーヌ・ド・ラ・ボルド アルボワ・ピュピラン

2018-10-28 16:41:03 | ワイン
ジュリアン・マレシャルはジュラのピュピラン村で、目立つことなく着々と品質の高いワイン造りを心がけてきた。
と言うくだりを目にすれば、そのワインの素性も容易に想像もできるはず。
実際に飲んでみても、なるほど彼の尊敬するこの地のレジェンド、ピエール・オヴェルノワのプールサールでなくとも、その見事さは伝わってくるのだ。



標高300~500mの急斜面に5haの小区画の畑が点在し、その樹齢は70~80年とのことだ。
もちろんその畑はビオロジックに徹し、発酵は自然酵母、無清澄、無ろ過、科学的なものは一切足さず、ニ酸化硫黄も使わない。

このピノ・ノワールは実に神秘的な香りがする。
麝香、アニマル、白檀、ミネラル、そこに赤い果実が適度に熟れているのだ。
甘さはほどほどに、スタイリッシュではなく、中庸に筋肉質の果実が楽しめる。

もしブラインドだったら何と答えるのだろうか?
シャロネーズの名うての造り手のピノ・ノワール・・・

さてさて、というところなのだ。
いずれ、そうはお目にかかれない見事なピノ・ノワール!とだけは言っておこう。

次は早速ジュリアン・マレシャルのプールサールを飲んでみたくなった。

2015 ニュイ・サン・ジョルジュ レ・ダモード フレデリック・コサール

2018-10-25 23:04:11 | ワイン
これもパパジイ出展のワイン。
タケちゃんにも言われたけれど、センセのセレクトですか?と・・・
セレクトじゃあないけれど、まずは飲んでみよう!てな流れ、と答えはした。



このダモードはプルミエではない。
すなわちリューディーとして畑名はあるけれど、いわゆる村名なのだ。

そこに樹齢56年以上のヴィエ・ヴィーニュがあって、ビオロジックに植えてあるとの事。
例によってマセラシオン・カルボニックによる醸造で色濃く、しかしながらテロワール通りにエレガンスはある。

プレモーのアルジリエールの対極にあるテロワは飲んでみてわかる。
それは繊細で品格が備わっているのだ。

コサール的と言われれば、まさしくその通り。
旨みたっぷりに優しく迫ってくる秀逸もの。

少し待つべし、と思った。