(2018.09.02訪問)
永源寺から、わかり易いほとんど一本道の県道508号を北上、百済寺の標識を右折、長い参道の途中に引接寺(いんじょうじ)がありま
す。前方に百済寺の赤門が見える湖東の山裾に山門を構えています。引接寺には夥しい数の石塔と石仏、その数6000基以上が境内の
「来迎浄土」に並んでいるそうです。その迫力がどんなものか、今から確かめに行きます。
▼来迎浄土に並ぶの約6000基の石塔と石仏。
[ 引接寺 ]
●山号 来迎山(らいごうざん)
●寺号 引接寺(いんじょうじ)
●宗派 天台宗 (てんだいしゅう)
●開基 亮誉上人 (りょうよしょうにん)
●開創 不詳
●本尊 阿弥陀如来坐像
▲拝観 境内自由 ご朱印はやっておられません
▲滋賀県東近江市上山町312 電話0749-46-1285
▲JR琵琶湖線「能登川駅」から近江バスで百済寺下車徒歩10分
名神高速「八日市 I.C」から車で15分
▼山門前の寺号石柱。
引接寺縁起
湖東三山の一つ、百済寺末の天台宗のお寺。織田信長の全山焼き討ちの難で寺史など消失、建立時期は不詳ですが、百済寺再建の亮
算上人の弟子亮誉上人が開山し、現在地に寺院を建立したと伝えられています。本尊阿弥陀如来坐像は、再建時に善万坊大徳が寄進、
平安時代の作といわれています。寺の庭園奥に、約6千基の石塔石仏を集めた「来迎浄土」があります。この石仏石塔は、寺が全山焼
き討ちのとき、無縁仏として周辺の山野に放置されたままになっていたもので、のちに信者たちにより一つ一つ拾い集められました。
毎年8月22日には、石塔と石仏一体一体にローソクの火がともされる「万塔供養」が行われます。
▼山門。
▼入山しましょう、正面は本堂です。
▼小さい境内ですがキレイに管理が行き届いています。右は庫裏です。
▼最近勧請したのものか、覆い屋も本殿社も真新しい感じの稲荷社です。
▼鐘楼。
▼参道先に唯一のお堂、本堂です。
▼本堂。桁裄5間、入母屋造、桟瓦葺、3間向拝付。
▼本堂正面は前面ガラス格子戸。正面から入堂させていただきました。
庫裏でご朱印をお願いしたところやってないとのこと、ご住職、気の毒がって本堂を隅々までつきっきりで案内下さり、大判
の冊子まで戴いたのには恐縮しきりでした。これをラッキーと云うんでしょうネ。
▼山号来迎山と書かれた扁額。
▼内陣2段須弥壇の上段に本尊阿弥陀さんが祀られています。
▼本尊阿弥陀如来坐像。平安時代の作と云われている本尊ですが、お像全体がくすみ、螺髪が抜け落ち少々お気の毒な状態とお
見受けしました。
それでは「来迎浄土」へ参りましょう。
▼曰く因縁がありそうな岩の向こう側に「来迎浄土」が広がっているのです。
▼石塔前に護摩壇が見えますネ、毎年8月22日護摩が焚かれ万塔供養が行われます。
▼来迎浄土のシンボルタワー。
▼約6000基以上の石塔と石仏がギッシリ並んでいます。
▼毎年8月22日に行われる動と静の火の祭典「護摩焚」と
▼「万塔供養」です。
(上記2点の写真はネットから借用)
山門前に立つと、何ら構えた所のない普通のお寺の印象ですが、入山後の印象はガラリと変わります。本堂裏に広がる「来迎浄土」
の一面に広がる夥しい石塔と石仏の数に圧倒、インパクトは並ではありません。これらに火が入れられる年1回の護摩焚と万塔供養、
さぞ迫力のある火の祭典でしょう。
前もって判っていたらキット8月22日の夜を狙って訪ねたと思いますが、いつも「後の祭り」ですわ。
引接寺 オ シ マ イ