
(2018.08.25訪問)
先週に続いて湖国近江路を訪問。今日は琵琶湖の東側、湖南方面を訪ねます。訪ねた「常楽寺」は「長寿寺」「善水寺」と共に湖東
三山の向こうを張って湖南三山と称されるお寺です。いずれのお寺も国宝指定の本堂を持ち「仏像の宝庫」。数年前に湖南三山は一
度訪ねているのですが、「仏像の宝庫」と云う印象は希薄、殆ど記憶にありません。近江路は古刹目白押し、有名無名のお寺が甍を
誇っていると云います。今日は一つジックリと仏像の宝庫「常楽寺」を再拝観しょうと、大和路号はワクワクしながら名神高速を例
によりチンタラ走っています。
▼三重塔 (国宝)。

[ 常楽寺 ]
●山号 阿星山 (あせいざん)
●寺号 常楽寺 (じょうらくじ)
●勅願 伝聖武天皇 (しょうむてんのう)
●開基 伝良弁僧正 (ろうべんそうじょう)
●開創 和銅年間(708~715年)
●宗派 天台宗
●本尊 千手観世音菩薩立像 (秘仏)
▲拝観料 500円 朱印300円 駐車場無料
▲拝観時間 10:00~16:00 拝観は事前予約制
▲湖南三山のひとつ
▲滋賀県湖南市西寺6-5-1 Tel. 0748-77-3089
▲JR草津線「石部」駅下車 4キロ、タクシー約7分
名神栗東ICより約8キロ、約15分
▼貫禄の石標。舊字も時には體を表しているのかな。

常楽寺縁起 (常楽寺パンフより抄出)
聖武天皇の勅願により東大寺開山、良弁僧正が、甲賀に造営された紫香楽宮の鬼門封じの為に開いたとされる。元々常楽寺は、南都
六宗の法相宗寺院であったが、延暦年間、延暦寺の末寺へと組み込まれ、天台宗に改められたと云う。その後火災で全焼したが延文
五年再興された。
▼きれいな水が流れています。

▼お寺には山門がなく、拝観料を払うとスグ境内、右手に鐘楼がありますが撞くなという縄が張ってあります。

▼本堂前の石燈籠 (重文)。応永13年 (1406年)造立。

▼本堂 (国宝)。桁行七間、梁間六間、入母屋造、檜皮葺、三間向拝付。延文五年(1360年) 再建。
檜皮葺と云っても、瓦葺とはまた違う重量感と貫禄を感じる屋根の流れですネ。

▼本堂の扁額ですが、本堂の別名でしょうか「常楽堂」と書かれています、多分。

▼本堂正面はすべて格子蔀戸。
脇面の入り口から入堂しますが、あれダメこれダメの掲示がイッパイ。
本堂内にはモニターが設置され、入堂者を監視しているのでしょう、暗い中で自分が映っているモニターを見る、気分いいはずあ
りません。お寺にも言い分はあるのでしょうが……。

本堂内須弥壇を始め堂内には数多くの仏像が安置、秘仏の千手観音はもちろん見ることは出来ませんが、本尊が祀られたお厨子の
左右に二十八部衆が安置され、他のお堂に安置されていた仏像を盗難防止で本堂に一括安置しているため密集感が生じていますが、
仏像命の方なら大納得の仏像空間です。
▼木立越しの三重塔です。

▼本堂横の石段上に三重塔 (国宝)。
塔高22.8m、本瓦葺、四方三間。室町時代の応永七年 (1400年) 再建。
実に堂々流麗の姿、近江路では最大の三重塔らしいです。

▼初重三間のうち中央間に板唐戸が、脇間は連子窓、周囲に高欄付きの縁が巡らされている。
初層の内部には四天柱と来迎壁が立てられ、来迎壁の前には本尊釈迦如来坐像が安置。




▼ようもまぁこれだけフクザツに組み上げましたネ。

▼近江の山並みに囲まれて。

▼相輪三番目の九輪傾いてます、お寺はご存知でしょうか。

▼五輪塔を中心の石仏群。

▼薬師堂。桁裄3間、梁間2間、入母屋造、桟瓦葺の小堂。

▼薬師堂本尊。像高74cm、信楽焼のお薬師さんです。

▼方丈池に睡蓮が一輪。

▼行者堂。お堂の中は空っぽ、役行者像は現在行方知れず、早い話が盗難中。
それよりも建物がやばい、つっかえ棒だけで大丈夫なの?

▼普賢堂。このお堂も空っぽ。中の仏像本堂へ移動中。

▼境内山側を巡る三十三カ所霊場めぐりの小径。

▼第19番札所行願寺の観音さん。

▼ご朱印。

このお寺以前盗難や色んな問題が生じたトラウマか、やたら注意書きの多いお寺です。よほどマナーの悪い拝観者が多いのか、お寺
が過剰反応しているのか判りませんが、普通の拝観者にとっては不快感この上なし、お寺と仏像の好感度が地に落ちる前に、お寺も
注意書再考してはいかが。
常楽寺これにて オ シ マ イ
素晴らしいお寺ですね。
でも、営業姿勢?にちと問題ありですかな。(^^;
しかし、見てみたい、描いてみたい衝動に駆られました。
いいものを見せて頂きました。(^^;
おそらく人手不足も原因の一つではないでしょうか。
昔は修行僧も大勢いたと思いますが、今は住職と少しの人数だけで維持されるのは大変かと思います。
ところで、仏教徒のアメリカ人の友人に、こちらのサイトを紹介させていただきました。
彼女は日本の古寺を見ると「本物のお寺」と喜びますので。
あちらのお寺は鉄筋コンクリートのビルですから。
初めて訪ねた方は、注意書きの多さににキット面食らうでしょうネ。
しかし堂塔とも国宝、仏像も含めて素晴らしい古刹です。
是非訪ねてみてください。一見に如かずです。
コメントありがとうございます。
人手不足は今やあらゆる業態での悩みの種でしょう。
こちらの住職、他寺の住職も兼ねていると聞いています。
拝観寺院として最低の面目を保たなければならないしんどさは
拝観料を取る限り、止むを得ないしんどさだと思いますが。
サイト紹介ありがとうございます。
仏教徒のアメリカのご友人に、仏教のことや日本のお寺の印象是非お聞きしたいものです。
いつもコメントありがとうございます。