土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

中宮寺尼門跡。謎の微笑は、はたして誰か?

2018年04月03日 | 奈良の古寺巡り





(2018.04.01訪問) 


寺伝では如意輪観音といい、史学的には弥勒菩薩と云われる中宮寺の謎の微笑み仏。今日の大和路号はこの謎の微笑みに会いに取り
敢えず法隆寺を目指しています。我が家からはR163を東に、そしてR168を南下、竜田川沿いはもうすでに桜吹雪が舞っています。
法隆寺は相変わらずの賑わい、しかし中門は今覆いテントで隠され修復工事中。にもかかわらずドンドン人波は西院伽藍へ吸い込ま
れて行ってます。その法隆寺はパスして中宮寺への細道を行きますとこちらはだんだん人影は減ってゆくのです。





            ▼そこが受付ですよと指案内。
             法隆寺東院伽藍の舎利殿北側に中宮寺の山門があります。







            [ 中宮寺 ]
            ●山号 法興山(ほうこうざん)
            ●寺号 中宮寺 (ちゅうぐうじ)
            ●開基 伝聖徳太子(しょうとくたいし)
            ●開創 7世紀前半
            ●宗派 聖徳宗
            ●本尊 如意輪観音菩薩半跏像
            ▲拝観料 600円 朱印300円 駐車料500円
            ▲時間 10/1~3/20: 9時~16時(受付~15時45分)
                3/21~9/30: 9時~16時30分(受付~16時15分
            ▲西国三十三カ所観音霊場第二十番札所
            ▲奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺北1-1-2 Tel.0745-75-2106
            ▲http://www.chuguji.jp

            ▲JR「法隆寺駅」から法隆寺門前行きバス終点下車徒歩8分
             近鉄「筒井駅」から王寺駅行きバス「中宮寺前」下車徒歩5分





▼門前の広場。写真右下影が法隆寺舎利殿の影です。







中宮寺縁起 (中宮寺HPから抄出)
中宮寺は聖徳太子の御母穴穂部間人皇后の御願によって、西の法隆寺と対照的な位置に創建された寺であります。その旧地を発掘調
査しましたところ、南に塔、北に金堂を配した四天王寺式配置伽藍であったことが確認され、それは丁度法隆寺旧地若草伽藍が四天
王式であるのに応ずるものといえましょう。その出土瓦から、法隆寺は僧寺、中宮寺は尼寺として初めから計画されたものと思われ
ます。国宝菩薩半跏像、寺伝では如意輪観音像は金堂の本尊であり、天寿国曼荼羅は、その講堂本尊薬師如来像の背面に奉安された
ものと伝えております。依然大和三門跡尼寺の随一としてその伝統を伝えております。飛鳥時代このかた千三百年の長きに亘り、尼
寺の法燈を続けておるのは日本広しと言えども実に中宮寺だけであります。





▼山門。







▼ココからは入山出来ません。







▼山門扁額、山号法興山と記されています。不思議なことにこの扁額は内向けに掛けられているんです。







▼表御殿の大玄関。







▼表御殿。女性の皇族宮家をお迎えするために造営された住居です。
 木造書院造平屋建、入母屋造、本瓦葺。現在の建物は江戸時代後期の建築です。







▼お寺が植栽で迷った時、困った時は蘇鉄が一番と聞いたことがあります。ココはどうか知りませんが。







            ▼ユニーク灯籠。







▼でわでわ国宝仏に会いに行きましょう。左の建物が本堂です。







▼参道脇には山吹と桜の競演。







▼これが本堂。昭和43年5月再建。堂内に飛鳥時代造像の本尊菩薩半跏像が安置されています。







▼幾何的文様の空堀と山吹に囲まれた土手。







▼本堂正面。堂々とした本堂ですが、尼寺のお堂としてはいささか違和感が。







            ▼遠慮がちな扁額。







▼本堂内陣の須弥壇。中央が超有名、皆様よくご存知の本尊菩薩半跏像。
 堂内撮影は不可のため、堂外からロングで撮りましたがピンがダメですネ。







            ▼ずいぶん以前に描いたペン画本尊です。







            ▼正真正銘の本尊(国宝)。
             像高87.9cm、総高132cm、楠寄木造り、鍍金、仏師不祥、造像年不祥(7世紀後半か)。



            (写真はネットからもらってきました)

中宮寺の熱い想い。(中宮寺HPから抄出)
本尊は、飛鳥時代の彫刻の最高傑作であると同時に、わが国美術史上、欠かすことの出来ない地位を占める作品であります。顔の優
しさを評して、数少い「古典的微笑(アルカイックスマイル)」の典型として高く評価され、エジプトのスフィンクス、ヴィンチのモナ
リザと並んで「世界の三つの微笑像」とも呼ばれております。半跏の姿勢で指先きをほのかに頬に触れんばかりの優美な造形は、人
間の救いをいかにせんと思惟されるにふさわしい清純な気品をたたえています。伝統千三百余年の中宮寺のこの像は、永遠に私たち
を見守ってくださるでしょう。





▼本堂。







▼ご朱印。







時代を超えた不朽の名作は相変わらず深い瞑想の最中 (さなかと読んでください)。この表情が世界三大アルカイックスマイルと呼ば
れる微笑みの極致と云われて久しいですが、ボクなどは全体造形の素晴らしさの方に想いはゆきます。思索の一瞬を捉えた右手の表
情や、右足を組み裳掛けの流れが幾重にも重なり落ち、左足の指先が上に反り気味なところなど静の中に一種の動きのリズムが感じ
られ、造形のバランスなど最高の作ではないでしょうか。この像が彩色され完成しお披露目した当時の衆生の評価や驚きはどんな感
じだったのか非常に興味があります。コレだけの像を彫り上げる仏師の力量は並ではないでしょう。謎の微笑みと同時に仏師も謎、
いつ造られたかも謎、謎だらけのこの菩薩、せめてこの方、如意輪さんか弥勒さんかさぁどちら、仏師に聞きたいですネ。
中宮寺オシマイ。





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2 コメント

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Unknown (omachi)
2018-04-28 11:40:26
歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知ってますか。 グーグルやスマホで「北円堂の秘密」とネット検索するとヒットし、小一時間で読めます。北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。 その1からラストまで無料です。夢殿と同じ八角形の北円堂を知らない人が多いですね。順に読めば歴史の扉が開き感動に包まれます。重複、 既読ならご免なさい。お仕事のリフレッシュや脳トレにも最適です。物語が観光地に絡むと興味が倍増します。平城京遷都を主導した聖武天皇の外祖父が登場します。古代の政治家の小説です。気が向いたらお読み下さいませ。(奈良のはじまりの歴史は面白いです。日本史の要ですね。)
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Unknown (hideponi)
2018-05-07 00:16:00
omachiさん、こんばんは。

飛鳥時代から奈良時代にかけての歴史には大いに興味があります。
情報ありがとうございます。
返事が遅れてゴメンナサイ。
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