土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

唐招提寺は今も鑑真さんの教え「戒」が生きているようです。

2012年05月01日 | 奈良の古寺巡り


(2012.04.28訪問)

近鉄西ノ京で降り、さてどちらにしょうか考えつつ足は北に向いていました。
連休の始まりに、相当な人出を予想したのですが、変な期待?は外れたようです。奈良の大寺の持つ独特の
雰囲気はこの唐招提寺ではあまり感じられない。やはり鑑真さんの精神が今も連綿と続き、戒を守る伝統が
頑までも守られているそんな精神の聖域が唐招提寺かも知れませんね。

▼蘇った天平の美。



[ 唐招提寺 ]
●寺号 唐招提寺(とうしょうだいじ)
●宗派 律宗総本山
●開創 鑑真大和上
●創建 天平寳字3年(759年)
●本尊 廬舎那坐像(国宝)。

唐招提寺縁起
辛苦十一年、六度の渡航で来朝した唐僧鑑真は東大寺に戒壇を築き、日本初の戒を授けました。鑑真和上は
東大寺で五年過ごし、朝廷より賜った右京五条二坊の地を賜り戒律専修道場を創建。これが律宗総本山唐招
提寺の初です。

▼南大門。
 桁行5間、梁行2間、切妻造、本瓦葺。




▼南大門。




         ▼南大門扁額。孝謙天皇宸翰の寺名扁額のレプリカ。




▼金堂(国宝)。
 金堂としては奈良天平時代建立の唯一の遺構。2000年から約10年かけた解体修理が完成し、天平の美が
 蘇った。この美しい姿は何時何度見ても飽きる事はありません。
 桁行7間、梁行4間、寄棟造、本瓦葺、奈良時代。
 本尊 廬舎那仏坐像(国宝)。像高304.5cm、乾漆造、奈良時代。
 右脇侍)薬師如来立像(国宝)。像高336.5cm、乾漆造、平安時代。
 左脇侍)千手観音立像(国宝)。像高535.7cm、乾漆造、奈良時代。




         ▼金堂吹き抜けのエンタシスは堀辰雄の大和路の一節を思い出します。




         ▼金堂本尊 廬舎那仏坐像。以前描いたペン画です。




▼金堂。




▼会津八一歌碑。
 おほてらの まろきはしらの つきかげを
       つちにふみつつ ものをこそおもへ




▼講堂(国宝)。鑑真さんが朝廷より平城宮東朝集殿を賜り移築した建物。平城宮唯一の宮殿建築の遺構。
 桁行9間、梁行4間、入母屋造、本瓦葺。
 本尊 弥勒如来坐像(重文)。像高283.3cm、木造、鎌倉時代。
 右脇侍)持国天立像(重文)。像高128.2cm、木造、奈良時代。
 左脇侍)増長天立像(重文)。像高128.2cm、木造、奈良時代。






▼鐘楼。梵鐘(重文)は平安初期の作鐘。




▼鼓楼(国宝)。
 桁行3間、梁行3間、入母屋造、本瓦葺、鎌倉時代。
 毎年五月十九日の中興の覚盛上人の中興忌(うちわまき会式)で楼上からハート形の宝扇が撒かれます。




▼礼堂(重文)。
 入母屋造、本瓦葺。弘安7年(1284年)。
 南北に長い建物で、南半分を礼堂、北半分を東室。従来は僧坊だったそうです。




▼経蔵(国宝)。
 校倉、寄棟造、本瓦葺、奈良時代。礼堂の東側に建つ校倉造りの建物。




▼宝蔵(国宝)。
 校倉、寄棟造、本瓦葺、奈良時代。経蔵の北側に建つ校倉造りの建物。




▼新宝蔵から鑑真廟への参道。




▼御影堂(重文)。
 興福寺一乗院の宸殿を移築し、御影堂としたもの。
 鑑真さんの御影を奉安するお堂。毎年6月5、6、7日に東山魁夷さんの障壁画も併せて公開されます。




▼御影堂南庭の左近の梅(向こう側)、右近の橘(手前)。
 御所南庭の左近の桜、右近の橘を連想するが、左近の梅の方が古式らしいです。




▼御影堂供華園の瓊花(けいか)。
 鑑真さんの故郷、中国揚州市大明寺から贈られた瓊花が白いちいさな花を咲かせています。いい香りです。




ガクアジサイに似ていますが、違う花だそうです。




▼中興堂山門。




▼中興堂。




▼地蔵堂。




▼白藤。境内北西の醍醐井戸の前に藤棚があります。






▼戒壇。
 境内西端に位置し受戒が行われる重要な場所。今は三段の基壇を残すのみ。基壇上のストーパーは1978
 年に建立されたものです。元は基壇上に覆屋が建っていたそうです。




▼鑑真廟山門。
参道に沿う土塀の崩れた雰囲気は、何かしら鑑真さんがそのまま、そのままと云っているような…。




▼鑑真廟苔庭。






▼鑑真廟。遺骨が埋葬された円丘上に宝篋印塔(鎌倉時代作)が建つ鑑真さんの墓。




▼木漏れ陽。



ゴールデンウィークの始まりに訪ねた唐招提寺は、訪ねる人もまだ少なく、鑑真さんの息吹が聞こえそうな
静寂な中に、戒律の凛とした空気がどことなく流れているように感じたのは、あながち閑静な雰囲気のせい
だけではないようです。


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