(2017.06.03訪問)
斑鳩寺から北西へ約50キロ、これから訪ねる瑠璃寺は山の中らしい。瑠璃寺、なんと云うイイ響きの名前でしょう。
仏法七宝の一つとして珍重された濃紺の輝きを寺名にする往時の人たちは、現代のボク達が思いもよらない神的能力で山中に伽藍を
造り、突如顕われた浄土の世界を清浄な色で表現する、その感性の高さを思いながら、新大和路号は播州平野の初夏緑の息吹を感じ
つつ瑠璃寺を目指しています。
▼見落とすことは先ずありません、参道入口に建つ豪快な寺号碑。
[ 瑠璃寺 ]
●山号 船越山 (ふなこしさん)
●寺号 瑠璃寺 (るりじ) 正式には船越山南光坊瑠璃寺
●宗派 高野山真言宗 (こうやさんしんごんしゅう)
●勅願 伝聖武天皇 (しょうむてんのう)
●開基 伝行基 (ぎょうき)
●開創 神亀五年 (728年)
●本尊 千手千眼観世音菩薩
▲兵庫県佐用郡佐用町船越877 Tel. 0790-77-0450
▲拝観料 寸志100円 ご朱印300円
▲時間 9:00~17:00
▲JR山陽線「姫路駅」から神姫バス「山崎」停留所で乗り継ぎ「船越」バス停下車 徒歩約15分
中国自動車道「山崎IC」から約40分
▼なかなかユニークな境内マップでしょ。ここから参道を少し走ると……、
▼道端にいきなり仁王門。戸口から向こうを覗くと民家です。
重層楼門形式の仁王門、三間一戸、八脚門、入母屋造、銅板葺。両サイドに金剛力士を安置。寛永十五年 (1638年) 建造。
瑠璃寺縁起
瑠璃寺は神亀五年、聖武天皇の勅願により僧行基が開山、本堂、金堂、薬師堂をはじめ、十二伽藍を建立したのが始まりといわれて
います。千手千眼観世音菩薩を本尊とし、創建以来加持祈祷の修験道場となり、多くの伽藍とともに、多くの文化財を有する、高野
山真言宗派の古刹です。
▼扁額。山号だと思います、おそらく。
▼右の阿形仁王さん。相当痛みが激しく、右手指三本なく、条帛欠け、左手持物の金剛杵、どこへ行ったんでしょう。
▼左の吽形仁王さん。左手持物なく、条帛が欠けています。
▼立派な寺号碑が建つ境内口。どう見ても山寺の雰囲気など微塵も感じませんネ。
▼赤い橋を渡り石段を上ると本坊へ、長屋門風の門が独特です。
今日はここからは入らず……、
▼赤い橋の手前を右へ、山門への参道です。灯籠がズラリ、たくさん目につきます。
▼こんな灯籠が並んでます。
▼山門。やはり左右に灯籠が迎えてくれます。
▼山門から境内。正面が拝観受付本坊です。
▼山門長押の細かい細工の彫刻。獅子が二頭いますが見えます?
山門両脇壁面には竹林に虎。
▼右脇の虎。
▼左脇の虎。
▼本坊の拝観受付。ここでご朱印をいただきます。
▼立派な唐破風の門構え、大玄関風の大師堂。
▼何でも有りで相当ごちゃごちゃしている内陣の荘厳。中央須弥壇に本尊弘法大師像が祀られています。
▼山門左手から少し高台の護摩堂。
▼内陣須弥壇に本尊不動明王が祀られています。
▼護摩行のススでマックロケの天井。
▼護摩堂の向こうにチラッと見えるのは、聖天堂。
▼経蔵と思います。
▼バランスをあえて崩しているのかナ。
本坊エリアからそれでは本堂へ、ここからの雰囲気いよいよ……、
▼本堂への参道。大木の間の石段をドンドン登りましょう。
▼石段オシマイ、やっと堂宇が見えてきました。
▼権現堂。前に護摩壇があります。毎年二月第一日曜、採燈大護摩法要がこの前で執り行われるそうです。
▼鐘楼。木製袴腰、入母屋造、銅板葺。
吊られている梵鐘は応安の鐘、応安二年 (1369年) の銘があるそうです。
▼開山堂。中興一世の覚祐上人坐像が祀られています。
格子から覗いてみましたが堂内マックロ定かではありませんでした。
▼本堂。桁裄五間、梁間五間、入母屋造、銅板葺、三間向拝付。
前面、側面柱間の造形を見て下さい。一間一間のデザインの違う変化を見ることができます。
高所の僅かな平地に建つため、引きがなく正面全景が撮れないのが非常に残念でした。
▼本堂正面。中央扉が開けられていますが、覗くと内外陣の格子が邪魔をして内陣の状況は判りません。
向拝柱貫の彫刻と木鼻彫刻どんなんかな~、
▼中央龍の彫り物。二頭の龍が絡んでいますが判るでしょうか。
▼木鼻の彫り物。象と獅子で、阿吽ではないようです。左右とも同じに見えますネ。
▼向拝裏の垂木の手鋏み彫刻のボリュームがこれまた凄い、波と鳥が彫られています。
▼外縁に登るのが躊躇するぐらい相当の傷みと経時があるようですが、建立年代は判りません。
▼側面戸口の格子から覗いた内陣の様子。
▼本堂。二重垂木により軒の深さがより強調され屋根の反りの美しいこと。
本堂の美を堪能したところで瑠璃寺 オ シ マ イ
▼ご朱印です。
これだけの古刹が残るこの佐用の地を初めて訪ね、千年以上の経時に関わらず法灯を灯し続ける古刹の存在を改めて凄いことだと感
じ、山寺であろうと街中寺であろうと、往時の民衆の拠り所としてのお寺の存在がいかにその心をつかんでいたのかが判るような気
がします。本堂の美に魅せられてしばらくこのエリアをウロウロしていましたが、ついぞボク以外の拝観の方に会うことはありませ
んでした。
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