(2016.04.09訪問)
栄山寺から再び大嫌いな国道24号線に出て和歌山方面に少し走ると、空海さんが高野山を拓くきっかけになった「狩場明神」との邂逅
の地に建つ轉法輪寺があります。空海さんがあの犬二匹を連れた狩人との遭遇で有名な場面がココです。
お寺さんで「本日休業日」の張り紙が寺務所の入り口に貼ってあるのを初めて見ました。もちろん寺務所には何方もいません。拝観無
理かなと思ってるところに、ご住職が檀家法要の帰りでしょうか境内でバッタリ、非常にラッキーでした。
▼山門は鐘楼堂を兼ねています。前の道路は大嫌いな国道24号線。
[ 轉法輪寺 ]
●山号 犬飼山(いぬかいさん)
●院号 遍照院(へんしょういん)
●寺号 轉法輪寺(てんぽうりんじ) 轉=転
●宗派 高野山真言宗(こうやさんしんごんしゅう)
●開基 伝 弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)
●開創 伝 弘仁七年(816年)
●本尊 弘法大師像
▲拝観 境内自由 朱印 300円
▲時間 8:00~16:00 月に数日の休業日があります、HPをご覧ください。
▲奈良県五條市犬飼町124 電話0747-22-4403
▲http://inukai.info/
▲JR和歌山線「大和二見駅」(駅から徒歩15分、タクシーで5分)
南海高野線「橋本駅」(駅からタクシーで15分)
近鉄吉野線「福神駅」(駅からタクシーで25分)
▼山号犬飼山とこの地が空海さんと狩場明神邂逅の地であることが刻されています。
▼では入山しましょう。
▼注連縄が目立っています。なぜお寺に注連縄か、スグ解りますワ。
轉法輪寺縁起 (轉法輪寺HPより抄出)
弘仁七年七月のこと、空海さんは自身が唐から投げた三鈷を尋ね大和国宇智郡今の五條市を行脚中一人の猟師と邂逅、背丈は八尺ほど、
弓矢を持ち見るからにたくましい狩人で白黒二匹の犬を連れていました。大師はこの猟師に呼び止められて、旅の目的を話しました。
猟師は「私は南山の犬飼だがその場所を知っている、教えよう」と言い、連れていた二匹の犬に空海さんを先導するように命じました。
道中でまた一人の山人と邂逅、山人は空海さんに言いました。「ここから南に行くと平原の沢がある。そこがそなたの求める地だ。
▼高野大師行状図絵。空海さんと狩場明神の邂逅場面。(写真は轉法輪寺HPからお借りしました)
あなたに私の領地を上げよう」さらに山を分け入ると、空海さんは八つの峰に囲まれた平原に至りました。平原中の一本の松の樹に三
鈷が輝くのを見て、求めた禅定の地がここであることを知りました。空海さんは山人に「いったいあなたはどなたなのですか」と尋ね
ました。山人は「丹生明神(丹生都比売大神)」と名乗り、白黒2犬を遣わせたのは「高野御子大神(狩場明神)」であると名乗られ
たそうです。二神は親子神です。その後空海さんが狩人の姿をした「狩場明神」に出会った場所に轉法輪寺が建立されました。 大師と
明神、仏と神が共栄する理想の仏閣として1200年の法灯を保持しています。
▼手水舎。
▼山門を潜るとすぐ左、地蔵堂です。
▼昭和三十九年(1964年)に開眼された本尊子安地蔵尊。目一杯の高さを誇っています。後ろ壁面には永代供養のお地蔵さんがズラリ。
(写真は轉法輪寺HPからお借りしました)
▼本堂、休業のあおりか締め切りです。
本尊 弘法大師。方三間、宝形造、銅板葺,一間向拝付き、寛永十年(1633年)建立。
裏堂には600体の修行大師像をお祀りしているそうです。
▼木肌そのままシンプルな弘法大師扁額。
▼宝珠が青空に輝いていますネ。
▼本堂前の修行大師像。この地で狩場明神にお会いになったのもこんな旅姿なんでしょうネ。
▼どんなお顔か覗いてみました。
▼境内で一番大きなお堂、大教堂遍照殿。お寺の主な行事はここで執り行うそうです。
▼正面入口。このお堂は常にオープンしているそうです。
▼広~い畳のお部屋の西に仏殿が設えられ、豪華な荘厳がなされています。
▼遍照殿と書かれた扁額。ナントカと云う銘木にナントカ彫りとナントカ塗りの超豪華扁額、まさに芸術品!
▼二段須弥壇奥に本尊弘法大師空海さんが祀られ、左右に不動明王とお地蔵さんが並び、前方には密教法具が燦然と輝いてい
ます。
▼優しいお顔の本尊空海さん。
▼お庭から見た大教堂遍照殿。
▼境内東に護摩堂。毎朝護摩が焚かれているそうです。本尊不動明王。
▼扁額です。
▼立派な庫裏と客殿。
▼明神社。空海さんがお会いになった二神、丹生明神(丹生都比売大神)と高野御子大神(狩場明神)の親子神を祀る二社が並立。
一間春日造、室町時代建立。平成六年修復彩色復元がされたそうです。
▼右の狩場明神社。
▼もう一度空海さんと狩場明神の邂逅場面。(写真は轉法輪寺HPからお借りしました)
▼左の丹生都比売明神社。
▼四国八十八ヶ所お砂踏み霊場。霊場毎に錫杖が立てられています。
お砂板を心して踏みしめましょう。
▼つつじが咲き始めました。
▼裏門のサクラの花弁がヒラヒラと……、
▼その下に置いたご朱印です。
▼高野山に先立つ空海さんの聖地、轉法輪寺を辞します。
ご住職にお会いし早速寺務所に入れていただき、しばらくお話の機会をいただきました。
話の端々に空海さんへの敬愛、こちらが恐縮する程丁寧な対応、改めて仏教者の矜持と信仰の深さ、そこから空海さんの偉大さを教え
られました。ありがとうございました。 合掌
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