土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

荘厳寺、深山幽谷を縫う参道の趣ピカいち!

2015年12月10日 | 兵庫の古寺巡り




(2015.12.05訪問)


西林寺から次に訪ねるのは、黒田官兵衛生誕の地と伝わる山間の町、黒田庄に在る荘厳寺です。
迷車大和路号のアホナビめ、荘厳寺を呼び出せど一向に反応なし、やむを得ずお寺へ電話、奥様が出られ気持ちのいい
応対、甘えついでに電話ナビをお願い。「近くに何が見えます」「エーッとなにかな、中央橋渡り右に行きつつありま
すが」「右に行ったら駄目、橋渡って左」「ハイ」「そこ真っすぐ」「ハイ」「細い道にはいるでしょ、まだ真っすぐ」
「ハイ」「次の交差点、右」「ハイ」「あと真っすぐ」「ハイ」「アッ荘厳寺の幟が並んでますワ」「正解です、お気
をつけてお越し下さい」
この間約10分、途中端折ってますが、てな具合の的確な奥様ナビで無事荘厳寺到着です。奥様ありがとうございました。




▼駐車場に入ると真っ先に目に入る石垣に囲まれた本坊。
 現在客殿と持仏堂が改修工事のため足場が組まれ近寄ることが出来ません。 






[ 荘厳寺 ]
●山号 荘林山 (そうりんざん)
●寺号 荘厳寺 (しょうごんじ)
●開基 伝 法道仙人 (ほうどうせんにん)
●開創 白雉三年 (652年)
●中興 徳禅上人 (とくぜんしょうにん) 慶長年間(17世紀はじめ)
●本尊 十一面観世音菩薩立像 (秘仏)
●宗派 高野山真言宗 (こうやさんしんごんしゅう)
▲拝観 自由 朱印300円 駐車場無料 
▲兵庫県西脇市黒田庄町黒田1589 電話0795-28-4751
▲http://www.geocities.jp/kurodasyougonji/
▲JR加古川線「本黒田駅」から徒歩で30分
 中国道「滝野社IC」から車で20分




▼自然石に刻まれた荘厳寺山の碑。この碑は何を表しているにか不明です。






荘厳寺縁起。(荘厳寺HPから抄出)
荘林山荘厳寺は高野山真言宗の寺院です。当山は、白雉三年法道仙人の開基と伝え、
これによれば当山は約1360年ほどの歴史がある古刹です。
法道仙人開基の寺院は播磨東部と丹波西部に多数あり、当山もそのうちの一寺です。
当山中興は、慶長年間(17世紀はじめ)の徳禅上人です。
このとき堂宇が再建され、真言宗寺院となりました。
また寛永十五年(1638年)には本多内記政勝侯より境内五十六町歩の寄進をうけました。
江戸時代を通じて、妙見山や白山を背景にする真言密教修験道場として隆盛をみました。




▼本坊石垣脇の参道に突入、本堂を目指します。この先鬱蒼としてますネ。






▼その前に、小さなお堂大師堂がひっそりと。






        ▼空海さんのお像が祀られていました。






▼では改めて参道へ、異界に吸い込まれそうでゾクゾクします。






▼石垣の左右には、その昔僧坊が建ち並んでいたそうです。

 




▼森閑とした雰囲気、しばらく石垣が続きます。

 




▼鬱蒼の先に一点の明るさが……、

 




▼本堂が見えてきました。






▼石垣を通して最後の石段を上りきると本堂前です。 

 




▼石垣から最後の輝きか、残り少ない綾錦にホッ!






▼石段下の鐘楼。架かる梵鐘は約370年前本多候寄進と伝わるそうです。

 




▼石段右に苔むす蹲踞。

 




▼本堂です。桁裄五間、梁間五間、寄棟造、一間向拝付。屋根は元茅葺で今はチタンで覆われています。          

 




▼本堂正面。桟唐戸は閉め切り、施錠され中を窺うことが出来ません。

 




▼宮殿と称される立派な内陣。この中に本尊十一面観世音菩薩立像が祀られています。



(写真は荘厳寺HPからお借りしました)




        ▼本尊十一面観世音菩薩立像 (秘仏)。



        (写真は荘厳寺HPからお借りしました)




▼本堂前の残り紅葉。

 




▼本堂側面です。

 




▼境内高台には古雅な姿の多宝塔が閑に佇んでいます。






▼多宝塔。鎌倉初期建久年間(1190年頃)佐々木高綱の建立と伝えるそうです。正徳元年(1711年)再建。
 屋根は檜皮葺、桟唐戸と連子窓の脇間が特徴のようです。






▼多宝塔前の残り紅葉。






▼なかなかシャキッとした全景が撮れません。






        ▼多宝塔相輪です。






▼まばらな綾錦、どこか健気な感じしません?






▼多宝塔石段下の荘厳寺の鎮守、三社八幡宮。写真では見えませんが屋根は杮葺きです。宝永五年(1708年)再建。






▼由緒は分かりませんがいいお顔のお地蔵さんが、髪納め地蔵と呼ばれているそうです。



それでは荘厳寺もこれにて納めといたします。




▼御朱印です。






立派な石垣の上に佇む本坊は現在平成大修復のため下から見上げるだけですが、本堂への道は、山岳寺院の参道らしい
参道、昼なお暗き深厳とした鬱蒼の樹々の間を縫う石段参道。両側は初め楓が並び、やがて杉の大木が迫るまさに深山
幽谷の風(ふう)、石段も自然石を低く積んだもので、石段嫌いのボクでさえ好きになりそう。
本堂エリアの堂宇は本堂と多宝塔のみですが侘寂の効いた佇まいは何とも云い難い趣が感じられます。

御朱印を戴きに庫裏を訪ねたのですが、残念!奥様はお出かけでした。お礼したかったなァ……。




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