土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

善峯寺は、西国三十三観音霊場第貳拾番札所です。

2014年09月24日 | 京都の古寺巡り



(2014.09.21訪問)


西山古道で結ばれている西山三山の名刹善峯寺を訪ねました。八月初めに訪ねた光明寺以来の三山のうちの
一つです。ケッタイな夏が過ぎ、秋気足早に来つつあるこの時期は、赤が織りなすシーズン前の紅葉雌伏期
か、あの暑いさなかの緑の競演がウソのように山中の樹々は、発散していたグリーンエネルギーが朽ちつつ、
徐々に黄葉に染まりつつあります。善峯寺は西山山中に伽藍を構えています。相当な山中にもかかわらず参
拝者の多さはさすが観音霊場札所、白い巡礼姿の方々が目立ちました。


▼山門。三間一戸、二層楼門、正徳六年 (1716年)建立。




[ 善峯寺 ]
●山号 西山(せいざん)
●寺号 善峯寺 (よしみねでら)
●開基 源算上人 (げんさんしょうにん)
●開創 長元二年 (1029年)
●宗派 天台宗単立
●本尊 千手観世音菩薩立像 (秘仏)
▲拝観料 500円 朱印300円 駐車料500円
▲拝観時間 8:00~16:45
▲西国三十三カ所観音霊場第二十番札所
▲京都市西京区大原野小塩町1372 Tel.075-331-0020
▲http://www.yoshiminedera.com/
▲阪急京都線「東向日」から阪急バス66番 善峯寺行終点「善峯寺」下車 徒歩8分
 

▼山門扁額。




善峯寺縁起 (善峯寺HPより抄出)
善峯寺は平安中期の長元二年(1029年)源算上人により開かれました。上人は比叡山横川の恵心僧都に師
事して、四十七歳で当山に入り、小堂に御自作の千手観音を本尊として奉安されます。長元七年 (1034年)
後一条天皇より鎮護国家の勅願所と定められ「良峯寺」の寺号が下賜されます。長久三年(1042年) 後朱
雀天皇勅命により、洛東鷲尾寺の仁弘法師御作千手観音を当山に遷して本尊し先の観音像を別に祀られまし
た。建久三年(1192年)後鳥羽天皇より「善峯寺」の宸額が下賜されました。また白河天皇や後花園天皇
により伽藍寄進整備がなされ、後嵯峨天皇や後深草天皇など皇室の御崇敬をうけました。鎌倉時代には慈鎮
和尚や証空上人が住職を勤め、また西山宮道覚入道親王を始め、青蓮院門跡より多くの親王が籠居され、多
数の僧の入山により、室町時代には僧坊五十二に及びますが、応仁の乱により大半の坊が焼失、江戸時代に
徳川将軍綱吉の生母桂昌院を大檀那として、現存の鐘楼・観音堂・護摩堂・鎮守社・薬師堂・経堂が復興さ
れて、貴重な什物が寄進されました。現在の当山は、西国三十三所観音信仰、遊龍の松、桜、あじさい、秋
明菊、紅葉など季節の彩り、京都市内の眺望が特徴です。また所有地三十六万坪、境内地三万坪、多くの堂
塔伽藍ならびに数百点にのぼる貴重な什物を受継いでいます。



▼阿形金剛力士。





▼吽形金剛力士。



仁王さん部屋はガラス囲い、金網だったら奥の手があるんですがネ。



▼山門を潜ると一直線に本堂への石段。巡礼の方が三々五々。





▼観音堂 (本堂)。桁行五間、梁間四間、入母屋造、桟瓦葺、一間向拝付。元禄五年 (1692年) 再建。
 本尊 千手観世音菩薩立像ですが秘仏 像高178.8cm、木造漆箔、平安後期。





▼南無千手観世音菩薩と揮毫された本堂扁額。





▼本堂前に手水舎。





▼遊龍の松 (天然記念物)。ようもまァここまで延びたものです、五葉松、全長37m。樹齢600年。





▼遊龍の松の碑。





▼遊龍の松の下から覗いてみました。幹の太さにはビックリ。





▼鐘楼。貞享三年(1686年)桂昌院寄進。





▼護摩堂。三間四方、宝形造、桟瓦葺、元禄五年(1692年)桂昌院寄進。





▼護摩堂扁額。





▼五大明王が祀られた須弥壇。五大明王は新しい作でしょう、儀軌に則った彩色と思いますがキラキラです。





         ▼中央本尊不動明王坐像。





▼経堂。宝永二年(1705年)建立。六角堂、二層に見えますが下は裳階です。桂昌院寄進。





▼経堂扁額。





▼傅大士 (ふだいし) を奉安。後ろは輪蔵、鉄眼版一切経が収められています。
 傅大士は中国僧で、輪蔵の制を創設したことにより輪蔵の正面に像が置かれるようになったそうです。





         ▼多宝塔 (重文)。元和七年(1621年)建立。本尊 愛染明王。





▼秋明菊が咲き始めてます。





▼開山堂。貞享二年(1685年)建立。開山源算上人廟所。





▼開山堂扁額。





▼お厨子の中に開山源算上人百十七歳の像が祀られてるそうです。





▼善峯寺の大檀那、桂昌院 (綱吉の生母) 遺髪を納めた廟所。宝永二年(1705年)建立。





▼釈迦堂。桁行三間、梁間三間、入母屋造、桟瓦葺、一間向拝付。





▼釈迦堂扁額。





▼釈迦堂内陣扁額。二百三十七世天台座主石室孝暢師揮毫。





▼釈迦堂本尊石像釈迦如来坐像。伝源算上人刻。当初風雨にさらされていたせいか、風化厳しい刻面です。





▼釈迦堂前の手水舎。ココからもまた眺望がいいんです。





▼薬師堂への道すがら。点在する伽藍です。





▼薬師堂への参道。





▼石段の先には薬師堂。





▼境内最高所に建つ薬師堂。本尊 薬師如来、元禄十四年(1701年)建立。





▼薬師堂扁額。





▼本尊薬師如来立像、左右に日光、月光菩薩立像。





▼どうですこの眺望! 真ん中の一番高い山は比叡山と思います。





▼薬師堂裏手に、開山源算上人建立の蓮華寿院旧地を利用した池泉庭園。









▼けいしょう殿。大檀那桂昌院さんの像が置かれています。





         ▼青蓮の滝。細い細い滝見えます?
          水量はもうチョット多いんですがシャッタースピード間違えました。





▼鎮守社稲荷大明神。





▼阿弥陀堂。常行三昧道場。桁行三間、寄棟造、本瓦葺、外縁、一間向拝付。寛文十三年(1673年)建立。





▼阿弥陀堂扁額。





▼阿弥陀堂須弥壇。





        ▼本尊 宝冠阿弥陀如来坐像。
         深い沈思の表情に阿弥陀思想の奥が見えるような。





▼広くて高低差かなりの境内巡りいよいよオシマイ。阿弥陀堂参道を下りましょう。





▼本坊前に咲く秋明菊。本坊庭園の秋明菊が有名らしいのですが、修理工事のため閉庭中でした。





▼本堂前に戻ってきました。





▼本堂から山門。





▼御朱印です。





是非訪ねたかったお寺の一つ善峯寺、境内は広く伽藍は斜面にそって散在、参道は坂あり石段ありで高低差
かなりの相当ハードなところ。数ある大寺院伽藍配置のいずれにも当てはまらない山岳寺院の特色を足で感
じる事の出来る境内は、まわりごたえがありますよ!

このお寺の春秋は云うまでもなく桜と紅葉。境内の一角に白山桜あじさい苑という花苑がありますが、今は
全く色気も何もなし、一方で今、秋明菊の旬と聞いていましたがこの花もこれからとの事でした。

ながながと50カット越え、オシマイ
最後までご覧いただきアリガトウございました。








↓ ポチッと押していただければたいへん嬉しいのですが。

神社・お寺巡り ブログランキングへ