(2011.08.13訪問)
「只管打坐」ただひたすらに座禅をしなさい。それが最高の修行であり、悟りへ
の道だ。曹洞宗祖道元さんが開いた永平寺を訪ねました。
お盆の一日、北陸の名刹はなんと人の多さか老若童男女だらけ。その中に混じっ
てボクたち二人の名刹巡りが始まりました。
▼永平寺全景図。
[ 永平寺 ] えいへいじ
●山号 吉祥山(きちじょうざん)
●寺号 永平寺(えいへいじ)
●宗派 曹洞宗大本山
●開山 道元
●開基 波多野義重
●創建 寛元二年(1244年)
●本尊 釈迦牟尼仏坐像
▼寺名石標。
永平寺縁起
嘉禄元年(1225年)二十四歳で入宋した道元さんは、天童山景徳寺如浄禅師から堂
奥の聴許を許され帰朝後、京深草に観音導利興聖宝林寺を開創。その後、北条家
臣波多野義重からその領地越前国志比庄の大佛寺を寄進され、寛元四年(1246年)
道元さん四十七歳の時、大佛寺を永平寺と改名、座禅修行道場として永平寺開山。
▼石碑。
山号寺号と共に日本曹洞第一道場と刻されています。
▼参道。
参道入口は参拝者でこの通り、相当な人出、参道手前は土産物お店、旅館ホテル、
駐車場と門前市をなす如く、大変な賑わいです。
▼通用門。
通常お寺拝観は、先ず山門を通り境内へとなりますが、このお寺は様子が違いま
す。この通用門がすべての人々の入山門です。
▼傘松閣画天井の大広間。
入るとスグ傘松閣総受処がありいよいよ入山です、二階に156畳敷きの画天井の
大広間があり、昭和の初めの画家144名による230枚の花鳥画が描かれています。
ここから伽藍巡りが始まります。
▼山門内。
▼山門左右の四天王。
正面左に多聞天と持国天。
正面右に増長天と広目天。
▼中雀門。
山門と仏殿との間にある門。
▼仏殿。永平寺の中心伽藍。
▼仏殿扁額。
▼仏殿須弥壇。
内陣は質素な荘厳、中央に祈祷の扁額が架かり、周辺欄間には透かし彫りの木彫
がはめられています。禅宗逸話だということです。
▼仏殿本尊、中尊釈迦牟尼仏坐像、脇侍に阿弥陀如来と弥勒如来の釈迦三尊形式。
▼仏殿。
▼法堂。
七堂伽藍の最奥最高所に建つ説法道場。
▼法堂須弥壇。
法堂本尊、聖観世音菩薩。須弥壇手前に阿吽の白獅子が控えています。
▼法堂からの眺め。手前の長い建物は回廊です。
▼承陽門。
奥に見える堂宇が承陽殿。道元さんの御廟。日本曹洞宗発祥の聖地です。
▼大庫院。
一般寺院の庫裡、厨房や客接待間、宿泊施設などがあるそうです。
▼大祠堂殿。
一般の人々の供養法要のお堂。
▼納経塔。
写経納めの報恩塔。
▼浴室。
三黙道場の一つ。一切の私語禁止。「あー気持ちよかった」等はもってのほか。
▼鐘楼。
昭和三十八年に改築、NHKのゆく年くる年の「除夜の鐘」のあの鐘楼です。
▼唐門。
参道正面に見える唐門(勅使門)。
細部には優れた彫刻があり、風格や気品は素晴らしいものといわれているそうで
すが、ボクたちは近づくことすら出来ません。永平寺貫首の普山式や皇室使者が
入山時に開かれます。
七堂伽藍はすべて回廊で結ばれ、伽藍の外に出ることなく、靴を脱いだり履いた
りすることなく、お堂巡りが出来るよう配慮されています。残念だったのは、総
ての伽藍をつなぐ回廊と各お堂からしか他の堂景を見る事が出来ません。要する
に地面に足を下ろすことが出来ず、周辺ウロウロ派にとっては、とっても不満が
残ります。
お寺はウロウロする処に非ず、写真を撮りまくる処に非ず、道元さんや信仰厚き
方々から怒られそうですが……。