裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

東北さすらい人助け旅・6

2011年07月25日 22時46分59秒 | 被災地ルポルタージュ
オレたち硬派組とは別行動の温泉宿泊組は、この日の作業が終わったら東京へトンボ帰りのスケジュール。
バスの時間が迫り、さよならの挨拶を交わす。
ロイター特派員のリサと息子のジョシンも、汗みどろ、泥まみれで、名残惜しそうな顔をしてる。
「Thank you ! for Japan !」と、日本を代表して、力強く述べておいた。
オレは外国人と接するとき、常に日本代表の心づもりでいる。
異文化交流は、官邸ではなく、常にフロントライン(最前線)で行われてるのだ。
オレは総理大臣代行として、彼女とその息子に接するのだ。
そんなあっぱれな人物に、コネチカットのジャーナリストは「日本のためにありがとう」と言われてる。
それは、ただの挨拶ではないよ。
それによって、どれだけ彼女が今回の仕事を「誉れ」に思えるか、という、これは重要なひと言なのだ。
そう信ずればこそ、オレは彼女らに対して、そのひと言を言わねばならんのだった。
彼女らは、この困り果てた日本を憂い、思いやり、ついに行動を起こし、被災地を(少しだけ)救った。
その対価を彼女らは受け取らなければならず、オレはそれを国家を代表して贈ったというわけだ。
なんとすばらしいやり取りではないの。
とても意味のあるひと言というものがこの世の中にはあるが、これがそのひと言である、と断言するよ。
彼女らは、これで報いられたのだった。
ただ、こじきのおっさんがひと言の挨拶もなしにバスに乗車。
おまえ、オレのことが好きやったんちゃうんか~!
ちょっぴり切ない・・・
ともあれ、バスは去り、フリーランス組は残される。
・・・が、ここでとある問題が提起される。
オレ個人と救援団体との間の齟齬が露見したのだ。
いわば、いつもの酒場のケンカみたいなものなのだが、実にこの問題には相容れないものがあった。
こちらとしては、「義」の気持ちだけでこの活動に参加してるという自尊心もあり。
この団体の活動には心から賛同するし、尊敬もしてるのだが、その点だけは譲れなかったので、現場を離脱せざるを得なかった。
本当にオレ、アホなんかな?
とにかく、ひとり石巻を離れ、あてもなく仙台に移動。
しかし、いくらなんでもこのままおめおめとは帰れない。
飛び込んだホテルのネットで検索し、この地で働ける口を探す。
すると、「いつきてくれてもOKヨ」みたいな軽薄な文言に突き当たり、そこを頼ることにする。
すぐさま出発!
したかった・・・が、その前に腹ごしらえだ。
体重が落ちすぎてて、このままでは死んでしまう。
とりあえず、牛タン屋に駆け込み、生ビールを口にした。

つづく

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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