徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

ノボリ4/ハッピーサッド

2005-11-27 15:00:26 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス04~05
<「危なかったですね、胴上げ(笑)。ちょっと『危ないなぁ』って思ったんですよ、僕も。あのまま『落とされちゃうのかな』って思ったんですけど、それもみんなの気持ちだと思うんでね、ホントに感謝したいと思います」>(Sの極み 11月26日付)

澤登正朗オフィシャルサイト ザ・コンダクター
澤登正朗選手 現役引退記者会見の内容について(j's goal 11月26日付)
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男の新しい旅立ちにはSIONだろう、ということでEMI時代のCDを何枚かMDにぶち込み、新幹線で日本平へ向かう。

ホーム最終戦。ファーストシュートはノボリ。
白熱したゲームに途中から、今日のゲームでスペシャルな存在であるノボリのことさえ頭に浮かばなくなってしまった。それほど90分間均衡し、息をつかせない見ごたえのある内容だったということだ。鹿島は優勝戦線に生き残るために、清水は残留を確実にし、そしてノボリにホーム最後の勝利を捧げるために。しかし感傷に浸る暇もなく両チームは最後までファイトし続け、ゲームは2-2の同点で終了。それを証明するように、ゲーム終了と同時に清水の数人のプレイヤーがゴール前で倒れこんだ。
ノボリはこれまでの14年間と変わらない輝きをこのゲームでも放っていた。しかしチームがノボリの存在を忘れさせてくれるほど“普通”に戦えたことは、とても素晴らしく、誇らしいことだ。こんなゲームができていれば、残留ではなく優勝戦線を争うことができただろうなと思う。

そしてシーズン報告会とノボリ引退セレモニー。
隣のオジさんが鼻をすすっている。前の席のバアちゃんが「次の試合(広島)も行ければいいんだけどねえ、歳だから」と笑いながら話し掛けてくる。もちろんゴール裏の若い連中の叫びは止まない。健太の挨拶の途中でオレも持っていたカメラを下ろしてしまった。何だこんなもの、カメラはカメラマンに任せとけ、オレは自分の目に焼き付けたいんだ、てな感じである。ノボリの挨拶が始まるとオレも目頭が熱くなった。
長い長い場内一周のあと、関係者による胴上げ。ヤクルトの若松監督以来じゃないかというくらい、ノボリは高く高く舞った。とても悲しいけれども、ハッピーなセレモニーになったことが嬉しい。

東海大一高時代から彼のプレイは見ているが、ノボリにとって幸せだったのは、JSL時代を経た健太、大榎、堀池の三羽烏とは違い、一番輝かしい時代のすべてをプロプレーヤーとして見せることができたことだろう。もちろんすでに三羽烏は清水のかけがえのない「顔」だが、そのひとりにノボリが加わり、クラブの歴史が積み重ねられていく。
この日のノボリの決断によって、クラブも新しいステージに入ったことを確信できた。さらにパルちゃんがJで一番可愛いのも確信した。ノボリの引退でさえ日本平を満員にできなかったことは残念だったが、チームが強くなることでそれは解消できるだろう。
ノボリ、お疲れ様でした。

静岡で焼酎1本。
『お前がいる』と『通報されるくらいに』をリピートして聴きながら帰る。
清水もノボリもこれからぶっとばしてきます。

<あわてんなよ 雨が上がったからって いきなり晴れるわけもないさ
俺はまだ やっと今 始まったばかりだろ
早くはない 遅くはない 始まったら始まりさ
何度でも 何度目でも 始めたら始まりさ

褒められたくて 気にして欲しくて わかって欲しいことが
見返したくて カッコつけたいことが 全部力をくれる
同じ景色に 蹴躓いて また無様にコケたとしても
笑われても 相手にされなくても それがどうした

ほら 通報されるくらいに ぶっとばすぜ

時間はまだあるからって そうゆっくりしてられないんだ>
『通報されるくらいに』SION)



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