徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

彼の情熱

2011-08-04 19:48:05 | Sports/Football


森岡隆三コーチ(京都)「マツ(松田)と組んでプレーするのが好きだったし、マツのプレーを見るのが好きだった。日本最高のDFだったと思う。彼の情熱を日本サッカー界は忘れてはいけない」(スポーツニッポン 8月4日付

Jリーグ2連覇を果たした岡ちゃんマリノスというチームは嫌いじゃなかった。
オレは岡田武史という人物が好きだったし、彼のチームは湯浅健二あたりを初めとしたレッズ系の連中に悪態をつかれながらもその強さをキープし続けた。そもそもマリノスに悪態をつくレッズも嫌になるくらい強かった。「強さ」というのはやはりディフェンスの力に他ならないというモデルをJリーグに打ち立てたのが、この時代のレッズ、そしてマリノスというチームで、そのチームの中心にいたのが松田直樹だった。
画像にもあるように彼らの時代から「ASIA」は本格的にリーグの目標となり、結果的にレッズはアジアチャンピオンへと突き進み、マリノスはアジアでの苦しい戦いを契機に息切れしていく。キャリアの終盤は決して望むような結果を得られていたとはいい難いけれども、新しい時代のJリーグを作ったのは間違いなく彼らだった。
昨オフに、その松田を戦力外にしてまでチーム改革を断行したマリノスは今、リーグ首位に立っている。そして松田は松本山雅というクラブでの新しいキャリアをスタートさせたばかりだった。マリノスはこの改革によってチームを前進させ、松田はJFLという予想外の場で、新しい情熱を持ってチャレンジをスタートさせることでキャリアを深化させつつあった。決断は非情で、生え抜きのベテランとの別れは悲しいことだっただろうけれども(それは同じように大改革を断行したエスパルスも同じ、さらに言えばどのクラブでも起こり得ることである)、お互いにとって幸福な、次の一歩だったのではないか。
松田が死にさえしなければ。

マリノスのみならず日本サッカー界のリーダー候補でもあった男の夭折は悲しいことだけれども、きっと彼を忘れることはないだろうと思うし、膨大な映像の中で彼の記憶は受け継がれていくだろうと思う。
松田直樹さんのご冥福を心よりお祈りします。

彼には悪いけど、今でも代表の松田というよりもやはりマリノスの松田なんだよな…。

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