マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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切幡神明神社秋大祭

2010年11月25日 07時40分55秒 | 山添村へ
元々は16日が祭礼の日だった山添村切幡の神明神社の大祭。

上出と下出の両垣内の氏子たちが集まりやすい第三日曜に移った。

本殿には提灯を設えてお供えを吊している。

フクラシの木に吊ったカマスは6匹。

それは合計4本ある。

拝殿から一段高い位置にある本殿の前には鳥居がある。

そこには柚の実を付けた木を括っている。

村人の参拝接待に供される甘酒は桶に入れている。

それを運ぶのは当屋の息子たち。

参籠所の廊下に受付台を設けた。

そのころ出発した上出のお渡り一行。

御幣を持つ村の神主を先頭に大当屋と相当屋の二人。

いずれも白衣の衣装で御幣を持つ。

後列には和服や礼服衣装の氏子たちが続く。

彼らは小さな御幣を手にした。

川つたいの旧道をお渡りする一行。



一目見ようと村の人が出迎える。

特に決まりはないがこの年は上出が最初に神社に着いた。



そのころ下出は出発していた。

同じように旧道を渡ってきた。

御幣を持つ村の神主は白衣、二人の当屋は羽織袴姿。

サカキの木も持っている。

両垣内とも御幣は欠かせない。



神社では可愛い姿のお稚児さんが迎えてくれた。

祭りは華やかさを保った。

御幣は拝殿横に置いて参拝する。



それを済まして甘酒をいただく。

右手は上出で杯は黒色だ。

左手は下出で杯は朱色。

甘酒が注がれているそれぞれの杯を手にして口に入れた。

微妙に味は違うが、大差はなくいずれも美味しい甘酒だ。

そして御供のモチを一個いただく。



参籠所には座衆が座った。

神職を迎えて神事は始まった。

拝殿に入るのは右手が神主と上出の当屋と区長。

左手は氏子総代役員と下出の当屋。

祓いの儀など賑々しく神事が行われた。

その間、ご婦人や子供たちは境内で参拝する。

それが終われば神事相撲に移る。

まず上出の神主と当屋が拝殿から筵を登っていった。

その際には藁草履に履き替える。



3人は氏神さんに向かって拝礼したのち2人の力士が肩を組み合った。

左に三回ぐるぐる回る。

そして甘酒を一杯口にする。

その次は右に三回ぐるぐる回る。

同じように杯に注がれた甘酒を飲む。

これで奉納相撲を終えた。



次は下出の出番だ。

所作は同じだ。

これらの所作は参籠所からはまったく見えない。

拝殿の向こう側の本殿はまったく見えないのである。

見たこともない人は大勢居る。

当屋経験者でない限り判らない神事相撲だ。

今回は神主に特別許可を得て撮影させていただいた。

この場を借りて感謝申し上げる次第だ。

すべてが終われば参籠所で直会。

神主が接待するいつものアズキメシをテゴク(手御供)でよばれる。

お神酒も入ってなごやかムードになった。

(H22.10.17 EOS40D撮影)