本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

僕たちの好きだった革命

2008-05-03 08:44:23 | Weblog
■本
33 僕たちの好きだった革命/鴻上 尚史
34 スズキが覗いた芸能界/松尾 スズキ

33 学生運動中にガス弾が眉間に当たり意識不明となった高校生が30年後に突然覚醒し、文化祭の企画を学校側から禁止された生徒達とその実現に向けて活動する、というのが主なあらすじです。結構、ベタな内容ですが、自分達の手で社会を変えることができるという信念を持てた時代の空気感や学生運動に挫折した世代の絶望感が伝わってきて結構感動しました。文化祭実現に盛り上がった高校生達も、違和感を感じつつも、その後やはり体制側に順応させられているという少し苦い展開も時代にあっている気がします。体制に順応させられて、母校の教師となった登場人物が、最後にささやかながらも具体的な行動を起こそうとしているところも、かすかな希望の余韻が残り、僕好みです。

34 連載エッセイや書き下ろし、対談など寄せ集めな感じがしますが、かえっていろんな時間軸(駆け出しのころから、芥川賞候補者までなった現代まで)から松尾スズキさんの考えや経歴が追えるので魅力的な内容になっています。自分の作品に対する筋の通った自信はありつつも、どこか冷めて、やる気のない感じがするのもなんとなく時代に合っている気がします。すでに、松尾さんの方が鴻上さんより時代感を代表する作家になっているのかもしれません。すごく欠点が多い人なのにそれも含めて魅力に変えているところが松尾さんの凄みです。温水洋一さん(本書の中で決定的な決別をしたとありますが)、宮藤官九郎さん、阿部サダヲさんなど、今大活躍している人たちが彼の元に集まったのもその魅力がなせるわざなのだと思います。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Ghosts I-IV | トップ | ペット・サウンズ »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事