本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター

2023-02-12 07:47:16 | Weblog
■本
11 コンテンツ・ボーダーレス/カン・ハンナ
12 会社で「生きづらい」と思ったら読む本/岩谷 泰志

11 BTS、「イカゲーム」などの成功事例を元に韓国のコンテンツがどのような戦略を元に世界中に展開されていったのかを解説してくれる本です。それだけではなく、日本の有識者との対談を通じて、韓国の成功例を日本にどのように応用していくべきかについても考察されていて参考になりました。韓国がコンテンツの世界での流通を意識して、早い段階から権利処理を再利用しやすいようにシンプルにしていたことと、政府がクリエイターに口を出すのではなく、各国のトレンド情報の提供や資金援助といったサポートに徹していた、という点が印象に残りました。少しの援助でも下手に口を出して成果が出ていない(ように見える)「クールジャパン戦略」も学ぶところが多いです。また「海外から見た日本の良さを踏まえたコンテンツ作り」という視点も納得感が高かったです。「他者から見た自分の個性、強みの把握」、「時代の流れを読む力」、その一方での「人類に普遍的な共感要素」、の3つのバランスをうまく取ることが重要なのだと感じました(それが簡単にできれば、苦労はしないという話でしょうが)。

12 産業医経験が長い、心療内科・精神科の先生による、会社で心の問題を抱える人の背景にある症例について解説された本です。厳しさが増す一方の会社生活で、とにかくサバイブしていくためにどうすべきか、という視点が貫かれている点が特徴的で共感が持てます。また、さまざまな問題を抱える人のケースが充実している点も参考になります。ただ、タイトルにある『会社で「生きづらい」と思った』人よりも、そのような人々から相談を受ける人向けの内容です。自分を客観視できるに越したことはないですが、問題を抱える当事者はここまで自分を客観視できないと思います。どちらかと言えば「生きづらい」と思う前に読むべき、ワクチンのような本です。


■映画
8 幸せへのまわり道/監督 マリエル・ヘラー
9 アバター:ウェイ・オブ・ウォーター/監督 ジェームズ・キャメロン

8 トム・ハンクス演じる米国子ども向け番組の国民的司会者と、父親との葛藤を抱える雑誌記者との交流を描いた実話に基づくヒューマンストーリーです。私も父親に対していろいろと思うところがあったので、とても共感できる内容でした。その一方で、子ども向け番組の構成を応用したウエルメイド過ぎる展開と、トム・ハンクスの憑依系の上手過ぎる演技といった情報量が多く、どうしても俯瞰的な目線で見てしまいました。とはいえ、国民的司会者の聖人的キャラクターも含め、本当に感動的な内容です。もう少し若い時に出会っておきたかったと思える作品です。

9 世界歴代興行収入トップをキープし続ける「アバター」の続編です。3時間超という時間の長さと、日本ではさほど盛り上がってない気がしていて、なかなか映画館に足が向きませんでしたが、それでも、米国では大ヒットしているということで観に行きました。3Dで観たかったのですが、時間が合わず2Dでの鑑賞です。「エイリアン2」「ターミネーター」のジェームズ・キャメロン監督作品だけあって、終盤の「これでもか!」というほどの怒涛のアクションシーンは見応え十分で、それだけでも大満足です。それだけなら、2時間超で収まった尺を3時間超までにしたのは、アバターの世界感を丹念に描こうとする執念を感じました。結局、ジェームズ・キャメロン監督は単なるアクション映画ではなく、テーマパーク的な体験を観客に提供したかったのだと思います。それだけに3Dで鑑賞しなかったことが悔やまれますが、この上映時間の長さも含めての情報量の多さが、今のスマホ視聴が普及した時代と、少なくとも日本では少し合わなかった(3D上映が結構終了していました)のかもしれません。個人的には、やはりここまで素晴らしい体験ができたことに素直に感動しました。前作の密林から舞台を変え、本作では海中のCG映像の可能性にチャレンジされている点も見事です。これだけの緻密な世界観と映像の手間を思うと、スタッフの努力にただただ敬意を表するのみです。ハリウッドの潤沢な予算に裏打ちされた圧倒的なパワープレイを見せつける、歴史に残る傑作だと思います。
コメント
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