本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

ビジネスの未来

2021-01-02 07:21:10 | Weblog
■本
1 一発屋芸人列伝/山田ルイ53世
2 ビジネスの未来/山口 周

1 先週読んだ「ヒキコモリ漂流記」に続き、山田ルイ53世さんの本を。タイトル通り「一発屋芸人」(中には、レイザーラモンHGさんや、テツ and トモさんのように、現在でもメジャー感のある方もいらっしゃいますが)に、ご本人も「一発屋芸人」と言われることの多い山田ルイ53世さんが、一発を当てた当時とその後についてインタビューをされた内容がまとめられています。「ヒキコモリ漂流記」以上に、山田ルイ53世さんの地頭の良さが堪能できる内容で、「一発屋芸人」に対する厳しくも優しいツッコミと、相手の癖の強さを表現するワードセンスが抜群です。キンタローさんのように、比較的早く売れた人もいらっしゃいますが、「一発屋芸人」の多くが売れる前や売れた後に、とても長い不遇の時期を過ごされていて、それが、山田ルイ53世さんの長いヒキコモリの時期ともシンクロし、人生における一見無駄とも思える時期の意味(当事者にとってはそのような時期は望ましいものではないとは思いますが)についてもいろいろと考えさせられます。人の個性(芸人さんの場合芸風も)をかたち作る上での、時間の与える影響についての興味深い考察にもなっている気がします。

2 ビジネス書でヒットを連発されていて、私もどの作品を読んでも感銘を受けることの多い山口周さんの新作です。新年の勉強と思い読みました。本作は単なるビジネス書という枠を超えて、思想書としてとらえてもよい、社会全体の変革について考察された壮大な内容です。これまでどちらかと言えば、ノウハウの提示やフレームワークの整理が得意だったという印象が強い山口さんが、リスクを取って資本主義に対する立場を明確にされていて(「資本主義をハックする」という言葉が印象的です)、日本の取るべき方向性についても賛否が分かれそうな提言を具体的にされている点が新鮮です。その分、読者にも社会に対する単なる批判者ではなく、改革者として自らも行動することを要求する厳しい本でもあります。基本的には、経済合理性(ビジネス)で解決される社会課題はほぼ解決されつくしたので、その外側にある課題を、各個人が充実感を感じられる本当に好きなことに取り組むことにより解決できるような環境を整えるべし(その一案としてのベーシックインカムによる社会保障や増税)という内容が提言されているものと私は理解しました。個人的には、企業がSDGsについて声高に叫ぶ現状に対する違和感の理由が分かった点も有益でした。若干性善説すぎる点があると思いますが(現状のコロナの状況を見ていると多くの人が、「衣食足りて礼節を知る」というわけにはいかない気がします)、自分の消費の仕方や仕事に対する取り組み姿勢について改めて考える上で、とても刺激になりました。自分の考えや行動について、新年に省みる機会を与えてくれるとても良い本です。


■映画
1 スカイスクレイパー/監督 ローソン・マーシャル・サーバー
2 ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章/監督 三池 崇史

1 たった一人で高層ビルへ家族の救出に向かうという設定が、「ダイハード」に似すぎているという批判もありますが、さすが、ドウェイン・ジョンソン主演作品。安定のアクション・エンターテイメントに仕上がっています。強くなり過ぎたドウェイン・ジョンソンに義足というハンデを与えてスリルを追加したアイデアも、若干あざとくはありますが成功しています。制作に中国資本が入っている影響が随所に見られますが、その点が良くも悪くも「ダイハード」との差別化要因になっています。頭を空っぽにしてシンプルに楽しめる、豪華で大味なB級作品です。

2 年末にNHKで放送されていたスピンアウト作の「岸辺露伴は動かない」が話題だったので、まずはこちらを観ました。予定されていた続編がまだ制作されていないなど(空条承太郎役の伊勢谷友介さんの事件もあるので今後も難しいかもしれません)、あまり評判がよくなさそうですが、私は結構好きです。ずいぶん前に、少年ジャンプ連載の原作を読んだ記憶も蘇ってきました。舞台となっている杜王町の街並みがとても美しかったのでロケ地を調べてみたら、スペインの街でびっくりしました。予算に限りがある中で、よいメリハリのつけ方だと思います。その分、CGで描かれたであろうスタンドの描写が若干安っぽい気もしますが、それでも及第点です。神木隆之介さん、小松菜奈さんの演技は抜群の安定感ですし、その他のメインキャラクターも、原作の設定からかなりデフォルメされていて実写化するとどうしても過度にコミカルに映って難しい面があったと思いますが、こちらも及第点だと思います。漫画原作の実写映画化作品に酷いものが多いので、私の評価のハードルが下がっているのかもしれませんが、観ても損はない作品です。
コメント
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