本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

リラックスのレッスン

2019-11-09 09:21:24 | Weblog
■本
101 マチネの終わりに/平野 啓一郎
102 50代から強く生きる法/佐藤 伝
103 リラックスのレッスン/鴻上 尚史
104 祝祭と予感/恩田 陸

101 アメトークの「読書芸人」で取り上げられていて、ずっと気になっていた本でした。映画が公開されるといろいろとネタバレしてしまうので(「たった三度出会った人が誰よりも深く愛した人だった」というコピーもかなりのネタバレだと思うのですが)、慌てて読みました。個人的には難解だというイメージが強かった平野啓一郎さんですが、とても読みやすく、エンディングまで一気に読めました。読後感も非常によく、ウエルメイドな作品です。意図されてのものだとは思いますが、都合よく人が出会い過ぎるところと、あまりに稚拙な嘘に騙される点が、歪み切った性格の私には不自然に感じましたが、それも含めての美しい話なのだと思います。会話中に巧みに挿入される「正義」についての考察や、登場人物の中年期特有の悩みについても、考えさせられることが多く、いろんな意味での「大人」の恋愛小説だと思いました。

102 というわけで、まだ、50代ではないですが、中年期特有の悩みに対してアドバイスしてくれる本を読みました。仏教をベースに、筆者特有のスピリチュアルな味付けがなされているものの、特段目新しい発見はありませんでしたが、人生の折り返し地点を過ぎてからの心構えをまとめて読むと、今後の人生に対して備えておくべき事項について考えが整理できました。とりあえず、若者に面倒くさい人と思われないようにすることと、会社以外のコミュニティを作ること、は意識していきたいと思いました。

103 「ほがらか人生相談」を読んでスイッチが入ったので、引き続き鴻上尚史さんの本を読みました。タイトル通り、プレゼン等、人前で話す場でリラックスするための方法について教えてくれる本です。演劇のメソッドに基づき解説してくれているので、単なる精神論にとどまらず、方法論として体系立っているのでとてもわかりやすく、理解もしやすいです。身体と精神の関係について冒頭に持ってこられている点も鴻上さんらしいです。「与えられた状況に集中する」、「今ある状況に集中する」など、近年流行りの「マインドフルネス」にも通じるアドバイスもあり、いろんなことが繋がっているということも感じました。リラックスするためだけに限らず、できるだけ細部まで具体的に考え抜くことが、人に何かを伝える上では大切だということを学べました。

104 「蜜蜂と遠雷」のスピンオフ的な連作短編小説集です。個性的ないろいろな登場人物の、過去や後日談が描かれていて、元ネタのファンとしては楽しめました。個人的には、高島明石というキャラクターが大好きだったので、彼についてのエピソードがなかったのが少し残念です。主要人物はもちろんのこと、脇役までその過去が詳細に考えられている点に驚嘆します。作中で描かれている様々なピアニストの才能と同じく、恩田陸さんの作家としての凄まじい能力と努力にも感動します。


■映画
104 ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密/監督 ショーン・レヴィ
105 スノーホワイト/氷の王国/監督 セドリック・ニコラス=トロイアン

104 「ナイト ミュージアム」シリーズの完結編です。このシリーズは設定とそれを活かす映像がとても独創的で大好きです。他の作品では、日本人にとって辛く感じることの多い、ベン・スティラーやオーウェン・ウィルソンのベタで大げさなギャクも、博物館の展示物が動き出すというそもそもの設定が破天荒なので、不思議とこのリリーズでは受け入れることができます。舞台を大英博物館に移しているものの、さすがに3作目なのでマンネリ感があることは否めないですが、やはり楽しい作品です。最晩年のロビン・ウィリアムズが、コメディを演じている姿が見られるところも、切なくもあり、うれしくもあります。

105 テレビで放送されていて、「マレフィセント」っぽい大作の佇まいだったので観ました。よく知らなかったのですが、3部作予定の2作目だそうです。1作目は観ていませんが、よく知られた「白雪姫」をベースにしているので、それほど苦労なく世界観を理解できました。予想通り、「マレフィセント」とよく似たダークファンタジーで(制作時期を見ると一作目はこのシリーズの方が先に制作されているようですが)、「マレフィセント」でアンジェリーナ・ジョリーがしていたような仰々しい演技を、本作ではシャーリーズ・セロンがしています。地位を確立した大物女優は、こういう豪華な衣装を纏った、強面の美女をやりたがるのでしょうか?アンジェリーナ・ジョリーの方が強面に加えて、どこかコミカルさもあるので、個人的には好感が持てます。
コメント
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