本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

Cheetah EP

2016-07-16 10:17:41 | Weblog
■本
54 The Customer Journey/加藤 希尊
55 VRビジネスの衝撃/新 清士
56 天才/石原 慎太郎

54 セールスフォース・ドットコムさんがマーケティング・クラウドというソリューションを売るための本、という先入観があったのですが、意外とプロダクトのPR色は薄い本でした(宣伝会議さんと立ち上げられた「JAPAN CMO CLUB」という団体のPR色は強いですが)。実際のマーケッターが、自社ブランドのカスタマージャーニーをどのように考えているか、の事例が豊富にあり、当然、重要な部分は極めて簡略化されてぼかされていますが、「カスタマージャーニー」とはどのようなものか、を肌感覚で知るには参考になる本だと思います。序盤の「スマート化」、「コモディティ化」、「少子高齢化」といった環境変化の解説は蛇足なような気もするので、後半だけ読めばよいと思います。

55 VR(仮想現実-この本では誤訳という見解も紹介されていますが-Virtual Reality)がなぜ盛り上がっているのか、を国内外の主要プレイヤーの紹介と合わせて解説してくれ、とてもわかりやすく参考になる本です。VRからAR(拡張現実 Augmented Reality)、MR(複合現実 Mixed Reality)へと将来的には発展するというロードマップもわかりやすく、Google Glassなどのウェアラブルコンピュータにも、なぜ注目が集まっているか、も理解できます。一方、MRまで発展するには(現実をリアルタイムで解釈して、仮想世界と関連付けないといけないので)、めがねのような小さな端末にかなりのマシンスペックが要求され、実現までまだ、たくさんの課題があることもわかります。とりあえずはゲームや医療の世界から発展していきそうな気がしますが、注視すべき分野だと思いました。

56 内容よりも、政治に対する失望や無力感が高まっているこのタイミングで、敵対していると思われていた石原慎太郎さんが田中角栄さんを主人公にした小説を書いた、という事実が注目を集めているのだと思います。内容自体は、角栄さんが一人称で自分の人生を語るという形式で、読みやすいのですが文体は単調ですし、これと言って新しい事実が書かれているわけではなさそうです。そういう意味では石原慎太郎さんの時代を読む能力と、自己プロデュ―ス力の高さに改めて感嘆させられる作品です。石原慎太郎さんのあとがきや、お二人のこれまでの生きざまも含めての作品なのだと思います。


■CD
35 Cheetah EP/Aphex Twin

 プログラミングが困難なレア機材を用いての作品だそうです。AFX名義の前作「ORPHANED DEEJAY SELEK 2006-2008」がゴリゴリっとしたアッパーなテクノサウンドだったのと比較すると、Aphex Twin名義での前作「Computer Controlled Acoustic Instruments pt2 EP」から、アコースティックな要素をそぎ落としたような、ダウナーで情緒的な楽曲が多いです。最近、寝苦しい日が続いてますが、この作品を聴きながら眠るとよく眠れます。EPとありますが、長めの曲が多いので(極端に短いトラックも2つ収録されていますが)ボリューム感もあります。


■映画
52 マレフィセント/監督 ロバート・ストロンバーグ

 王道のおとぎ話のようで毒気が含まれていて、それでいて予定調和な感じも残る不思議な感覚のダーク・ファンタジーです。ツンデレな妖精マレフィセントを演じるアンジェリーナ・ジョリーのドヤ顔がとにかく印象的です。マレフィセントの敵役でかつ、かつての恋人でもある王様の外道ぶりもなかなかなもので、その子どものオーロラの純粋さを観ていると、人間は遺伝よりも環境が人格に影響を与える、という説に肩入れしたくなります。総じて男性キャラクターに魅力が全くなく、女性優位の作品です。善悪を併せ持つマレフィセントというキャラクターは今の時代に合っていると思いますが、ストーリーの方は「眠れる森の美女」の知られざる真相という展開は見事にはまっているのですが、もう少し毒気のある捻りがあってもよかったと思います。
コメント
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