本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

世界の経営学者はいま何を考えているのか

2015-12-12 09:48:13 | Weblog
■本
108 世界の経営学者はいま何を考えているのか/入山 章栄

 知的好奇心が刺激されとても面白かったです。タイトル通り、経営学の最先端の研究内容のエッセンスを平易な言葉でわかりやすく解説してくれています。頭の良い人っていうのはこの本の著者の入山さんのような人のことを言うんですね。最新の研究成果から得られた知見を驚きや発見に満ちたエンターテイメントとして語る手腕が見事です。経営学者の研究とはどういうものか、ということを(ケーススタディが中心と誤解されがちですが、統計的手法を駆使して科学的にさまざまな事象を分析されているようです)理解できた点も個人的には有用でした。あまりにもわかりやすく、わかった気になってしまう危険性が高いと思いますので、興味のある領域は参考文献を自分で掘り下げる必要がありそうです。実際の仕事に応用するには、自分でさらに学習する必要はあると思いますが、自分の子どもが大学に進学する際に、社会科学の研究とはどういうものか、をアドバイスする上でも役に立ちそうです。お勧めの本です。


■CD
51 A Head Full of Dreams/Coldplay

 ジャケット通りのカラフルなサウンド満載の作品です。これまたジャケットの印象からか前作を「陰」、本作を「陽」と対比されるレビューが多いようですが(バンド自身もそのような発言をされているようですが)、個人的には前作が通常運転のColdplayで、本作のテンションが高すぎるだけだと思います。こういう時代だからこそ、多幸感のある音楽を、という志は買いますが、なんからしくないですね。内省的でかつ、広がりのあるサウンドという矛盾する要素を両立させているところがこのバンドを独特の地位に押し上げていたと思うので、個人的には少し違和感が残りました。この作品がU2で言うと「POP」的な位置づけの作品だと思うのですが、U2がその次作で出した原点回帰的でかつ進化を遂げた傑作「All That You Can't Leave Behind」を出したように、次作の展開がとても気になります。


■映画
84 007 スカイフォール/監督 サム・メンデス

 007は単純明快でスタイリッシュなアクション映画だというイメージですが、「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデス監督ということもあってか、どこか屈折したシニカルさが漂う独特の雰囲気を持つ作品です。明暗のコントラストを巧みにつけた映像や、ボンドや悪役の過去のエピソードにより、深みのある印象が残ります。ただ、ストーリーの方は、世界的なスパイものにしては、悪役の行動が、私怨(もっと言うとかまってちゃん)に基づいているので、そこは拍子抜けです。ボンド・ガールの扱いも取ってつけたような感じで残念でした。悪役のハビエル・バルデムが男臭い、いい演技をしていたので、ダニエル・クレイグ演じるジェームス・ボンドとの対決に集中した方がよかったのでしょうが、ボンド・ガールの伝統がそれを許さなかったのかもしれません。いろいろとバランスに違和感のある作品ですが、そこが、これまでの007作品と違った魅力を生み出しているとも言えます。
コメント
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