本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

悪と仮面のルール

2014-11-23 07:54:12 | Weblog
■本
103 静かなリーダーシップ/ジョセフ・L. バダラッコ
104 悪と仮面のルール/中村 文則

103 自らのリスクを省みず大胆な決断と行動を取る「ヒーロー型のリーダー像」とは違い、忍耐強く慎重に行動し、自身も含め周囲のリスクをできるだけ軽減しつつ、複雑に利害関係がからみあった問題を解決(時には解決自体を先送りしつつ自体の好転を見守る)タイプの「静かなリーダーシップ」について語られた本です。「ヒーロー型のリーダー」はハイリスク・ハイリターン型の行動様式なので、成功を収めた際には多大な賞賛を受け人々の印象に残りがちですが、その反面失敗に終わり多大なダメージを負い、人知れず去っていった元リーダーも多数存在するという当たり前の事実に気づかされます。結局好みの問題なのかもしれませんが、企業や社会の持続可能性を追求する上では、わかりやすいヒーロー型よりも、わかりにくくあいまいでかつほとんど賞賛されることのない、この種の「静かなリーダーシップ」が重要なのだと思います。日本人には親しみやすい考え方だと思いますので、アメリカ主導のグローバリズムに抵抗のある人にもお勧めの本です。

104 設定としては若干リアリティに欠けるのですが、中村さんの圧倒的な文章力でぐいぐい引き込まれ一気に読んでしまいました。人間の暗部を追求し続けた結果底を打って反転急上昇したような、終盤の生に対する肯定感が感動的です。どの登場人物も一筋縄ではいかず魅力的で、予想を微妙に裏切るストーリー展開と相まって、筆者のこれまでの作品では最もエンターテイメント性の高い作品です。恋愛小説として見るとかなりベタな純愛ものですが、これまでこの作者の作品を読んできた者としては、新しい側面が見られて興味深かったです。「殺人はなぜいけないのか」というテーマを一貫して考え続けた作者だからこそ到達しえる、あいまいなものを受け止めつつも一つの暫定解を提示している、勇気に満ちた作品だと思います。


■CD
59 Solo Hits/New Edition

 ボビー・ブラウン、ベル・ビヴ・デヴォー、ラルフ・トレスヴァントといったニュー・エディションのメンバーのソロ作品を集めた作品です。ボビー・ブラウンの大ヒット曲「 Every Little Step」(この曲大好きです)、「 My Prerogative」やベル・ビヴ・デヴォーの「Poison」が一緒に聴けてお得です。素直にいい曲ばかりで楽しいです。


■映画
78 ブラッド・ダイヤモンド/監督 エドワード・ズウィック

 シエラレオネの内戦下でのダイヤモンドの不正取引を描いた社会派作品。善悪をはっきり分けずに、ダイヤモンドの利権にかかわるさまざまな人々の打算や愚行を冷静に描いていて好感が持てます。大迫力の戦闘シーンや壮大な自然など映像としても楽しめます。主演のレオナルド・ディカプリオは陰影のあるキャラクターを好演していて、終盤の見せ場も抜群の演技を見せてくれます。ジェニファー・コネリー演じる美人記者とのロマンスは不要な気がしましたが、監督の硬派なテーマにバランスよくエンターテイメント要素を融合させる手腕は見事だと思います。
コメント
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