本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

ブルー・オーシャン戦略

2014-02-15 09:51:33 | Weblog
■本
19 祝福/長嶋 有
20 ブルー・オーシャン戦略/W チャン キム、レネ モボルニュ

19 最近の長嶋さんの作品は変化球(大人がひたすら独自のゲームで遊ぶだけだったり、南の島で怠惰に過ごすだけだったり、、、それはそれで読んでいて楽しいのですが)のものが多い印象ですが、この短編集はいわゆる普通の人々が普通に葛藤を抱えるオーソドックスなものも収録されていて、長嶋さんの心理描写の巧みさが堪能できました。ゆるい雰囲気の小説だけでなく、「十時間」という短編では、不吉な予感に満ちた緊迫感が溢れています。村上春樹さんのセンスのある固有名詞の使い方に注目される方が多いですが、長嶋さんは漫画を読み込んだり、ゲームをやりこんだりした人しかわからない、トリビアルな固有名詞を随所にはさんでくるのが個人的にツボです(今回は「小沢健二」さんの使い方が秀逸でした)。ゆるい印象の小説の中にも、油断しているとはっとするようなクールな視点が時折現れてきて、長嶋さんの「只者でなさ」が実感できます。

20 少し前にはやった「ブルー・オーシャン戦略」のネタ元の本です。最近この言葉をあまり聞かなくなったので、いわゆるバズワードかと思っていましたが、改めてきちんと読むと「未知の市場を生み出し、差別化と低コストを同時に実現する」というこの戦略が非常によく考えられたものであることがよくわかります。「差別化と低コスト」ということがミソで、ニーズに合致する機能やサービスには大胆に投資する一方で、差別化につながらず、生活者にインパクトの少ない不要な要素をそぎ落とすことにより低コストを実現する、という考え方は足し算思考に傾きがちな日本企業が学ぶところも多いと思います。事例は今となってはスタンダードなものが多く目新しさはないですが豊富ですし、なによりわかりやすく、思考のためのツールもたくさん提示されていて、よい本だと思います。


■映画
13 酔いがさめたら、うちに帰ろう/監督 東陽一

 西原理恵子さんの漫画で取り上げられることの多い題材ですが、これは元夫である戦場カメラマン鴨志田穣さんの自伝的小説の映画化です。明らかに西原理恵子さんとわかるイラストが随所に登場するので、フィクションとして描く必要はないと思うのですが、何か事情があったんでしょうね。浅野忠信さんは鴨志田穣さんがモデルのアル中患者を熱演、永作博美さんもサバサバとして元妻(西原理恵子さん)を好演されています。力の入った映画だとは思いますが、少しストーリーがドキュメンタリータッチで淡々としすぎていて、個人的には西原理恵子さん視点の「毎日かあさん」の映画版の方が好きです。
コメント
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