本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

グランド・イリュージョン

2013-11-16 15:21:21 | Weblog
■本
99 末裔/絲山 秋子
100 30キロ過ぎで一番速く走るマラソン サブ4・サブ3を達成する練習法/小出 義雄

99 絲山秋子さんの作品にしては珍しく中年男性を主人公にした作品です。これまた珍しくタイトル通り、「家族」がテーマの一つです。クールさとは程遠い加齢臭がするような脂ぎった中年男性が主人公なのに、いつもの絲山さん作品と同じようなクールさを感じるところが不思議です。また、主人公は妻に先立たれたり、母が痴呆症になったりといろんなトラブルを抱えている上に、仕事面でも子育て面でも決して成功しているとは言えないのですが、それでも最後に希望と言うか生きる意味のようなものが感じられるところが素敵です。具体的にどこがよいとは言えないのですが、なぜか心に残るつかみどころのない作品です。大技を見せつけるというよりも、細かいテクニックを膨大に積み重ねることで圧倒してくる印象を持ちました。

100 明日の神戸マラソンに備えて読みました。前作「マラソンは毎日走っても完走できない」より、さらに上級者向けに詳細な練習メニューを解説してくれます。実際に小出監督の練習メニューを実践し、その教えを元にレースに出場した市民ランナーの方の体験記も紹介してくれていて非常に参考になります。最初は抑え目に走って体力を温存し、終盤に最速ペースを持ってくることの重要性をロジカルに説明して下さっていて、納得感が大きいです。実際のレースで自制するのはなかなか難しいですが、この教えに従い明日走ってみようと思います。


■映画
71 ザ・マジックアワー/監督 三谷幸喜
72 グランド・イリュージョン/監督 ルイ・ルテリエ

71 出演者が豪華でセットなどにも贅沢にお金がかけられていてとても楽しい作品です。三谷さんの他の作品にも共通する「偽者がいつか本物以上の輝きを放つ」というのがテーマの一つだと思いますが、ハチャメチャなドタバタコメディーなのに適度な品があり、監督のセンスのよさを感じます。でも、ここまで監督の作家性が目立って有名になるのもよしあしな感じがしました。豪華な出演陣を観ても「三谷さんの人脈はすごいなあ」と感心したり、非常にウエルメイドなエンディングを観ても三谷さんのほくそ笑む顔が浮かんだり、ついつい映像世界から現実に引き戻されてしまいます。

72 文句なしの傑作です。個人的には今年一番の作品です。モーガン・フリーマン以外はいわゆるハリウッド・ビッグスターは出演していませんが、実力も魅力もある俳優をたくさん配して(「イングロリアス・バスターズ」に出演していたメラニー・ロランがとても美しいです)、最後まで誰が主役で誰が真犯人かわかりません。CGと組み合わせたマジックは映像的にとても美しく魅力的ですし、何よりどんでん返しの連続の意外性のあるストーリーが素晴らしいです。監督や俳優の知名度、マーケティング的手法の斬新さ、ではなく純粋に脚本、俳優、監督、カメラマン等のスタッフの真の実力で勝負した、至極真っ当で完成度の高い作品だと思います。お勧めです。
コメント
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