本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

スタンフォードの自分を変える教室

2013-11-10 05:39:58 | Weblog
■本
97 大人のいない国/鷲田 清一、内田 樹
98 スタンフォードの自分を変える教室/ケリー・マクゴニガル

97 鷲田さん、内田さんの冒頭と巻末の対談の間にそれぞれ単独で発表された短めの論考が収録されるという構成の本です。一応、「成熟」、「寛容」がテーマなような気がしますが、内田さんお得意の「「身体感覚」がテーマの対談などもあり、あまり一貫性はありません。まとまった知識を得るというよりも、二人の知識人の知の個人技のバリエーションの多さに、感嘆しながら楽しむのが正しい読み方なような気がします。

98 タイトル通り自己啓発本ですが、この種の本にありがちな自分の成功体験に基づく感覚論ではなく、心理学や神経科学といった科学的な裏づけを元に説明されているので、主張されていることに目新しさがない部分はあるものの、成功体験特有の傲慢さを感じず納得感がとてもありすっと頭に入ってきます。「つねに『将来の自分』を過大評価している」など、今の日本の年金問題に象徴される問題の先送り傾向を見事に言い当てている箇所もあり、自分の脳の癖をきちんと理解し、そのバイアスを意識して行動、決断することの大切さが実感できるよい本だと思います。


■CD
90 The 30th Anniversary/Hooters
91 Transformer/Lou Reed
92 Giant Steps/John Coltrane

90 1stアルバムからのファンとしては、最新スタジオ盤、2種類のライブ盤、他アーチストに提供した楽曲のセルフカバーを収録した企画盤を含む4枚組で1500円以下という超お買い得な内容でした。最新スタジオ盤ではドン・ヘンリーの「Boys of Summer」のカバー、企画盤はシンディ・ローパーに提供した「Time after Time」とジョン・オズボーンに提供した「One of Us」のセルフカバーが、いずれも日本人好みのメロディが立った超名曲なので強く印象に残りますが、「And We Danced」のライブ盤など
Hootersのオリジナル曲も魅力タップリです。派手な曲はないですが、手作り感のある温かさがこのバンドの良さだと改めて実感しました。

91 先日のルー・リードの訃報を聞き、代表作との誉れ高い本作を購入しました。「Hangin Road」というわかりやすいドPOPな曲から、「Walk On The Wild Side」という今聴いても前衛的で斬新な曲まで、ヴァラエティに富んだ内容で楽しめます。音数は決して多くないシンプルな楽曲ばかりですが、どの曲も一捻りがなされていて、この人の溢れる知性と才能が感じられます。聴くたびに発見のある、ジワっとくる作品です。ご冥福をお祈りいたします。

92 普段はジャズはほとんど聴かないのですが、The Rolling Stone誌のTop 500 Albums (2012版)で103位の名盤ということで聴いてみました。高速でグルーヴ感のあるテナーサックスが聴いていて心地よいです。「Countdown」という曲の高速展開は、一昔前のヘビメタギタリストの速弾きを聴いているかのようなスリリングさがあります。


■映画
69 劇場版 SPEC〜天〜/監督 堤幸彦
70 ジェネラル・ルージュの凱旋/監督 中村義洋

69 あまり期待していなかったのですが、意外と楽しめました。連続ドラマ版は観ていないのですが、キャラ設定が強烈でわかりやすいので、世界観にもすんなり入ってきました。若干悪乗り過ぎるコミカルな演出が時に不快ですが、戸田恵梨香さんのような可憐な女優さんが汚い言葉を発することのギャップには、確かにいけないものを観ているような心地よさもあります。迫害され続けた特殊能力者の復讐から一般人を守る特殊能力者、という構造は何度も使い尽くされていますし、そこに国家の陰謀もからめるという展開も目新しさはないですが、逆に言えばそのお約束の安心感の中でどこまで発想を飛ばせるか、と、製作者側が開き直って楽しんでいるのが感じられるところも作品に勢いをつけていて好感が持てました。

70 こちらもストーリーよりもキャラが魅力的な作品です。前作「チーム・バチスタの栄光」は謎解き要素が強かったですが、本作は竹内結子さんと阿部寛さんのコミカルな掛け合いが魅力的な調査する側よりも、堺雅人さんが好演されている調査される側の救命医のヒューマンドラマに焦点が当てられています。若干ウエルメイド過ぎる点もありますが、阿部寛さんがいい感じの毒を発しよいアクセントになっています。今話題の山本太郎先生もなかなかおいしい役で出演されていて、時の流れの速さも感じられます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする