本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

すいか

2013-09-29 06:51:45 | Weblog
■本
85 すいか 1/木皿 泉
86 すいか 2/木皿 泉
87 現代霊性論/内田樹、釈徹宗

85、86 10年前に放送されたドラマの評判がよく、ずっと観るか読むかしたかったので、今回の脚本の文庫化に伴い購入しました。「生きにくさ」を見事にエンターテイメント化した傑作だと思います。「特別じゃない自分」に対する肯定感に溢れ、中二病のリバウンドに悩んでいる人の特効薬になりそうです。各キャラクターが発するセリフが名言揃いで、個人的には「自分が最低だって泣くのは---きっと、いい事だよ」というセリフにグッと来ました。大事件(3億円横領事件という派手なものがいきなりありますが、その事件がストーリーの中心というわけではなりません-もちろん重要なファクターですが-)がなくても、悲劇的な大恋愛がなくても、人が死ななくても、場所の移動がなくても面白いストーリーが書ける、ということをこの21世紀の情報量が溢れる世界に示した、とても野心的な作品だと思います。ドラマの方も観たいと思います。

87 内田樹さんの大学での講義の一コマに、宗教家である釈徹宗さんが参加され、半年の合同授業された内容が書籍化されたものです。同じくお二人の著書の「いきなりはじめる浄土真宗」などと比べると、往復書簡形式ではなく、実際に対談されているので、読みやすいです。また、一応大学での講義ですので、新宗教の歴史などを体系だって学べるところもよいです。基本的には内田さんの主張は他の書籍で言っているのと同じような内容、論理展開ですが、そこに釈徹宗さんがさまざまな宗教の特徴を絡めながら話を肉付けして下さっているので、議論に厚みが出て、自分の宗教に対するスタンスを確認する上でも役に立ちます。宗教にどのようなスタンスで向き合うかは人それぞれだと思いますが、どのような実用性や危険性があるかを知っておくことは、生きにくい世界を踏ん張って生きていく上で、万人に必要な知識だと思います。


■CD
80 Mgmt/MGMT

 少し期待はずれな感じがしました。尖った印象の曲がほとんどなく、引っかかりなくすんなりと最後まで聴けてしまいます。センスはよく、細かい音作りの工夫に溢れているのですが、名曲「Time To Pretend」のようなガツンとインパクトのある楽曲を求めている、僕のようなリスナーにとっては物足りないと思います。


■映画
63 ランボー 最後の戦場/監督 シルヴェスター・スタローン

 シルヴェスター・スタローンの自己愛満載の作品です。悪役は徹底して悪く、ランボーに助けを求めるボランティア団体の偽善ぶりもかなり鼻につき、ランボーと傭兵部隊の一部のキャラ以外には全く共感できません。ランボー以外のキャラクター設定を極めて単純化することにより、ランボーの複雑な心境(といってもそれほど複雑でもないのですが)を際立たせることに成功しています。人質救出の潜入シーンや終盤のアクションシーンもそれなりに見ごたえがあり、あまり期待してなかったのですが、予想以上に楽しめました。あまり高尚になり過ぎない程度に、それとなく反戦のメッセージを投げかけているところもよいです。
コメント
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