本、CD、映画日記

目標は年間読書100冊。その記録と目標管理をかねたブログです。

街場のメディア論

2010-10-02 06:10:58 | Weblog
残り3ヶ月で22冊、年間100冊いけそうかな。

■本
77 非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパークⅧ/石田 衣良
78 街場のメディア論/内田 樹

77 マンガみたいに楽に読めて普通に楽しい。登場人物のキャラ設定が本当に巧みなので、引きこまれます。社会的弱者をテーマにしながらも、主人公の周りの人間は一応のハッピーエンドをむかえるところも、かすかな希望が持てて好きです。経済的に成功して方向を見誤った父と、地道に社会問題に取り組む優秀な子どもが対立するという話が2つ続いたのはいただけませんが。

78 とてもよい本。この数年書かれたメディアに関する本の中では1番ではないでしょうか? マスメディアの不調はインターネットの普及によるもの、というこれまでの単純な構造把握からはるかに超えて、マスメディアが発信する情報の質や志の低下が原因である(個人として、自分の考えを伝えたいと腹をくくって情報を発信している、一部の優秀なブロガーが発信する情報の方が質が高い)と指摘されています。筆者がまえがきで述べている、「メディアについて批判的に語るということは、何よりもまず、現にメディアを通じて定型化・常套句化しているメディア批判の言説から一歩離れて、軽々にそれを繰り返さないということ」に成功していると思います。冒頭のキャリア論もとても腹に落ち、実用書としても役に立ちます。最後には、構造主義的な視点からメディアを分析していて、知的好奇心も満たされます。楽しい読書体験でした。


■CD
36 Hands All Over/maroon 5

 ファーストアルバムを聴いたとき時ほどの衝撃はないにしても、よくできた作品だと思います。スケールの大きい楽曲も増え、貫禄も感じられます。ロック、ダンス、R&Bなどいろんな要素が混ざりながら、ポップさを維持しているところがこのバンドの一番のすごさだと思います。マニアックさに逃げない、売れ線真っ向勝負の作品。この実直さがこの時代に受け容れられるかは微妙ですが。
コメント
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