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股関節痛は怖くない!~変形性股関節症の新しい考え方

変形性股関節症の常識には間違いが多く、怖さを抱えている人が多い。
常識の間違いを理解して人生を楽しみましょう!

股関節内環境

2014-04-04 10:23:52 | 股関節の基礎
ブログで何回か紹介させていただきました律子さんが、出版記念パーティーにご主人と参加していただくことになりました。
皆さん、律子さんにも会えますよ!

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《股関節内環境》聞き慣れない言葉です。

google検索でもヒットしません。

それもそのはず、私が生み出し提唱している言葉です。

《腸内環境》って言葉がありますね。
そのまねですが、私オリジナルの言葉です。

膝関節にしろ、股関節にしろ関節内環境が良好なら治癒方向に、関節内環境が劣悪なら悪化方向に向かいます。

その関節内環境を大きく左右するのが筋肉の硬さというか、筋肉の柔軟性です。


筋肉が柔らかいとその筋肉の持つ筋力は十分に発揮されます。
それと、最も重要なこと筋肉が柔らかいと関節への圧迫力が少なくなるということです



膝関節にしろ、股関節にしろどの関節にも《関節をまたいで存在する筋肉》があります。
その筋肉群が、その関節に加わる衝撃吸収を行い、関節自体を守っているのです。


筋肉を緩めて柔らかくすることで、関節内には《正常な緩み》が生じて関節内の循環が非常によくなるのです。


関節内環境を整える原動力は血液内に含まれる酸素と栄養です。



股関節内環境さえ整えば、柳川リハビリテーション病院の井上先生や富士温泉病院の矢野先生が本やテレビで言っている“軟骨は再生する”可能性は十分あるし、グルコサミンやコンドロイチンといった軟骨再生をサポートするサプリメントも効果が出ると考えます。


病院で《放置療法》を行われ、股関節内の環境の改善に努力してもらえなかった状態の患者さんを対象とした研究では良好な結果が生まれないのは当然なのです。

よく考えたら当たり前の話です。


股関節内環境を改善するために貧乏ゆすりがあったり、プレート療法があったり深圧があるわけです。
また、関節内視鏡専門の先生方も関節内環境を整えようと努力されています。



股関節内環境、改善したいものです!



おそらくこの言葉は数年先の未来ではよく使われている言葉でしょう!








変形性股関節症を怖がらないでね









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6都市構想 松本深圧院グループ


■福岡2014年か2015年に福岡店開店予定です。
福岡の理学療法士を育成中です。
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左右のお尻の行方

2014-03-28 16:57:56 | 股関節の基礎
東京は一気に春らしくなってきました。
銀座店は移転先が10階ですので、明るい中で楽しく施術できています。

スタッフ全員の患者さんの歩行状態が見れるので、一部屋で施術できるメリットを痛感しています。
北国にも早く春がくるといいですね!



最近は両側同時に人工股関節手術を受けられる病院が増えてきました。
ここに、同じ日に同じ病院で同じ先生の手術を受けられた患者さんがいるとします。
レントゲン上は左右の脚共に手術は大成功しています。


その患者さんが力を抜いた状態でベッドにうつ伏せになっています。


私が左右のお尻を押してみます。

その時、右のお尻は非常に柔らかく、左の尻は非常に硬かったとします。


この方の人工股関節はどちらが長持ちすると思いますか?
どちらも同じ時期に限界を迎えるのでしょうか?
左右二つのお尻の行方は‥?


股関節はHIP JOINTと呼ばれます。
それは股関節がお尻の奥に存在するからです。
そして、股関節に加わる衝撃を吸収して、股関節を守っているのはお尻周りにある筋肉群です。

このお尻周りの筋肉群は、力を抜いた時に柔らかければ柔らかいほど力が強く出てしっかり股関節に加わる衝撃を吸収してくれます。
もちろん、力を抜いた時に柔らかい筋肉ほど力をいれた時には硬くなります。


従って、力を抜いた時に柔らかいお尻ほど人工股関節は長持ちする確率が高いのです。



この考え方は筋肉の量は問題にはしていません。
筋肉の質の問題です。

筋肉の質が良くなれば、脚にしっかり体重がかけられるようになるので、筋肉の量も自然に増えてくるのです。



私は、上記の患者さんでは確実に右側の人工股関節の方が長持ちすると考えています。
ですので、左もそうなって欲しいから左側をメインに深圧します。



人工股関節は何年持つのでしょう?

それは、筋肉の柔らかさによって個人差が大きくなるのです。



この考え方は、未手術の方や自骨手術後の方にとっても同じことが言えます。

自分の股関節を長持ちさせたい方は、筋肉の量を求める前に筋肉の質を改善することを考えなければならないのです。


筋肉の質を無視して、「研究結果では人工股関節は平均○○年もちます。」と言われても、その研究結果を信用できないのです。


人工股関節の耐久性を “運” 任せにしないで欲しいと思うのです。






変形性股関節症を怖がらないでね









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袋の中と外という考え方

2014-03-23 02:56:00 | 股関節の基礎
●只今仙台にいます。
いつもなら東北の皆さんと食事会を開くのですが、今回は私の都合で中止となりました。
皆さん、すみませんでした。
ところが、こちらにきて聞いたのですが、4月6日(日)にいつも食事会に参加してくださる数名が山形駅近くに集まってランチ会を開くそうです。
私が食事会をする目的は、私抜きで患者さんだけが集まっていろいろと情報交換するようになって欲しいのが一番ですので、非常に嬉しく思いました。
4月6日の午後12時からのランチ会です。
もしご参加したい方がいらっしゃいましたら私に連絡ください。





袋の中と外という考え方。

この考え方は非常に重要な考え方です。

人の関節には必ず袋(関節包)があります。
皆さんが“関節痛”と呼ぶ痛みは、袋の中でも起こり、袋の外で起こる可能性があるのです。


皆さんはどこが痛みますか?
普段痛む場所を指差してみてください。
そこはソケイ部中央の奥(股関節がある部分)ですか?

もしかしたら、腰骨の下あたりだったり、ももだったり、お尻の横だったり、膝より下だったりしませんか?
皆さんの股関節痛はほぼ100%筋肉の痛みとして体の表面に現れます。

問題は筋肉の痛みとして出ている股関節痛の原因が袋の中にあるのか外にあるのかを鑑別することです。

私は股関節痛の原因は骨や軟骨ではなく2つの原因があると書いてきました。

1、股関節関包内の炎症による股関節痛
2、筋肉の病気による股関節痛

皆さんの股関節痛が筋肉の痛みとして現れていること、その原因として筋肉の病気による痛みが考えられること。
ですから私達は筋肉に深圧を行っているのです。


そして、その効果の持続性を診て、股関節関節包内の炎症の状態を判断しているのです。

筋肉に深圧を行い、痛みが持続的に改善すれば関節包内の炎症は弱く、痛みが持続的に改善しない場合は関節包内の炎症がまだ強いのではないかと判断します。

股関節内の炎症もいずれは徐々に改善します。


膝が痛い時、いきなり関節の袋の中にヒアルロン酸の注射を行う先生がいます。
その場合、袋の中に問題があると考えて行っているのです。
しかし、ヒアルロン酸注射に持続的効果がない場合でも、その注射を長期間続ける場合があります。

袋の中にヒアルロン酸注射をしても効果がなければ、膝の痛みの原因は袋の外、つまり筋肉や靭帯に原因があるのかもしれないと考えるべきなのです。


松本深圧院のスタッフは、皆さんの股関節痛の原因が袋の中にあるのか外にあるのかを見極めるためにも深圧を行っているのです。



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変形性股関節症を怖がらないでね









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育成中の理学療法士と一緒に仕事ができるかどうかはまだわかりませんが、深圧研修にも参加いただいています。

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骨盤の前傾について 2

2013-06-22 06:29:18 | 股関節の基礎
台風がいつの間にか消えてしまい、大阪・江坂の静かな朝です。
昨日は、私が6人、山中が3人の施術を行っていました。
みなさん、雨の中ありがとうございました。

大阪店の山中担当の新患割引は6月で終了します。
山中担当の新患割引つきのパンフレットができましたので、多くの方に送らせていただきました。
7月以降のご紹介用にご利用ください。
パンフレットの送付希望の方がいらっしゃいましたら、こちらからお問い合わせください。



皆さん、松本深圧院 大阪 山中崇泰 をよろしくお願いします。







この記事は“腸腰筋の悩み”から継続している記事です。

前回、骨盤の前傾について書きましたが、骨盤の前傾を考える前に、股関節周辺の筋肉を柔らかくして筋肉を正常化しておく必要があります、という内容の記事を書きました。
(もちろん、股関節の炎症の状態が落ち着いていることが前提となりますが。)


その時に重要になってくるのが腸腰筋だと思います。
骨盤の前傾には腸腰筋が関与していることが多いからです。
腸腰筋が短縮して硬くなるだけでなく、腸腰筋がソケイ部でスムースに収縮できなくなっていることが多いのです。


その続きの記事になりますが、その前に3点簡単な説明を加えます。


1、変形性股関節症という病名は“結果の病名”です。
結果には必ず原因があります。
その原因の病名としては、寛骨臼蓋形成不全、先天性股関節症、ペルテス病、大腿骨頭壊死、慢性関節リウマチ・・・など多くの病気があり、皆それぞれ経過や症状が異なります。
このことをまず覚えておいてください。

2、変形性股関節症の分類
結果としての変形性股関節症は、大きく2つに分けられています。
●一次性変形性股関節症・・原因がはっきりしない変形性股関節症
●二次性変形性股関節症・・原因(上記のような原因となる病名)がはっきりしている変形性股関節症
つまり、原因の中には“原因不明”も存在するということです。

3、関節可動域(専門的にはROM:アールオーエム)には、大きく分けて2種類あるということ
まずは、他の人に動かされて動く範囲、これは他動的関節可動域(Passive ROM)といいます。
一方、自分の力で動かした時に動く範囲、これを自動的関節可動域(Active ROM)といいます。
自力ではももが挙げられないが、先生に動かしてもらうと結構高くまでももが挙がる方は多いですね。




以上の3点を踏まえて『多関節運動連鎖からみた変形性関節症の保存療法』(以下本と略します)に書かれていた次の項目に私なりの考えを加えてみます。



●一般的に骨盤前傾タイプは二次性の変股症(変形性股関節症)に多く、骨盤後傾タイプは一時性変股症(高齢者)に多い。
●変股症患者では、この骨盤前傾運動、骨盤後傾運動が極めて低下している場合が多い。
●大腿骨頭前面部の臼蓋被覆は後面に比べて少ない。そのため、骨盤が前傾すると臼蓋後面部が大腿骨頭前面部へ移動してくるので同部の被覆面積は増大する。
●臼蓋形成不全を有する変股症のような臼害被覆が少ない症例では、腰部・骨盤と下肢に以下の運動連鎖を生じる。
 すなわち、大腿骨頭の被覆率を増大させるため骨盤が前傾し、腰椎前わん角度が増し、その結果骨盤前傾タイプのアライメントになる。
●骨盤前傾が進展すると片脚立脚時の姿勢保持に必要な股関節が外転筋群の筋出力バランスに影響が出る。



今回は下記の3点について説明してみます。


●一般的に骨盤前傾タイプは二次性の変股症(変形性股関節症)に多く、骨盤後傾タイプは一時性変股症(高齢者)に多い。
●変股症患者では、この骨盤前傾運動、骨盤後傾運動が極めて低下している場合が多い。
●大腿骨頭前面部の臼蓋被覆は後面に比べて少ない。そのため、骨盤が前傾すると臼蓋後面部が大腿骨頭前面部へ移動してくるので同部の被覆面積は増大する。



本に載っていたこの文章には、参考文献が書かれていました。
その文献は、山形市立病院の中村先生が書かれた

「Hip-spine syndrome 日本人立位X線2方向像からみた高齢発症の股関節症」(2003年)でした。(以下文献と略します)


この研究の対象(研究に協力した患者さん)は、前期と初期の2次性変形性股関節症の女性263名(平均年齢40.2歳)との説明が書かれています。


この場合の二次性は、上にも書いたように原因のはっきりしている多くの病気をさします。
ですから、この研究の対象者がどのような病気だったのかははっきりしません。
二次性という言葉の意味が広すぎて、病気によって経過も違うので、研究に“二次性”と使う事には疑問があります。


例えば、“先天性股関節脱臼のなかった臼蓋形成不全症の女性263名”だと、かなり個人差も少なくなりすっきりしていると思います。
研究では人の個人差を無視しますが、できるだけ個人差を少なくしてから無視した方が信頼性が向上するとおもいます。



更にこの研究では対象は前期と初期のみの患者さんでした。
いわゆる進行期、末期の人は全く含まれていませんでした。


この文献を参考にしているとすれば、「一般的に骨盤前傾タイプは二次性の変股症(変形性股関節症)に多く・・・」と言うこの本の説明には問題があります。

この研究から言えるのは「骨盤前傾タイプは、二次性の変股症の中の(おそらく)臼蓋不全症の前期と初期の方に限っては多く・・・」

前期と初期だけの患者さんのデータで変股症全体を語ることはできません。


エビデンスと言われる医学的根拠の中には、このような一部を見て全体を語るような傾向があります。
これはエビデンスとしては質が低く、質の低いエビデンスはエビデンスとは言え無いと考えています。


エビデンスと簡単に言う場合がありますが、おおもとの文献をしっかり読んで検証してからでないとエビデンスとは言いづらく、詳しく検証してみるとエビデンスとは言えないことが多いです。

私は簡単にエビデンスという言葉は使えません。
非常に難しい問題だと思います。



この文献で面白いのは、変形性股関節症患者さんのうち、前期と初期という変形がほとんどない段階の方々でもすでに骨盤の前傾が現れているという事実です。
263名という患者さんについてしっかりデータがとられていて素晴らしい研究だと思いました。


おそらく、この文献の対象者は“痛みがあるから病院を訪れた”患者さんだと思われます。(この研究は仙台赤十字病院の患者さんを対象としていました。)


痛みがあるから、痛みから逃げるために骨盤を前傾するのでしょうか?
もしそうなら、初期の段階で痛みを改善できれば、初期のうちに骨盤の前傾が改善されるのでしょうか?
そうであるなら、初期のうちに解決しておけば●変股症患者では、この骨盤前傾運動、骨盤後傾運動が極めて低下している場合が多い。ということも解決できるのかもしれません。


この本には、臼蓋が浅くて大腿骨頭を臼蓋が覆う臼蓋被覆が少ないから、骨盤を前傾させて臼蓋被覆を多くしていると書かれています。
結果的にはそうなりますが、初期のうちにソケイ部で腸腰筋が受けるダメージ、たとえば初期のうちに多い股関節の強い炎症の影響を受けた腸腰筋のダメージ、などの影響については触れられていませんでした。




この文献が出る前、骨盤の前傾=腸腰筋の短縮という考え方が一般でした。




短縮は無いとしても、前の記事“腸腰筋の悩み”で書いた、ソケイ部における腸腰筋への過酷な環境を無視してはいけないように思います。



初期のうちから骨盤が前傾している方が多いのは文献からも明らかです。
だからといって、骨盤を後傾させるために腹筋を鍛えて骨盤を後傾させるだけでいいのかと思うのです。



腹筋の運動は股関節には優しい運動ですので、仰向けになって行う事は問題が少ないと思いますが、立って行うと痛みが増す方がいます。
また、痛みの為に骨盤の後傾が出来ない方もいます。



そこのは、股関節の炎症の影響や股関節周囲の筋肉のコンディションの悪さが潜んでいると思います。




2003年頃だったと思います。
鹿児島の方々を対象に骨盤体操(体幹の運動)を寝た状態、座った状態、立った状態で行ったことがあります。


それまでに、結構筋肉を解していた方々にもかかわらず、座って行ったり立って行うと痛みが出る方が多かったのです。


そんな経過があり、私はその後、骨盤体操の指導は全て寝て行うように指導してきました。



それが私の本に書いてある骨盤体操です。(151ページ)




まずは、股関節周囲筋、特に腸腰筋のダメージ(多くは股関節の炎症から受けたであろうダメージ)を改善させること。
これには炎症の影響もあるので、結構時間がかかるかもしれません。


股関節周囲の筋肉の状態が良くなってきたら、ほとんどの方にできる安全な骨盤運動を積極的に取り入れてはいかがでしょうか?



炎症が治まり、股関節周囲の筋肉の状態が良くなってくると、実は骨盤をそれほど意識しなくてもしっかり動けるようになってくるものです。


骨盤の前傾が強くても痛み無く動けている人も多いですからね。


出来るだけ広い視野で診ていけば、ここに書いたようなケースは少なくなると思います。



全ての基本は、まず股関節周囲の筋肉を柔らかくすることから始まると思います。
筋トレより、まずはストレッチです。
深圧はストレッチです。





じゃぁ、いつからやるか?
・・・今じゃなくてもいいでしょ!

ぼちぼちで。








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“進行性” ではない証拠を! 2

2013-04-24 10:21:15 | 股関節の基礎
●5月の仙台出張(担当田山)のご予約が定員をかなりオーバーしています。
施術枠を3枠増やしましたが、あと3名はお断りすることになりそうです。
申し訳ございません。
今後、もっと施術枠を増やすようにしてみます。
いつもありがとうございます。

●4月21日に川崎での講演会を無事に終えました。
定員以上の参加希望がありました。
皆さん、雨の中ありがとうございました。
私は、その後熱海に向かい、次の日umeさんと静岡県の函南ゴルフクラブでゴルフをしてきました。
当日は快晴で私もumeさんもスコア90前後で回ることが出来ました。
umeさんは、ゴルフ用の歩き方を開発して、18ホール歩いても痛みが出なくなっていました。
この事は後日、記事にするかもしれません。

●今夜札幌に向かいます。
札幌に着くのは22時頃になると思います。
その後、ご予約いただいた北海道の皆様にメールを差し上げます。
遅くなりますが、宜しくお願い致します。





かつて高松のしげさんがコメントしてくれたデータに基づきしげさんの経過をグラフ化してみました。


しげさんは、2008年に瀬戸大橋マラソン、日帰り登山などアクティブに動いていましたが、急激に股関節の状態が悪化しているのがわかります。
(横軸の1目盛は1年です。縦軸は股関節の症状の程度を示しています。)

赤い丸の時に深圧を開始しています。

現在、ピーク時の20%まで改善していますね。








次は私の腰痛の経過をグラフ化してみました。


ゴルフは10年間できない状態で止めていましたが、去年あたりからやっと本格的に出来るようになりました。




2人の経過は比較的似ていました。





変形性股関節症は“股関節に起きた炎症”です。
炎症は必ず落ち着きます。
私の腰痛も落ち着きました。

変形性股関節症を含む変形性関節症が進行性ではない証拠です。








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“進行性” ではない証拠を!

2013-03-20 22:19:43 | 股関節の基礎
3月31日の新大阪講演会のスライドがほぼ完成しました。
いよいよって感じです。
皆さんも気合い入れて聞きにきてくださいね!




原発反対!、放置療法反対!の松本です。
皆さん、元気ですか!


これはKさんが書いてくれたKさんの経過をグラフ化したものです。




48歳までは何ともなかったんです。
その後の10年間の経過です。
この経過には、治療のタイミングや炎症の程度などによって個人差が大きいです。

縦軸は程度で、上に行くほど重度。
最も重度を100としています。
横軸は期間(一年間隔)。

過去を振り返ってみて、各年にだいたいの点数をつけてグラフ化。

赤い丸の時点で深圧を始めています。

振り返ってみると、股関節の状態が最悪の時に深圧を始めてたんですね。

最近、メキメキ良くなっているんです。

関節の動きもそれほど悪化せず、炎症の山を超えたようです。

(2012.12.22の記事参照)

この方は四国にお住まいですが、最初は東京に来てくださっていました。
最近は私が高松に行く時だけの施術です。

絶対手術はしないというお考えの方ですので、関節の動きを固くしないように心がけてきました。
これからは痛かった方の脚に体重をかけて動ける量が増えてくるので、筋力がついてきます。

基本は関節の動きを固くしないこと。
筋力は炎症さえ去れば、自然と取り返せるのです。


すでに炎症の山を乗り越えた方は、過去を振り返って点数をつけていただけませんか?

そして、ぜひ私に教えてください。
私はグラフ化してグラフを集めます。


これは、変形性股関節症が進行性ではないという証拠です。

その証拠を集めたいのです!


今まさに炎症の山を登りつつある方は、焦らないで山の向こうがあることを信じて頑張ってください。
そして、炎症の山を超えたなと感じる時がきたら、過去を振り返ってグラフ化してください。


皆さんと共同で放置療法を少なくして行きましょう!

放置療法反対!



大阪4月のご予約はこちらからどうぞ。


3月31日新大阪での講演会についてはこちらからどうぞ。



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そうなんです!

2013-02-20 08:16:40 | 股関節の基礎
今、和歌山県白浜町に向かって特急に乗ってます!
向かいながら仙台の方々にメールしたり、新潟の看護師さんにメールしたり、ブログアップしたりしてます。
和歌山でコチョコチョして、今夜、紀伊水道を泳いで四国高松に入ります。



レントゲンを見て、骨と骨が当たっていたらいかにも痛そうです。

でも、骨と骨が当たっていても痛くない人がいるのです。


この事実を「変ですね?」「そんなはずはありません。」で済まされては困ります。


以前書きましたが、東京の玉川病院で、人工股関節手術の適・不適を判断するために、股関節関節包内に麻酔薬を注射して関節包内を麻痺させる検査をしています。
この検査で全く痛みが消える人が多いのです。
この検査で全く痛みが消える人には人工股関節は適応します。
しかし、この検査で股関節関節包内を麻痺させても痛みが変わらない方もいるのです。
このような方の痛みの原因は筋肉の可能性が高くなるので、人工股関節は不適応になります。
従って、手術は見送られます。



変形性股関節症の正体は「股関節炎」です。
股関節関節包内の炎症です。
変形性股関節症の「変形性」に騙されてはいけません。




皆さんの股関節痛の原因は骨の痛みではないのです!

そうなんです!








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骨の痛み

2013-02-07 12:01:48 | 股関節の基礎
●大阪店の店舗契約が最終段階まできています。
小さな駅で出口がわかりやすく、歩く距離も短くなりますし、駐車場も目の前にあります。
契約が確定しだいお知らせいたします。

●私は2月15日から新大阪にまいりますが、施術場所は去年と同じここになります。
また、21日から3日間は高松にまいります。
高松では午後6時以降に空きがございます。(21日と23日)
ご希望の方がいらっしゃいましたら、こちらからお問い合わせください。





今から13年前の話です。

私の妹がももと顎を痛がっていました。
そこで、私が膝から股関節を診て、歯科医の兄が歯を診ました。
私は、痛みは筋肉が原因ではないと判断し、兄は痛みの原因は歯ではないと判断しました。
妹には整形外科受診をすすめレントゲンを撮って見ると、大腿骨と顎の骨の中に腫瘍が写っていました。


そんなことがあったので、私は骨の中に痛みを感じる神経がある事は理解しています。
しかし、この時妹は普通に歩いていましたし、激痛は訴えていませんでした。

骨をホースに例えると、ホースの中の空洞は骨髄で満たされています。
骨髄は液体状です。
その中には神経があるのですが、確実に言えるのは、激痛は感じません。


これは骨の中の話であって、股関節痛で問題になるのは股関節を構成する骨盤と大腿骨頭の表面です。


軟骨が存在する方の場合、骨と骨は直接当たりませんので、骨が痛みを出すことは考えられません。
軟骨が無くなって、いわゆる変形が進んでくると、レントゲン上で股関節の上下の骨(大腿骨頭と寛骨臼蓋)は白くなってきます。
専門的には“骨硬化像:こつこうかぞう”と呼ばれています。

この白さはカルシウムの濃縮された層になります。
レントゲンで白く映るのは、骨密度の高さを示しています。
骨硬化像は、皆さんの股関節を守るために骨が頑張ってくれた証拠です。
白いことは良い事なのです!

このカルシウムの層には神経はありませんし、骨と骨がぶつかったとしてもつぶれないようにガードするためにカルシウムの頑丈な層を作るのです。
皆さんの骨は素晴らしい能力を備えているのです。


骨と骨があったていても痛みを感じない人がいるのはそういう理由からです。



皆さんの中に、激痛を感じた事がある方も多いと思いますが、その原因は股関節関節包の炎症か筋肉の硬化による血流障害です。

骨には全く異常が無いにもかかわらず、強い痛みを訴えている方がいることがその証拠です。
また、骨の変形と股関節痛は比例しないことからも、股関節痛の原因は骨ではないことは明らかです。


診察では、レントゲンには写らない筋肉、関節包、靭帯といった軟部組織の触診や検査が必要です。
これは診察方の基本です。

軟部組織には、痛みを感じる神経が存在するからです。













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タイミング、『深圧って効果ないよね~!』

2013-01-15 20:54:29 | 股関節の基礎
●股関節周辺の痛みに悩んでいる方々が多いことに驚かされます。
私ひとりで始めたお店も、私の予約がいっぱいになった頃、宮川先生が加わってくれて、2人の予約がいっぱいになった頃、田山先生が加わってくれました。
3人体制で予約がいっぱいになることは予測しづらかったのですが、最近、3人共に予約が取りづらくなってきてご迷惑をおかけしています。
皆様に感謝いたします。
そろそろ、銀座店4人目の先生を募集したいと考えています。
例によって、教育に時間をかけますので、デビューは先になります。
皆さんのお知り合いで、うってつけの先生はいませんか?
また、我こそは!とお考えの先生はいませんか?
もしも、いらっしゃるようでしたらこっそり教えてください、よろしくお願いいたします。
↓↓↓







股関節痛の状態を左右する非常に大きな存在(原因)が股関節の炎症です。
股関節の骨や軟骨には炎症は起こりません。
股関節の炎症とは、股関節を包む袋、股関節関節包に起こる炎症を指します。

股関節の骨の表面や軟骨には神経がありませんので、激痛は絶対に感じません。
しかし、大腿骨の骨膜が進化した形の股関節関節包には神経が豊富で痛みを感じやすいのです。
激痛は、炎症が強い時と、筋肉がつった時にしか起こりません。
股関節疾患で問題になるのは痛みだけではないかもしれませんが、皆さんにとっての一番の問題は股関節痛だと思います。

その股関節痛の状態を左右する大きな存在がレントゲンには写らないから、レントゲンだけの診察法は大きな問題を含んでいるのです。

私はこのブログを通して、この間違った診察の過程に問題があると訴えています。
決して手術や筋トレを全面的に否定しているのではありません。
診察が間違うと、必ず治療法が間違うことが問題です。(結果オーライはあり得ます。)

前の記事に出ていた伝説の人も、もし人工関節手術を受けていれば関節包をすべて取り除くため、全く痛みなく「人工関節にして良かった。」と言っていた可能性は高いです。
結果的に、伝説の人の診断は誤診になり、もし手術というこの方には間違った手段を選択されていたとしても結果オーライだったとも言えます。



筋肉は炎症の影響を強く受けます。
私達は深圧で、皆さんの筋肉の痛みを軽減しつつ、関節可動域の維持改善と炎症の改善を目指しています。



前回説明しました炎症と深圧の関係図をもう一度見てみます。


赤いラインが問題の炎症の山でしたよね。
この炎症の山の登り坂の時は、変形性股関節症が一見“進行性”にみえます。
この時期〔(1)〕に深圧を受けられた方の中には「深圧って効果ないよね~!」と言われる人もいます。
この方が、その後いろいろな治療を経験し、ちょうど炎症の山を越えられた頃に受けられた別の治療法でどんどん痛みが改善するということは十分あり得ることです。


その方にとっては、その別の治療法のみが股関節に有効な治療法だと確信して友達にも勧めることでしょう。
紹介を受けた友達が、たまたま炎症の山をこえていた場合、また効果を実感することもあることでしょう。
しかし、その友達がまだ炎症の山を登りつつある段階だと、別の治療法でも効果を実感できない可能性が高くなると思います。

いつも書きますが、炎症を伴う疾患では個人差が大きく、治療時期のタイミングが効果に大きく影響します。
しかし、今自分が炎症の山のどこにいるのかは治療を受けてみて、その後の経過をみてみないことには判断がつきにくいものなのです。


私は次のように考えています。


まず、深圧で全患者さんの70%しか改善できなかった時、残りの30%を補おうと他の治療法を取り入れようとはしません。
70%を75%や80%に上げる深圧での押し方や、押すポイントを探し続けるのです。
深圧を深く深く掘り下げて研究し、深圧の技術の向上を図るのです。
そして、深圧を始めて16年経っても今だにある“新しい発見”をグループの仲間に伝えているのです。

先日、2人の方で腸腰筋の深圧後に股関節の伸展の可動域ストレッチを時間をかけて行った結果、今までに効果を感じることがなかった方に明らかな自覚的変化が現れました。

2人とも1ヶ月後に効果が持続していましたので、上記の方法が効果をもたらしたと判断しました。
そのうちのひとりの方は8回目の治療で、もうひとりの方は6回目の治療でやっと自覚的効果がありました。

深圧ですぐに自覚的効果が出ない場合、すぐさま炎症が原因だと考えるのでは無く、まずは上記のように深圧の押し方や押すポイントを変えながら自覚的変化が出るようにどんどん深圧プログラムを変えます。
そのおおもとには、「まだ原因筋を見つけられていないか、まだ原因筋に十分な深圧を行えていない。」という考えがあります。


しかし、それでもなかなか効果が得られない場合、股関節の炎症の上り坂状態であると判断して患者さんにも説明をします。
この時期に、股関節関節可動域の悪化を防ぎ炎症の軽症化と短期化を目指すのです。

この痛みがなかなか改善しにくい時期には手術を決断される方もいます。
そのような方々に行って来た深圧は、手術後の経過を良好にしてくれます。

何故なら、皆さんが手術を行う前に必要な事は筋トレではなく筋肉のストレッチであり、深圧は筋線維を直接ストレッチする直接ストレッチ法だからです。




「もっと前に松本先生を知っていたらな‥‥」という言葉をよく聞きますが、皆さんには個人差があり治療にはタイミングがあるので、もっと前に知り合えていたら効果が感じられなかったということも十分あることなのです。








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炎症と筋肉の暴走と深圧の関係

2013-01-08 01:16:52 | 股関節の基礎
2006年1月8日午後3時56分55秒、ちょうど7年前にこのブログは始まりました。
その時は、まさかこんなに長く続けられるとは思いませんでした。
その時は、まさか銀座で独立開業するとは思いませんでした。
この7年間にのべ84万人以上の方がこのブログを読んでくださり、私の背中を押してくれました。
皆さんに感謝しています。
8年目の今年もよろしくお願い致します。
2013..1.8
松本正彦



変形性股関節症 の英訳はOsteoarthritis of the Hip Jointです。
このOsteoarthritis of the Hip Jointをわかりやすく直訳すると「股関節炎」です。
ところが、和訳では「変形性股関節症」になるのです。

この和訳のせいで、本来なら「炎症」(股関節関節包)が主体で考えられるべき病気が、どうしても「変形」(骨や軟骨)が主体で考えられる病気になってしまったのです。




下の図の赤いラインは、変形性股関節症の正体である股関節の炎症(炎症性の痛み)の経過を示しています。
一方、青い線は筋肉の病気による痛みの経過を表し、炎症がピークを過ぎても暴走を続けるイメージを示しています。



この2つが股関節痛の原因となります。


次に、この股関節痛に対する深圧の効果について説明します。
深圧の効果を考える上で重要なのが皆さんの炎症の状態(時期orタイミング)です。
この時期によって効果はかなり異なりますし、深圧の目的も異なります。

基本的に、炎症に対する深圧の効果は、炎症のピークを低くして、期間を短くできることだと考えています。
(下の図の赤い点線で示す。)




そして、炎症性の痛みと筋肉性の痛みと深圧の関係を示したのが下の図です。
皆さんには個人差があります。
しかし、皆さんこの図のどこかに当てはまります。〔(1)~(5)〕
手術を受けて、術後深圧を受けられ現在好調な方は、炎症性の痛みも筋肉性の痛みもほとんどない状態となるわけです。




炎症が徐々に、もしくは急激に強くなっている時期(1)は、皆さんが“急な坂を転げ落ちるように”悪化を感じる時期です。
この時期には、深圧の効果を感じにくいと思います。
この時期は、炎症の影響を受けて筋肉が強く短縮して固まりやすく、結果的に股関節の可動域が狭く(股関節の動きが固くなる)なりやすい時期です。
この時期の深圧の目的は、筋肉をできるだけほぐし柔らかくして、筋肉性の痛みを和らげながら股関節の関節の動きを維持・改善させることです。
そして、先にも書いたように、炎症性の痛みのピークを低くして、期間を短くする事です。


炎症がピークを迎えた(2)後は、炎症性の痛みは徐々に改善に向かいます。
この時に、深圧を受けていると、青い点線の様に、炎症性の痛みの減少と平行して筋肉性の痛みも改善していくでしょう。
3や4の時期を迎えている人が坂道を転げ落ちていた人(2012年9月15日の記事)Sさん(2012年4月1日の記事)律子さん(2012年12月4日の記事)だったりするのです。



ところが、炎症性の痛みのピークまでに深圧を行わなかった場合、筋肉性の痛みの累積と共に関節可動域が狭くなるでしょう。
そして、その後炎症性の痛みが減少しても筋肉性の痛みの暴走を引き起こしてしまいます。(5)


(5)の状態の時は、炎症はもうほとんどありません。
しかし、暴走した筋肉性の強い痛みだけが残っています。(もしくは暴走した筋肉性の痛みが潜んでいます。)

(5)の状態の方が深圧を受けると、劇的に症状が改善します。
手術後の方で順調な経過であっても、手術という炎症があった後なので、筋肉性の痛みだけが潜んでいる事がありますし、手術後の経過が悪い方は、まさに�の状態に近いです。


この例が、伝説の人(2006年2月23日の記事)だったり、AかBの人(2012年7月19日の記事)だったりIさん(大転子高位の方 2012年4月28日の記事)だったりするのです。


伝説の人のレントゲン写真です。

下のレントゲンは13年前のレントゲンです。
この頃は足を床につくことができずに、人工股関節手術を勧められ、今後どんどん悪化すると説明されていました。


赤い矢印(左脚)の股関節の隙間が狭くなっています。
長い間脚を着けなかったようで、大腿部の骨の骨そしょうが酷く、骨が黒く写っています。



下の写真は3年前のレントゲン写真です。



レントゲンでは13年前と変化はありません。
この方は、当時車椅子で来られましたが、現在杖は必要ではなくまったく普通に生活できています。
深圧は、半年に1回位受けますが、痛みはありません。
現在お父さんの介護が忙しく、銀サロにはあまり来れない状態です。

レントゲンは変わらないのに、能力ははるかに改善しています。
もう安定期ですが、軟骨は残っています。
この方は一生手術は必要ではありません。



下の写真は、AかBの人のレントゲンです。




赤い矢印が示すように右脚の股関節の隙間が狭くなっていました。
しかし、この方ももうレントゲンは悪化しません。
もう炎症が無いからです。
この方は松葉つえで来られましたが、今では杖なしで普通に通勤・生活しています。
連続ジャンプを試してみましたが、まったく痛みは出ない状態です。
この方も手術の必要はありません。




そう言えば、12年前から私も5年間かけて炎症の山をのり越えました。
あの骨と骨が当たるような激痛は、今ではうその様で仕事もゴルフも無理がきくようになりました。
私の腰ちゃんも頑張ってくれました。
腰ちゃんに感謝です。





●2013年3月31日の新大阪講演会では今日の記事も含め、股関節を長持ちさせる秘訣についてお話します。
しかし、それ以上に、皆さんひとり1人の質問に答えられるような時間を取ります。
その後には食事会も考えています。
銀座のスタッフは全員参加します。
初めての方大歓迎です。
初めての方で希望者には深圧体験も行います。

まだまだ参加者は少ないです!
ご検討よろしくお願いいたします。


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炎症と股関節痛 2

2012-12-29 12:25:27 | 股関節の基礎
2012年最後の記事になります。
私達は昨日で仕事を終えました。
今年、皆さんにとってどんな1年でしたか?
あまり良い事のなかった1年だった方もいるでしょう。
一方、すんばらしい1年だった方もいるでしょう。
来年、2013年が皆さんにとって素晴らしい良い1年になる様に祈ります。
私達も一所懸命協力させていただきますので、今後とも松本深圧院グループをよろしくお願い致します。
楽しい年末年始を、元気にお迎えください。
1年間、ありがとうございました!





今年最後に記事は“炎症祭り”の続きです!

変形性股関節症の正体は股関節炎です。

前回は股関節痛の原因の1番、炎症性の痛みと炎症の経過について説明しました。

今回は、炎症の経過と筋肉の病気(筋・筋膜症候群)の関係について説明します。


筋肉はいつも正常とは限りません。
股関節がほぼ正常で、股関節周りの筋肉が正常と決まっているなら、私も筋トレの指導さえ行っていればいいでしょう。
ところが、筋肉は疲労や病気の時もがあるのです。


筋肉は炎症(股関節炎)の影響を強く受けます。
炎症の影響により筋肉は反射的に硬くなり(力を抜いているのに硬い)短縮して、結果として血流が阻害されます。

この炎症による筋肉の短縮時間が長ければ長いほど、筋肉は元に戻りにくくなります。
この状態は筋硬結(きんこうけつ)と呼ばれています。


下の図で、赤い線は炎症の経過を現わしています。
そして、青い線が筋肉の病気による痛みの経過を現わしています。



炎症の出現・増加と共に筋肉性の痛みも増加しています。
つまりこの時期は、炎症性の痛みに筋肉性の痛みも連動しているのです。
この時期の股関節痛は・・・炎症性の痛みに筋肉性の痛みが加わった状態です。


その後炎症はピークを迎え改善に向かい下降しようとします。
ところが、かなり硬くなった筋肉は必要十分な血流(酸素と栄養)が与えられない為、ひねくれて暴走する事が多いです。(①→②③)


つまり、炎症のピーク後は筋肉の病気による筋肉性の痛みと炎症とは連動しないことが多いのです。
炎症は徐々におさまるから、徐々に痛みが改善してくるべき時期なのに、筋肉の病気が残存しているのです。(①)


この暴走が結構厄介です。


この暴走により、なりをひそめていた筋肉の病気は、無理をした時などに突然激痛を起こすことがあります。(③)
その原因は“筋肉がつった”状態です。
その激痛によって、脚をつけなくなったり、動作時に強い痛みが出る事があります。
皆さんの中には、骨がつぶれたと感じる方が多いようです。
炎症は徐々に改善しているにもかかわらずにですよ。



こういう時に皆さんは病院に行きますね。
レントゲン画像に異常があれば、痛みの原因は骨や軟骨の異常と判断されます。
もしも、レントゲン画像に異常がなければ、「異常がないから大丈夫ですよ。」と、何が大丈夫なのかと言いたくなる説明をされることが多いですね。


本来は炎症や筋肉の痛みに注目されるべきなのに、どうしても骨の変形に目がいってしまうのが現実ですね。

それでもいいという患者さんもいるでしょう。
病院の先生のいうことが全てと考える方はそれでいいのです。


一方、それじゃ嫌な患者さんもいます。


私達は、それじゃ嫌だと思っている患者さんに対し、深圧で筋肉の痛みをコントロールしながら炎症の改善をはかっているのです。





来年一番目の記事は、炎症の痛みと筋肉の病気による痛みに対する深圧の考え方を説明します。



今年最後の記事。
現状の医療常識とは異なることを説明しています。
しかし、この説明の方が患者さんの現状を説明できるのです。


年末年始にお時間がございましたら、ゆっくり読んでいただきたいと思います。


一年間このブログを読んでいただきましてありがとうございました。
皆さん、お元気に年末年始をお迎えくださいね。
私もゆっくり体を休めます。






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炎症と股関節痛

2012-12-22 05:34:26 | 股関節の基礎
最近、持病の「片頭痛」が2日続きました。
めずらしい事です。
私の常備薬「イブクイック」に助けられています。
だいたいは、日曜の午後にしか起こりませんが、寒さのせいでしょうか?
南国育ちにとっては厳しい寒さです。

・・・・でも負けない!、も~んだ。





変形性股関節症(Osteoarthritis of the Hip Joint)の正体は股関節炎です。

私も長い間osteoarthritisアースライティス)、略して「O.A」、という言葉を「O.A=変形性関節症」と無意識に理解していました。
病院勤務時はそれが一般的でしたからね。



股関節の診察の基本に、“スカルパ三角の圧痛を調べる”という検査法があります。
このブログでは、皆さんが簡単に判断できるように「股関節痛がある時は、まずソケイ部に熱感が無いかどうか調べて下さい。」と書いてきましたが、これはスカルパ三角を自己触診している事になります。

人体の奥深くに存在する股関節関節包の炎症が、皮膚の表面でもわかるようでしたら、それは「強い炎症」を意味しています。
強い炎症では、筋トレは厳禁、生活を最低限抑え、ソケイ部だけでも冷やすべきです。

足首をギクッ!と捻挫した後の状態に似ています。


私がこの記事で「股関節の炎症」と表現している事は、人体の奥深くに存在する股関節関節包の炎症が皮膚の表面に現れるほど強くは無いけれど、確かに炎症が存在する状態を指しています。






この炎症は骨や軟骨ではなく、関節包に起こります。

股関節関節包に炎症が起こると、股関節痛が出ます。
この股関節痛は炎症性の股関節痛になります。

股関節を捻挫した時や、股関節の手術の直後にも股関節の炎症は起きますね。



下の図の赤い線は股関節関節包内炎症の経過のイメージです。







炎症は徐々に、もしくは急激に強くなります。
この頃はいかにも“進行性“にみえます。


しかし、炎症のピークを過ぎると、徐々に炎症の程度は弱まって行きます。


なぜ弱まって行くのか?
それは、人体内に炎症を抑えるホルモン(ステロイドホルモン)が存在するからです。
このような理由で、私はこの病気が進行性ではないと書いているのです。


股関節の炎症と連動する炎症性の股関節痛の経過を表したのが上図のオレンジラインです。
この種の股関節痛は、炎症がピークに達するまでは痛みがなかなか改善されません。

しかし、ある日を境に痛みは徐々に改善して行きます。

そして、炎症がほぼなくなった時、痛みを感じる事が少なく意外と無理がきく身体になるのです。
この時を私は“安定期“と呼んでいますが、実はこの安定期はいわゆる“末期“とは一致しません。



比較的軟骨が保たれたまま安定期を迎える方もいるのです。




筋肉は炎症の影響を強く受けます。
従って、炎症が強い時は筋肉も強く短縮して硬くなります。
この硬さたるや半端ない硬さです。
そして、なかなか押せないほど痛みを強く感じます。


この股関節の炎症が強い時期に短縮して硬くなった筋肉を放置していると、股関節の動きが悪くなり、痛みがどんどん強くなります。


この時期の深圧は、坂道を転げるように悪化して行く患者さんの股関節を守って、悪化を最小限に止める事なのです。


この時期の患者さんは、深圧に効果を感じないかもしれません。
特に「効果の持続」は感じにくいと思います。

ところが、或る時を境に効果が実感できるようになってきます。
このある時というのが、「炎症のピーク」を過ぎた時期になります。




今までこのブログでは、股関節痛は
1、股関節の炎症性の痛み 
2、筋肉の病気(筋・筋膜症候群)による阻血性の痛み


だと説明してきました。

軟骨が減るから痛いのではありません。
股関節の骨と骨が当たるから痛いのではありません。

軟骨が減ったり、骨と骨が当たっていても痛みの無い方はいます。
一方、股関節痛があって病院へ行くと「骨や軟骨には異常がありません。」と言われる方もいます。

この方々が証拠です。
ところが、病院に勤務していた頃には、このような患者さんにお会いする機会が全くなかったので、気づくのが遅くなりました。




股関節の炎症性の痛みは骨や軟骨から出ているのではなく、関節の袋(関節包)から出ていて、これは炎症の程度と連動(比例)します。

では、もう一方の筋肉の病気による阻血性の痛みも炎症の程度と連動するのでしょうか?




ところがどっこい、すっとこどっこいなのです。



筋肉の痛みの変化はある時期から暴走してしまう事があるのです。


次回は、筋肉の病気による股関節痛の説明をします。




しかし、さむいですね。
寒さに弱い私はやや身体の調子を落としています。
そんな時は、心の調子も落ちるものです。




よく温めて元気に年末を迎えようではないか!・・・・「オーッ」って言いながらお楽しみください。







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炎症の形

2012-12-17 05:14:13 | 股関節の基礎
現在高松にいます。
今夜の飛行機で東京へ帰ります。
明日の夜は六本木ヒルズに出没します。
皆さん、風邪ひいたらあかんで!



変形性股関節症の主体は股関節の炎症です。

この炎症は何かの形として検査上にはでないのであろうか?

ひとつの形としては、MRIに出ることがあります。
下の写真は炎症が写っているMRI画像です。


このケースの場合、右は正常ですが、左には炎症があります。
初期の頃は、関節可動域に制限があり、動作に痛みがありました。
関節の拘縮を予防しつつ、筋肉の正常化をはかってきました。

最近はゴルフ、軽いテニスができるようになっています。

左右のMRI画像

左の画像に“水”が溜まっているのがわかります。

左股関節の拡大画像です。


股関節に炎症が起きると、その炎症を冷やすために関節液(いわゆる“水”)が集まるので、その水が白く写っていますね。




炎症はレントゲンには写らないのでしょうか?
これは難しいことなのですが、画像の股関節周りに白いモヤモヤが写ることがあります。
その画像のモヤモヤが無くなり、霧が晴れるようにスッキリな画像になると炎症が収まってきたと判断できます。

血液検査上はどうでしょうか?
慢性関節リウマチの様に全身性の疾患の場合は、一般的な血液検査に異常が出るでしょう。
しかし、股関節だけのような局所的な小さな炎症は血液検査には出ません。
しかし、しかし、もっと特殊な血液検査法なら股関節の炎症がわかるのではないかと思っています。
ぜひ、臨床検査技師の方や看護師の方に教えていただきたい課題です。

股関節の局所的な炎症が簡単にわかる血液検査方法があれば、股関節の治療に革命が起きる可能性もあると思うのです。
私もいろいろな分野の方から情報を集めたいと思っています。



新大阪、高松で患者さんと話をしていて、病院での治療の選択肢の無さ、説明の少なさに不満を持っている方々が多いことと、今だにレントゲン画像だけによる診察だけで、病院に行くと不安が強まり症状が悪化していく現状を強く感じました。



話は変わりますが、霧島の村山さんにこう言われることがありました。
「松本さんの考え方は、先に進みすぎていてなかなか理解されませんが、段々時代が追いついてきますよ。」
私は主に診察法の基本をもっと幅広く行って欲しいと訴えているだけなのですが、ある意味村山さんのいう通りなのかもしれませんね。
そい言われれば、最近の理学療法士は筋トレよりも筋肉をほぐそうという先生が増えてますね。
20年前なら考えられないことです。

このブログも来年1月でまる7年です。
何回もやめようと思ってきましたが、まる7年でやめます。


…先日までそう考えていたんだけど、今回の出張でいろいろ考えましたね。

今後もこのブログを通して、皆さんの診察環境が改善されて行くような記事を書いて行こうと思いました。
こうなりゃ、死ぬまで続けたる!


皆さんも、不満を感じているようでしたら受診現場で先生に不満を訴えて欲しいです。








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炎症と変形の違い

2012-12-12 09:56:06 | 股関節の基礎
本日、銀座の仕事を終えたら今年最後の出張治療、新大阪→高松へ伺います。
皆様宜しくお願い致します。



変形性股関節症の正体は股関節関節包の股関節炎です。
そして、股関節痛は股関節の「変形」自体が原因ではなく、「炎症」が原因です。




骨は骨膜という神経が豊富で痛みを感じやすい膜につつまれています。
しかし、股関節の関節面には骨膜はありません。

その代わりに、股関節の軟骨と骨全体を関節包という神経が豊富で痛みを感じやすい袋が包んでいます。



  青:骨膜  ピンク:関節包  赤:関節唇
上手の断面図

  同じく  青:骨膜  ピンク:関節包  赤:関節唇






現在、変形性股関節症は股関節関節包の「炎症」が主体で考えられるべき病気なのに、軟骨や骨の「変形」が主体で考えられる病気と考えるのが主流になっています。


「変形」を主体に考えるとレントゲンを主とした骨を重視した診察になります。
一方、「炎症」を主体に考えると股関節関節包を重視した診察になります。
骨を包む骨膜や関節を包む関節包には炎症がおきますが、骨自体には炎症は起きません。


「炎症」は軟骨や骨と違ってレントゲンには写りません。(MRIには写る事があります。・・・後日画像をお見せします。)


骨は人体の基本を形作っていますのでその形は無視できませんが、現在の股関節に対する診察法があまりにも骨に偏りすぎているのは診察の基本としては問題です。






私がみている患者さんに、変形が強く(いわゆる末期)骨と骨が当たっているのに痛みが無い方がいます。
一方、変形は全くないと病院で説明されているのに痛みを訴える患者さんがいます。

このような症状の患者さんは病院でも多いはずです。
上記患者さん達の症状は「変形」ではまったく説明できません。



変形は日によって変わらないのに、痛みが日によって変わる方がほとんどです。
この痛みの説明も変形ではまったく説明できません。



皆さんの中には軟骨が減ってきていたり、骨と骨がぶつかりそうな画像が脳に染みついてびくびくしながら生活を送られている方も多いと思います。

 
軟骨が減るだけでは痛みは出ません。
骨と骨が当たるだけでは痛みは出ません。
(骨の痛みについては後日説明します。)


皆さんの病気の症状を変形で説明しようとすると、矛盾が多過ぎます。
ところが、炎症で説明するとほとんどの説明がつきます。




筋肉は軟骨や骨の変形の影響はほとんど受けませんが、関節包の炎症の影響を強く受けます。
炎症が強い時は、筋肉も反射的に硬くなり、血流が著しく低下します。


筋肉はこの血流によって養われ、酸素を与えられ、疲労物質が溜まらないようにできています。


筋肉に栄養がいかないと筋肉は発達できずにやせてしまいます。
筋肉に酸素が供給されないと、すぐに疲れる筋肉になり、痛みを出し、筋力の発揮できない筋肉になります。
また、筋肉内の疲労物質(乳酸)は蓄積される一方となり、やがてその疲労物質は痛みを感じる発痛物質へと変化します。



最近では、股関節痛の原因が主に股関節関節包にあるのか、筋肉にあるのかを鑑別診断してくれる病院が出てきました。



私達は、股関節の触診をしたり、筋肉の触診にて筋肉の硬さを確認したり、深圧にて筋肉の状態を改善させたあとの反応を確認したり、関節を動かしながら筋肉の抵抗感を確認することによって股関節関節包内の炎症の程度を知ることができます。


股関節痛は股関節関節包の程度に比例するのであって変形の程度に比例するのではありません。
従って、変形性股関節症の最も重要な要素は、骨の変形の程度ではなく、股関節関節包内の炎症の程度なのです。



炎症の改善は基本的には皆さん誰もが持っている自然治癒能力です。
皆さんは誰もが体内に副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)を持っています。
このステロイドホルモンが炎症を抑えようとしてくれます。

変形性股関節症の基本である炎症が改善して、炎症の影響を受けていた筋肉が正常化してくると、皆さんの基本(機能)が改善してきて、機能の改善に伴い応用(能力)が改善してきます。




骨と骨が当たっても、股関節の骨の表面には神経がありませんので痛みは出ません。
軟骨にも神経がないので減ったとしても痛みは出ません。
髪や爪を刃物で切っても痛みが出ないのと同じです。


炎症が起きる股関節関節包には神経が豊富です。
炎症が起きると、炎症の程度に比例して痛みが出ます。


軟骨や骨の変形が重度の時、強い炎症があれば強い痛みが出ます。
しかし、いくら軟骨や骨の変形が重度でも、炎症がなければほとんど痛み無く生活できます。






皆さんに対する治療としては、まず炎症の程度を把握したうえで炎症を取り去る治療がなされるべきなのです!








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変形性股関節症の正体

2012-12-07 09:57:20 | 股関節の基礎
変形性股関節症 の英訳はOsteoarthritis of the Hip Jointです。


このOsteoarthritisという言葉の中に、私が約7年間続けてきたこのブログのすべてが含まれています。
Osteoarthritisを理解していただければ、私のブログの副題「変形性股関節症の新しい考え方」の意味がわかっていただけると思います。



この Osteoarthritisは「骨関節炎」という意味で、Osteoarthritis of the Hip Jointを直訳すると「股関節骨関節炎」です。


もっとわかりやすく松本式に直訳すると「股関節炎」です。
ところが、和訳では「変形性股関節症」になるのです。



この和訳はいつだれが決めたのかはわかりませんが、この和訳によって変形性股関節症に対する考え方が変わりました。


「炎症」が主体で考えられるべき病気なのに、どうしても「変形」が主体で考えられる病気になってしまったのです。





私は、変形性股関節症の正体は股関節炎だと考えています。



松本深圧院グループ
松本正彦