ASAKA通信

ノンジャンル。2006年6月6日スタート。

20170311

2017-03-11 | Weblog

             https://www.youtube.com/watch?v=fWdmMCnNw2I


抱かれた希望や夢や善意は、いまも
惑星を一周めぐると悪夢に変わっているかもしれない

信じた平安や正義が殺戮や拷問を準備することもある
〝理想〟は滅びの道へ通じているかもしれない

もっと遠くへとまなざしを凝らしたオレたちは
地上の幸いを酷薄に見捨てる可能性もあった

加担することなく加担し
悪意することなく悪意し
共犯することなく共犯する

なにもない空の向こうに心は深く交わり
赤く染まる時間を悲しく受け入れながら
オレたちは投げる言葉をもたなかった

オレたちが感慨を結ぶより先に季節は移ろい
流れる雲はいつの間にかオレたちを追い抜いていった

出来事がどんなメッセージをたずさえ
どんな意味を告げたのか

すべては存在企投
オレとオマエの存在企投にかかわっている

しかし覚えておくべきことがある
──確信や信念の構造はそれ自体で普遍を妥当しない

「このこれ」という固有の確信は訪れる
しかしオレたちは確信の多数性が存在する〈世界〉を生きている

まちがうかもしれない、そうでないかもしれない
──だが一体何に照らしてそうなのか
──オレたちは何を基準にそのことを確かめようとしているのか

どれが正しいかという問えば思考は行き止まりになる
最適解あるいは最終解を問えば信仰の問題になる

普遍的に妥当する(オレの)確信という「確信の意識」に留まれば
〈世界〉はフリーズする

〈世界〉を確定するような最終的な根拠は存在しない

一切は確信の意識であることを確認することははじまりにすぎない
解凍することの困難さは〝だれか〟に出会うことで破られる契機をもつ

にもかかわらず訪れる「このこれ」という確信の意識
あるいは「非このこれ」という懐疑の意識

そのことを交換しあう以外にオレたちは可能性の地平をもたない

にもかかわらず──という条件節は無限に循環する
生きられる意味は企投の相互的な関係において現われたり去ったりする

一つだけ確認しておきたい

不可能が〝聖域化〟するまえに
不可能を意志の理由とするために
そこにとどまり
ていねいに結んでおくべき焦点があることを

 

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