過日、いきなり千葉県庁の消耗品支出に30億円(5年間分)にのぼる不正があったことが報じられた。
変わったばかりの知事にこのような大規模な調査をする能力はないように思われる。たぶん前知事の時代にその内容は把握されていたに違いないと思われる。
それはさておき、やはり出るべくして出てきた問題だなというのが第1印象である。いないな、イワン・アサノヴィッチからすれば発覚するのが遅すぎたなとさへ思われるくらいである。
年度末に使い切れなかった予算を出入り業者に空伝票を切らせて預ける「アズケ」と、その際にべつの品目を購入する「サシカエ」などが指摘されたのである。
他に「裏金・プール金」などちょっぴり薄汚いカネがあることを多くの県庁職員は知っている。このちょっぴり薄汚いカネは往々にして本来の目的から外れてカネを握っている極く一部の職員の恣意的な使われ方をする場合が少なからずあることも同様である。
このこともさておき、現在の補助金制度・予算の単年度主義・建前主義的予算編成方式が続く限りは「アズケやサシカエ」に限ってはイワン・アサノヴィッチは必要悪だと思っている。
支出の不正を指摘する前に解決する問題があり、このことを抜きにしては本末転倒としか思えないのである。
多くの公共職場や補助金被交付職場では何億・何十億の事業予算を実施しており、予算は細かな事業割り地区割りの制限と「節」という支出枠が決められている。
それは縦割りと横割りがされている恰も”メッシュ”の中の予算額を縦横ともに、1円たりともはみ出すことなく毎年3月31日までにピッタリと使い切りなさいという無理難題なのである。
イワン・アサノヴィッチも、3月入って難航していた地権者との用地買収契約をしたことがる。
それを受けて支出担当者はパズルゲームの如く、短時日の内にメッシュの中の予算を1円たりとももはみ出すことなく合わせるのであるから至難の業である。
余った予算を気兼ねなく不要額として返せる仕組みがない以上は悪いこととは知りながら、馴染みの業者に頼み空伝票で「アズケやサシカエ」に変身させるのである。そして帳尻合わせをせざるを得ないのである。
重ねて言うが補助金制度・予算の単年度主義・建前主義的予算編成方式を改めることが根本である。財政課の横暴とも思えるような権威主義・睥睨支配を改めることもまた重要なことであろう。