天燈茶房 TENDANCAFE

さあ、皆さん どうぞこちらへ!いろんなタバコが取り揃えてあります。
どれからなりとおためしください

2015-16年越し中欧紀行 14:ウィーン発フランクフルト経由東京行き空の旅

2016-03-13 | 旅行記:2015-16中欧

13:ウィーンのツァイス・プラネタリウムからの続き

2016年1月3日

ウィーン・シュヴェヒャート空港を午後2時過ぎに飛び立つルフトハンザ・ドイツ航空LH1239便で、ルフトハンザのハブ空港であるフランクフルト・アム・マインへと向かう。


この日は降雪や積雪は無かったが、気温が大変低かった為か離陸前に機体と翼にたっぷりと防除雪氷液が散布された。
しっかり雪と氷を払い落として、ルフトハンザのエアバス機はウィーンを飛び立つ。フランクフルトまでは僅か1時間少々のフライトだ。


機内でコーヒーとケーキを楽しんでいるうちに、もうフランクフルトに着陸。
ここで日本行きの長距離便に乗り継ぐ。

日本の東京羽田行きルフトハンザLH716便は…


何とジャンボジェット!
ジャンボのボーイングB747シリーズの最新型、747-8IC「インターコンチネンタル」だ!
しかもこの機材は、サッカーワールドカップのブラジル大会で優勝したドイツ代表チームが使用した特別塗装機Fanhansaではないか!


日本の航空会社からは全て退役してしまい、乗る機会も見る機会も減ってしまったジャンボジェットだが、こうしてしっかり最新型機が日本行き路線で活躍を続けているのは嬉しい。
それに何より、やっぱりジャンボはカッコいいのだ!
これからこのカッコいいジャンボに乗れるかと思うとワクワクする。さらに今日は特別塗装機Fanhansaなので、サッカーファンでなくても胸がときめく。


東京羽田行きのジャンボジェットの隣には、キャビンが総2階建てで世界最大の超巨大機エアバスA380が駐機していた。
かつて、ルフトハンザの東京便が増便して羽田に新規就航するまでは、成田行きの便にこのA380が使われていたのだが、現在は中国行きの便へと転用されているようだ。
A380も好きな機材なので、是非とも日本便に復帰してジャンボジェットとペアで運行して欲しいと思うのだが、羽田と成田の両方に大型機と超大型機を入れるのはさすがに供給過剰かな…?

午後6時頃、フランクフルト発羽田行きLH716便B747-8インターコンチネンタルは出発、一路日本を目指して文字通りユーラシア大陸横断(インターコンチネンタル)の旅に出た。
4発のジェットエンジンのフル出力の唸りも全く気にならない、静かでふわりと浮かび上がるような離陸には感動を憶える。さすが最新鋭機、見た目は昔のジャンボと変わっていないが性能は飛躍的に向上したハイテク機になっているようだ。

そして離陸後にも、嬉しいハプニングが…



何と、エコノミークラスで最後に機内食が配られる区画に座っていたところメニューが足りなくなってしまい、急遽CAさんが気を利かせてこっそりビジネスクラスのメニューを持って来てくれたのだ!
見よ、このトレイに載り切れない程に大きな皿のグヤーシュを!(笑)


…生まれてこの方エコノミークラスにしか乗ったことがないけど、ビジネスクラスでは良い物を食べてるんだなぁ(笑)

ご馳走を食べたらぐっすり眠って、目覚めるともう日本海の上空。
B747-8は機内が静かだから、つい寝過ぎてしまった。


…残念ながら、朝食メニューはたくさん積んであったようで、僕の分もエコノミークラスの朝食メニューが配られました。
さすがに2食続けてビジネスクラスのご馳走を食べる訳にはいかなかったか(笑)



2016年1月4日

午後1時、ルフトハンザLH716便は無事に東京羽田空港に到着した。

旅が終わった…
明けましておめでとう、ただいま日本!


でも、日本に帰って来てもあまりのんびりもしていられない。
あと4ヶ月後には、ゴールデンウィークの旅が待っている!
…次回も旅費は無料のマイレージ特典航空券です。「そんなに旅ばかりしていて大丈夫なのか!?」と呆れられるかも知れませんが、予算的には問題ありませんので念の為(笑)


それでは皆様、今年も天燈茶房TENDANCAFEをよろしくお願いします。
また初夏に、次の旅先ニューヨークでお会いしましょう!
天燈茶房亭主mitsuto1976 拝

2015-16年越し中欧紀行 13:ウィーンのツァイス・プラネタリウム

2016-03-13 | 旅行記:2015-16中欧

12:ウィーン自然史博物館のデジタルプラネタリウムからの続き

ウィーン自然史博物館で最新鋭のデジタルプラネタリウムを観た後は、正統派の光学式プラネタリウムを観に行こう。
実は、僕がウィーンで滞在しているホテルの近くのプラーター公園の大観覧車の下に、ウィーンに着いた時からずっと目をつけていたプラネタリウムがあるのだ。





それがここ、Vienna Zeiss Planetarium(ウィーン ツァイス・プラネタリウム)



ずっと年末年始休館中だったツァイス・プラネタリウムも、今日から開いている。
窓口でチケットを買い求めると「今からやる午後の上映回は子供向けなので、次の上映にしたら?」と勧められたので、夕方の“大人向け”の上映回のチケットを購入。

時間が空いたので、プラーター公園の周辺を散歩する。
少し歩くと、ドナウ川の畔の大聖堂のあるメキシコプラッツに出た。


美しき青きドナウ…と言うには余りにも寒い!
真冬のドナウ川はみぞれが舞い、凍える寒風が容赦なく吹き付けてくる。


ドナウ川に架かるライヒス橋から、下流側を眺める。
この先には、一昨日までいたブダペストの街や、さらに先にはベオグラードもあるのだが…
遥か東欧バルカンに想いを馳せるも、寒さでカメラのシャッターを押す手がかじかみ、顔もこわばってきた…


ドナウ川の中洲にライヒス橋で渡ると公園になっていて散歩道が続いているが、日が暮れてきた…
夏の昼間に来たら、きっと気持ちがいいんだろうが…とにかく寒い!

このまま暗くて寒い中洲公園を散歩していたら本当に路端で凍死してしまい、明日の朝に散歩に来た地元のウィーン市民に発見される、なんて事になりそうな気がしてきたので、ここらで退散する事に。


帰り路にメキシコプラッツからドナウ川の向こう岸のウィーン新市街を眺めると、摩天楼が建ち並びさながら未来都市のようだ。
この一画はウィーン国際センターとなっており、国際連合ウィーン事務局が置かれている。

さて、寒いドナウ川からプラーター公園のツァイス・プラネタリウムに戻ってきた。
そろそろ夕方の上映回の開始時刻だ。







ウィーンのツァイス・プラネタリウムの“御本尊”である投影機は、もちろん名機Carl Zeiss!
カールツァイスの最上位モデル、UNIVERSARIUM Mark IXが20mドームの中央に鎮座まします。
日本にある世界最大のドーム径35mを誇る名古屋市科学館プラネタリウム「ブラザーアース」の投影機と同じ型式だ。


ウィーンのツァイス・プラネタリウムの銘板に刻印された機体番号は557。

世界最大のドームをもカバーする実力を秘めた、強力なUNIVERSARIUMの産み出す星空を暫し満喫する。
やっぱり、投影機の映し出す光学式のプラネタリウムは、いい…





明日にはウィーンを離れ、日本へ帰国する。
もうすぐ旅が終わろうとしている…

14:ウィーン発フランクフルト経由東京行き空の旅に続く

2015-16年越し中欧紀行 12:ウィーン自然史博物館のデジタルプラネタリウム

2016-03-13 | 旅行記:2015-16中欧

11:ウィーンの元日 美術館巡りと国立歌劇場からの続き

2016年1月2日

今日から、正月休みで閉館していた博物館が開くので、朝からウィーン自然史博物館に向かう。







真向かいにあるウィーン美術史美術館と共に、建築と内装が豪華な事で知られるウィーン自然史博物館。
膨大な量と質の高さを誇る鉱石の一大コレクションでも有名で、建築好きと石好きには堪らない博物館だが、僕が見たいのはこれ…


デジタルプラネタリウム
建屋の中に小さなドームが設置されているスタイルのプラネタリウムが、ウィーン自然史博物館にはあるのだ。





ウィーン自然史博物館のデジタルプラネタリウムは、プラネタリウムといえどもその象徴である球型の投影機は無く、最新鋭の全天周投影システムを備えたフルデジタルシアターとして各種の全天周映像作品を投影している。



今日は午前中に「Super Volcano(スーパーボルケーノ)」という作品を上映していたので鑑賞してみたが、全天周映像の投影クオリティは素晴らしく、映像がとにかく美しかった。
いつか、このドームでHAYABUSA2 -RETURN TO THE UNIVERSE-を観てみたい。


最後に、ウィーン自然史博物館で見つけたこの巨大なカニの標本模型…
明治天皇からオーストリア皇帝に贈られたものだそうです。

13:ウィーンのツァイス・プラネタリウムに続く

2015-16年越し中欧紀行 11:ウィーンの元日 美術館巡りと国立歌劇場

2016-03-13 | 旅行記:2015-16中欧

10:ウィーンの大晦日と新年からの続き

2016年1月1日

ウィーンで迎えた新年。元日の今日は、朝から初詣に出かける事に。


シュテファン大聖堂で初詣を…
と思ったが生憎と新年ミサの真っ最中で、地元在住の信徒以外の観光客は大聖堂から締め出されてしまった。

仕方がないので、ミュージアムクォーターへ…



世界的な美術館が数多く集まるウィーン市内の一画、それがミュージアムクォーターだ。
今日は元日だが、いくつかの美術館は通常通り開いていたので美術館巡りをして過ごすことにした。


レオポルト美術館


mumok(近代美術館)

一つ、印象に残る作品が…



Isolde Maria Joham「Cape Canaveral」
…何というか、「アメリカ合衆国のパワー!」の印象をそのまま視覚イメージ化したような作品だが、宇宙ファンとしては移動用ジャンボジェット機の背中に載せられるスペースシャトルのオービターが気になる…エンタープライズ号かな?

美術館巡りを堪能したら、中欧の短い日はもう暮れた。今夜向かう先は…


シュターツオーパー(ウィーン国立歌劇場)




そして、今夜の演目はもちろんウィーンの年末年始の風物詩とも言える超定番、ヨハン・シュトラウス2世作曲のオペレッタ「こうもり」!
…って、昨夜のフォルクスオーパーと同じですが(笑)
とにかく、ウィーンの年末年始は「こうもり」なのだ。






…しかし、何でウィーン国立歌劇場は毎回、緞帳がアヴァンギャルドなんだろう?
誰だろう、この女性は…




12:ウィーン自然史博物館のデジタルプラネタリウムに続く

2015-16年越し中欧紀行 10:ウィーンの大晦日と新年

2016-03-13 | 旅行記:2015-16中欧

9:ブダペスト発ウィーンまで 国際特急列車railjetの旅からの続き

railjet(レイルジェット)でウィーン到着後、中央駅地下のUバーン(地下鉄)駅のきっぷ自販機で3日間有効の市内交通乗り放題チケットを購入して、住宅地の中にあるホテルに向かいチェックイン。

ホテルの部屋は小ぎれいで快適そうだったがバスルームのドアがきちんと閉じないトラブルがあり、急いで修理してもらったりしていたらもう日が暮れた。
急いで背広姿に着替えてネクタイを締めて、再びUバーンに乗って向かった先は…


フォルクスオーパー
直訳すると「ウィーン市民オペラ劇場」となる。

この劇場は、シュターツオーパー(ウィーン国立歌劇場)と並ぶウィーンを代表するオペラ劇場だが、市民劇場と名乗っているようにかなり気楽でリラックスした雰囲気で観劇を楽しめることで知られている。演目もオペラだけでなく、気軽なオペレッタやバレエからミュージカルまでと多彩だ。





今夜ウィーンに到着早々にフォルクスオーパーで観るのは、オペレッタ「チャールダーシュの女王」

ハンガリー出身の作曲家エメリッヒ・カールマンが手がけた有名作品で、身分違いの恋の顛末を賑やかにゴージャスに描いたオペレッタだ。もちろん、物語はハッピーエンドとなるので観ていてとても楽しい。
しかも、この「チャールダーシュの女王」は来年(2016年)には日本でフォルクスオーパーの引っ越し公演が行われることになっているそうで、その練習を兼ねてか突然日本語での歌が始まったりと嬉しいハプニングもあった。


フォルクスオーパーからの帰り路、ホテル間近のUバーンの駅で降りて地上に登ってくると目の前に見えたのは、この大観覧車
映画「第三の男」のクライマックスシーンの一つの舞台となるので有名なこの大観覧車があるプラーター公園の近くにホテルはある。

あの有名な「第三の男」のテーマ曲、アントーン・カラスのチターの旋律を思い浮かべて、思わず帽子を目深にかぶり直しながら人の気配の消えた深夜のプラーター公園を歩きホテルに向かった。

おやすみなさい…

2015年12月31日


朝になったら、再びプラーター公園へ。
今日もUバーンに乗って、向かった先は…


ウィーンの街の中心部にある市立公園スタッドパーク。
都心にあるのに木立が広がり川が流れ、静かな環境で朝の散歩を楽しむことが出来る。

そして、このスタッドパークのほぼ真ん中にあるのが…


黄金に輝くヨハン・シュトラウス記念像。
これもウィーンの象徴とも言うべき有名観光スポットだが、今日は是非ともこのヨハン・シュトラウス2世の像に挨拶しておきたい。
なぜなら、これから向かう先は…




何とまたしてもフォルクスオーパー!(笑)
昨夜の「チャールダーシュの女王」に続き、一晩明けたら今度はマチネ(昼間)公演を観るのだ。
演目は、御存知ウィーンの年末年始の風物詩とも言える超定番、ヨハン・シュトラウス2世作曲のオペレッタ「こうもり」!



「こうもり」で大爆笑してからフォルクスオーパーを出ると、外はもう日が暮れていた。
大晦日の夜、ウィーンの街の中心部を歩いてみる。


シュテファン大聖堂の前には特設ステージが組まれ、「チャールダーシュの女王」が歌われていた。









…シュテファン大聖堂周辺のウィーン市街地中心部は大変な混雑で、歩くこともままならない有様なので早々に引き揚げることにする。


そしてUバーンに乗って帰って来たプラーター公園もこの賑わい。
どうやら、大観覧車周辺で年越しのカウントダウンをやるらしいのでこのまま見ていくことにした。

大勢の景物人と一緒に大観覧車の前の広場に並んで、午前零時の瞬間を待つ…







耳をつんざくような花火の爆裂音と頭上から降り掛かってくる火の粉、そして大歓声とシャンパングラス持参でその場で祝杯を上げるウィーンの人々と共に、プラーター公園で新年を迎えた。

明けましておめでとう2016年!
…さぁ、ホテルに帰って、寝る前にシャワーを浴びよう。何しろ本当に目の前で容赦なく花火を打ち上げるものだから、全身に火の粉と燃え殻をかぶって煤まみれだ!!(笑)


11:ウィーンの元日 美術館巡りと国立歌劇場に続く

2015-16年越し中欧紀行 9:ブダペスト発ウィーンまで 国際特急列車railjetの旅

2016-03-05 | 旅行記:2015-16中欧

8:ブダペスト夜景散歩からの続き

2015年12月30日

今日はブダペストから、次の目的地ウィーンまでの移動日。
昼前にホテルをチェックアウトして、ケレティ駅(ブダペスト東駅)へ。


ブダペストは今日もいい天気。青空に白亜のケレティ駅が映える。


今日ウィーンまで乗車するのは、オーストリア連邦鉄道ÖBBが誇るrailjet(レイルジェット)

ウィーン中央駅をハブに中欧から周辺の欧州各国への幅広い国際列車ネットワークを持つオーストリア連邦鉄道が、TGVやICEに並ぶ高品位な車輌を投入して新しい国際列車網の構築を目指すべく運行する次世代型の国際特急列車である。

現在、ブダペストとウィーンの間を結ぶ国際列車は原則全てrailjetとなり、日中は原則2時間ヘッドで両都市間を僅か2時間半あまりで結んで行き交っている。
かつてのオーストリア=ハンガリー二重帝国の双方の帝都同士を結ぶ大動脈ともいうべき列車だ。





重厚で大ドーム屋根に覆われ荘厳な雰囲気の漂うケレティ駅のプラットホームに身を横たえたrailjet。
帝国時代からの歴史を感じさせる駅に次世代の列車が絶妙な調和を見せる。


今日乗車するのは、ケレティ駅を11:40に発車するrailjet64号。
本来はブダペスト始発でウィーンを経由してドイツのミュンヘンまで走る列車だが、現在はシリアからの難民・移民の大量流入問題でオーストリアとドイツ南部バイエルン地方を結ぶ鉄道路線が国境で封鎖されており、このRJ64号もオーストリア側の国境駅となるザルツブルグで運転を打ち切る措置が取られている。

まだ発車まで30分もあるが、早めに乗車して車内でくつろぐ事にしよう。
今日は奮発して、railjetの最上級クラスの座席であるビジネスクラスを予約してある。


これがビジネスクラスの座席。いつも手配を頼むヨーロッパ鉄道旅行専門の代理店さんが今回も気を利かせて、1人がけの座席を狙い取りして指定してくれた。
ゆったりとした総革張りのリクライニングシートが半個室風のコンパートメントブースに収まっており、誰にも気兼ねなくウィーンまでの2時間半を過ごすことが出来そうだ。…でも何となくネットカフェの椅子席みたいな雰囲気でもあるんだよな(笑)



定刻の11:40、RJ64号は静かにケレティ駅のプラットホームから発車した。

本来は東欧方面への列車が発着していた駅から西方面のオーストリアへの出発なので、列車はブダペストの市内をぐるりと半周するように迂回して走って行く。
昨日行ったブダペスト・プラネタリウムのある公園の森を眺め、ドナウ川を鉄橋で渡るとブダペストともお別れだ。




railjetの車内に備えられたモニタ画面には列車の運行情報が詳しくリアルタイム表示されるので大変便利だ。
…でも、数年前に乗った時にはあった地図画面上で列車の現在位置をアイコン表示する楽しいシステムが無くなっており、画面のデザインも黒を基調にしたシンプルなものにアップデートされているようだ。全体的にスッキリしたというか簡略化され過ぎた感じがしてちょっと寂しい。






14:18、RJ64号は定刻通りにウィーン中央駅に到着した。
快適そのもので、少々あっけないほどのブダペストからウィーンまでの2時間半の旅だった。

ウィーン中央駅のプラットホームにはすぐに、ここから増結されるrailjetの編成が入って来た。僅かな停車時間中に、慌ただしく連結作業が始まる。

増結作業が完了し、運転士さんが機関車の窓から親指を立てて“サムズアップ”の合図を送る仕草が何ともカッコいい!

編成を増結して長大編成となったrailjet64号がザルツブルクに向かい走り去るのを見送ったら、僕もウィーンのホテルに向かう。
今日はウィーンに到着早々から忙しい。今夜の、フォルクスオーパー(ウィーン市民オペラ劇場)でのオペレッタのチケットを予約してあるのだ。

10:ウィーンの大晦日と新年に続く

2015-16年越し中欧紀行 8:ブダペスト夜景散歩

2016-02-28 | 旅行記:2015-16中欧

7:ブダペストのプラネタリウムからの続き

ブダペスト市内を縦横に走るトラム(路面電車)とメトロ(地下鉄)を乗り継いで、夜の市内中心部へと向かう。


社会主義時代の名残を残す、ボロくて厳ついソ連製のメトロに乗って…


地上に出たら黄色いトラムに乗り換えて、目指すはハンガリー国会議事堂

…と、国会議事堂前の停留所で降りたら派手な路面電車がやって来た!


全身に電飾をまとった、走るクリスマスツリーのようなトラムが登場!
車内にもデコレーションが施されているのが見えるが、どうやらクリスマスシーズン限定のイルミネーション電車らしい。
突然現れたド派手なトラムに乗客も大喜びで、皆さん記念撮影に興じていた。

電飾トラムを見送ったら、いよいよブダペストで一番の見どころとされる国会議事堂へ!






真冬のブダペストの夜の闇に浮かび上がるネオゴシック様式の国会議事堂。
ここは一日中観光客の絶えない名所だが、夜にライトアップされた姿が最も美しいという。

国会議事堂の建物をぐるりと一周りすると、裏側は道路を挟んでドナウ川に面していた。
ドナウ川の川岸の遊歩道をブダペスト夜景散歩と洒落込むことにする。


国会議事堂から暫くドナウ河畔を歩くと、美しい吊り橋が見えてくる。
ここもブダペスト名所として名高い鎖橋だ。



鎖橋はブダペストでドナウ川に初めて架けられた橋だそうで、ドナウの西岸(ブダ地区)と東岸(ペシュト地区)を結び、ドナウ川に分断されたブダペストの街を一つにつなぐ役割を果たしている。
観光名所であると同時に、ブダペスト市民の重要な交通の足でもある。

鎖橋には歩道もあり、誰でも歩いてドナウ川を渡ることが出来る。もちろん公道なので入場料などは取られない。
僕も早速、鎖橋を渡ってみよう。


鎖橋のたもとには巨大な獅子の像が鎮座し、行き交う人々と車列を見守っている。


鎖橋の名の由来となった、橋を支える巨大な鎖(両端に穴の空いた鉄の棒をピンでつないだもの)と吊り橋の主塔の構造が歩道からよく見える。


そして、鎖橋の上から眺めるドナウ川の絶景。上流側を向いて眺めているので、この先にはウィーンの街がある事になる。
向かって右側がペシュト地区で国会議事堂のドーム屋根と尖塔が見える。左側はブダ地区で、ブダ城のある丘陵が見えている。川の先に見えるアーチはブダペストで二番目に古いマルギット橋だ。

鎖橋を渡って、ブダ地区側のドナウ河畔の遊歩道を歩いてマルギット橋に向かう。


ドナウ川の対岸ペシュト地区に国会議事堂の建物が真正面から見える。
川岸にそびえ建つ荘厳な建築物に思わず息を呑む…

マルギット橋を渡った先にある停留所からトラムに乗って、ブダペストの市内中心部を後にする。




トラムの車内からも国会議事堂の美しい姿が見えた。この次は、是非昼間に来てみたい。

再びトラムとメトロを乗り継いで向かった先は…


ブダペスト西駅
ケレティ駅(ブダペスト東駅)と並ぶブダペストのターミナル駅だが、現在ではウィーンやスイス・ドイツ方面へと向かう高速列車レイルジェットをはじめ多くの国際列車はケレティ駅に発着するようになっているので、やや寂しい印象があるが、西駅の駅舎はパリの「エッフェル塔」やニューヨークの「自由の女神像」で知られるエッフェルが手がけたもので、大ドームの正面側ファサードは斬新な全面ガラス張りで大変美しいことで知られる。







そして、ブダペスト西駅に来たら是非見ておきたい名所がもう一つある。
それは…


ブダペスト西駅の駅舎に併設された豪華な高級レストラン…
ではなくて、ここは何とマクドナルド!
閉店した高級レストランの店舗をそのまま転用して開店したという、いわゆる「居抜き物件」なのだが、今や“世界一豪華なマクドナルド”として日本でも有名になってしまったマックのお店、「マクドナルド ブダペスト西駅店」だ。

かくして、ヨーロッパで一番美しいと讃えられるブダペストの街と駅とマクドナルド(笑)を堪能したブダペスト夜景散歩だった。
明日はこの美しい街とも別れて、次の目的地へと向かう。
さようなら、おやすみなさいブダペスト…



9:ブダペスト発ウィーンまで 国際特急列車railjetの旅に続く

2015-16年越し中欧紀行 7:ブダペストのプラネタリウム

2016-02-21 | 旅行記:2015-16中欧

6:ハンガリー国立歌劇場 バレエ「くるみ割り人形」を観るからの続き

ハンガリー国立歌劇場でバレエ「くるみ割り人形」のマチネ(昼間)公演を観た後は、再び世界遺産のメトロ(地下鉄)に乗ってケレティ駅前に戻ってきた。




ブダペスト・ケレティ駅の駅舎は昼間に見てもやはり美しい。
白亜の大聖堂のような堂々たるファサードが、真冬の中欧の早い夕陽に照らされて薄っすらと赤く染まる光景には思わず息を呑む…

さて、まだ昼下がりの時間だというのに早過ぎる夕陽が沈んでしまう前に、今日はブダペスト市内で行っておきたい場所がある。


ケレティ駅前の路地裏にあるトラム(路面電車)の停留所から、小さくて可愛らしい黄色いトラムに乗って出発。

ちなみにトラムもメトロと共通の乗車券で乗れるので、事前に1日乗車券を買っておくとブダペスト市内の大概の場所にはトラムかメトロを自由自在に乗り継いで行くことが出来て便利だ。

もっとも、トラムの停留所の案内はすべてハンガリーの言語であるマジャール語なので、前もって路線図を調達して目的地の停留所の「停まる順番」なり「マジャール語のつづり」なりを調べておかないと、最悪の場合は停留所で降り損ねてブダペスト市内のどこか全く知らない場所まで連れて行かれてしまう事になりかねないが(苦笑)

僕は事前にちゃんと目的地の停留所までの停車数を調べておいたので、迷うこと無くトラムを下車することが出来た。
そこから先の道順もストリートビューで見て頭に入れておいたので、生まれて始めて来た場所でも迷わずブダペスト市内の住宅地を歩いて行く。


道すがらに出会ったブダペストのねこ。
ショルダーバッグからカメラを取り出そうとすると、おやつを貰えると思ったのかバッグの口に顔を突っ込んできた(笑)

ねこと遊んだりしながら住宅地の中を歩き、向かった先は…


ブダペスト・プラネタリウム(TIT Budapesti Planetárium)
ブダペスト市内の住宅地に面した広い公園の森の中にあるプラネタリウムだ。まん丸いドーム屋根が冬の夕焼けに照らされた印象的な姿で、森の中に佇んでいた。



ブダペスト・プラネタリウムの入口ドアを開けると、館内はガランとしていて人の気配がない。
館内を巡回していた警備員のおじさんが英語で「次の上映回は1時間後。あそこの窓口でチケットを買って」と教えてくれたので、窓口に行ってチケットを購入。マジャール語は全く分からないが、英語が通じるので有り難い。

上映開始まで、館内の展示を見て回る。




こんな展示パネルを発見!小惑星イトカワの近接撮影画像だ。
「おおっハンガリーでも我らが日本の小惑星探査機『はやぶさ』の功績は紹介されているのか!」
…どうやらマジャール語では「宇宙探査機」は「urszonda」と表記するらしい。

館内展示を一周り見て回ってもまだ時間があるので、プラネタリウムの外に出て公園を少し散歩することにした。





冬の夕暮れ時に森林公園を散歩するのは、何とも言えない風情と郷愁がある…

ヨーロッパの街のプラネタリウムは、こういった広大な森林公園の中に建てられている事が多い気がする。プラハやハンブルグのプラネタリウムも、こんな森の中にあって印象的だったなぁ

やがてプラネタリウムの上映時間が近づき、館内に戻るといつの間にやら見学者が多数訪れていてドーム入り口には長蛇の列が出来ていた。
見学者の顔ぶれも小さな子供がいる家族連れのみならず、大人のカップルや老夫婦も多くて実に多彩。

ヨーロッパではプラネタリウムが文化として広く社会に認知されていることが伺えて、未だに「プラネタリウム≒子供の教育施設」という認識が根強い日本から来たプラネタリウム好きの大人としてはちょっと複雑。正直、羨ましい…


これが、ブダペスト・プラネタリウムのご本尊。
名機カールツァイス・イエナの投影機で、ドーム内が暗くて投影機まで距離があったせいで銘板に刻印された機体番号はよく読み取れなかったが、カールツァイスの公式サイトによればZEISS UPP 23/6モデルとのこと。

さて、ドーム内に満席の観客を迎えて始まったブダペスト・プラネタリウムの投影は、ZEISS UPP 23/6を用いてのオーソドックスな「今夜の星空案内」に続いて、何とパネル投影によるクリスマスと天文の関連を紹介するかなり本格的なキリスト教の宗教プログラムだった。
有名な「クリスマスの星と東方の三博士」の話などをパネル投影のイラストで紹介して、それに合わせて荘厳なミサ曲が流れる中で実際にキリストが生まれた頃の星空をカールツァイス・イエナで再現するという凝ったもので、こういった投影プログラムは初体験だったので実に興味深かった。
日本ではこういう種類の投影には、まずお目にかかれないだろうなぁ…

Carl Zeissの大型機の星空とキリスト教文化を満喫した後、ブダペスト・プラネタリウムのドームを出ると、ブダペストの街はとっぷりと日が暮れていた。
さぁ、いよいよ夜が訪れた!ブダペストの街並みが闇に浮かび上がる夜は、この街が最も美しく輝く時間だという。

僕もこれからトラムとメトロに乗って、夜のブダペストの街を見に行こう!

8:ブダペスト夜景散歩に続く

2015-16年越し中欧紀行 6:ハンガリー国立歌劇場 バレエ「くるみ割り人形」を観る

2016-02-21 | 旅行記:2015-16中欧

5:ワルシャワ発ブダペスト行き国際列車VARSOVIA号の食堂車からの続き

2015年12月29日

今日は朝はホテルでのんびりと過ごし、前日の国際列車での長旅の疲れが充分に癒えてからブダペストの街に出かける。

ケレティ駅の半地下の駅前広場からメトロ(地下鉄)に乗り、途中で乗り換えて、世界遺産でもあるブダペストの目抜き通り“アンドラーシ通り”へ…


“アンドラーシ通り”のオペラ駅でメトロを下車。
このオペラ駅を通る「ブダペストのメトロ1号線」は1896年開業で地下鉄としてはロンドンに次いで古く、地上の“アンドラーシ通り”共々世界遺産に登録されている。

オペラ駅から地上に出ると…




ハンガリー国立歌劇場が駅出入り口の目の前にそびえ建つ。
今日は、このハンガリー国立歌劇場でマチネ(昼間)公演を鑑賞する。



ハンガリー国立歌劇場は僕が生まれて初めてオペレッタ「こうもり」を観てヨーロッパの歌劇場公演の素晴らしさを知った想い出深い場所。
また、昨年は僕の地元の熊本で「フィガロの結婚」の引っ越し公演を行った事もまだ記憶に新しい




そんなハンガリー国立歌劇場での今日のマチネ公演の演目はバレエ「くるみ割り人形」
言わずと知れた誰もが知るチャイコフスキー作曲の名作バレエであり、年末年始シーズンの定番上演作品である。



華やかな天井画と煌めく大シャンデリア。オペラ劇場らしい豪華絢爛たる装飾に彩られたハンガリー国立歌劇場。
かつてオーストリア=ハンガリー二重帝国の帝都ブダペストに君臨する歌劇場としてウィーンと競い合い、ハンガリー贔屓の皇妃エリザベートからも愛され彼女の為の専用ボックス席も用意されていたという…
そんな歴史と伝統に彩られたこの劇場自体が、既に一つの芸術作品である。









ハンガリー国立歌劇場で観た、真昼の夢の様なバレエ「くるみ割り人形」。

歴史と伝統を誇りながらも実は意外に遊び好きで、派手で凝った演出が好きな傾向があると思われるハンガリー国立歌劇場らしく、大掛かりな舞台転換が何度も繰り返されるSF的とも思えるダイナミックな演出で大いに楽しませてくれた。

もちろん、ダンサー達の踊りも見事だった事は言うまでも無い。僕の好きな、物語のカギを握る謎の人物ドロッセルマイヤーおじさんの怪人ぶりも格好良かった…(笑)



来年の冬にもまた、この劇場に来たいね。
この次は出来れば夜の公演で、重厚なオペラ作品がいいかな…


7:ブダペストのプラネタリウムに続く

2015-16年越し中欧紀行 5:ワルシャワ発ブダペスト行き国際列車VARSOVIA号の食堂車

2016-02-14 | 旅行記:2015-16中欧

4:ワルシャワ発ブダペスト行き国際列車VARSOVIA号の旅からの続き

ポーランドの首都ワルシャワとハンガリーの首都ブダペストを結ぶ国際特急ユーロシティ(EC)131列車「VARSOVIA」号。
およそ9時間半かけて中欧を縦断する長距離列車だが、長い時間を車内で過ごすことになる乗客のために食堂車が連結されている。

日本では観光列車以外では見かけなくなり、ヨーロッパでも高速列車化が進むのに連れて徐々に姿を消しつつある食堂車だが、中欧東欧の長距離列車では今なお健在。
という訳で、僕も「VARSOVIA」号に乗車中に食堂車での夕食を楽しんでみました。


「VARSOVIA」号の編成中ほどに連結された食堂車。

「VARSOVIA」号はハンガリー国鉄に所属する車輌で編成されているが、ハンガリーの食堂車は内装も豪華。街のお洒落なレストランにも引けをとらない雰囲気で食事を楽しむ事が出来る。




テーブルにつくとウェイターが持って来てくれたメニュー表は国際列車らしく多国語標記。英語も併記されているので心配は要らない。
値段もポーランド・ズロチとハンガリー・フォリントに加えてユーロも併記されている。


ちゃんと各通貨間での為替レートも表示されている明朗会計ぶり(笑)
なんと各種クレジットカードでの支払いにも対応していると書かれているが、実際には僕の使っている日本で発行したMasterCardは読取機に弾かれて決済できず、現金での支払いとなってしまったのはご愛嬌か。

さて、メニュー表を見ながらあれこれ考えて楽しく悩みながら注文した食事が運ばれてきた。
ハンガリーの食堂車のお味はどうかな…?


先ずは“ポーランド風 豆のスープ”4.8ユーロ
ロシアのボルシチみたいに真っ赤!
実に素朴な懐かしい感じのする味で、豆と肉の細切りがたくさん沈んでいて食べ応え充分。


続いてメインディッシュは、“鶏胸肉のステーキ グリル野菜添え”7.5ユーロ
定番のチキンステーキで、とても食べやすい。説明不要の美味しさ!


飲み物は“カプチーノ”2.5ユーロ


そして締めのデザート、“パンケーキ”3.3ユーロ
長旅の疲れを癒やし、そして男の独り旅の無聊を慰めるにはやっぱり甘くて優しいスイーツが欠かせません!(笑)


食堂車での夕食を楽しんでいるうちに「VARSOVIA」号はチェコとスロバキアの国境を越えて、車窓には夕焼けの平野と森が広がる。
終着駅のブダペストまでは、もうあと少し…

ハンガリーの食堂車の料理、美味しかった!「ごちそうさま!」

6:ハンガリー国立歌劇場 バレエ「くるみ割り人形」を観るに続く

2015-16年越し中欧紀行 4:ワルシャワ発ブダペスト行き国際列車VARSOVIA号の旅

2016-02-07 | 旅行記:2015-16中欧

3:ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場 オペラ「リゴレット」を観るからの続き

2015年12月28日

今日は移動日。
ワルシャワから国際列車に乗り鉄道で国境を越えて、次の目的地であるハンガリーの首都ブダペストに向かう。

という訳で、朝からワルシャワ中央駅にやって来た…

さすが親日国ポーランド、ちゃんと日本語で「ワルシャワ中央駅」と書いてあるぞ(笑)
…と、これは実はワルシャワ中央駅のコンコースに展示されていたポスター。
どうやら来年(2016年)のポーランド国鉄の公式カレンダーの原画展をやっていたようで、他にも個性的なイラストのポスターがずらりとパネル展示されていた。

ちなみにポーランドが親日国なのは本当なので、こういった「日本風」なイラストもカレンダーに使われているのは日本人としては嬉しい限り。


ワルシャワ中央駅の地下プラットホームに行くと、スマートな流線型の新型車輌が停車中。
2014年にデビューしたばかりのアルストム社製振り子車輌ペンドリーノで、ヨーロッパではイタリア近辺でよく見かけるタイプの高速列車だが、遂にポーランド国鉄でも導入したらしい。

カッコいいペンドリーノでブダペストまで一っ走り…といきたいところだが、残念ながらペンドリーノは国内線の特急インターシティにしか投入されていない。
僕が今から乗る国際線の特急ユーロシティは、昔ながらの客車を連ねた編成を機関車が牽引するスタイルの列車だ。




ワルシャワ中央駅9:55発、ブダペスト・ケレティ(ブダペスト東駅)行き国際特急ユーロシティ(EC)131列車「VARSOVIA」号。

…ワルシャワ中央駅の案内表示ではなぜか国内線の特急インターシティを意味するEIC14002という列車番号も併記されている。
また、行き先もブダペスト東駅だけでなくブルガリアの首都であるソフィアが併記されている。どうやらこの「VARSOVIA」号はソフィアに向かう別列車との併結運転を行っているらしい。

ちなみにVARSOVIAとは聞き慣れない言葉だが、ワルシャワ(WARSZAWA)のフランス語読みである。
なぜポーランドとハンガリーを結ぶ中欧の国際列車にフランス語の愛称を付けたのかよく分からないが、ひょっとしたらフランス皇帝ナポレオンによって建国されたワルシャワ公国にちなんでいるのかも知れない。







ワルシャワ中央駅を定刻に発車したEC131「VARSOVIA」号は、快晴の冬の朝のワルシャワ近郊を快調に走り始めた。
今日は中欧を縦断する長旅に備えて1等車を予約しておいたが、ハンガリー国鉄所属の客車のコンパートメント式の1等車は小ぎれいで程よく空いていて、静かで快適だ。


1等車の乗客には朝食サービスもある。
コンパートメント席での食事サービスと聞くと古き良き時代のオリエント急行プルマン車やヨーロッパ国際特急TEEの伝統を感じさせるが、21世紀の今では菓子パンとペットボトルの飲み物が無造作に配られるだけで風情も何も無いのは致し方無いところ…

もっとも、この「VARSOVIA」号にはちゃんとした食堂車も連結されている。後で食堂車にも行って、本格的なヨーロッパの列車食堂の温かい食事も試してみるつもりだ。

朝食サービスの菓子パンを食べ終えたら、腹ごなしに列車内を散歩してみる。
どうやらこの「VARSOVIA」号、編成の後部にソフィア行きの別の列車を連結しているようなので、どんな車輌がつながっているのか見に行ってみよう…


「VARSOVIA」号編成の車輌のデッキの後ろ側につながる、やたらとゴツくて重いドアを開けて後部の車輌へ…


後部につながれた車輌の車内には、何とロシア語の標記が!
「VARSOVIA」号に併結されていたのは、ロシア鉄道の寝台車だった!

ロシア鉄道の寝台車に乗れる機会なんてそうそうあるものではない。早速、車内を詳しく見て周ることにする。


ロシア鉄道の寝台車はヨーロッパでは1等寝台車扱いとなる典型的なコンパートメント式の構造。
通路沿いに個室のドアが並ぶお馴染みのスタイルである。ちなみにこの寝台車、つい最近建造されたばかりでまだピカピカのシーメンス社製の新型車輌だった。


空いていた個室を見てみた。室内にはゆったりとした2段式ベッドが装備されている。
ロシアの寝台車とは言えシーメンスの新車なので、実に快適そうだ。


ロシアの長距離列車と言えばいつでも紅茶を飲めるお湯のサービスが有名だが、この車輌にもしっかり湯沸かしポットが準備されていた。


通路に張り出されていた時刻表。
この列車はどうやらロシア鉄道の「第9列車」として夕方にモスクワを発車して一晩走った後、翌朝にワルシャワからEC131「VARSOVIA」号と連結してブダペストまで行き、そこからさらに一晩走ってブルガリアのソフィアまで行くという長距離運用を行っているらしい…
二泊三日のロシア中東欧縦断列車が、今もなお新型車輌で運行中という事実にはただ驚かされる。




編成最後尾のデッキのドア窓から、走り去る車窓を暫し眺める。
この線路は、遠くモスクワ、そしてシベリアを横断して日本海の街ウラジオストックまで続いているんだなぁ…あれ?でもよく考えたらロシア国内の鉄道は線路幅がヨーロッパ標準軌よりも広い広軌だから、レールは直接はつながっていないのかな…?

ひとしきり車窓を見ながら感慨にふけった後、さてそろそろ「VARSOVIA」号の自分の席に戻ろうかとロシア寝台車のデッキの貫通ドアを開けようとすると…
「あれ?ドアが開かない!?施錠されてる!!」

どうやら最後尾のデッキまで行っている間に、「VARSOVIA」号とロシア車輌の間のドアを締められてしまったらしい。
ロシアの寝台車に閉じ込められたなんて堪ったものじゃないと慌てて乗務員室に行き、昼寝を決め込んでいた初老のロシア人の車掌を叩き起こして事情を説明しドアを開けてもらおうとするも、どうやらこのロシア人車掌のじいさんは英語を全く解さないらしく何やら不機嫌そうに喚き散らすだけで埒が明かない。

やむを得ず、爺さん車掌の袖口を掴んでデッキまで連れて行き、自分の「VARSOVIA」号の座席指定券を見せてドアを指差しながら「I want to go back to my seat!! Please open the door!!」とか大声で言うと、ようやく意味を理解したようで「この車輌に入ってきちゃ駄目なんだぞ!!全く何やってるんだお前は!!」(←恐らくこんな意味だと思われるロシア語)と怒鳴りながらポケットから取り出した「忍び錠」(鉄道車輌の立ち入り禁止区画等の施錠に使われる合鍵。日本のJR等でも普通に使われている)でドアを開けてくれた。

「ほぉ~ロシア鉄道でも日本のとそっくりな忍び錠を使っているんだなぁ」等と妙な事に感心しながら、じいさん車掌に「OK、OK!お昼寝中にどうもすみませんね、Sorry!」とか言いながらVARSOVIA」号の自分の座席へと退散する。

…かくして、何やら珍騒動で締めくくられたロシア寝台車の見学を楽しんだ後は、のんびりと国際列車の長旅を味わうことにしよう。
そうそう、ロシア人の頑固じいさんとやりあったせいで小腹がすいてきたので、食堂車にも行かないとね(笑)


旅の途中、どこかの国のどこかの駅で「VARSOVIA」号を見送ってくれた保存されている蒸気機関車(「VARSOVIA」号はポーランド・チェコ・スロバキア・ハンガリーを経由するが、全てシェンゲン協定の圏内なので国境駅での停車もパスポートチェックも何も行われず、時々自分が今どこの国の領内を走っているのか分からなくなる)




夜7時半頃、EC131「VARSOVIA」号はほぼ定刻通りに終着駅のブダペスト・ケレティ(ブダペスト東駅)に到着した。
ワルシャワから9時間半、文字通り中欧を縦断する長旅だった。




「VARSOVIA」号の編成後部に連結されたロシア鉄道の寝台車は、ここで切り離された後暫く停車してからブルガリアの首都ソフィアに向かって再び旅を続ける。
昼間に僕とやりあった車掌の頑固じいさんも、どうかあと一晩よい旅を…頑張ってね(笑)


それにしても、ロシア寝台車のこの台車は今はヨーロッパ標準軌に載っているけど、ロシアとの国境では台車ごと交換したのかなぁ…?
台車の構造がシンプルなので、軌間を自由に変えられるフリーゲージ機能を持っているようには見えないんだけど…


ブダペスト・ケレティ駅には北斗七星を車体に描いたチェコ鉄道の寝台車をつないだ寝台列車が停車中。
チェコの寝台特急「北斗星」号か。




ケレティ駅に来るのは数年ぶりだが、この駅舎は相変わらず美しい。夜になって夜霧の中にライトアップされて浮かび上がる姿はまた格別の美しさだ。

…だが、つい数カ月前まではこの美しい駅と整備されたばかりの半地下の駅前広場は、シリアから逃れてきた難民や移民で溢れかえっていたのだ。
押し寄せる難民と移民の余りの多さに業を煮やしたハンガリー政府によって国境が閉鎖されたために、今では駅周辺には難民と移民の姿は全く見当たらない。

旅行者にしてみれば、駅前を占拠する難民・移民がいなくなったので正直、安心して旅ができると思ってしまうのは否めないし、僕自身もハンガリーの国境閉鎖決定にホッと胸を撫で下ろしたのも事実だ。

でも今、このヨーロッパの寒空の下、この地を追われた人々はどこで夜を過ごしているのだろう、寒さに震えたり飢えや乾きに苦しんでいるのではないか…そう思うと胸を締め付けられるようだ。

どうか一刻も早く、全ての苦しむ人々に安らぎの夜が訪れますように…
身勝手を承知でそう願いながら、人の気配の消えたケレティ駅前広場の先にあるホテルへと向かった。

5:ワルシャワ発ブダペスト行き国際列車VARSOVIA号の食堂車に続く

2015-16年越し中欧紀行 3:ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場 オペラ「リゴレット」を観る

2016-01-25 | 旅行記:2015-16中欧

2:MEGASTARとCarl Zeiss、ワルシャワの2つのプラネタリウム巡りからの続き

ワルシャワの街の中心部、世界遺産・歴史地区にほど近い一画に鎮座まします巨大な建築、その名も大劇場(Teatr Wielki)
夜にはライトアップされ、一際威容を誇るこの劇場がポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場のオペラ公演の舞台である。




正面玄関からエントランスホールに入ると、巨大なクリスマスツリーがお出迎え。


歌劇場の象徴とも言える、エントランスホールから続く“天井に届く大階段”。
この階段を登って自分の席のあるバルコニーを探して歩くと、これからオペラの夢の世界に行くんだぞという気分が盛り上がってくる…


大階段の踊り場から見下ろすエントランスホール。


踊り場の高い天井とシャンデリア。

ワルシャワ大劇場は第二次大戦中に戦災を受け焼失後、戦後に再建されているので(このあたりの経緯は、ご近所にあるワルシャワ歴史地区と同じだ)、比較的新しい建物のせいか室内の装飾も非常にシンプルですっきりとしており、華美な豪華さよりも清潔感を感じさせるものになっている。





舞台周りと客席も近代的なインテリア。
オペラ座の象徴である大シャンデリアも無いのは少々寂しいが、非常に機能的で客席から舞台が観やすくて好ましい劇場という印象を受けた。
天井一面に施された丸い凹凸の模様が、どことなく月面を覆うクレーターを思わせるのも面白い。

そして始まった、ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場の今夜の演目はオペラの名作「リゴレット」
ちょうど最近、日本の衛星放送チャンネルで放映されたニューヨーク・メトロポリタン歌劇場の大胆過ぎる「オーシャンズ11とラスベガスのギャングスター」風演出の「リゴレット」を観たばかりだったので、その強烈なMET版のイメージが焼き付いていたのだが、ワルシャワ室内歌劇場の「リゴレット」は正統派のルネサンス期イタリア、マントヴァが舞台。
本来の姿の、華麗で退廃的で悲惨極まりない「リゴレット」の恐ろしい悲劇を堪能した…







上演後、ワルシャワ中央駅近くのホテルに帰る途中、ライトアップされた真夜中の文化科学宮殿を見上げる。


思えばワルシャワも、マントヴァのように華やかな栄光の歴史を持つ一方で数奇な運命を辿ったドラマチックな街である。
いつか、このワルシャワの街を舞台にリメイクした「リゴレット」をあの大劇場でまた観てみたい…
ふと、そう考えながらホテルへと戻った。

明日は、ワルシャワに別れを告げて次の街に向かう。今回も束の間の滞在だった。さようならワルシャワ…

4:ワルシャワ発ブダペスト行き国際列車VARSOVIA号の旅に続く

2015-16年越し中欧紀行 2:MEGASTARとCarl Zeiss、ワルシャワの2つのプラネタリウム巡り

2016-01-24 | 旅行記:2015-16中欧

1:熊本発東京ロンドン経由ワルシャワ行き空の旅からの続き

2015年12月27日

ワルシャワに到着後、一夜明けたらさっそくメトロ(地下鉄)に乗って出発。


ワルシャワのメトロ2号線は2015年の春に開業したばかりなので、まだ新しくてピカピカ。
駅も車輌もきれいで快適そのもの。

真新しいメトロに乗ってやって来たのは…


Copernicus Science Center(コペルニクス・サイエンス・センター)に併設されたプラネタリウム「THE HEAVENS OF COPERNICUS」

ポーランドが生んだ偉大なる科学者の名を冠した、ヨーロッパで最も先進的と評される最新の科学館のプラネタリウム「THE HEAVENS OF COPERNICUS」はワルシャワ市内を流れるヴィスワ川の畔にあり、メトロ2号線のCentrum Nauki Kopernik駅で降りてすぐの場所にある。



早速チケットを買い求めようとすると、窓口の女性から英語で「これから上映される午前10時の回は子供用プログラムだけどいいの?」と聞かれる。
正午からの上映回は一応「大人用」のようだったので、その回のチケットを購入。

思いがけず時間が空いてしまったので、プラネタリウムを出てヴィスワ川の河川敷を散歩していると…


川の対岸に建つ巨大な国立競技場のスタジアムと、その前に架かった鉄道橋を渡る列車がよく見えることに気がついた。これは絶景!
早速、行き交うポーランドの列車たちを撮り鉄する(笑)

…それによく考えたら、このヴィスワ川の鉄橋と国立競技場は前回ワルシャワに来た時にも車窓から目にしていた事を思い出した。
3年ぶりに目にする懐かしい風景なのだった。


ポーランドの電気機関車はヘッドライトが大きくて、愛嬌のある顔をしている。


鉄道橋の奥に架かった道路橋はトラム(路面電車)も渡って行く。

鉄橋を渡る列車を眺めて写真を撮っていると、もう正午近くなった。
プラネタリウムに戻ろう。





ワルシャワの「THE HEAVENS OF COPERNICUS」の傾斜型16mドーム内に据え付けられているのは…


世界最強のスーパープラネタリウムMEGASTAR-IIA!!
日本人プラネタリウムクリエイター大平貴之氏によって生み出された究極のプラネタリウム投影機である。
ここ「THE HEAVENS OF COPERNICUS」では更に太陽・月・5惑星投影機を備えた光学フルシステムを構築している。

MEGASTARの生み出す力強い最高の星空を、冬の曇天の下のワルシャワで暫し満喫…

MEGASTARを鑑賞後は、急いでメトロ2号線に乗ってワルシャワ中央駅近くに引き返す。
向かった先は…


文化科学宮殿の下にある科学技術博物館MUZEUM TECHNIKI



この博物館の宇宙科学関連の展示室には、小さなプラネタリウムのドームがある。




「プラネタリウム 追加料金3ズロチ」と素っ気なく書かれた小さなプレート。

…実は僕は、このワルシャワ科学技術博物館の小さなプラネタリウムを観る事をこの3年間ずっと願っていたのだ。
前回ここを訪れた時、すぐにウィーン行きの列車に乗らなければならず時間が無くて、ドームの前まで来てプラネタリウムを観ることを断念してワルシャワを後にしていたのである。

今日は遂に、3年越しの念願を叶える事が出来る。





小さなドームに入ると、あの時と同じ姿でこれまた小さなプラネタリウム投影機が迎えてくれた。
「ああ、とうとうまた会うことが出来た!久しぶりだね、カールツァイス!!」

そう、このプラネタリウム投影機は小さいけれど名機のCarl Zeiss。
カールツァイス・イエナZKP-1なのだ!


投影機のフレームに誇らしげに掲げられた銘板には機体番号286とある。


ドームの地平線に描かれた都市のスカイライン、通常はドーム内張り部に直接ペイントされた物が多いのだが、ここワルシャワ科学技術博物館のプラネタリウムでは何とビルの形状をペーパークラフト状に組み上げた物が使われている。
内部には豆電球が仕込まれており、まるでジオラマ模型のように上映中にビルの窓に明かりが灯るという非常に凝ったものだった。

そして始まったカールツァイス・イエナZKP-1の投影。
Carl Zeissらしい温かみのある星空が小さなドーム天井に広がり、無限の宇宙を映し出した…

上映後、コンソールブースから出てきた高齢な女性のプラネタリアンに簡単な英語で「あの…このプラネタリウム、カールツァイス・イエナ、とても素晴らしいですね!」と声をかけると、満面の笑みで「これ、もう60歳よ…ええ、本当にCarl Zeissはいいわよ!!」と応えてくれた。
「60歳…ベリーオールド、バット、ベリーグッド!!」

ワルシャワ科学技術博物館を出た後で気が付いたのだが、全く同じ会話を今年の夏にクロアチアのザグレブ技術博物館でもプラネタリアンの初老の男性と交わしていた事を思い出した。
ザグレブ技術博物館のCarl Zeissは確か50歳だったが、ワルシャワのCarl Zeissはそれよりさらに10歳分も古いのか…

世界最強のスーパープラネタリウムMEGASTARと、古くても世界最高の名機Carl Zeiss。
その両方に会うことが出来る、ワルシャワはなんて贅沢なプラネタリウムの街なんだろう…!


…そして、日が暮れると今度は本物の星空の下に、ワルシャワの街のもう一つの贅沢な物語が幕を上げる。
今夜はワルシャワ大劇場でポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場のオペラを観るのだ。

3:ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場 オペラ「リゴレット」を観るに続く

2015-16年越し中欧紀行 1:熊本発東京ロンドン経由ワルシャワ行き空の旅

2016-01-10 | 旅行記:2015-16中欧

2015年12月26日

今回の年末年始休暇の年越しの旅は、地元の熊本空港からスタート。
航空会社の割引航空券ではなぜか熊本発だと福岡発よりかなり割高の価格設定になっている事が多いので、今まではたいてい新幹線で博多まで行って福岡空港から出発していたのだが、今回はマイレージ特典航空券なので熊本発も選択可能だったのだ。
何しろ無料だし好きな出発地を自由に選べるし、マイレージ特典航空券って本当に素晴らしい!…また頑張ってマイル貯めなきゃ(笑)

という訳で熊本空港を朝9時前に出発する東京羽田行きのANA、NH642便で出発する。


つい数カ月前までは最新型のボーイングB787で運行されていた筈のNH642便だが、機材の運用が変更されたらしくB777トリプルセブンでの運行だった。

羽田空港に到着したら、すぐに国内線の第2ターミナルから国際線ターミナルにバス移動。
出国手続きを済ませて…


次に乗り込む国際線、ANAのロンドン行きNH211便も、さっき熊本から乗ってきたものと同じB777トリプルセブン。
全く同じ外観のB777同士を乗り継いで、お昼前の11時半頃に日本から出発する。


ANA国際線はエコノミークラスのウェルカムドリンクでもノンアルコールビールが選べるのが嬉しい。

続いて、お楽しみの機内食。


↑写真をクリックすると機内食のトレイのふたが開きます

食事が終わって機内が暗くなって…


魅惑的なギャレーの明かり(笑)

早速、夜食のアイスクリームを貰ってきました。(∩´∀`)∩ワーイ、ハーゲンダッツだ(笑)

アイスを食べながら、機内上映映画の「スターウォーズ」をエピソード1から3までぶっ通しで観たり(実は初めてスターウォーズを観たんだけど、ああいう話だったんですね…ダースベイダーさん不憫すぎる…)してるうちにシベリアを飛び越えたらしく、2回めの機内食。


↑写真をクリックすると機内食のトレイのふたが開きます


現地時間の午後3時、ロンドンのヒースロー空港に到着。

ここで空の旅の最終区間となるヒースロー発ワルシャワ行きのLOTポーランド航空LO280便に乗り継ぐのだが、予約発券システムが不調で日本出発時にANAで一括してスルーチェックイン出来ずLOTポーランド航空分のボーディングパスが発券出来ていなかったので、何はさておき乗り継ぎカウンターに駆け込んでEチケットの確認画面を見せると何の問題もなくワルシャワまでのボーディングパスが出てきて一安心。
これで無事に今夜中に目的地に到着できる。

午後6時頃、既に日が暮れて真っ暗になったヒースロー空港をLOTポーランド航空LO280便で出発。
昔懐かしい、かつてスカイネットアジア航空で使用されていたものと同じボーイングB737クラシックの機材なので、つい羽田から熊本空港に帰っている途中のような錯覚を覚えるけれど、機内食やスナックを有料で売りに来たりするのが物珍しい。最近はヨーロッパの域内線では機内食は出ないか、或いはこのように有料販売が殆どになってしまったようで世知辛い…

とりあえず無料で配ってくれていたホットドリンクのコーヒーを飲み終わると、ワルシャワのフレデリック・ショパン空港に到着。
空港地下の鉄道駅から空港連絡列車に乗って、午後10時半にはワルシャワ中央駅近くのメルキュールホテルにチェックイン。


このホテルは3年前にも泊まっているので馴染みがあり、気心の知れた感じがしてリラックス出来る。
ワルシャワ中央駅前のショッピングモールの横にあるので便利で、気に入っていたのだ。

バスルームにもこの通り、ちゃんとバスタブがあるのも素晴らしい(笑)
何はともあれ先ずはバスタブにお湯を張って、ゆっくりお風呂に入って長時間フライトと乗り継ぎの疲れを癒やしてからベッドにもぐり込む。

おやすみなさい…
さぁ、明日からは楽しくも忙しい旅の日々が始まるぞ。




2:MEGASTARとCarl Zeiss、ワルシャワの2つのプラネタリウム巡りに続く

明けましておめでとうございます。旅に出ていました。

2016-01-06 | 旅行記:2015-16中欧
明けましておめでとうございます。


この年末年始も、旅に出ていました。
行く先は中欧のポーランド、ハンガリー、そしてオーストリア。
真冬のヨーロッパの楽しみ、夜毎繰り広げられる歌劇場でのオペラとバレエ、オペレッタ三昧の旅でした。

勿論、今回もこれから旅行記を書いていこうと思います。
今年も気長に、天燈茶房をお楽しみ下さい。

それでは、また後程お目にかかります。天燈茶房亭主mitsuto1976 拝