天燈茶房 TENDANCAFE

さあ、皆さん どうぞこちらへ!いろんなタバコが取り揃えてあります。
どれからなりとおためしください

Muses Europa Eisenbahn 2012-2013中欧鉄道音楽紀行 7:OPERA NIGHT ハンガリー国立歌劇場

2013-01-30 | 映画・演劇・コンサートを観る
Magyar Állami Operaház


6:Budapest ブダペスト、世界遺産散歩からの続き

英雄広場から世界遺産のブダペスト地下鉄M1号線に乗って、さあ国立歌劇場にオペラを観に行きましょう!


その名もOPERA駅で下車。
地下鉄M1号線の駅は優雅なタイル張りに重厚な格子のドア。まるで駅が既にオペラハウスの一部のようです。
これから始まる夢の様なひと時に思いを馳せ、胸を高鳴らせながら地上に上ると…

地下鉄OPERA駅のすぐ上がオペラハウスでした!
ハンガリー国立歌劇場です!!


宮殿のような建物がライトアップされ、本当に夢の国への入り口のようです。
正面玄関前には大きなクリスマスツリーもまだ飾られていますね。


早速、夢の国の入り口のドアを開けてオペラハウスの中に入ります。
エントランスホールの天井の豪華な装飾がシャンデリアに照らされ、煌めいています。


エントランスホールから続く、天井に届くような大階段の前にもクリスマスツリーが。

…ところで、実は僕はオペラハウスでオペラを観るのはこれが生まれて初めて。
もちろん、事前に最低限の鑑賞マナーを調べて準備してきましたが、それでもやっぱり緊張しますね。
新鮮な楽しさと緊張感が入り混じった、こんな気分になるのは何年ぶり、いや何十年ぶりでしょうか!


今夜の演目は、オペレッタの定番中の定番、
ヨハン・シュトラウス2世の「こうもり」です。
ハンガリー語で書かれた、今夜のキャスト表が張り出されていました。
「こうもり」は、有名な序曲しか知らなかったのですが、
今夜のために事前にDVDを購入してしっかり内容を「予習」してあります(笑)。
とても軽快で愉快な、楽しい喜劇作品なので、初心者のオペラハウスデビューにはもってこいの作品かも知れません。

さあ開演時間が近づきました。
大階段が開放され、観客が次々に客席へと向かい始めます。
僕も、居並ぶ紳士淑女たちの後ろに続いて階段を登り、モギリのスタッフにEチケットを確認してもらいます。
(今回はハンガリー国立歌劇場の公式Webサイト経由でチケットを予約したのですが、
クレジットカード決済で予約完了するとEチケットをダウンロード出来るようになり、それをプリントアウトして持参すればそのまま入場できるのです。これは便利!)


ところが、僕のEチケットを一瞥したスタッフは
「あなたの席は、この階段からは行けません。一度建物の外に出て、脇にあるバルコニー階専用の入口から入って下さい」
というようなことを言います。
僕が購入したのはチケット代が高価な平土間席や低層階のボックス席ではなく、お手頃価格の高層階バルコニー席
(ちなみにお値段は5800ハンガリーフォリント。購入時のレートで2千円ちょっと)
どうやら、お安い席のお客は、華やかな大階段を登ることは許されないようです。
いきなり出鼻をくじかれて、ちょっと憤慨しながらもバルコニー席用の“裏口”に回ります。やれやれ…


4階のバルコニー席まで、延々と通用口の階段を登り、いい加減息も切れかけたところにクロークを発見。
外套や大きな荷物を持ったままの野暮な姿でバルコニー席に座ることは許されません。
煩わしい物はすべてここに預けてから客室ホールに繰り出すのがオペラハウスのマナーです。
ここのクロークはちゃんと預かり賃の金額が明示されているので助かります。
任意のチップだと僕の場合、色々と気を遣って疲れますからね(笑)

身軽な姿になったところで、壁の姿見でネクタイを直し(今夜は僕も背広にネクタイを締めて“正装”しているのです!)、
さあオペラハウスの社交場、バルコニー席へ…!





「うわぁ…!!」


「これが…これがオペラハウスか!!」
何という華やかさ。何という優雅さ。
まだ上演は始まっていないのに、そこはまさしくオペラの夢の国。
客席とシャンデリアとオーケストラ・ピットから響く調律の音、そして着飾った観客たちが渾然一体となり、
オペラの世界はもう始まっていたのです。



僕の席は、4階バルコニー席の最前列、しかも舞台の真正面でした。
高い場所にいるので、すぐそばにシャンデリアが輝いているし天井画も間近に見えます。
何より舞台がとても見やすいし、歌声も音楽も素晴らしく響き渡ります。
ひょっとして、この劇場で一番いい席だったのではないでしょうか?何という幸運!

やがて指揮者を迎えたオーケストラが聴き慣れた軽快な序曲を演奏し始め、舞台が幕を開けます。
ハンガリー国立歌劇場が、
大晦日の夜のウィーンの邸宅に、
ロシア人貴公子の主催する舞踏会会場に、
そして12月32日!?の朝を迎えた刑務所に、
「こうもり」の作品世界へと変貌していきます…

「なんて楽しいんだろう!こんな素敵な世界を、今まで知らずにいたなんて…!」

…かくして、どうやら僕は、あっという間にオペラハウスに潜む魔物に取り憑かれてしまったようなのです。



「こうもり」は全三幕の構成で、途中で2回、幕間の休憩を挟みます。
この幕間も、オペラの楽しみの一つ。
客席を抜け出して、オペラハウスの中を歩き回ってみるのもまた一興なのです。


ホワイエに店を出したビュッフェで軽く一杯…というのが幕間のポピュラーな楽しみ方。
でも、カウンターは混んでいて飲み物を受け取るのも長時間並んで一苦労。
実際、幕間に飲む時間が足りなくなってしまったらしく、
幕が開いてから急いでホワイエから客席に戻ってくるお客さんがたくさん居られましたよ。
僕は断酒中なのでもとより飲めないので、楽しそうに乾杯している皆さんを眺めて満足することにしましょう。

ハンガリー国立歌劇場は、客席にも見所があります。



舞台の袖にある、一際豪華な装飾が施された貴賓席は、
元々はオーストリア=ハンガリー二重帝国の皇后エリザベートの専用室だったそうです。
ハンガリーびいきだったエリザベートがお忍びで、いつでもブダペストにオペラを観に来られるように、
この部屋は客を入れず常に空室にしてあったとか。
今では誰でも予約することが出来るそうです。


休憩中の空っぽのオーケストラ・ピットと、そこを覗きこむ人々(笑)
案外狭い空間です。
また、舞台とオーケストラ・ピットとの間には仕切りも何もないので、
舞台上の人が熱演熱唱の余り落ちてしまわないか心配になります。



…オペラハウスの夢の国に思う存分遊んで、笑って、時間は瞬く間に過ぎ去りました。
舞台の「こうもり」は目出度く大団円を迎え、余韻のカーテンコールの後には心地よい充足感と共に、
寂寥感を伴って現実が戻ってきます。


去り際、誰も居なくなった天井桟敷から舞台を振り返って、オペラハウスに別れの挨拶。

「今夜は、最高のオペラ鑑賞デビューだったよ。ありがとうございます。
そして、これからも末永くよろしく!…多分、一生涯続く付き合いになるね。」



いつまでも去り難い、後ろ髪ひかれるような思いでハンガリー国立歌劇場を後にしました。

ブダペストには今夜一晩宿泊して、明日にはまた列車に乗って次の街へと向かいます。

8:Hungária Express 国際列車ハンガリア号の旅に続く

Muses Europa Eisenbahn 2012-2013中欧鉄道音楽紀行 6:Budapest ブダペスト、世界遺産散歩

2013-01-27 | 旅行
Szépművészeti Múzeum:Budapest


5:Budapest Keleti pu ブダペスト東駅からの続き



ブダペスト散歩は、地下鉄に乗ってスタートです。
ホテルの近く、ブダペスト東駅付近の地下には地下鉄M2号線の駅がある筈なのですが、
駅前広場一帯は工事中で、地下鉄乗り場がどこなのかよく分かりません。
でも、よく見ると工事現場の仮設の壁に親切な落書き?風の可愛らしい案内が…

METROはこちら( ´∀`)


ブダペスト地下鉄のM2号線は、ちょっと古めかしい水色の小さな車体。未確認なのですが、旧ソ連製の車輌のようです。
利用客が多くて、かなり混んでいます。
意外なことに駅には改札もあって、兵士のような厳しいおじさんによるチケットのチェックも行われていました。

M2号線で数駅先のデアーク・テール(Deák tér)駅まで行って、ここでM1号線に乗り換え。


M1号線の電車は、これまた小さくて、そして何とも変わったデザインの黄色い不思議な電車です。


実はこのブダペスト地下鉄M1号線、何と世界遺産に登録されている地下鉄なんです!

ハンガリー建国千年にあたる1896年に、
ロンドンに次いでヨーロッパで2番目の地下鉄として開業したブダペスト地下鉄M1号線は、
地上の大通りや建築群と共にまとめて一つの世界遺産となっています。
これは世界唯一の「現役の地下鉄の世界遺産」なのだそうです。
M1号線の黄色い電車も、世界遺産登録にあわせて開業時の姿をイメージして復元されたレトロ車輌です。

世界遺産の地下鉄に乗って、ホーショク・テレ(Hősök tere)駅までやって来ました。

この駅から、地上に上がると…


そこは英雄広場です。
その名の通りハンガリーの英雄たちの像が居並ぶこの広場もまた世界遺産の一部。
ブダペスト市民公園の一部となっているので、多くの市民が憩い観光客が訪れる賑やかな場所でもあります。

賑やかな英雄広場の様子をパノラマ撮影してみました。
凧揚げをしている人もいますね。楽しそうです。
←サムネイルをクリックすると大きなパノラマ画像が開きます

英雄広場を挟むように、同じデザインの建築物が左右に向かい合って建っています。
英雄の像に向かって右側が現代美術館、左側が国立西洋美術館です。
今日は、これから西洋美術館の方に行ってみましょう。




建物も荘厳で見事な国立西洋美術館。入り口の正面にあるホールも、思わず息を呑むような美しさ。


収蔵されている作品は、ハンガリー王国の名門貴族が所有していた膨大なコレクションが基になっているそうです。
ヴァン・ダイクやルーベンス、クラナッハ等々の作品群が並ぶ展示室は圧巻の一言。


中でも素晴らしかったのが、ゴヤとエル・グレコのスペイン絵画コレクション。
あまり人のいない“エル・グレコの部屋”で、作品と向い合って、
画家とキリストの息遣いや鼓動までもが感じられる気がする程にどっぷりと浸るように、
思う存分楽しむことが出来るなんて何という至福と悦楽のひと時!

堪能しました、ブダペスト国立西洋美術館。


美術館を出ると、英雄広場はもう日が落ちて真っ暗です。
夜のブダペストの街を、また地下鉄に乗って、これからさらに綺羅びやかで華やかで愉しい場所に向かいます。
…ハンガリー国立歌劇場に行って、オペラを観るのです!

7:OPERA NIGHT ハンガリー国立歌劇場に続く

Muses Europa Eisenbahn 2012-2013中欧鉄道音楽紀行 5:Budapest Keleti pu ブダペスト東駅

2013-01-27 | 鉄道
Cathedral:Budapest Keleti pu


4:RailJet 国際超特急レイルジェットの旅からの続き


ウィーンからの国際超特急レイルジェットで到着したブダペスト東駅(Budapest Keleti pu)は、
ブダペスト市内に3つあるターミナル駅の中でも最も大きく多くの列車が発着する、ハンガリーの首都の表玄関です。

駅構内は行き止まり式の櫛の歯形プラットホームを大ドームが覆い、荘厳な雰囲気が漂っています。
19世紀の終わり頃、オーストリア=ハンガリー二重帝国時代に建設された駅舎は、
ハンガリー王国の帝都としての威信が感じられ、鉄とガラスの薔薇窓で飾られた正面玄関はまるで大聖堂にいるようです。



ブダペスト東駅には、ウィーンとの間を結ぶレイルジェット以外にもたくさんの国際列車が発着しています。
ここには東ヨーロッパ各国からの国際列車が集まるので、とても賑やかでエキゾチックな駅なのです。


大ドームの下に停車中のこの列車は…客車にセルビア鉄道のマークを付けていますね!


ドアに掲示されたサボを見ると、やっぱりセルビア行きの国際列車でした。
プラハ始発・ブダペスト経由のベオグラード行き、EC(ユーロシティ)273列車「Avala」号という列車のようです。

「そう言えば、もう随分長いことベオグラードにも行ってないねぇ…
今頃のカレメグダン公園は雪が積もって真っ白できれいだろうな。」
ベオグラードに向かい発車していく「Avala」号を、つい飛び乗りたくなるのをぐっと我慢して見送ります。

駅を行き交う国際列車を眺めているだけでも飽きませんが、
そろそろブダペスト東駅を後にして、ひとまず今夜泊まるホテルに行きましょう。


外から眺めた、ブダペスト東駅の駅舎正面側のファサード。
歴史ある街の表玄関にふさわしい、本当に素晴らしい建物です。


でも、残念なことに駅前広場の周辺は現在再開発工事の真っ最中といった感じで何とも殺風景。
はやく、この駅舎に似合ったお洒落な駅前が整備されるといいのですが…

予約しておいた、駅前の大通りにあるホテルにチェックインしたら、
荷物を部屋に置いて、すぐにまた出かけます。
さあ、昼下がりのブダペスト散歩に繰り出しましょう!

6:Budapest ブダペスト、世界遺産散歩に続く

Muses Europa Eisenbahn 2012-2013中欧鉄道音楽紀行 4:RailJet 国際超特急レイルジェットの旅

2013-01-26 | 鉄道
RailJet:Budapest Keleti pu


3:Wien Westbahnhof ウィーン西駅からの旅立ちからの続き

ブダペスト行きのレイルジェット、RJ49列車は定刻の9:48にウィーン西駅を発車。
このRJ49、実はまだ夜明け前の5:02にインスブルック中央駅を出発して、
以来4時間以上かけてオーストリアを横切りようやくウィーンに到着したところ。
ウィーン西駅ではインスブルックからの乗客もほとんど降りてしまった上に、20分位上も停車して編成の半分を切り離しており、
「せっかくここまで来たんだから、ついでに隣国の首都まで走らせてみようか?」という感じで、
ウィーンからブダペストまでの区間はまるで別系統の列車のようになっています。



さて、今回は中欧5カ国の鉄道が乗り放題のヨーロピアンイーストパスの、それも1等車用を奮発して用意しています。
なので、レイルジェットでも当然、一番上等の1等車に乗って行きましょう!
しかも、1等車でもさらに特別なクラスとなるビジネスシートの1人用コンパートメントを予約してあります。
旅の始まりは、思いっきり優雅に贅沢に!!


これが、ブダペストまでの僕の席。
レイルジェットで最もハイクラスなビジネスシートです!
しっとりとした本革に包まれた大きなシートはフル電動リクライニング機能付きで、座り心地も抜群!!
まさに飛行機のビジネスクラス感覚の素晴らしい設備となっています。
ヨーロピアンイーストパスの1等車用では、通常の座席予約料金にわずか数百円分の追加料金を足すことでこのビジネスシートを利用することができるのです。
これは乗り得!


ビジネスシートには2人がけの区画もあり、それぞれパーティションで区切られたセミコンパートメントスタイルとなっています。
レイルジェットにはこの他にオープンサロンで横3列シートの通常スタイルの1等車と、
同じくオープンサロンで横4列シートとなる2等車とが用意されています。


レイルジェットの座席には、列車の運行情報が詳しく記載されたリーフレットが用意されています。
各停車駅の発着時刻や乗り継ぎ列車の発車時刻も載っているので実に便利。
僕のような鉄道ファンにとっては、乗車記念の良いお土産になるのも嬉しいですね。
これも、日本の新幹線でも取り入れて欲しいサービスだなぁ…

ウィーン西駅を発車したレイルジェットRJ49列車は、一旦ウィーン市街地の南側をぐるりと廻るように迂回してから東に進路を取り、一路ハンガリーを目指します。
車窓には、よく晴れた気持ちのいい冬の朝のウィーンの街並みが遠くなっていきます。


ビジネスシートの乗客には、車内検札の後でウェルカムドリンクも振舞われます。
シャンパンやワインもチョイスできたようですが、断酒の誓いを立てているのでグッと我慢。
朝の紅茶を頂きました。


さらに、ビジネスシートでは食事のメニュー表も用意されていて、食堂車から“出前”を取ることも出来ます。
僕は食堂車で食事をするのが大好きなので、わざわざ出前してくれなくても自分で食堂車まで歩いて行くところなのですが、
今日はビジネスシートの素晴らしい座り心地のせいでなるべく席を立ちたくない気分。
そこで、この座席出前サービスを利用してみることにしました。


座席に届けられたこれが、レイルジェットの朝食メニュー「Henry Breakfast」6.9ユーロ也。
コーヒーと、パンにチーズとハム類というコールドミールで、典型的なコンチネンタル・ブレックファーストですね。
まるで機内食のようですが、味気ないプラスチックのトレイ等ではなくてちゃんとした陶器のお皿に載っています。
写真の上の方に写っているピンク色の物は、デザートのベリー類のケーキかと思ったのですが、
実際はパンに付けるジャム的なペーストのようなものでした
(ケーキだと思い込んで最後まで残していたので、ジャムのようなペーストだけを食事の最後に食べることになってしまった(笑))

朝食を食べ終える頃には、
レイルジェットは丘陵と森が織りなす中央ヨーロッパの平原地帯を駆け抜けていました。



この辺りは、かつてはヨーロッパの東西を結ぶ鉄路の大動脈として、
ロンドンやパリからバルカン半島諸国を経由してオスマン帝国とを結んだオリエント・エクスプレスをはじめとする
欧州大陸横断国際列車群が行き交った区間です。

もうそろそろ、オーストリアとハンガリーとの国境地帯です。




ウィーンを出てから、ノンストップで走り続けて約1時間。
国境の駅Hegyeshalomに到着。
所定の時刻より10分程遅れているようで、遅れを取り戻そうとばかりにすぐに発車します。

ハンガリー国内に入りましたが、車窓の雰囲気は特に変わりません。
何しろ、つい100年ばかり前まではオーストリア=ハンガリー二重帝国という「同じ連邦国」だったのですからね。


…ところで、乗り心地満点でご機嫌なレイルジェットのビジネスシートに一つだけ残念な点があることが分かりました。
窓ガラスに、RailJetのロゴをあしらったラッピング装飾が直接貼り付けられているので、
車窓を眺める時にこれがとにかく目障りで邪魔になるのです。
車体の外観デザインを優先したせいでこうなったのでしょうが、
せっかくの中央ヨーロッパの美しい風景を満喫したい乗客にしてみれば迷惑な話ですね。
この点だけは、すぐにでもオーストリア連邦鉄道に改善をお願いしたいところです。

車窓を楽しむにはちょっと残念なレイルジェットのビジネスシートですが、
車内には見ていて面白くて便利なものが用意されています。
飛行機の飛行情報表示サービスのような専用モニターがあって、列車の現在の走行情報を教えてくれるのです。

(※↓下記写真をクリックすると大きな画像が開きます)

次の停車駅を表示中。

現在の走行速度も表示します。時々、最高速度の時速230キロを出すので見逃せない!

なるほど、始発駅のインスブルックからこういうルートでここまで走ってきたのか…

カーナビなどと同じGPSのシステムを搭載しているようで、地図情報を詳細表示します。


さあ、終点のブダペストが近づきました!
ブダペストでも市街地の南側を通り、ぐるっと半周迂回してから終着駅のブダペスト東駅に入るようですね。

ウィーンを出てから3時間。
ドナウ川の鉄橋を渡り、車窓左手の遥か向こうの市街地に「鎖橋」と思しき吊り橋の姿を見て、
列車は終着駅のブダペスト東駅にすべり込みます。



乗客を降ろしたレイルジェットRJ49列車は、
すぐに車内を清掃して折り返しの列車となりウィーンへと帰って行きます。
オーストリア連邦鉄道が誇る国際超特急、生まれ変わった21世紀のオリエント急行。
レイルジェットの、素晴らしく快適な旅が終わりました。

「ありがとう、RailJet。もっと乗っていたかったよ…
この次は、ウィーンから西へ行く列車にも乗りに来るよ。また会おう!」


レイルジェットに別れを告げたら、
ブダペスト東駅から“ドナウの真珠”と讃えられる美しい街の旅の日が始まります!

5:Budapest Keleti pu ブダペスト東駅に続く

Muses Europa Eisenbahn 2012-2013中欧鉄道音楽紀行 3:Wien Westbahnhof ウィーン西駅からの旅立ち

2013-01-20 | 旅行
RailJet:Wien Westbahnhof


2:Amsterdam スキポール国際空港美術館からの続き

2012年12月29日

ウィーン・シュヴェヒャート国際空港のエアポートホテルで迎えた、旅の最初の朝。
ホテルの窓からは、昨夜到着したシュヴェヒャート空港のターミナルビルが朝空の下に見渡せます。


数年前にウィーンに来たとき、シュヴェヒャート空港は古ぼけて薄汚れた風采の上がらない雰囲気だったのですが、
ちょうど今リニューアル工事の仕上げ中のようですね。
すっかりきれいでお洒落なデザインになっていて驚きました。
ターミナルビルの手前側にはまだ工事中の区画も残っていますが、その工事現場の隣に見えるシックでモダンな黒い箱のようなデザインの建物は空港駅の入り口です。よく見ると電車のかたちのワンポイントの表示もあって、分かりやすいし可愛らしい良いデザインですね。
今日はこれから、このシュヴェヒャート空港駅から電車に乗ってウィーンの街の中心に向かいましょう。

今回の旅では、中央ヨーロッパ各国(オーストリア・ハンガリー・チェコ・スロバキア・ポーランド)の鉄道が乗り放題になる
ユーレイルパスの一種「ヨーロピアンイーストパス」を使います。
このヨーロピアンイーストパス、国際列車はもちろん各国のローカル列車にもそのまま乗ることが出来るすぐれもの。空港からウィーン市街地までの電車移動もわざわざチケットを買う必要はありません。これは便利!

…しかし、ヨーロピアンイーストパスはそのままでは使用出来ません。
最初に使う前に一度、駅の窓口でパスポートを提出の上で券面にスタンプを押してもらい、使用開始手続き(バリデード)をする必用があるのです。

なので、エアポートホテルをチェックアウトしてからシュヴェヒャート空港駅に向かい、駅員がいる窓口を探すのですが、なぜか切符売り場がどこにも見当たりません。
乗車券の自販機はあちこちに置いてあるのですが、窓口も駅員の姿も全く見当たらない。
何と、シュヴェヒャート空港駅は無人駅らしいなのです!
国の表玄関である国際空港の駅が無人駅だなんて日本では考えられませんが、まぁ何事も鷹揚なオーストリアならそういうことも有りなのかも知れん…

しかし困った。
せっかく乗り放題のパスを持っていてもバリデード出来なければ無効で紙切れと同じなのですから、何の役にも立ちません。
でも、嘆いていても仕方がない。オーストリアってこんな国なのさとこちらも大らかに考えて、自販機でウィーン市内のUバーン(地下鉄)区間まで通しの普通列車乗車券(4ユーロ也)を購入。


シュヴェヒャート空港駅とウィーン市内中心部を結ぶ列車は、
途中ノンストップ運転でわずか16分でウィーン・ミッテ駅まで直行する空港特急列車CAT(City Air Terminal)というのがありますが、便利な分だけチケットの値段も高くて片道で9ユーロもします。
時間は倍ちかくかかりますが、切符代は半額以下で乗ることが出来るSバーン(普通電車)の方が、地元ウィーンっ子や慣れた旅行者には人気があるようです。

Sバーンは空港周辺の無機質な工業地帯の中を走り抜けて、30分もかからずにウィーンの街の中心にあるミッテ駅に到着。
ここでUバーン(地下鉄)3号線に乗り換えて、長距離列車が発着するウィーン西駅へと向かいます。

ウィーン西駅では駅員がいる切符売り場の窓口もちゃんと開いていました。
ここで改めてヨーロピアンイーストパスをバリデードして、券面にある日付欄の1日目に今日の日付を書き込みます。やれやれ、これでやっと中欧5カ国の鉄道が乗り放題となりました!

ウィーン市内には、発着する列車の方面別にいくつかのターミナル駅が存在します。
その中でも特に規模が大きいのが、西ヨーロッパを始めとする諸国への国際列車が発着するウィーン西駅。事実上、ウィーンの中央駅と位置づけられているのがこの西駅です。
もっとも、本当の意味での中央駅が現在整備中で、数年後にはウィーンに発着するすべての国際列車・長距離列車が集約されたウィーン中央駅が完成して、西駅もその地位を譲り渡してしまうと思われます。
しかしながらウィーン西駅はまだまだ中央駅の地位は渡さないぞと言わんばかりに駅舎の大規模リニューアル工事が行われたばかりのようで、機能的できれいな駅となっていました。
ここも数年前に来たときは薄暗くて古びた駅だった印象があるのですが、ウィーンは空港も駅も一斉に玄関口の化粧直しの真っ最中のようです。

さて、これから乗る列車の出発するプラットホームへと向かいましょう。
今から乗車するのは…

オーストリア連邦鉄道が誇る高速列車、RailJet(レイルジェット)です!
フランスのTGVやドイツのICEに対抗するべく、オーストリアが威信をかけた列車なのです。
鉄路の上を疾走する航空機と言わんばかりのそのネーミングからも、気合の程が伺えますね!
今日はこれから、この真紅をまとった車体が何ともお洒落な高速列車でウィーンを後にして一路、
隣国ハンガリーの首都ブダペストへと向かいます。

…ところで、このレイルジェット、TGVやICEとは一味違うところがあります。
オーストリアにおける次世代型の高速列車と位置づけられる新型列車なのに、空港特急CATにも使用されている一般形の電気機関車が塗装を変えただけでそのまま使用されているのです。
そのせいで、高速列車なのに何となく日本のブルートレインに似た印象を受けてしまいます。
しかし一般形の機関車とは言え日本では考えられない高性能機関車なので、最高速度は九州新幹線に迫る時速230キロ!
しかも最後尾の客車にも運転席を備えているので、折り返し運転の際も「機回し」を行うこと無くそのまま推進運転が可能です。


さらに面白いことに、レイルジェットは機関車1輌に客車7輌がワンセットになった専用編成を組むのですが、
この編成を2つ連結することで増結運用も行います。
この場合、機関車もそのままの状態で連結されるので、編成の真ん中に機関車がつながっているというとてもユニークな状態になるのです。
ちょうど目の前で、僕の乗るブダペスト行きレイルジェットに先行して出発するチューリッヒ行きレイルジェットが編成の増結作業を始めました。



ブダペストからやって来た編成と、ウィーンからの編成がつながり、
堂々の16輌編成となったレイルジェットが遥々スイス目指して出発します。

機関車に搭載されたドイツのシーメンス社製インバータ制御機器が奏でる「ドレミファインバータ音」が、
音楽の都ウィーンの朝の空に心地よく響き渡ります。
インバータから発生するノイズ音をあえて消さずに残し、音階を奏でるように細工をするなんて、
何という素敵なヨーロッパの遊び心でしょう!

チューリッヒ行きレイルジェットに続いて、ブダペスト行きレイルジェットが発車します。
さあ僕もレイルジェットに乗り込んで、中欧の鉄道の旅を始めましょう!

4:RailJet 国際超特急レイルジェットの旅に続く

ウィーン西駅おまけ画像


オーストリア連邦鉄道の国内線特急インターシティに連結された、子ども用のビデオ映画車輌
小さい子どもを連れていても周囲に迷惑をかけずにリラックスして旅が楽しめるこのような配慮は、日本の特急列車でも是非取り入れて欲しいですね。
カラフルなロゴも何ともお洒落です。

旧・大分ホーバーフェリーのホーバークラフトを熊本県八代港で発見!

2013-01-19 | 時事
2009年10月まで、大分市と大分空港の間をホーバークラフトが別府湾を突っ切る海上ルートで結んでいた
大分ホーバーフェリー
運行終了後、ホーバークラフトは中国企業に売却されたことになっていましたが、
なんとそのホーバークラフトの機体が何故か熊本県の八代港で発見されたと大分の新聞社が報道してちょっとした騒ぎになっているようです。

八代港は僕の勤務先のすぐ近所。しかも既に何人かの同僚が釣りに行く際にホーバークラフトを目撃しているようで、聞き込みをしてみると置いてある場所は勤務先の敷地の本当にすぐ隣らしい。
という訳で、今日は土曜日ですが出勤したので、仕事帰りに港へ寄ってホーバークラフトを見てきました。

…実は、僕は大分ホーバーフェリーが運行を終了する直前に一度、ホーバークラフトに乗りに行っています。
(→大分でホーバークラフトに乗ってきました
本当にこんな身近な場所に、あの日乗ったホーバークラフトがいるんだろうか?そんな気持ちで港へ向かうと…


…いた!本当に、大分のホーバークラフトだ!!
岸壁の資材置き場のような場所に、ホーバークラフトの機体が置いてありました!
岸壁沿いの道路からはフェンスを隔ててすぐ近くの位置に置かれて野ざらしになっています。


白くて美しかった機体は、砂埃のような汚れがびっしり付着して無残に荒れ果てています。
中国企業に売却された後は、香港で係留されているのが目撃されたという情報もありますが、彼の地で一体何があったのでしょうか…


機体後部の巨大なファンとエンジン部も、ろくに手入れがされていないようでもう動かせないような感じです。


全部で3機のホーバークラフトが、並べて置かれています。
大分から中国に売却された機体は全部で4つだったそうなのですが、残る1機はどこに行ってしまったのでしょうか?

そして、上の写真で一番手前側に置かれた機体は客室部分が無残に焼け落ちて無くなってしまっています。
火災が発生したようですが、本当に一体どうしてこうなったのか…
さらにショッキングなことに、何と焼けた痕跡のある機体には「ドリームアクアマリン」と船名が書かれています。
僕が以前乗った機体だったのです。

2009年10月、大分空港にて。現役時代の「ドリームアクアマリン」




大分ホーバーフェリーのホーバークラフトが、中国企業の手に渡ってから一体何があったのか。
どうして日本に戻されたのか。
どうして熊本県の八代港に置かれているのか。
そして、これから先どうなるのか…?
その全てが謎なのです。何というミステリアスで、そして哀しい出来事なのでしょうか…

ホーバークラフトのふるさと大分県では、
ホーバーファンの方々が機体を引き取って地元で静態保存したいと動いておられるとも聞きます。
以前、ホーバークラフトの旅を一度だけとは言え体験して楽しい思い出がある僕も、
このかわいそうなホーバークラフトたちが懐かしい大分の地に帰れるように願わずにはいられません。

Muses Europa Eisenbahn 2012-2013中欧鉄道音楽紀行 2:Amsterdam スキポール国際空港美術館

2013-01-13 | 博物館・美術館に行く
Rijksmuseum,Luchthaven Schiphol


1:Overture、 Calgary号Amsterdam行きからの続き

KLMオランダ航空のハブ空港である、アムステルダムのスキポール国際空港に到着しました。



ここで今夜の宿泊地となるオーストリアのウィーン行きの便に乗り継ぐのですが、
近年のヨーロッパでの景気低迷のあおりを受けてか欧州域内の航空路線は大幅な減便が行われているようで、
数ヶ月前に突然KLMから「当初予定していた乗り継ぎ便が廃止されることになった。当日乗り継ぎ可能な別便に予約を振り替えとくからヨロシク」という連絡があり、否応なしに変更させられてしまっていたのです。

その振り替え便の出発時刻は、何と5時間後!
いくら何でも長過ぎるので、空港のすぐ下にあるスキポール空港駅から電車に乗ってアムステルダム市内へ遊びに行こうかとも考えていたのですが、到着すると下界は雨の中。
シベリア横断の超長時間フライト後で疲れているところに、冷たい冬の雨を浴びたりしたら風邪をひくに決まっています。
なので結局、暖かい空港のターミナルビル内でおとなしく時間をつぶすことにしました。

さて、思わぬ長時間の乗り継ぎ待ちとなってしまいましたが、
スキポール空港には面白い設備があってそれなりに楽しく待ち時間を過ごすことが出来たのです。
その設備とは…



スキポール空港には、何とターミナルビル内に美術館があるのです!
まぁ美術館といっても、画廊のような小さなワンフロアのスペースなのですが、
それでも展示されているのは素晴らしい第一級の作品ばかり。
何しろここは正真正銘の、アムステルダム国立美術館の分館 なのですから!

アムステルダム国立美術館スキポール空港分館は、
長距離国際線の搭乗ゲートからオランダ入国審査場と近距離線の搭乗ゲートを結ぶ移動ルート上という、乗り継ぎの途中に立ち寄るのにとても便利な場所にあります。しかも入場料は無料です。
ターミナルビル内で大きな看板を出している国立美術館のミュージアムショップの中に展示室に入るための階段があるので、ミュージアムショップを目印に探せばすぐに見つかりますよ。
展示される絵画は定期的に国立美術館に収蔵されている作品と入れ替えられるようで、毎回企画展的な内容で展示が行われているようです。

美術館の近くには本格的なカジノもありました。僕は今回はチャレンジするのはやめておきましたが(笑)
他にも、広大なショッピングゾーンには検疫済みのチューリップの生花や球根を買うことが出来る花屋さんや
日本でも人気のキャラクター、ミッフィーちゃんグッズの専門店もあり、
とにかくスキポール空港は乗り継ぎ待ち時間を退屈せずに過ごせる楽しい工夫が凝らされているのです。
もっとも僕は美術館を堪能した後は疲れが出てしまい、これまた無料で使うことの出来るカウチが並んだ仮眠コーナーでのんびり寝て過ごしましたが…


午後8時過ぎ、ようやくウィーン行きのKLM1849便の搭乗時間になりました。

ボーイングB737での国内線感覚の1時間ほどのフライトで、夜のウィーン・シュヴェヒャート国際空港に到着。
真っ暗な中央ヨーロッパの平原の中に暖かく輝く、白熱電灯色のウィーンの夜景を機内から見た時
「ああ、やっと着いた…」 という安堵感がこみ上げてきました。
アムステルダムでの長い乗り継ぎ待ち時間のせいか、いつも以上に随分と長旅をしてきたような気がします。

今夜はもうウィーンの街には出ずに、シュヴェヒャート空港のターミナルビルの目の前にあるエアポートホテルに宿泊。
熱いお湯をたっぷり張ったバスタブに浸かって、エコノミークラスの座席で縮こまった身体を伸ばしてから、
明日から始まる鉄道の旅に備えてベッドに横になります。

おやすみなさい、そして…
久しぶりだね、ウィーンと中央ヨーロッパ。明日からよろしく。


3:Wien Westbahnhof ウィーン西駅からの旅立ちに続く

Muses Europa Eisenbahn 2012-2013中欧鉄道音楽紀行 1:Overture Calgary号Amsterdam行き

2013-01-12 | 旅行
Wiener Staatsoper


この冬の年末年始休暇、ヨーロッパに行って来ました。

今回の旅の目的は、中欧に連なる名立たる古都を鉄道で巡り、
それぞれの街で音楽を愉しみ、オペラを観ること。

昼は、旧き良き時代に陸の豪華客船と讃えられた名列車の栄光を今に受け継ぐ欧州国際急行の乗り心地を楽しみ、
夜は、歴史に燦然と輝く三つの都市を彩る歌劇場の珠玉の舞台に酔いしれる。
…いやはや何とも紋切り型で、古臭いテーマではありますが、
僕もだんだんと歳を取ってきたようで、こんな旅もしてみたくなったのです。
そして、それは何とも華やかで趣深く、そして心躍る旅となったのです!

ウィーン、プラハ、ブダペスト、そしてワルシャワから遥かなるリトアニア国境へ。
音楽を鉄道でつなぐヨーロッパの旅に、暫しお付き合い下さい。
天燈茶房亭主mitsuto1976


2012年12月28日

ヨーロッパへの旅路は、先ずは成田空港へ行くことから。
僕の住む九州熊本からは成田空港行きの便は飛んでいないので、福岡市内に前泊して福岡空港始発の成田行き早朝便に乗ることから旅が始まります。
もっとも、2013年の春からは福岡空港からアムステルダムまで直行するKLMオランダ航空の便が新規に就航することになっているので、今後はこの「成田周り」をする機会も少なくなるかも知れません。

今日は九州から関東までの日本列島上空はずっと冬の雲に覆われていて、地上の景色は見ることが出来ませんでした。


でも、よく見ると雲の上に光の輪と機体の影が…
「ブロッケン現象」ですね!珍しいものが見られて、幸先良い気分で成田空港に到着。

成田空港では国際線のチェックインと小口現金の渡航先通貨への両替、そして手荷物保安検査、出国審査といういつもの“出発儀式”を済ませて、
これからヨーロッパまで連れて行ってくれる飛行機とご対面。


KLM862便、ジャンボジェットボーイングB747-400です!

来年春からは福岡までやって来るKLMオランダ航空ですが、今はまだ成田乗り継ぎでの利用となります。そして、福岡にはKLMのジャンボ機は飛んで来ません。ヨーロッパまでの燃料を満載したジャンボは重すぎて福岡の短い滑走路を飛び立てないので、もっと高性能な中型機B777-200になる予定です。

成田でしか会えない、KLMの空色のジャンボ。その機体にはCity of Calgaryの文字が。
オランダと日本を結ぶ航路なのに、全く関係のないカナダの都市の名を冠した機体というのが面白いですね。


午前11時過ぎにはボーディングブリッジを通ってCalgary号の機内へ。
定刻より10分早い11:45にはドアが締められ、KLM862便は成田空港第一ターミナル北ウイングを出発しました。

滑走路のずいぶん長い距離を走って充分に加速してから、巨大で重い機体をよっこらしょと持ち上げるような感じのジャンボ独特の離陸の後、ぐんぐん上昇しながら日本列島を北上。




北海道から日本海に抜けるルートで日本領空を離れてロシア上空へ。


水平飛行に移り、このまま一気にシベリアを横断して北極圏へと向かいます。



ウェルカムドリンクと機内食の昼食の後、ちょっと席を離れてジャンボの機内を散歩。


ジャンボの象徴、憧れの2階客室へと続く階段。
2階のビジネスクラス客室は、もちろんエコノミークラスの乗客は立ち入り厳禁。
ああ、いつの日か僕もこの階段を登ってみたいものだ…
ジャンボは老朽化が進んで日本路線からはどんどん退役しているので、急がないと本当に幻のままで終わってしまうかも…

その階段の脇に、こんな物を発見。

機体名City of Calgaryの命名由来を記した銘板のようです。
ちょっと豪華客船のような、何とも優雅なオブジェですね。


客室の一番後ろの、ギャレー(調理準備室)がある場所まで来ました。
実はこのKLMのジャンボ、通常のジャンボとは構造が少し違っていて、機体の後ろ側半分は貨物室になっている「747-400Combi」と呼ばれる客貨混載タイプ。
客室が短めで、この壁の向こうはコンテナが搭載された貨物室なんです。


そしてこれが、眺めが良いと一部の旅行者の間で何故か人気のある、ギャレーのドア窓からの景色。
眼下にはどこまでも続くシベリアの雪山が連なっています。


やがて太陽が飛行機を追い越して、地球の影に隠れます。
冬のヨーロッパ行きの機内から見る、延々と続く「沈まない夕陽」です。




再び飛行機が太陽に追いついた時、そこは既にウラル山脈の向こう側。
ヨーロッパ上空に到達しました!

スカンジナビア半島の付け根を越える頃に夕食の機内食を済ませて、
そのままゆっくりと降下を続け、現地時間の午後3時半、約12時間のフライトを終えてKLM862便はオランダのアムステルダム・スキポール空港に到着。
「さまよえるオランダ人」の頃から航海技術に長けていたオランダ人の機長はふわりと衝撃無くジャンボジェットを着陸させました。お見事なランディング!




City of Calgary号とはここでお別れ。
スキポール空港で、ウィーン行きのヨーロッパ域内線に乗り継ぎます。

2:Amsterdam スキポール国際空港美術館に続く

happy New Year 2013

2013-01-06 | 日記
happy New Year 2013!

明けましておめでとうございます。
天燈茶房亭主mitsuto1976は、昨日無事に中欧の旅から帰国しました。

旅の想い出を綴る旅行記を、これから書き始めます。
その前に少しだけ、旅で見た風景を新年のご挨拶代わりに…


Muses



Planet



Solar

新年も天燈茶房TENDANCAFEを宜しくお願い致します
天燈茶房亭主mitsuto1976 拝