天燈茶房 TENDANCAFE

さあ、皆さん どうぞこちらへ!いろんなタバコが取り揃えてあります。
どれからなりとおためしください

禍の無い事を祈る…

2010-09-30 | 日記
先日、お参りしてきた宮崎市の江田神社 の境内、
伊邪那岐尊が黄泉の国から戻った際にみそぎを行った「みそぎ池」を祀る“みそぎ御殿”

昼なお暗い、鬱蒼とした木立に囲まれた、その御殿へと続く参道に掲げられた、
一枚の看板…


飼い主と犬に
禍の無い事を祈る…


禍の無い事を祈る…

伊邪那岐尊の禍…って、ええーーーっ!?
((((( ;゜Д゜)))))ガクガクブルブル

犬はこの境内では、絶対に●●●しちゃダメーーーーー!!!
ところで、ねこはいいんかいな?

イカロス君、「気になるWeb人で賞」授賞式!

2010-09-29 | 宇宙
飛行神社の絵馬の上でカラス型飛行噐と一緒に翔ぶイカロス君

世界初の小型ソーラー電力セイル実証機イカロス君が、また新記録を打ち立てました。
第8回Webクリエーション・アウォード気になるWeb人で賞を見事受賞!
何と、人間ではない、宇宙機としては初めての受賞だそうです。


第8回Webクリエーション・アウォード受賞について
(IKAROS(イカロス)専門チャンネル)

何か色々とスゴイぞ、おめでとうイカ坊!!
あ、ちなみに僕もWebクリエーション・アウォードでイカ坊に投票したからね(笑)

今日、その授賞式が行われたようなのですが、さすがに金星を目指し惑星間軌道を帆走中のイカロス君が
授賞式会場に赴く訳にはいかなかったようです(当人は行きたがっていたようですがw)。
そのかわり、イカロス君は妹のDCAM1ちゃんと弟のDCAM2くんから、
Twitter上で受賞インタビューを受けてスピーチしたようですよ。
インタビューの様子は、すばるさんがまとめてくれています。

イカロス君の第8回 Webクリエーション・アウォード受賞インタビュー



あ、IKAROS(イカロス)専門チャンネルでもインタビューの様子がまとめられてますね。
楽しい受賞イラストも付いています。…9月30日追記

第8回Webクリエーション・アウォードの受賞式が行われました!
(IKAROS(イカロス)専門チャンネル)

セイルの端で器用にマイクを握って、饒舌に喋る宇宙機イカ坊…
いいね!
イカロスチームの皆さん、今後も是非!! この線でお願いします!!!

さよなら、きいろい電車~西鉄2000形車輌、引退~

2010-09-27 | 鉄道
西鉄の黄色い電車として昭和48年から親しまれてきた西日本鉄道2000形車輌
九州で初めて鉄道友の会のローレル賞を受賞した名車ですが、この程とうとう引退が決定。
10月17日に、38年間通い慣れた西鉄の鉄路を去ります。

僕は熊本県八代在住なので、正直なところ2000形には余り馴染みがないのです。
でも、子どもの頃からたまに福岡へ国鉄特急「有明」で出掛けると、大牟田駅を過ぎた辺りから「有明」を追い上げてくる謎の黄色い電車の強烈な印象は記憶に残っています。
そう僕にとって、2000形は「有明」の最強のライバルといった役回りでした。

そんなきいろい電車に、最後に別れを告げてきました。

平成22年9月25日

この日は朝から久留米市の福岡県青少年科学館で公開中の全天周映像プラネタリウム作品、
HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-を観に行ったのですが
(→秋の日曜は電車に乗ってHAYABUSAを観に行こう ~HBTTE in 久留米~
ちょうど今日から2000形の「さよなら運行」が始まるとのこと。
そこで、ちょっとだけ寄り道して宮の陣駅から2000形に乗車しました。


これまでにも国鉄/JR鹿児島本線の車窓から度々見かけてきた2000形。
乗車するのは、これが初めてです。

メーカーズプレートと、ローレル賞のエンブレムが誇らしげですね。


運転席は、最近の車輌と比べると何とも無骨で、かなり年季が入っている感じです。

宮の陣駅から西鉄久留米駅を経由して、終点の花畑駅まで僅か数分の走行でした。
でも、車内はゆったりとしているし、それに実に堂々とした走りっぷりで、西鉄の看板特急として国鉄の「有明」に闘いを挑んだ頃の風格は健在でした。
…本当に、名車だったんですねぇ。僅かな乗車でも、それを感じることが出来ましたよ。


顔周りのデザインは、実に独創的というか個性的というか。
でも、こうして見ると実にカッコいいですねぇ!


「さよなら運行」ということで、
2000形はローレル賞を受賞した栄光の頃の姿に復元されて、引退前日まで急行列車として西鉄福岡(天神)駅から花畑駅との間を朝から夕方まで往復運行しています。


もっと早くから好きになって、もっと乗っておけばよかったよ。ごめんね…
さようなら、きいろい電車。西鉄2000形

準天頂衛星初号機「みちびき」、準天頂軌道へ!

2010-09-27 | 宇宙
みっちょん(みちびきさん)、いよいよ縦デンプシー準天頂軌道へ!

準天頂衛星初号機「みちびき」の準天頂軌道投入について
(JAXAプレスリリース)


(→天燈茶房 TENDANCAFE 「みちびき」旅立ち見送り紀行 ~H-IIAロケット18号機打ち上げ見学記~参照)

9月11日の夜の打ち上げから、実に2週間以上に渡って続けられた軌道制御により、
「みちびき」は遂に、中心経度約135度の日本上空を通り準天頂衛星の象徴である
8の字の地上軌道を描く準天頂軌道へと入りました!
おめでとう、みっちょん!!


今後は搭載機器等の初期機能確認が行われ、いよいよ「みちびき」のグリグリアンテナ(ヘリカルアレイ測位アンテナ)がイカ坊あかつきくんを捕まえてグリグリ…ではなく、地球に向かって測位信号を送信します!

…「みちびき」の名付け親として、種子島での打ち上げを「娘を嫁に出す父親の気持ち」で見送った僕も、これでようやく肩の力が抜けました。
さぁいよいよ、準天頂衛星初号機の重大な任務が始まります。
空を見上げて、応援しよう!がんばれ、みっちょん!!

青空のブルートレイン、ED76三重連 明星号

2010-09-26 | 鉄道
平成22年9月26日、今日も電気機関車ED76が三重連で牽引するブルートレインが走ります。
昨日、熊本まで走った「あさかぜ号」(→黄昏のブルートレイン、ED76三重連あさかぜ号を参照)の折り返しで、
今日は「明星号」を名乗って走るようです。

ED76が3輌も連なるという珍しい編成なので、折角だから編成全体を眺められそうな見通しのいい場所で列車を見ようと考えて、
今朝はここにやって来ました。


JR鹿児島本線植木駅近くの、線路が築堤になって大きなカーブを描いているのを田んぼ越しに見上げる路上です。

ED76三重連 明星号は9:20頃に熊本駅を出発して門司港に向かうとJRのサイトで告知されていたので、
朝9時頃に現地に到着。
この辺りは有名な鉄道写真の撮影地なので、立派なカメラを構えた人達があちこちで「明星号」の通過を待ち構えていました。


「明星号」の前にやって来た下りのリレーつばめ
新八代駅で新幹線つばめに横付けする基本編成7輌に、熊本駅で切り離す付属編成4輌を従えた堂々の11輌編成で目の前のカーブを通過して行きます。
編成が長すぎて、これだけ離れていてもコンデジのフレームからはみ出してしまうほどです。
「リレーつばめ」をここで見ることが出来るのもあと半年。
九州新幹線全区間開業後は、ここはローカル普通列車とたまに貨物列車が通るだけの閑散区間となってしまいます。

やがて、9時半を過ぎた頃に田んぼの向こうから電気機関車の吹き鳴らす汽笛が聴こえてきました。
やって来ました、ED76三重連 明星号です!

初秋の青空と山の緑に、うっすら色づき始めた稲穂、
そこに赤い電気機関車三重連とブルートレインがよく映えてとても綺麗です。




「明星号」は、かつて通い慣れた鹿児島本線に別れを告げるかのように汽笛を吹き鳴らしながら、ゆっくりと走り去りました。
さようなら、ブルートレイン。

…出来れば、新幹線が全線開業する前にもう一度だけ、
「はやぶさ」のヘッドマークを掲げたブルートレインに乗って、相模原の宇宙科学研究所まで「はやぶさ」に会いに行きたいな。


画像提供:JAXA

黄昏のブルートレイン、ED76三重連 あさかぜ号

2010-09-26 | 鉄道
写真:鹿児島本線銀水駅に運転停車中の「ED76三重連あさかぜ号」

平成22年9月25日、一風変わったブルートレインのリバイバル列車が走りました。
現在JR九州で稼動可能の状態にある電気機関車ED76形式が総動員され、三重連を組んでブルートレイン編成を牽引する「ED76三重連あさかぜ号」です。

熊本目指し鹿児島本線を南下する「ED76三重連あさかぜ号」を、急に秋めいてきた日の夕暮れ間近の銀水駅で見送ってきました。

朝に博多を出発して、途中で門司港を経由した「ED76三重連あさかぜ号」の熊本駅到着時刻は、JR九州の告知によると17:40頃。
その1時間程前から銀水駅で待ち構えていると、やって来ました!

おお!確かに機関車ED76が3輌連なっています。
こんなのは初めて見ました!


あさかぜ号と銘打っていましたが、
ブルートレイン「あさかぜ」のオリジナルデザインではなく特製のヘッドマークを装着していますね。


銀水駅で後続の電車特急を先行させるらしく、待避線に入って停車しました。
…確かに3重連ですが、先頭に立つ機関車以外の2輌以外はパンタグラフが揚がっておらず、実質「無動回送」状態のようです。


それにしても、赤いED76が3輌も連なるとさすがに凄い迫力です。
欲を言えば、
3輌ともパンタグラフを揚げて堂々の「三丁パンタ」だったらもっと凄かったでしょうけどね…


客車の側面方向幕は「博多行きあさかぜ」を提示しています。
この列車、実際は一応「熊本行き」なんですが…w


でもテールマークは「はやぶさ」ですよ?
何だかなぁ~www


初秋の陽は傾き、出発時刻が迫ります。
…実際、現役の頃の「はやぶさ」はこの時間帯にこの区間を通過していましたねぇ。走行方向は逆向きでしたが。




三重連のED76が4輌の寝台車を牽いて、
「はやぶさ」のテールマークを掲げた「あさかぜ号」が熊本駅に向かってゆっくりと発車して行きました。

インターネット上での情報ではJR九州が所有するED76やブルトレ客車が廃車の時期を迎えつつあるとの情報もあります。
あと何回、九州を走るブルトレの姿を見ることが出来るのでしょうね…

ちなみに今日、9月26日にはこの三重連編成が「明星号」として門司港経由で博多まで走ります。
今日も、見に行くつもりです。

※追記:見てきました。→青空のブルートレイン、ED76三重連 明星号

天孫降臨HAYABUSAリゾート ~HBTTE in 宮崎~

2010-09-23 | 映画・演劇・コンサートを観る
小惑星探査機「はやぶさ」の波乱と感動に満ちた旅を、超高精細CGでプラネタリウムに描き出す全天周映像作品
HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-(以下HBTTE)



この夏、いよいよHBTTEが九州に上陸!
宮崎と久留米のプラネタリウムでそれぞれ上映が始まりました。

「はやぶさ」の地球帰還の1年以上前に制作されたにもかかわらず、
“奇跡の宇宙船”の壮大な旅路を、
その最期の瞬間の様子まで完璧に描写しきっていた驚異のプラネタリウム作品HBTTE
地元の九州で観られるからには、みんなで観たい!
という訳で、8月も半ばを過ぎた某週末、勤め先の宇宙好き仲間であるSさんを誘って一緒に宮崎まで観に行きました。

熊本県八代から高速道路を走って、宮崎市内に到着したのはお昼前。
「せっかく宮崎まで来たんだから…」とSさんに誘われて、HBTTE鑑賞前に先ずやって来たのはここ。

「フェニックス・シーガイア・リゾート」のホテル、
シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート




「おおお~!凄い!本格的リゾートホテル!!お洒落~♪」
僕は普段こういう場所に縁がないので、思わず間抜けな感想がw

「今日は折角はやぶさの映画に誘ってくれたから」と、このホテルにあるSさんオススメのレストランでランチを御馳走していただけることに。
さすが、食通のSさん!遠慮無く御馳走になります!!

前菜。


メイン。あさりのリゾット/ゴーヤのパスタ

デザート。


ちょっと曇っているのが残念ですが、太平洋の大海原を見降ろすこんな絶景を眺めながら、
素敵なランチを頂きました。
Sさん、御馳走様でした!

さて、いよいよHBTTEを観るべくプラネタリウムへ…
でも、もう一回寄り道を。
「折角、宮崎まで来たからには是非、mitsutoくんを連れていきたい場所があるんだよ」
というSさんに連れられて、やって来たのは…


江田神社


シーガイアのすぐ近くの松林の中にひっそり佇む、小さな神社ですが、何と!
伊邪那岐尊が黄泉の国から戻った際にみそぎを行い、
天照大神素盞鳴尊月読尊を産んだと伝えられる地に建つ、由緒正しい神社なのです。
今でもこの近くに、伊邪那岐尊がみそぎを行った「みそぎ池」が残っているそうです。
さすが宮崎、天孫降臨の地!



境内の奥に、さらに進む路があります。

鬱蒼とした木立の中を進むと…


小さな社が。
ここは、伊邪那岐尊がみそぎをした池を祀る“みそぎ御殿”のようです。
みそぎ池は見当たりませんでしたが、きっとこの近くにあるのでしょう。

四拝 八拍手 四拝で、日本神話の神様たちにお参りします。
はやぶさ君を地球まで導いて下さってありがとうございました。
イカロス君あかつきくんみちびきさんや『はやぶさ2』、
そして全ての日本の宇宙の子供たちのことも、どうぞお見守り下さい…」


お参りも済んで、清々しい気持ちになったところで
さぁ、HBTTEを観に行きましょう!


宮崎科学技術館
ここにあるプラネタリウムで、全天周映像作品HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-が上映されています。
建屋の外観も、銀色に光るプラネタリウムのドームが印象的ですね。
今から、あの中でHBTTEを観ます。プラネタリウムを観る前はやっぱりワクワクしますね!
今日は特に、自分の最高のお気に入りの映像作品を親しい人に観てもらうので、喜びと緊張感が入り交じって心地良いです。



…さて、宮崎科学技術館の誇る超巨大な直径27mドームで観るHBTTE。
今までHBTTEを観てきた中で最大のドームということもあり、描き出される宇宙空間の壮大さが際立っていたように思います。ゆったりと作品世界に浸ることが出来ました。
もう何度も観た筈の、大好きだった宇宙船の旅路…
それでもやはり、泣いて仕舞いますね。

上映終了後、ほぼ席が埋まる程度に入った観客の方々が、皆で余韻に浸っているような穏やかな雰囲気だったのが印象的でした、宮崎科学技術館のHBTTE。
涙ぐんでいる方も多数見かけました。
Sさんも「…よかった!」と言っておられました。

「これは、はやぶさという生命の、受精(打ち上げ)から誕生(軌道投入)、成長(イトカワへの旅路)と、
そして死の物語だね。」
(Sさんの感想)

外に出ると、夏の強烈な日差しがやや西に傾きながら、H-Iロケットの実物大模型を照らしていました。



「『はやぶさ2』が、このH-Iロケットの妹のH-IIAに乗って、新しい旅に出る日が早く来るといいな…!」

宮崎で、リゾートして神社詣でして、HBTTEを満喫。素晴らしい一日になりました!
Sさん、今日はお疲れ様でした。
やっぱり、誰かと一緒に観ると楽しいね。明日は、うちの家族を連れてまた来ようかな!

※宮崎科学技術館でのHAYABUSA -BACK TO THE EARTH-上映は、
9月26日(日曜日)までです。
まだ観られていない方は、是非御覧下さい。


次は、久留米の方にも観に行こう!
※平成22年10月3日追記:久留米にも観に行きました。
秋の日曜は電車に乗ってHAYABUSAを観に行こう ~HBTTE in 久留米~

もうすぐさよなら、新八代駅のリレーつばめ

2010-09-21 | 鉄道
写真:新八代駅同一ホーム対面乗り換え。
同一平面上に新幹線「つばめ」と「リレーつばめ」が並ぶ光景が見られるのも、あと半年


九州新幹線の博多―鹿児島中央全区間開業まであと半年。
現在、博多駅から新八代駅まで新幹線「つばめ」を“リレー”している在来線特急「リレーつばめ」の雄姿も、間もなく見納めとなります。



博多駅から在来線の鹿児島本線を走ってきた「リレーつばめ」は、九州新幹線との接続駅新八代の手前から分岐する専用の「取り付け線」に入って新幹線の高架線の高さまで駆け上がり、新八代駅の新幹線のりばに停車中の新幹線「つばめ」に横付けします。
この独特な走行を見られるのも、あと僅か。
九州新幹線全区間開業後、取り付け線は新幹線の保線用車輌などの上げ下ろしに使用される事業用線となり、旅客列車が走ることはなくなるようです。
この“失われる車窓”を、記録にとどめてみました。

新八代駅に到着する「リレーつばめ」の車窓(下り列車:左側)


新八代駅を発車する「リレーつばめ」の車窓(上り列車:左側)

小惑星イトカワへの旅-小惑星探査機「はやぶさ」の挑戦と成果- 川口プロジェクトマネージャ講演会を聴く

2010-09-20 | 博物館・美術館に行く
「みちびき」旅立ち見送り紀行 ~H-IIAロケット18号機打ち上げ見学記~からの続きです

準天頂衛星初号機「みちびき」を載せたH-IIAロケット18号機の打ち上げを種子島で見送った翌日、
僕は朝一番の高速船に飛び乗り、そのまま一路佐賀県の武雄温泉を目指しました。
今日は武雄温泉にある佐賀県立宇宙科学館で、
小惑星探査機「はやぶさ」を飛ばした男川口淳一郎プロジェクトマネージャの講演会
『小惑星イトカワへの旅-小惑星探査機「はやぶさ」の挑戦と成果-』があるのです。

全国から参加希望が殺到して高倍率の抽選となったこの講演会、
例え打ち上げの翌日(というかリフトオフの僅か約18時間後!)とは言え絶対聴き逃すわけにはいきません!
という訳で、強行軍も何のそのとばかりに種子島から海を越えて九州を縦断し、
佐賀県立宇宙科学館に馳せ参じたのです。

平成22年9月12日(日曜日)

睡眠時間が僅か数時間しかなかったので寝過ごさないか心配だったのですが、無事に目を覚まして真っ暗な中、宿を出立。
同じ宿に宿泊されていたns944aさんJIMさんにクルマで西之表港まで送って頂き、感謝!






7:00発の始発便の鹿児島港行き高速船に乗り込み、出港するやいなや熟睡。今のうちにしっかり寝て、身体と頭を休めておかないと。
高速船内では偶然、ロケット打ち上げ見学で知り合いの方と顔を合わせ、鹿児島港到着後はそのままタクシーにあいのりさせて頂いて、午前9時前には無事に鹿児島中央駅に到着。
皆さん、お世話になりました。






鹿児島中央駅09:15発の新幹線つばめ40号から、リレーつばめ40号に乗り継いで鳥栖駅11:29着。
鳥栖駅を11:45発のハウステンボス/みどり9号に乗り換えて、武雄温泉駅には12:26に無事到着。
…乗り換えてる時以外の記憶が全く無い(笑)。車中では必死で寝ていたようだ…

さて、無事に講演会の始まる1時間半前には武雄温泉駅に着くことが出来ました。
ここで、講演会に御一緒に参加されるさいくんさんと合流。
クルマに同乗させて貰って、佐賀県立宇宙科学館に到着!




佐賀県立宇宙科学館のエントランスの大階段を登って行くと、驚くことに川口先生の講演会開始時刻までまだ1時間以上もあるのに既に行列が出来ています。
「はやぶさ」地球帰還以来の人気ぶりの凄さを見せつけられる思いで行列に並び、暫し待った後で会場のプラネタリウムドームへと誘導されて前方の演壇間近の「アリーナ席」を確保。
「普段プラネタリウムを観るときは、後ろの方がいい席なんだけどね(笑)」などとさいくんさんと談笑するうちにドーム内は満席となり、館長挨拶の後でいよいよ川口淳一郎プロジェクトマネージャが登壇されます。
以下、川口先生の講演内容レポートです。

先ず「至る所で同じ話をしているんだけど」と前置きされてから、
「はやぶさ」ミッションの概略説明。
「はやぶさの目的:サンプルリターン技術の実証」であるということ。
そしてサンプルは、どんなに微小な粒子でも最新鋭の分析設備を用いれば分析可能であること。

「はやぶさ」の基本的なおさらいとして、
アメリカ(NASA)に追い越されない為の已むを得ずのイオンエンジン(以下IES)を用いたパワースイングバイを実施したこと。
また、「はやぶさ」命名の由来として糸川先生と戦闘機「隼」の縁の説明。
「隼」という漢字は、探査機のフォルムともよく似ていることから「字は体を表す」

ここで「はやぶさ」の推進機関であるIESの、宇宙戦艦ヤマトとスタートレックのエンタープライズ号のイラストを用いての概念説明(地上から直接飛び立てるほどの推進力は無いことのユーモラスな解説)。
川口先生の「えーっと、このヤマトのエンジン何て言うんだっけ…」に思わず「波動エンジン!です」と反応してしまったのは僕です(笑)

「はやぶさ」の未来の展望として、深宇宙港を核とする太陽系大航海時代
ラグランジュポイント(L2)を深宇宙港として、再使用可能な惑星間往還宇宙船を実現することは「私としては、現在でも『はやぶさ』の技術を用いることで現実的です」

そして、例えば資源の利用。小惑星に資源があっても不思議ではない。始原天体では重い鉱物も沈み込まず地表面にある。

続いて、これまでの歩み。
1985年6月29日の小惑星サンプルリターン研究会の資料表紙の紹介。
「当時は化学ロケットの利用を想定していたので、小惑星サンプルリターンは実現不可能だった。それは18年後の2003年、それは(IESを用いた)「はやぶさ」として可能となる。」
’80年代初めに小惑星ランデブーと彗星ダストサンプルリターンをNASAと共同で研究していた。
しかし日本側は予算がなくて、考えあぐねているうちにNASAにニア・シューメーカー計画として“盗られて”しまった!
これは、ショックだった。
「NASAもためらう程の計画でないと!と破れかぶれで、ハッタリで切り出した、それが小惑星サンプルリターン計画だった」

NASAの計画は基本的にローリスク・ミディアムリターン。しかし、彼らはリスクを大きく見せる
例えば「ディープインパクト(NASAの彗星探査機。テンペル第1彗星に重さ約370キログラムの衝突体(インパクター)を撃ち込んだ)」。
これは実際には僅か数枚の写真しか撮影していないが、それでも納税者にはわかりやすい
彼らは狡賢い分別があるのだ。
しかし、私はハイリスク・ハイリターン。
だからNASAは10年間追っても来なかった。「出来るわけがない」と思っていたのだ。

事業仕分けで「世界一でないといけないのか?」と言っているどこかの国と違って、
アメリカはとにかく何でも世界一にこだわる。
「はやぶさ」も、
IESと自律航法実証ではディープ・スペース1に、
地球大気圏への再突入ではスターダストに先行されたが、それでも手応えを感じた。
そして「はやぶさ」のイトカワからの離陸(人類史上初の地球と月以外の天体からの離陸)に成功したことで溜飲を下げた!
「はやぶさ」がイトカワにタッチダウンした時は祝福のメッセージが多数届けられたが、今回の帰還では何の音沙汰もなくシーンとしている。きっと悔しがっているのだろう(笑)
NASAが冥王星に向かわせているニューホライズンズも、多分何も見つけることがないであろう。
アメリカが世界一にこだわるだけの為に打ち上げた探査機だからだ!

MVロケットと「はやぶさ」の因縁について。
糸川先生のいた中嶋飛行機が戦後プリンス自動車となり、日産、IHIと宇宙部門は引き継がれた。
50年に渡る日本の固体燃料ロケット技術を礎に、地球帰還カプセルは開発された。
MVロケットと地球帰還カプセルは日産、IHI製。言わば中嶋飛行機からの引継ぎでつくられている。

イトカワ地表に「はやぶさ」の影が落ちた写真、「格別の一枚です」
そして88万人の名前を刻んでイトカワ地表に降りたターゲットマーカは、永久にイトカワに留まるものではない。
何故ならいずれ、1億年もすればイトカワは地球に衝突してしまうと考えられているから。
「88万人の名前は、地球に戻ります」(会場爆笑)

ミネルヴァについて。
初の民間投資ペイロードである。オプションであり交付金でつくられたものではないので、成否を問われること無く学生がのびのび取り組めるペイロードであった。
「はやぶさ2」には「ミネルヴァ2」を積むことになる。

「はやぶさ」の理学探査についての説明。
イトカワは内部に隙間が多数あるラブルパイル構造であること。
小惑星探査で何が分かるかというと、何より先ず地球を知ることが出来るということ。
小惑星のような小天体は太陽系やひいては生命の起源と進化を伝えるタイムカプセル。だから小惑星を調べることで地球の起源と進化を知ることが出来る。
「はやぶさ2」では、小惑星に「水や、有機物」を探しに行く。その為の技術獲得を目指したのが「はやぶさ」だった。

「はやぶさ」の故障について。
2回目のイトカワ地表タッチダウンの後、化学エンジンの燃料漏れが起きた。
事故とはいいたくない。「自業自得」だ!
事故というと被害者意識がある。
しかし、化学エンジンの燃料がすべて無くなったのは誤算だった!!

「はやぶさの目的地はイトカワではない。地球だ!」
いつかは、「はやぶさ」は機体の主軸まわりの回転に落ち着き、太陽電池で受光して電力が確保できる。
しかし、本当の脅威は「年度末」だった。通信途絶の3ヶ月後に年度末、予算が出なくなる恐れがあった。
そこで1年間に60-70%で通信回復の必要条件は整うと確率を出した。プロジェクトを整え、予算を出させる為である。

しかし「はやぶさ」の待っている、送信してくる電波の周波数がわからない。
回転の速さもわからないので、あらゆることを網羅した運用を実施した。

その結果、1年間の予定が7週間で「はやぶさ」からの電波を受信することに成功する。
そこからは「手を握り返してもらう運用」(1bit通信)。1ヶ月かけて「はやぶさ」の状態を洗い出した。
化学エンジンの燃料がないので、IES中和器からのキセノン生ガス噴射や太陽光圧による姿勢制御を行う。
そして地球への帰還開始。

だが2009年11月に、全てのIESが寿命を迎えてしまう。
「『なんて残酷なんだ…』と思った。」
だが、「こんなこともあろうかと」IES担当の國中先生がIESの回路中にバイパスダイオードを挿入していたおかげで「クロス運転」が可能となり、地球帰還は継続される!
「回路上の工夫が必要という考えは、私にはなかった」

2009年の11月26日、生き残ったA中和器の無事を願って、
運用チームのスタッフが探し出してくれた中和神社にお参りに行った。
何をしに来たのかを説明しにくかった。「まさか名前が同じだからとは言えないし(笑)」
しかし宮司さんは「はやぶさ」のことを知っていた、感激!
「JAXAは政教分離だから、神頼みはあくまでプライベート。業務とは分離していますよ(笑)」
だが、このことは幸運以外の科学技術を見直すきっかけになった。

「クロス運転」のリスクとしては、電力不足によるロックアップ(ブレーカー落ち)の危険があった。
(「はやぶさ」の搭載しているバッテリーはこの時点で既に機能喪失しているため、ロックアップが起きると即、探査機が死んでしまう)
実際、ロックアップは起きかけたが、遮断機能が働きすんでのところで助かった
しかしロックアップが起きることで利用可能電力値が解るので、電力担当者はロックアップを喜んでいた。まさか身内にそんなことを考えていた者がいたとは非常に残念である。(会場爆笑)

すべてのはやぶさファンが涙した名文「はやぶさ」、そうまでして君は。の説明。
飛行成功は「技術より根性」。とにかく帰還にこだわった。
かつて、
「さきがけ」ではミッション延長に失敗、悔いを残した。
「のぞみ」では十分根性が付いていたが、それでもなお果たせず。
惜しくも、では駄目だ!どんなに這いつくばってでも、よろめいても、ゴールにたどり着かなければ!!
「はやぶさ」の打ち上げ時も、「のぞみ」の復活を祈っていた…

そして地球帰還。
カプセルからのビーコン音はうぶ声に聞こえた。
着陸地点はアボリジニの聖地だったので、アボリジニの方に確認して貰ってからのカプセル回収となった。
JAXAは通信事業に参入できないという規制があったので、現地からの中継は叶わなかった。

カプセルにはへその緒(アンビリカルケーブル)の痕が残っていた。
新星児(しんせいじ)の誕生と言うべきだ、と思った。


「はやぶさ」最大の成果は、実物のカプセルがある、ということ。
どの国にも、他天体に行って戻ってきたものを展示している博物館なんて無い。

国民に誇りと展望を植えつけるポリシーが欲しい。

そして
「技術より根性」
「高い塔を建ててそこへ登ってみれば、新たな地平が見える」


…川口先生の講演内容レポート、以上です。
「はやぶさを飛ばした男」の、穏やかな語り口に火傷しそうな情熱の迸りが見える、素晴らしい講演でした。

続いて川口先生への質疑応答。
面白い質問も出ました。

Q:地球帰還カプセルのバッテリーについて詳しく教えてください
A:パナソニックエナジー社製。回収後に放電試験をしたら、3時間も持った。
メーカーは欲しがっている。「盗んででも欲しい」らしいので「200億円で売ろうか」と言っている(笑)
(川口先生、バッテリーのサンプルを売りつけて「はやぶさ2」の予算をふんだくるつもりだったんでしょうか(笑))

Q:「はやぶさ」機体の軽量化について
A:配線は銅線ではなくアルミ線、ボルトはチタン。本体を軽くして、その分燃料のキセノンを詰めた。
MVロケット5号機のキックモータ不具合に備えて、キセノンをたくさん積んだ。

僕も質問させてもらいました。
Q:姿勢制御用リアクションホイールが3つともすべて壊れたときに備えた秘策があったそうですが、詳しく教えてください
…読者の皆さんスミマセン、先に謝らせて下さい。
川口先生からは回答頂いたのですが、文系の僕には全然理解できませんでした。orz

この後も、壇上で川口先生と同席していた佐賀県知事が閉会挨拶等すべて省略して時間一杯質疑応答に充てるよう計らってくれたお陰で、本当に最後の最後まで会場から熱心に質問が出されて非常に有意義でした。
佐賀県知事、ありがとうございます!
質疑応答もTwitterのハッシュタグを活用して、講演会参加者のモバイル機器からTwitterのツイートで受け付ける等、面白い試みがありました。尤も僕の携帯電話端末はプラネタリウムドーム内に入るなり圏外となってしまいましたが。


講演会終了後、さいくんさんにクルマで送って頂けたおかげで随分早く熊本に戻ってきました。
さて…「せっかく「ゲキ★ヤス土日乗り放題きっぷ」を持っているんだし、もうちょっと新幹線つばめに乗ろうかな~!」


さて、結局僕は昨日から何回新幹線つばめに乗ったのかな?
(おわり)

「みちびき」旅立ち見送り紀行 ~H-IIAロケット18号機打ち上げ見学記~

2010-09-19 | 宇宙
準天頂衛星初号機「みちびき」 画像提供:JAXA

平成22年9月11日(土曜日) 20時17分00秒(日本標準時)
準天頂衛星初号機「みちびき」を載せたH-IIAロケット18号機が種子島宇宙センターから打ち上げられました。
「みちびき」は実は僕にとっては特別な衛星。
僕が初めて名前を付けた、言うなれば“我が子”(いや、「みちびき」の公式Twitterアカウントでは女性ということになっているので“我が娘”かな)なのです。

今回の打ち上げは週末土曜日の夜と、現地へ見に行くのには絶好の条件が揃っています。
そんな訳で、当然の如く種子島へと打ち上げを見に行きました。
可愛い我が娘を見送るために、夜の打ち上げとなる我が娘の、種子島の闇に輝くであろう晴れ姿を見届けるために!

打ち上げ当日、朝から熊本県八代の自宅を出て種子島へ渡るべく鹿児島市へ向かい出発します。
でも、打ち上げは今夜の20時過ぎだし、時間は充分ある。
それに何より僕は今回、鹿児島までのアクセスにJR九州の全線全列車が土日の2日間に渡って乗り放題になる
「ゲキ★ヤス土日乗り放題きっぷ」
を使うので、このまま種子島に直行するのは勿体無い(笑)
先ずはJR九州の新幹線「つばめ」の乗りつぶしです。

あっラッキー!ちょうど「新800系」つばめがやって来ました!
九州新幹線全区間開業に備えて増備された800系の最終製造バージョンで、車内インテリアデザインが過激なまでに素晴らしいのです!どのくらい素晴らしいかというと…
見よ!これが究極の新幹線「新800系」つばめの車内だ!

金箔壁に、金箔押の細工物。加賀の名工が手掛けた、本物の美術工芸品が車内を飾ります!
ここは名園の茶室ではありませんよ、新幹線の車内です!!


自由席でも座席は桜材に西陣織。
「ここまでやるか、JR九州デザイン顧問水戸岡鋭治氏…!」



つばめの車窓は、青空と時々碧い海。
天候は申し分なし、今夜の「みちびき」打ち上げにも期待が高まります。


気がつけば新八代―鹿児島中央間の九州新幹線を何度も行ったり来たりしてしまいました(笑)
つばめを堪能して、すっかり満足…って、今回の旅は乗り鉄が目的ではありませんよ!
鹿児島中央駅からバスに乗って(乗り場が解り難いのが難点ですが、駅前から150円で港地区まで行けるドルフィン150というバスが30分おきに出ています)、いよいよ本来の目的地である種子島へと渡るべく鹿児島港の高速船ターミナルへと向かいます。


種子島行き高速船に乗る前に眺める、錦江湾の向こうの桜島。
山頂に少し雲がかかっていますが、素晴らしい快晴です。種子島でもこのまま夜まで晴れていてくれることを願います。

高速船ターミナルで、種子島で同行させていただくあつ志さんと合流。午後一番の便で出航。
乗船後はぐっすり寝てしまい、気がつけばもう種子島の西之表港に接岸するところでした。

「約束通りまた来たぞ、種子島!
今回は、あかつき・イカロス打ち上げの仇を討たせてもらうからな!!」


そう、僕にとって今回の「みちびき」打ち上げ見学は、
リフトオフ6分前に打ち上げが中止・延期された前回のH-IIAロケット17号機のリベンジでもあるのです!

西之表港で、つうなさん達と合流。
あつ志さんの手配してくれていたレンタカーに同乗して一路、種子島宇宙センターのある南種子町を目指します!
…が、途中で補給のために立ち寄った中種子のスーパー「Aコープ」駐車場で、レンタカーのキーが回せなくなりエンジンがかけられなくなるトラブル発生。
結局、レンタカー業者に代車を用意してもらって、今回の打ち上げ見学場所に着いたのはもう夕方。
霧島さん、副部長(金木犀さん)、しないつぐみさん達、前回・前々回も御一緒した「いつもの種子島遠征メンバー」の皆さんと再会の挨拶を交わします。

見学場所から見た、種子島宇宙センター大型ロケット発射場。




夕陽に照らされ大型ロケット発射場第1射点に屹立する、「みちびき」を載せたH-IIAロケット18号機の雄姿。
既に打ち上げ準備は最終段階を迎えており、数時間後の打ち上げに向けてカウントダウンも進行中の筈。


それにしても、山の先の海の向こうにロケットが見える素晴らしい眺めです。
見学場所は林道沿いのちょっとしたスペースなので、道端に避けて立ちっ放しなのですが、
打ち上げを見に集まった人達と景色を眺めながら打ち上げのことをあれこれ話していると結構楽しくて、あっという間に時間が過ぎていくような感覚です。




だんだんと暮れていく、いまだ晩夏を想わせる夕陽。
次第次第に夕闇に包まれる種子島宇宙センター大型ロケット発射場。
その美しさに見惚れると同時に、刻一刻と近づく「我が娘の旅立ちの刻」に名付け親の緊張感も高まります。

気が付けば、空には満天の星座と天の河。遂に天候は快晴のままで夜を迎えることが出来ました!
打ち上げカウントダウンも問題なく進行中、あとは“そのとき”を待つばかり。
そして、
20時17分00秒!!




H-IIAロケット18号機、リフトオフ!!

その瞬間、夜の海の闇の向こうに輝くロケットの噴射炎が、
僕には確かに、我が娘「みちびき」が光を纏って嬉しげに夜空に舞い上がる姿に見えたのです。

「さあいよいよ宙(そら)へ行くんだ、我が娘よ!
一生懸命翔んで、皆んなの役に立つ愛される星になるんだぞ…!」



駆け上ったH-IIAロケット18号機は、いつまでもいつまでも消えること無くその姿を星空に留めています。
「あっ、いまSRB-A(固体ロケット・ブースタ)が切り離された!」
切り離されたSRB-Aが、恐らく燃え殻となって回転しながら落下しているのでしょう、火の粉のように瞬きながら堕ちていくのがはっきりと見えます。
「ロケットの光が消えたぞ!」
「第1段のLE-7Aエンジンが燃焼終了したんじゃないか?」

やがて「あっ、また光が見えた!」
「第1段を切り離して、第2段エンジンが点火したんだ!」
「そんなものまで見えるなんて…信じられない!」


結局、10分間程も見え続けていたでしょうか。
段々と光度を落として夜空の星と見分けが付かなくなったH-IIAロケット18号機は、山影に隠れようとする頃にふっ…と視界から消えました。
尤もその頃には、帰りの見学者のクルマのヘッドライトが眩しくてじっくり夜空を観測できる状況ではなくなっていたので、
もしクルマの明かりに邪魔されなければ地平線に沈むまでずっと見えていたかも知れません。
何れにせよ、素晴らしい打ち上げでした。
とても綺麗な、でも少しだけ寂しくて、そしてとても嬉しい打ち上げでした…!
「みちびき、誕生おめでとう。行ってらっしゃい!いい旅を…」

みちびき特設サイト 「みちびき」を載せたH-IIAロケット18号機はその後も順調に飛行し、
打上げ後約28分27秒に「みちびき」を分離。打ち上げは成功しました!



リフトオフの瞬間、眩い光に包まれた種子島宇宙センター大型ロケット発射場も、何事もなかったかのように暗闇に覆い隠されてしまいました。
でも、実際は今から打ち上げの後片付けやら撤収作業で「中の人たち」は大変なんですよね。本当にお疲れ様です。

さてと、僕たちも宿に引き揚げますか。

宿では心づくしの夕飯が待っていました。
今夜は祝杯だ!娘を嫁がせた父親の気持ち(笑)で、飲むぞー!
…といきたいところなのですが、そういう訳にもいきません。
実は僕は、明朝は4時半起きなんですよ~!
朝一番の高速船で種子島を離れて、そのまま佐賀県の武雄温泉にある佐賀県立宇宙科学館へ行かねばならないのです。
そう!打ち上げの翌日は小惑星探査機はやぶさのプロジェクトマネージャ川口淳一郎先生の講演会に参加するのです!!

という訳で、打ち上げの余韻に浸る間もなく慌しく食事を済ませ、さっさと床に就きます。
…と言いつつ、宿に集まった皆さんと何やかやと楽しく話し込んでしまい、就寝したのは確か午前2時近くだったような。
数時間の睡眠時間しかないけれど、果たしてちゃんと起きられるのか?
そして無事に海を渡って九州を縦断して武雄温泉に到達できるのか?
小惑星イトカワへの旅-小惑星探査機「はやぶさ」の挑戦と成果- 川口プロジェクトマネージャ講演会を聴くに続く

島を離れる朝

2010-09-12 | 実況
昨夜のH2A-18「みちびき」、天の川に旅立つ素晴らしい打ち上げでした。
感動覚めやらぬまま、夜明けと共に種子島を離れてこれから九州新幹線で移動、一路佐賀武雄温泉に向かいます。
今日は「はやぶさ」を飛ばした男・川口PMの講演会!

種子島に出発!

2010-09-11 | 実況
現在位置:鹿児島港高速船ターミナル。
桜島には雲がかかっていますが、いい天気。
そして暑い!

ロケットは予定通り機体移動を実施、今夜の打ち上げを待っているようです。
それでは、行ってきます!