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2015-16年越し中欧紀行 2:MEGASTARとCarl Zeiss、ワルシャワの2つのプラネタリウム巡り

2016-01-24 | 旅行記:2015-16中欧

1:熊本発東京ロンドン経由ワルシャワ行き空の旅からの続き

2015年12月27日

ワルシャワに到着後、一夜明けたらさっそくメトロ(地下鉄)に乗って出発。


ワルシャワのメトロ2号線は2015年の春に開業したばかりなので、まだ新しくてピカピカ。
駅も車輌もきれいで快適そのもの。

真新しいメトロに乗ってやって来たのは…


Copernicus Science Center(コペルニクス・サイエンス・センター)に併設されたプラネタリウム「THE HEAVENS OF COPERNICUS」

ポーランドが生んだ偉大なる科学者の名を冠した、ヨーロッパで最も先進的と評される最新の科学館のプラネタリウム「THE HEAVENS OF COPERNICUS」はワルシャワ市内を流れるヴィスワ川の畔にあり、メトロ2号線のCentrum Nauki Kopernik駅で降りてすぐの場所にある。



早速チケットを買い求めようとすると、窓口の女性から英語で「これから上映される午前10時の回は子供用プログラムだけどいいの?」と聞かれる。
正午からの上映回は一応「大人用」のようだったので、その回のチケットを購入。

思いがけず時間が空いてしまったので、プラネタリウムを出てヴィスワ川の河川敷を散歩していると…


川の対岸に建つ巨大な国立競技場のスタジアムと、その前に架かった鉄道橋を渡る列車がよく見えることに気がついた。これは絶景!
早速、行き交うポーランドの列車たちを撮り鉄する(笑)

…それによく考えたら、このヴィスワ川の鉄橋と国立競技場は前回ワルシャワに来た時にも車窓から目にしていた事を思い出した。
3年ぶりに目にする懐かしい風景なのだった。


ポーランドの電気機関車はヘッドライトが大きくて、愛嬌のある顔をしている。


鉄道橋の奥に架かった道路橋はトラム(路面電車)も渡って行く。

鉄橋を渡る列車を眺めて写真を撮っていると、もう正午近くなった。
プラネタリウムに戻ろう。





ワルシャワの「THE HEAVENS OF COPERNICUS」の傾斜型16mドーム内に据え付けられているのは…


世界最強のスーパープラネタリウムMEGASTAR-IIA!!
日本人プラネタリウムクリエイター大平貴之氏によって生み出された究極のプラネタリウム投影機である。
ここ「THE HEAVENS OF COPERNICUS」では更に太陽・月・5惑星投影機を備えた光学フルシステムを構築している。

MEGASTARの生み出す力強い最高の星空を、冬の曇天の下のワルシャワで暫し満喫…

MEGASTARを鑑賞後は、急いでメトロ2号線に乗ってワルシャワ中央駅近くに引き返す。
向かった先は…


文化科学宮殿の下にある科学技術博物館MUZEUM TECHNIKI



この博物館の宇宙科学関連の展示室には、小さなプラネタリウムのドームがある。




「プラネタリウム 追加料金3ズロチ」と素っ気なく書かれた小さなプレート。

…実は僕は、このワルシャワ科学技術博物館の小さなプラネタリウムを観る事をこの3年間ずっと願っていたのだ。
前回ここを訪れた時、すぐにウィーン行きの列車に乗らなければならず時間が無くて、ドームの前まで来てプラネタリウムを観ることを断念してワルシャワを後にしていたのである。

今日は遂に、3年越しの念願を叶える事が出来る。





小さなドームに入ると、あの時と同じ姿でこれまた小さなプラネタリウム投影機が迎えてくれた。
「ああ、とうとうまた会うことが出来た!久しぶりだね、カールツァイス!!」

そう、このプラネタリウム投影機は小さいけれど名機のCarl Zeiss。
カールツァイス・イエナZKP-1なのだ!


投影機のフレームに誇らしげに掲げられた銘板には機体番号286とある。


ドームの地平線に描かれた都市のスカイライン、通常はドーム内張り部に直接ペイントされた物が多いのだが、ここワルシャワ科学技術博物館のプラネタリウムでは何とビルの形状をペーパークラフト状に組み上げた物が使われている。
内部には豆電球が仕込まれており、まるでジオラマ模型のように上映中にビルの窓に明かりが灯るという非常に凝ったものだった。

そして始まったカールツァイス・イエナZKP-1の投影。
Carl Zeissらしい温かみのある星空が小さなドーム天井に広がり、無限の宇宙を映し出した…

上映後、コンソールブースから出てきた高齢な女性のプラネタリアンに簡単な英語で「あの…このプラネタリウム、カールツァイス・イエナ、とても素晴らしいですね!」と声をかけると、満面の笑みで「これ、もう60歳よ…ええ、本当にCarl Zeissはいいわよ!!」と応えてくれた。
「60歳…ベリーオールド、バット、ベリーグッド!!」

ワルシャワ科学技術博物館を出た後で気が付いたのだが、全く同じ会話を今年の夏にクロアチアのザグレブ技術博物館でもプラネタリアンの初老の男性と交わしていた事を思い出した。
ザグレブ技術博物館のCarl Zeissは確か50歳だったが、ワルシャワのCarl Zeissはそれよりさらに10歳分も古いのか…

世界最強のスーパープラネタリウムMEGASTARと、古くても世界最高の名機Carl Zeiss。
その両方に会うことが出来る、ワルシャワはなんて贅沢なプラネタリウムの街なんだろう…!


…そして、日が暮れると今度は本物の星空の下に、ワルシャワの街のもう一つの贅沢な物語が幕を上げる。
今夜はワルシャワ大劇場でポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場のオペラを観るのだ。

3:ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場 オペラ「リゴレット」を観るに続く


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