天燈茶房 TENDANCAFE

さあ、皆さん どうぞこちらへ!いろんなタバコが取り揃えてあります。
どれからなりとおためしください

2017年夏休み セルビア・ブルガリア旅行記 3日目(2017年8月14日)

2017-10-22 | 旅行記:2017 セルビア・ブルガリア

2日目(2017年8月13日)からの続き

今日は朝からベオグラード郊外まで「チトーのブルートレイン」の見学に行く。
(→Plavi voz ~チトー大統領のブルートレイン 1:ベオグラードの森の中に眠る青い列車

無事に見学を終え、ホテルまで戻って来た。
今日の午後はブルートレインに会えた感動の余韻に浸りながら、ベオグラード市内を散策して過ごすことにする。


先ずはベオグラード駅の先、サバ川の畔へ。


川めぐりの遊覧船もやって来た。
この辺りは最近再開発されて川沿いの倉庫を改修したお洒落なカフェやレストランが建ち並ぶエリアになっており、
ベオグラード市民の散歩コースや若者のデートスポットになっているとか。


サバ川に沿って進むと、背後にカレメグダンの砦が見えてくる…


カレメグダンの丘に登るとこの眺め。
手前に見える青いドーム屋根は古いトルコ式浴場だが、現在はプラネタリウムになっているらしい。


プラネタリウムと聞いたら観に行かない訳にはいかない!
…しかし、残念ながらこのプラネタリウム・ベオグラードは学校の児童生徒の教育用に使われているらしく、一般向けの投影は行われていないらしい。
現地在住の方に聞いた情報によると「旧ユーゴ時代にチトーが買ってきた」というカールツァイス・イエナ社製の名機ZKP-1が使われているらしいのだが。


カレメグダン砦の城門周辺は兵器の展示会場になっている。
NATO軍によるベオグラード空爆の際に反撃してステルス機を撃墜したことで名を馳せたロケット砲の実物の姿も…


小さい戦車。“豆タンク”と言うんだっけ?


カレメグダン公園の門を出てからトラムの走る道路を横断歩道で渡って、目抜き通りのクネズミハイロ通りへ…


昼下がりのクネズミハイロ通り。
ベオグラードで一番お洒落な繁華街だ。


絵を売る露店も並び、ヨーロッパの街らしい洒落た雰囲気が漂う…


だがそんなクネズミハイロ通りにも、こんな巨大ショッピングセンターの建設が進められていた。
…いかにも高級そうな店構えだけど、瀟洒なクネズミハイロに大型店はやっぱり似合わない気がするなぁ。
(と言いつつオープンしたら便利に使えそうな感じではあるけれど(笑)


クネズミハイロ通りを抜けて共和国広場へ。
セルビア国立博物館は相変わらず改修工事で閉館中。一体いつになったら再オープンするのやら…


国立博物館の斜向いにあるベオグラード国立劇場はシーズンオフで夏休み中。
ここには今度涼しい季節に、バッチリ正装してオペラ公演を観に来るつもり。


共和国広場からさらに進んでテラジエ広場へ。
この辺りの都市景観はいかにも旧共産圏といった感じで、無機質なコンクリートのビルが連なる。


ホテル・モスクワ。
かつてはベオグラードを代表する高級ホテルで、1908年の創業以来世界中の著名人が宿泊したことで知られる。
アインシュタイン博士も宿泊した事は有名だが、セルビア人の天才発明家ニコラ・テスラも生涯ただ一度のベオグラード滞在ではここに一泊したのではないだろうか…?


という訳で、僕も敬愛するニコラ・テスラにあやかってホテル・モスクワで一休み。
ホテル・モスクワのカフェで定番の人気メニュー、モスクワケーキをいただきます。


モスクワケーキは今ではベオグラード中のカフェで作られるようになって、すっかりベオグラード名物になっている。
ウィーンのザッハトルテのような、街の顔になった偉大なケーキだ。

ホテル・モスクワで一息入れたら、もうひと歩き。
ベオグラード駅前に戻って来た。


ベオグラード駅前にはNATO軍による空爆でピンポイント爆撃されたセルビア軍関連施設の通称“空爆ビル”が今も残る…
が、最近になってようやく解体作業も始まり、きれいに再開発されるらしい。


ベオグラード駅前のロータリーで見かけた黄色い路線バス。
日本の復興援助で導入されたバスで、日本からの贈り物であることを表す日の丸がセルビア国旗と並んで車体に描かれている。


もう既に導入からかなりの日時が経過している筈だが、今でも大切に使われている日の丸のバスを見ていると日本人として幸せな気持ちになる。
これからも日本とセルビアの友情のシンボルとしてベオグラードの街を走り続けて欲しい。
(…っていうか、そろそろ新しいバスも日本の追加援助で贈った方がいいんじゃない?
東日本大震災でもセルビアの人たちから信じられない程たくさんの支援金を贈ってもらった恩もあることだし。)


すっかり日が暮れた頃、再び共和国広場へ。
今日は歩き回ったのでさすがに疲れた…


シーズンオフ中でもライトアップされるベオグラード国立劇場。
…ああオペラが観たい、バレエも観たい、クラシックコンサートが聴きたい!(笑)


こちらは怪しくライトアップされて夕闇に不気味に浮かび上がる社会主義時代の高層ビル。
ワルシャワの文化科学宮殿もそうだが、なぜ旧共産圏ではただでさえ無機質でグロテスクな社会主義ビルをさらに恐ろしげに見えるようにライトアップするのだろう?
子供が見たら泣くぞ!(笑)


ライトアップされていないべオグラジャンカ(ベオグラード娘という意味で、ベオグラードで初めて建てられた高層ビル)のふもとに新しく出来ていたスーパーマーケットiDEAで夕飯を買い物して…


夜でも賑やかなクネズミハイロ通りをぶらぶら歩いて帰る。
ああ、楽しい一日だった!

4日目(2017年8月15日)に続く

北海道大学総合博物館と稚内市青少年科学館を見学しました

2017-10-22 | 博物館・美術館に行く

先週末、ちょっとした休暇が取れたので2泊3日で北海道に行ってきました。
新千歳空港からJRの快速エアポートに乗り、札幌駅から向かった先は…


北海道大学総合博物館
昭和4年に完成した北海道大学の旧理学部本館であるレトロな建築で、現在は大学付属の博物館となっています。



北海道大学総合博物館の膨大な展示物から、特に興味をそそられたものをいくつかご紹介します。


やっぱり北海道といえばCAMUI(カムイ)ロケット!


CAMUI(カムイ)ロケットは北海道大学をはじめ、北海道工業大学や民間企業の植松電機によって開発が進められています。
基本的にポリ袋と同じ成分(ポリエチレン)を固体燃料として使い、液体酸素の酸化剤を併用するハイブリッドロケットで、
圧倒的な低コストで高性能、さらに推進剤の毒性が低く環境に優しいロケットを目指しています。


北海道発のアマチュア衛星であるHIT-SAT
2006年にMVロケット7号機で太陽観測衛星「ひので」に相乗りして打上げられたので、
このキューブサットの打上げを僕は内之浦で見ているなぁ…


かつて苫小牧にあった北海道大学の11m電波望遠鏡で実際に使用されていた装置類。


…苫小牧に北大の電波望遠鏡があったなんて知りませんでした。
しかし、残念ながら老朽化により昨年3月に運用を終了しているそうです。

そして、北大総合博物館で宇宙ファンにとって一番の目玉とも言える展示がこちら!


小惑星探査機はやぶさ2のサンプラーホーンかき上げ部の試作品です!
これは本当に初めて見ました!


より確実に小惑星の地表の砂粒を確保できるように、はやぶさ2のサンプラーホーン底部には“返し”が付けられているのは知っていましたが、
なるほどこのように北海道大学の研究室で試行錯誤しながら開発されたのですね…
来年の小惑星リュウグウへの到着とタッチダウンがますます楽しみになってきました!

ちなみに、北大総合博物館には展示品以外にもこんな面白いものもあります。




重力基準点「札幌GS」です!
…国土地理院が相対重力測定に用いる基準点の一つで、非常に重要なものなのですが、
なぜか階段下の物置のような場所の床下に設置されています(笑)


最後に、総合博物館のシンボルである吹き抜け「アインシュタイン・ドーム」
なぜアインシュタインなのかはよく分からないそうなのですが、どうやら東京三鷹の国立天文台にある太陽分写真儀室「アインシュタイン塔」と何らかの関わりがあるらしい…

かくして、駆け足で観て周った北海道大学総合博物館、見応え充分で全然時間が足りませんでした。
北海道大学のキャンパスも公園のように気持ちがよく、ライラックの花が咲くシーズンには構内の散策や北大名物ジンギスカン鍋パーティが最高だそうです。
またいつか、もっと時間を確保して再訪したいですね!


北海道大学から札幌駅に戻り、旭川行きの特急「ライラック」と稚内行きの特急「サロベツ」を乗り継いで、この日は稚内へ移動して一泊。

翌日は日本最北端のプラネタリウムである稚内市青少年科学館のプラネタリウムを見学しました。




昭和レトロなプラネタリウム室入り口。


こちらがご本尊、日本国内ではおそらく二番目に古いという1974年式の五藤光学研究所GX-10T投影機
…僕より歳上の五藤投影機は初めて見ました!
現在でも元気に稼働中ですが、最近ベテルギウスの光度が薄くなってきているのでリアルに心配だとか。
そのうち、ある日突然ものすごく明るくなってそのまま消えたりしないでしょうね?(笑)


稚内市青少年科学館のプラネタリウムのすごいところは、投影番組を自館オリジナルで作成しておられるところ。
全て手作りだそうで、手描きの味のある絵とナレーションを楽しむことが出来ます。

日本一北にあるプラネタリウムでの温かなひと時、楽しかった。おすすめです!

やつしろ全国花火競技大会の臨時列車が走りました…雨天でしたが。

2017-10-21 | 鉄道

本日、熊本県八代市で毎年恒例の「やつしろ全国花火競技大会」が開催され、
多くの見物客を輸送するためのJR鹿児島本線の臨時列車が多数運行されました。

…あいにく午後から雨が降り出す悪天候となりましたが花火大会は雨天決行され、
今年も大勢の人が列車で八代市に向かったようです。


今年も2往復運行された、福岡・北九州地区から直通の団体臨時特急列車。


2往復とも783系ハイパーサルーンが使用されました。


福北ゆたか線と長崎地区から817系が応援に駆けつけ、
4両編成で熊本-八代間の臨時普通列車としてピストン輸送しました。


定期運行の普通列車も4両編成に増強されています。
815系と817系の併結編成も投入されました。


福岡地区からは811系も応援に駆けつけました。


毎年、秋の花火大会の日にだけ熊本地区を走る811系。


花火大会臨時列車の行き交う合間を縫ってSL人吉も通常ダイヤで運行。

撮影地:鹿児島本線 小川-有佐間

2017年夏休み セルビア・ブルガリア旅行記 2日目(2017年8月13日)

2017-10-09 | 旅行記:2017 セルビア・ブルガリア
1日目(2017年8月12日)からの続き


昨夜は雨が降っていたブルガリアの首都ソフィアの朝。
どんよりとした雲の下に緑の多い街並みが見える。

今朝はすぐにソフィア空港に引き返して、イスタンブール行きの飛行機に乗らなければならない。

…当初の予定では、これからホテルの目の前の中央駅から昼行の国際列車に乗って丸一日かけてセルビアの首都ベオグラードへと向かい、
ベオグラード滞在後は夜行の国際列車で再びソフィアに戻って来るつもりだったのだが、
何と夏季のダイヤ改正でソフィア-ベオグラード間の夜行列車が突然廃止されてしまった。

「往復とも昼行列車だとさすがに飽きるなぁ…客車にエアコンも付いていないだろうから暑いだろうし体力的にもキツイな」という訳で、
急遽往路を飛行機利用に切り替えたのだ。そしてイスタンブール経由のターキッシュエアラインズ(トルコ航空)が一番、航空券が安かった(笑)
航空券が安いのには当然理由があり、何と途中のイスタンブールで乗り継ぎ待ち時間が7時間以上もあるのだが、その間に街に出てイスタンブール観光が楽しめると思えば逆にラッキー!

ちなみにソフィア-ベオグラード間の鉄道切符も以前はドイツ鉄道DBの代理店を通して日本国内で事前に予約できたのだが、
これも突然、代理店での事前予約がブロックされてしまい現地の鉄道駅でしか購入手配できない状態になってしまった。
この区間の国際列車は完全予約制の全席指定だ。もし事前に指定席券が売り切れてしまえば乗車できない!

やむを得ず、今回の復路のベオグラード発ソフィア行き国際列車が万が一にも満席だった場合を考慮して、同区間の航空券も購入しておいた。
もっともこれは、国際列車の指定席券が現地で無事に購入できたら払い戻すつもりである。

…このように、少ない休暇日数を駆使して無理やり詰め込みの旅程を組み、帰国日時が厳密に決っているジャパニーズ・リーマンパッカーには、色々と気苦労が多いのだ。
ああ、時間を気にせずのんびりと旅する“深夜特急のバックパッカー”が羨ましい!


かくして、昨夜遅くに到着したばかりのソフィア空港にすぐにまた舞い戻って来てしまった(笑)
ソフィア発イスタンブール行き、ターキッシュエアラインズ1028便は日本でもお馴染みの小型機B737。主翼の先端が大きく反り返った、最新型のB737-800だ。
東欧の航空会社の飛行機は中古機ばかりという印象があるのだが、ターキッシュエアラインズは新しくて良い機材を惜しみなく投入しているようだ。


搭乗ゲートの目の前で、預け荷物が積み込まれる様子が見える。海外では概ね荷物の扱いが乱雑で、平気で放り投げたりするので見ていてヒヤヒヤする。
僕の愛用のトランクは壊されたり行方不明になったりせず、無事に目的地の空港に届きますように…


ターキッシュエアラインズ1028便は真夏のバルカン半島南部を飛んで一路イスタンブールを目指す。
いにしえのオリエント急行の欧州最終区間であるこの辺り、地上を列車で走ると面白そうだ…いつかまた、今度は鉄道でイスタンブールまで行ってみたい。


ターキッシュエアラインズでは欧州域内の短距離便でもしっかり機内食が出る。
まぁ、サンドイッチと飲み物だけの簡単なものなのだが嬉しい。

ソフィアから1時間ちょっとでイスタンブールに到着。
アタチュルク国際空港の滑走路が混雑していたようで、30分近くもマルマラ海の上空で旋回しながら待機して着陸。
その後は今度は空港の入国審査が大混雑で、ここでも1時間近く待たされてからようやく、トルコに入国!




イスタンブールに来たら、空港に乗り入れている地下鉄とトラムを乗り継いで、先ずはここへ。
旧市街と新市街が金角湾を挟んで向かい合うガラタ橋のたもとで海とガラタ塔を眺める。


それにしても、暑い!!
気温40度はあるな…真夏の熊本より暑いかも知れん!
目の前の金角湾に飛び込んで泳ぎたいくらいだ。

本当はここで名物の鯖サンド(エキメッキ)を頬張るつもりだったのだが、この暑さでは鯖も傷んでしまうのか、
日本人を見つけると「へい旦那!鯖だよ鯖だよ、食って行きな~」と妙に流暢な日本語でしつこく声をかけてくるエキメッキ売りの屋台も見当たらない。
残念…


アヤ・ソフィアは観光客で大混雑。
内部の装飾が素晴らしく、特に大聖堂の壁に掲げられたイスラームの言葉が刻み込まれた巨大な銘板の美しさは今でも忘れられず、是非また見たいところだが…
暑さと人混みに負けて近寄ること無く退散。
いつかまた来ます…


アヤ・ソフィアの向かいにあるスルタンアフメット・モスク(ブルーモスク)も僕にとっては思い出深い場所(内部の見学中あまりの見事さに感動して見入っていたら礼拝が始まって施錠されてしまい、やむを得ずそのまま礼拝に同席してしまった)だが、この時点で暑さと歩きまわった事による体力の限界が…


真夏のイスタンブールは街歩きには過酷すぎる…
今度また涼しい時期に来て、ゆっくり散策しよう。




イスタンブール発ベオグラード行きのターキッシュエアラインズ1083便は午後7時前に離陸。
眼下に夕陽に照らされたイスタンブールの街並みが広がる。


ベオグラード便でもしっかり機内食が出た。


チーズとトマトの簡単なサンドイッチだが(確かハムも選べた気がする)、ちゃんと加熱してあるのでチーズがとろけて美味しい。


そして、何とデザートにヨーグルトが!
ターキッシュエアラインズのオリジナルのはちみつ入りヨーグルト。

トルコとセルビアでは時差があるので1時間繰り上がって、午後7時半にベオグラードのニコラ・テスラ空港に到着。
僕が大好きな天才発明家の名前を戴く空港なのでテンションが上がる…(笑)
ここで、事前に打ち合わせしておいた通りにタクシーにピックアップしてもらう。
今回の旅で世話になった、地元ベオグラード在住の方に紹介してもらった運転手さんと握手を交わし、今夜の宿泊先へ。


今夜の宿泊先…って何だこの室内インテリアの派手派手さは!複製画とかまで飾ってあるし。
ベオグラード駅前のアストリアホテル、数年前に一度予約なしの飛び込みで泊まったことがあるが、あの時は薄暗くてボロい安ホテルだったのにいつの間にこんなことに(笑)
ホテル名がクイーンズ・アストリア・デザインホテルと仰々しいものに変わっていたが、ちょっと気合い入れてリニューアルし過ぎた印象。


以前は薄汚かったバスルームも、バスタブは無いがすっかりきれいになっていたのは嬉しい。


無事にホテルにチェックインして、運転手さんと明日の予定を打ち合わせして別れてから、ホテルの目の前のベオグラード駅へ。
ここでソフィアへの帰りの国際列車の切符を無事に購入出来た。よかった、航空券を払い戻せば差額でかなり旅費が安上がりになった。

せっかくなので、ちょっと夜のベオグラード駅の構内を見ていくことにする。






ちょうど列車が到着したところで、大勢の乗客が降りてきた。
…それにしても、ベオグラード駅の独特の雑然さとプラットホームの暗さは相変わらずだなぁ。


そんなベオグラード駅にもピカピカの新型車両の姿が。
スイスのシュタッドラー社製の底床電車。この他にロシア製の新型気動車も導入されているらしいが、この日は姿が見えなかった。


チェコスロバキアのプラハ製のメーカーズプレートを掲げていた構内入換用の小型ディーゼル機関車。
これとよく似たプラハ製の小型DLを、以前ベトナムのハノイ駅で見た記憶がある。


出発準備を整えたブダペスト・ケレティ駅行き国際寝台列車。


リュブリャナ経由スイス方面行き国際寝台列車に連結されていたチェコ鉄道のクシェット(簡易寝台車)。
近年バルカン半島でも夜行列車が減っている傾向にあるが、夜のベオグラード駅はそれでもまだまだ国際色豊かな鉄道車両を見ることができて楽しい。


プラットホームの片隅にあった洗面・水飲み台。
蒸気機関車の煤煙の洗い落としと夜行列車明けの朝の洗顔に欠かせない設備。日本でも門司駅や下関駅、肥薩線の大畑駅にもこれと同じものがまだあった筈…


そろそろホテルに帰ろうか…


ホテルで今日の「家計簿」をつけて財布の整理をしていたら、
ベオグラード駅の切符売り場の窓口でおつりに貰ったニコラ・テスラの100ディナール札が出てきた。
こんばんはテスラ博士。僕はまたあなたの祖国にやって来ましたよ…
もっともテスラ自身はセルビア人とはいえ生まれも育ちもクロアチアだし、ベオグラードには一晩滞在した事があるだけらしいけどね。

明日はいよいよ、旧ユーゴスラヴィアの残り香のような「チトーのブルートレイン」を見に行く
おやすみなさい…。

3日目(2017年8月14日)に続く

今日のクルーズトレイン「ななつ星in九州」とED76貨物列車とSL人吉(平成29年10月8日)

2017-10-08 | 鉄道

世間は体育の日で三連休の真っ只中ですが、連日残業続きで疲れていて体調は優れないし、どこかに出かける準備する気にもなれないし…
と愚痴っていても楽しくないので、ご近所に撮影に行ってきました。


空は青いし田んぼは青々としてるし白い雲も浮かんでるし、まるで夏のような景色ですが、
これが熊本の秋の風景です(笑)
ED76が牽く貨物列車も連休中なのにコンテナ満載で景気が良さそう。


続いて「ななつ星」も真横から…
う~む…真っ黒だ。


現在、九州の主要路線が相次ぐ災害でズタズタに寸断されている関係で「ななつ星」も走行ルートを大幅に変更、
毎週2回も白昼堂々熊本県下を縦貫する暫定ダイヤで運行中。

…という訳で、図らずも「ななつ星」で地元路線をじっくり走るチャンスが思いがけず到来したのです。
そこで暫くの間休止していた「ななつ星」の乗車申し込みを来年春夏コースから再開しました!
さて、今回は当選しますかどうか。結果発表は来月、ドキドキ…

夕方、場所を変えてSL人吉を出迎え。








こちらは如何にも秋らしい写真になりましたね。
気が付けば今シーズンのSL人吉の運行も残すところあと1ヶ月ちょっと。もうすぐ夕焼け写真の季節が始まります…

原寸大ダンボール蒸気機関車「C62」初公開!

2017-10-05 | 鉄道
Photo:“原寸大ダンボール蒸気機関車”「C62 51」


昨年公開され、その巨大さと精巧さで見る者の度肝を抜いた段ボール工芸家・島英雄さん製作の“原寸大ダンボール蒸気機関車”「D51」
(→段ボールの原寸大D51が熊本にやって来た!!

この程、待望の新作…いや新車が遂に完成!
初公開が始まったので早速見に行きました!


初公開の会場はJR筑後船小屋駅前にある九州芸文館




これが今回、初公開された新車…
日本最大の蒸気機関車「C62」です!


前作の「D51」よりさらに一回り大きくなり、まさに圧倒的な迫力!!
また、大きさだけでなく作りの精巧さも凄いクオリティ。ボイラーの縁の滑らかな曲線まで見事に再現されています。
本当に、段ボールで出来ているなんて信じられない…


パノラマ撮影したC62の全体像。
九州芸文館の展示室を占領した、全長約22mの巨大さがお分かり頂けるかと思います。






実際にC62を製造する際に用いられた図面をもとに切り出された部品で構成されているので、細部まで本物と寸分違わぬ仕上がりになっています。
重量感溢れる足回り、今にもピストンが力強く動輪を押し出して走り出しそう…


ボルトの頭に可愛らしいイラストが描かれていますね。
製作を手伝った子供たちが記念に描いたのかな?


運転室周りのプレート類も精巧に配置されています。

ナンバープレートの「C62 51」は、実機のC62が「C62 49」まで49両製造されていて、その続き番号ということで松本零士氏原作の名作「銀河鉄道999」のTVアニメ版に登場する機関車「C62 50」のさらに続き番号として51号機を名乗っているとのこと。
…C62と、銀河鉄道999へのリスペクトを感じる心遣いですね。

メーカーズプレートが日立になっているのは、C62の図面を提供してくれた日立製作所笠戸事業所へのリスペクトでしょう。
さらに所属区が門司機関区であることを示す「門」の機関区票が挿してありますが、実際には九州で運用されなかったC62の実機には一度も挿されたことが無い機関区票です。


よく見ると、運転室内も計器類が並び、きっちり作り込まれている事が分かります。


除煙板(デフレクター)にはつばめのマーク。
実機の「C62 2」に設置されていた、東海道本線超特急「つばめ」号の牽引機であった事を示す通称“スワローエンゼル”も取り付けられています。


真正面から見ると…なんだか妙にスッキリしているというか、微妙にスカスカ感が。
実は“原寸大ダンボール蒸気機関車”「C62 51」はまだ未完成の状態。公開しながら会場で部品を制作し、どんどん取り付けている状況なのだとか。
実際に僕が会場に着く少し前まで、製作者の島英雄さんが会場で新しい部品の取り付け作業を行っておられたそうです。残念!お会いしたかった…


車体の裏側を覗いてみると、確かにまだ大部分の部品が取り付けられておらず製作途上の状態です。
10月15日までの初公開期間中に完成するかな…?


炭水車(テンダー)の最後尾は、まだライト類や連結器が無い状態。
ナンバープレートは赤地になっていますね。


そして会場の片隅には、制作途中の段ボールの部品類が…
まだまだ作り込み作業は続くようです。完成度をより高めるための努力が伝わってきます。


ちなみに、機関車本体だけではなく周辺部の作り込みも凄い。
これは機関車が載っているレールのつなぎ目ですが…何なんだこの段ボール製とはとても思えない異様なリアルさは!?(笑)


会場の入り口には、ブルートレイン「はやぶさ」の実物のヘッドマークも展示されていました。
実際にC62は山陽本線で「はやぶさ」を牽引していた時期があります。


C62とは直接関係無いけど、ブルートレイン「なは」のヘッドマークも。


段ボール綿棒アートのウェルカムボード。


会場の隣の展示室には可愛らしいミニD51段ボール模型の製作中の車体が。親子で作るワークショップが開催されているそうです。
ここでミニD51を作ってものづくりの楽しさを知った子供たちが将来、島英雄さんに続く若い世代の工芸家になってくれたらいいなぁ…

九州芸文館での原寸大ダンボール蒸気機関車「C62」初公開は平成29年10月15日まで。
最終日には公開解体が行われ、その後は全国巡回展示に出発する予定だそうです。

あなたの街にも、「段ボールでつくられた本物のC62」がやって来るかも知れませんよ。
さあ、実物を超えた驚異の原寸大ダンボール蒸気機関車「C62 51」に会いに行こう!