天燈茶房 TENDANCAFE

さあ、皆さん どうぞこちらへ!いろんなタバコが取り揃えてあります。
どれからなりとおためしください

ねこの駅長さん

2008-02-29 | 実況
ブルートレイン「なは」「あかつき」で京都に着いてから、阪急と阪堺と南海の関西私鉄電車を乗り継ぎ、和歌山にやって来た。
わかやま電鐵貴志川線の終点、貴志駅のねこの駅長、たまちゃんに会いに来たんです。

熊本駅20時14分

2008-02-28 | 実況
寝台特急「なは」京都行き、熊本を定刻で発車。
という訳で、今から「なは」に乗って京都まで行きます。来月のダイヤ改正で消えるブルートレインの、12時間の夜の旅の始まりです。

「きずな」/H-IIAロケット14号機の打ち上げ、自宅から見送る

2008-02-23 | 宇宙
超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)シンボルマーク 画像提供:JAXA

打ち上げ成功!
種子島宇宙センターの射場周辺はかなり風が強かったようなので心配したけど、見事に旅立って行きました。
おめでとうございます!

H-IIAロケット14号機による超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の打上げ結果について(JAXAプレスリリース)

さて、今日は週末の土曜日なのに仕事に行っていた僕は、「打ち上げは夕方だから、晴れていたら熊本県八代市からでも見えるな。仕事帰りに職場近くの空き地で見られたらいいな~」とか思いながら、休憩時間にJAXAのきずな特設サイトを見て現地の最新状況をチェックしていた。
打ち上げ準備は順調に進んでいたが、当初の打ち上げ予定時刻16:20の直前に強風のために30分延期され、次に警戒水域に漁船が入り込んだせいで更に延期されて最終的に17:50に打つことに決まったようだった。

「これなら急いで帰宅すれば、ネットの打ち上げライブ中継見ながら自宅で打ち上げが見られるぞ!」

という訳ですぐに帰宅し、自室のパソコンでライブ中継に接続して現地からのカウントダウンを確認。
本当は種子島の長谷展望公園で聞きたかったカウントダウンが残り300秒を切ったところで、見晴らしのいい2階に移動。窓から夕暮れの南天を睨み、「その時」を待つ!

「そろそろ5分経つなぁ…見えないな。薄っすら霞がかかってるけど、晴れてるからロケット雲が見える筈なんだが…」

随分待って、いい加減「直前に打ち上げ中止か…」と不安になってきた時、
「来た!ああ、H-IIAが宇宙に飛んでいく!!」

熊本県八代市郊外の自宅から見た、H-IIAロケット14号機の飛翔。
画像中央をうっすらと横切り上昇するロケット雲がお解かり頂けるだろうか?


望遠にしてみるとこんな感じ。
真冬の夕焼け空に、か細く軽やかに、そして健気に懸命に宇宙へと飛翔していくロケットがあの雲の先端にいる。
天地に轟くロケットエンジンの咆哮も聞こえず、固体燃料ブースターの爆裂する紅蓮の炎も見えないけれど、今まさに宇宙に向かって羽ばたいて往くH-IIAの姿はただ美しい。


やがてロケットは宇宙に出たのか姿が淡くかき消されてしまい、後にはロケット雲だけが残った。
「旅立ったか…良い旅を!」

「きずな」(WINDS)とH-IIAロケット14号機、行ってらっしゃい!

下の階に降りて自室に戻ると、打ち上げライブ中継がH-IIAロケット14号機の現在位置を示していた。機体は既に第1段を切り離し、正常に太平洋上空を飛行している。
「僕が2階に上がってから降りるまでの間に、2000キロ彼方まで行ってしまったのか。…本当に、ロケットって凄いマシンだ!」
その後、H-IIAロケット14号機は第2段エンジンを燃焼停止して惰性飛行に移り、再び第2段エンジンに点火再起動、そして第2段エンジン燃焼停止という一連の作業を問題なくこなし、打ち上げから約30分後無事に「きずな」(WINDS)を分離した。

打ち上げ成功!「おめでとう、きずな誕生です!」

今回、当初2月15日に予定されていた打ち上げが延期されたので残念ながら現地種子島で打ち上げを見送ることは出来なかったが、それでも自宅でネットのライブ中継をチェックしながら見送ることが出来て、結構楽しめた。
それに、打ち上げ後に気が付いたのだが、今回は強風や漁船入り込みで打ち上げ直前に何度も時間変更が入り、結局予定されていた打ち上げ時間帯ギリギリの17:55に打たれていた。もし今日打ち上げられなかったら、液体燃料の抜き取りや再準備が必要となるので最悪夏以降に打ち上げが延期される可能性もあったのだ。ギリギリのチャンスを逃さす打ち上げを成功させた「ロケット屋」関係者の皆さん、お見事です!
本当にご苦労様でした。


「いつでも、どこでも、誰でも」必要な情報が得られる社会に きずなちゃんがんばれ!
きずな(WINDS)マスコットキャラクター「きずなちゃん」 提供:JAXA
きずな/H-IIA14号機特設サイト(JAXA)

小惑星探査機「はやぶさ」情報:提供 JAXA宇宙科学研究本部
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COUNTER from 07 NOV 2007

超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」/H-IIAロケット14号機、そらへ…

2008-02-23 | 宇宙
超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」 画像提供 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」/H-IIAロケット14号機、いよいよ本日夕方リフトオフ!
姿勢制御用ガスジェットスラスタ装置からの推進剤リークという結構難しいトラブルで当初2月15日の打ち上げ予定が延期されていたんですが、中の人が頑張って直してくれたみたいですね。ご苦労様です。

僕も今から改めて種子島の長谷展望公園へ出発…といきたいところなんですが、本日はお仕事で出勤!嗚呼サラリーマンはつらい。。。
打ち上げ予定時刻は16時20分~17時55分。
うまく晴れてくれたら、薄暮れ色の冬空に健気に旅立って行く「きずな」の航跡が見える筈だ。

「きずな」よ、行ってらっしゃい…良い旅を!
きずな/H-IIA14号機特設サイト(JAXA)

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コソボ独立 セルビアで反対集会参加者の一部が暴徒化、大使館襲撃…

2008-02-23 | 時事
ついにベオグラードではアメリカ大使館が焼き討ちされる事態になってしまいました…

米大使館を襲撃、放火 コソボ独立 20万人が反対集会 セルビア(産経新聞) - goo ニュース

コソボ独立に抗議する反対集会の参加者の一部が暴徒化、アメリカをはじめコソボ独立を承認した各国の大使館が襲撃され、アメリカ大使館では1人が焼死している。

暴力による抗議は、決して許されることではない。
それは、コソボ独立に対する憤りを国際社会へと訴えかける上で、セルビアの主張の正当性を損なうことにしかならない。
何より、美しい白い都ベオグラードの街並みが無残に破壊されるのは、哀しいではないか。

平和裏な解決を、望んでやまない。
友の待つ彼の地に、どうぞ平穏が訪れますように…

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「宇宙開発に関する長期的な計画」に関する意見募集の結果、出ました

2008-02-21 | 宇宙
写真:種子島宇宙センター 宇宙科学技術館前に屹立するN-Iロケット

文部科学省が募集していた「宇宙開発に関する長期的な計画」に対する意見募集(パブリックコメント)の結果が出ました。

「宇宙開発に関する長期的な計画」に関する意見募集の結果について

事務局の側から代表的な意見に対する回答が作成されるということは、このパブリックコメントへの意見投稿を呼びかけておられた松浦晋也さんのL/Dに記述されていたので知っていたが、こういう形で送付された意見が列挙されるとは思わなかった。
松浦晋也さんは自身の投稿コメントを事前に公開されていたので、件の松浦さんのコメントが紹介されているのが確認できたが、僕の送ったコメントもしっかり掲載されているので何だか気恥ずかしい。
「何だか、気持ちが先走って浮き足立った文章になってるねぇ。。。皆さん理路整然ときっちりと書かれているので、僕の文章だけ浮いてる気がするな…」ああ、自分の拙文を後で読み返すのは恥ずかしい。

それにしても、「はやぶさ」と「はやぶさ2」を推すコメントの多さには圧倒される。
「はやぶさ」「はやぶさ2」を応援する人たちの言葉が結集している様子は、見ていて何とも壮観。みんなで応援した成果が確実なかたちになって出てます。コメントを送った皆さん、ご苦労様でした。
そう言えば、「猫と惑星系」のbbsawaさんは「太陽系はどうなっているのか気になる私としては、惑星や小惑星や彗星に探査機を送り込んで欲しい。」ということで合計8通もコメント送付されたそうだし…熱意に頭が下がります、本当にお疲れ様です。

姿勢制御用ガスジェットスラスタ装置のトラブルで延期されていた超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)/H-IIAロケット14号機 (H-IIA・F14)の打上げも、明後日の平成20年2月23日に再設定ということが正式に決定したようです(昨日、竜さんに教えて頂きました)。
H-IIA ロケット14号機 による超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の打上げ日について(JAXAプレスリリース)
でも僕は23日は出勤日なんだよなぁ…晴れたら仕事帰りに、職場の人達も誘って一緒に屋上から南の空を見上げてみるか。

H-IIAロケット14号機による超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の打上げまで、あと2日!
きずな/H-IIA14号機特設サイト(JAXA)

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コソボ独立宣言

2008-02-19 | 時事
コソボが独立宣言してしまいましたが、独立されたセルビアでは反発と緊張が高まってる模様。

コソボ独立反対、セルビア各地で暴動(読売新聞) - goo ニュース

(写真:セルビアの首都ベオグラードの街角 2008年1月撮影)

セルビアの首都、ベオグラードではアメリカ大使館や米系ハンバーガー店が襲われて打ち壊しに遭っているとのことだが、米系ハンバーガー店ってこれマクドナルドのことだよなぁ…ついこの間、ダブルバーガーのセット食べながら日本で留守番してるUSACOと携帯で話したりしたスラヴィア広場のマックも襲われたんだろうか…

コソボの独立を承認するかどうかについて、独立支持派のアメリカとEU、独立反対派のロシアとが対立しているが、
我が国では
「日本は伝統的にセルビアと良い関係にあり、一定の配慮をしなければならないが、一連の経緯にかんがみれば承認する方向だ」
と町村信孝官房長官が独立を承認する考えを示したとのこと。
「一定の配慮」をするとは言え、セルビアは日本にも裏切られたと怒るだろうし、対日感情も悪化するだろうなぁ…セルビア人の友人がいる僕としては悲しい。

コソボの独立についてネットで色々な見解や個人の意見を読んだが、よく目にしたのが
「この独立は日本で例えると日本中の在日韓国人・在日朝鮮人がいつの間にか京都に集結して、気が付くと日本から独立宣言されてしまったようなもの」
というもの。
かなり荒削りな例えだし、まあ実際はそんなに単純なものではないのだろうが、それでも身近な例えを出されると、国土それも民族の聖地を失うセルビア人の困惑と怒り、そして悲しみが少しだけでも理解できる気がする。

ともあれ、バルカン半島から遠く離れた極東の地で見守ることしか出来ない僕としては、人も風土も素晴らしいバルカンの地を平和に気ままに旅できる日が来ることを祈るばかりだ。
友の待つ彼の地に、どうぞ平穏が訪れますように…

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コソボ、独立へ

2008-02-17 | 時事
写真:マケドニアの首都スコピエ駅を発車するコソボ行き国際列車

もうすぐ、コソボが独立宣言するようです。

コソボが独立宣言へ 議会が本会議招集(共同通信) - goo ニュース

ネットのニュース画像では、コソボの“首都”プリシュティナでアルバニア系住民がアルバニア国旗を掲げて、早くも独立を祝い喜んでいる様子が報じられていた。

一方、独立される側のセルビア政府は外交・経済面の対抗措置も検討中という。
コソボ独立を承認する国に対しても何らかの対抗措置が取られると思われ、ということはもし日本がコソボ独立を承認した場合、日本とセルビアの関係が悪化することもあるのだろうか?

年末年始休暇の旧ユーゴ諸国を巡った旅で出会い、友達になったセルビアの友人から今日、メールが届いた。
「コソボのことを、とても心配している」
と書かれていた。
「またセルビアに遊びに来てくれ、また会おう」とも。

僕もまた会いたいよ、また行きたいよセルビアに。
マケドニアにもクロアチアにもまた行きたいし、バール鉄道の切符が取れずに行きそびれたモンテネグロにも改めてまた行きたいし、まだ行ったことのない旧ユーゴ諸国のスロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナにも行きたい。
そして、コソボにも。

コソボ強行独立を目前にして、不安が高まっているであろうセルビアと旧ユーゴスラヴィア、バルカン半島。
どうか彼の地に平和が訪れますように…!
友よ暫し待っていてくれ、必ずまた会いに行くよ!何しろ、ベオグラード駅のカフェで奢ってもらったビールのお返しをしないといけないからね。


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島原鉄道 冬の海

2008-02-17 | 旅行
写真:島原鉄道最後の冬 加津佐駅に佇むキハ2006(旧島鉄色)

3月末に南線(島原外港~加津佐間)が区間廃止される島原鉄道。
昨年暮に、廃止区間に日時限定で入線した旧型ディーゼルカー「キハ20形」に乗ってきたが、
「まだまだ乗り足りん!島原鉄道の最後の冬とキハ20、もっと乗りたいぞ!」
という訳で、また乗りに行きました。

平成20年2月16日土曜日
朝、まだ真っ暗なうちに自宅をクルマで出発して一路熊本港へ。
駐車場にクルマを置いて、九商フェリー島原港行きの7時発始発便に乗船。

熊本港から島原まで所要1時間。
海風がとにかく寒いのでプロムナードデッキには出ず、2等船室でNHKニュースなんぞを見ながらうつらうつらしているうちに雲仙・平成新山が目の前に迫ってきた。


平成新山の頂上が薄っすら冠雪している。
「今年の冬はホントに厳冬なんだなぁ!」

寒さに震えながら船を降り、フェリーターミナル近くの島原外港駅へと向かう。


ちょうど駅の横の踏切が鳴り出して…

前回乗った「たらこ」こと全身朱色一色の“首都圏色”キハ2008の第105列車が到着した。

今から急いで改札を通れば、この「たらこ」に乗って南線の終着駅加津佐まで行けるが、敢えて見送る。1時間後にもキハ20の加津佐行き列車があるので、のんびり行く事にする。
「後でも出来ることは、今しない」これが休日の正しい過ごし方、でしょ?

かくして勝手知ったる島原外港駅近辺の裏道を歩いて、隣の南島原駅へ。ここが南線限定運転のキハ20の始発駅。

南島原駅構内にはキハ20ファミリーがゴロゴロしている。旧型ディーゼルカーファンが見たら涙が出そうな光景なのだが、3月末の南線廃止後はキハ20も仕事がなくなり全車が廃車となる運命だという。
もったいない話だが…どこかの鉄道でもらってくれないかな?

やがて次の加津佐行き第109列車となるキハ20が入線してきた。
「三本ヒゲ」がチャームポイントの旧島鉄色のキハ20006だ。





かつては諫早駅から国鉄の準急列車と連結して長崎本線に乗り入れ、博多駅まで直通運転をこなしていたという「三本ヒゲ」、国鉄の特急電車をイメージしたと思しき塗装のせいか、きりりと精悍に見える。

車輌のスナップ撮影を済ませて車内に入ると、冬の時期はディーゼルカー独特のやわらかい車内暖房がありがたい。
ショルダーからペットボトルのお茶(本当はアルコールがいいんだけど、今日はクルマで来てるからね)と先日購入したばかりの新刊本「天才の発想力 -エジソンとテスラ、発明の神に学ぶ-」(テスラ研究所所長の新戸雅章さん著)を取り出し、乗り鉄体勢準備完了。9:03、南島原発車。


さっき15分程かけて歩いてきた島原外港駅まで僅か3分で戻り、廃線予定区間へと入って行く。車窓には雲仙普賢岳平成新山の威容と、土石流災害の爪痕。




平成新山の山裾を離れると、有明海と天草の島影が車窓に広がる。
この海が次に碧く輝く夏には、もうここに鉄路は走っていない。


走り始めて小一時間、原城駅で今朝見送った「たらこ」の折り返し列車と交換する。
色違いのキハ20同士が、一瞬顔を合わせる。


キハ20はワンマン運転ではなく車掌さんが乗務しているので、車内検札もちゃんとある。
ちなみに今回も定価運賃の半額以下で乗れるキハ20限定の南線往復1000円きっぷのお世話になりました。




車窓に白浜海水浴場の砂浜が近づいてくると、終着駅加津佐に到着。




キハ20は加津佐駅で折り返し南島原へと帰るまで30分ほど停車する。
停車中にホームに降りて、この前来たときに一緒に遊んだ駅ねこちゃんがいないか探すが、今日は姿が見えなかった。
「寒いからねぐらに隠れてるのかな?残念」






加津佐駅の裏手には断崖の下に海水浴場とバンガロー村があるのだが、この時期は当然ながら寂しい無人の砂浜が広がるのみ…と思いきや、サーファーの姿がチラホラ。
「夏には島原鉄道の列車に乗って海水浴に来る人も多かったんだろうな。」海水浴列車の想い出の夏は、もう二度と戻らない。


冬の海を眺めてから、またキハ20に乗り島原へ戻る。


キハ20の車窓に切り取られた、島原鉄道の風景。
走り去る風景をしっかりと、瞼の裏に焼き付けたい。そう思い、僕はただ車窓を見ていた。



雲仙普賢岳噴火災害の土石流から鉄路を守るべく建設された安新大橋を渡って、キハ20は島原に帰って来た。

南島原駅でキハ20を待っていた諫早行き列車に乗り換えて、島原駅へと向かう。


この見事な和風建築が、島原駅。
とても駅とは思えないこの豪奢な建物が建てられた平成元年頃、島原鉄道は沿線高校生の通学需要が旺盛で運営が軌道に乗っており、「地方ローカル私鉄の優等生」と呼ばれていた記憶がある。
その後の雲仙普賢岳噴火災害にも負けず、甚大被害を被った地元の先頭に立って奇跡の復興を成し遂げるも、その後の利用者減少には太刀打ちできずに南線を廃止することになろうとは、この島原城をモチーフにした駅舎が建てられた頃には誰が想像し得たであろうか?
そして今、日本全国には島原鉄道同様に利用者の減少で廃止の瀬戸際に立つローカル鉄道が数多く存在する。
いつの間にか日本全土を覆った「経済第一」「効率最優先」「利益重視」の潮流の元で、恐らく今後それらローカル鉄道のほぼ全てが消滅するであろう。

だが、「本当にそれでいいのか?」

鉄道は単なるインフラではない。それは日本人の心までもを結びつけ、国土を縦横無尽に駆け抜ける「繫がりの象徴」でもあった筈だ。
「効率が合わないから」「儲からないから」という理由だけで、我々は日本人の心の繫がりの象徴を断ち切ろうとしているのではないか…?

世間知らずの鉄道オタクの大袈裟で勝手な理屈であるのは解かっている。でも、そう思えてならないのだ。「日本がちぎれる」ような危機感を心のどこかで感じているのだ。
だからと言って、どうすればいいのか?国がローカル鉄道を公的に支援するのか?ただでさえ借金漬けの財政なのに、どこからカネを持ってくるんだ?

「ああ、わからない!!」

考えても答えなんか見つからない。今の僕に出来るのは、消え去りそうなローカル鉄道に時々乗りに行って、少しでも輸送人員増と増収に貢献すること位だ。
それこそ「焼け石に水」を地で行く行為なのは解かり切っているのだけど。




せっかく久し振りに気持ちよく冬晴れた休日だ、考え込んでいても仕方がないので歩いて帰ろう。
島原駅前の通りを真っ直ぐ進むと、坂道を登った先に島原城がそびえている。
漆喰の白壁が青空に映えて美しい。

島原城の近くには昭和レトロなアーケードの商店街がある。ここを突っ切って行くと島原港へと抜けられるらしい。
アーケードにはこんな洒落っ気のある看板を出した映画館もある。残念ながら閉館してたけど。


アーケードの外れをさらに進むと、路地裏に迷い込んだ。
市場や路地裏をほっつき歩くのが大好きな僕としては嬉しい展開。更に嬉しいことに、近くに名水の湧く水源があるらしく看板が出ている。
民家の軒先にひっそり、こんこんと湧き出ていた「浜の川湧水」。



柄杓ですくって飲んでみたけど、実にすっきりとした柔らかい水でした。美味なり。
島原市内にはこういった湧水がいくつもあり、島原湧水群は「名水百選」の一つに選ばれているとのこと。
忍野八海みたいな水深10メートルがぱっくり口を開けてる凄い水源も面白いけど、こういう地域に溶け込んだ湧水もいいね」

名水を堪能してから島原港フェリーターミナルに戻り、熊本行きフェリーに乗船。
出航後、すぐにプロムナードデッキをカモメの大群が取り囲んで餌をねだり、大変な騒ぎに。


この前に来た時もカモメの餌おねだりが凄かったけど、こいつら飛び方とまとわり付き方が上達してるな!あれからずっとフェリーを追いかけて練習してたのか」



なかにはこんなちゃっかり者も。
デッキの手摺にとまって悠々と餌をもらうカモメ。肝が据わってます。

冬の有明海航路名物の、このカモメ達は4月までここで越冬してフェリーを追いかけて来るそうだから、3月末の島原鉄道南線廃止までにはまた会えるね。
うん、廃止までにまた乗りに行くよ。島原鉄道南線(島原外港~加津佐間)と、旧型ディーゼルカー「キハ20」。
最後の日まで、一生懸命走ってくれよ、また会おう!

 
島原鉄道南線(島原外港~加津佐間)廃止まであと44日

おまけ映像:

熊本港に到着する前に、後から来た超高速カーフェリー「オーシャンアロー」に追い抜かれた。
こちらの通常型フェリーの半分の時間で有明海を横断する「オーシャンアロー」、こういう速いカーフェリーが種子島航路にも就航してたらロケット見物でクルマを航送する際に便利なのにな。

ところで先週にその種子島から打ち上がる予定が延期されたH-IIAロケット14号機と超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)はその後どうなったかな?
仕切り直しの打ち上げが決まったら、今度こそ見に行きたいんですが。ガンバレ中の人。
きずな/H-IIA14号機特設サイト(JAXA)

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「きずな」(WINDS)/H-IIAロケット14号機 (H-IIA・F14)、打ち上げ延期

2008-02-13 | 宇宙
打ち上げ延期です
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H-IIAロケット14号機 による超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の打上げ延期について(JAXAプレスリリース)

(写真は南種子町の宇宙ヶ丘公園から見る種子島宇宙センター大型ロケット発射場 平成19年9月撮影)

デリケートな超精密機械でもあるロケットの運用には、予期せぬ不具合による延期はつきもの。と、頭では解かっていても、やっぱり打ち上げ2日前にしてのドタキャンは正直ツライですね。でも仕方がない。

ロケット打ち上げに魅せられ追いかける者にとって、突然の打ち上げキャンセルは宿命の試練。
打ち上げまでの困難が多ければ多いほど、一瞬の煌きと共に宇宙(敢えて『そら』と読んで戴こう)へと羽ばたき消えていくロケットのカタルシス、美しさと感動が際立つというものだ。そうなのだ、多分。そうに違いない!という事で…

まあ、気長に問題解決と仕切り直しの打ち上げ予定決定を待つさ。とりあえず明日、高速船のチケットを払い戻さないと。。。

しかし、ロケット第2段姿勢制御用ガスジェットスラスタ装置への推進薬充填作業の不具合というのは結構深刻な問題みたいで、最悪夏以降まで打ち上げがずれ込む可能性もあるとか。

これも日本のロケットの一歩だね。これからも応援しようぜ」(打ち上げ延期を知った友人Kの第一声)

きずな/H-IIA14号機特設サイト(JAXA)

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日曜日、バスに乗ってお出かけ

2008-02-10 | 日記
写真:熊本県八代市内、たばこ産業前バス停。でもいまだに"専売公社前"と呼ばれてる。

今日は天気が良いので、バスに乗ってちょっと出かけることにしました。


うちの最寄のバス停から、八代駅行きのバスに乗車。
日曜日の始発便は朝9時発。休みの日はバスものんびりダイヤだね。


熊本県八代市と郊外の宮原町を結ぶ九州産交バス、途中で広大な干拓地に広がる農地の真っ只中を走るなかなか風光明媚な路線バスなのだが、何しろ沿線は農地なので人口が少なく、増してやマイカーが1人1台当たり前の土地柄故に、バス利用者は極端に少ない。
今日のバスも乗客が1人も乗ってないよ…
でも、公共交通機関は大切な地域の足。自家用車を持ってる僕も、必ず年に数回は乗るようにしてます。


八代干拓の中を流れる大鞘川に沿って干拓地の農地を目指します。


干拓地の車窓はこんな感じ。
北海道の、十勝辺りの風景にちょっと似ているかな。
まあ、実は毎日マイカーでの通勤中に見てる風景なんだけど、こうやってバスから見ると趣が違いますね。


ちなみにこちらは藺草の田んぼ。畳表の原料です。
熊本県八代地方の畳表のシェアは全国一なので、おそらく日本中の大概の家庭の畳はこの辺りで育った筈。
最近は激安の中国産に押されてるので大変らしいが。


干拓農地を通り過ぎると、民家の軒をかすめそうな、こんな細い道を器用に走っていく。


八代市のバス営業所に到着しました。
バスがたくさん並んでてヨーロッパの長距離バスターミナルみたいな雰囲気ですねえ。
自宅からちょっとお出かけしただけなのに、バス旅行気分を味わえる。僕の自宅最寄のバス停を通る文政経由八代宮原線はそんな路線バスです。


バスを降りて歩いていると、ねこ発見。
路上でねこと遊んでから、行きつけの美容院へ。

「今日はバスに乗って来たんですよ~」とか、この前の旧ユーゴ旅行の土産話なんかをしながらカットしてもらい、帰り際に美容院の看板ねこ登場。

写真を撮ろうとあわてて美容院のマスターと一緒に迫ったから、びっくりしたのかな?泣きながら後ずさりして隠れちゃった。
「ゴメンゴメン、驚かしちゃったね」

さて、今週末はいよいよ種子島へ渡って超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」/H-IIAロケット14号機打ち上げを見送る。
髪のカットも済ませたし、帰宅してバックパックとロケット見物用装備品(そんな大袈裟なもんじゃないけどさ、要はカメラと着替えと洗面道具)も揃えたし出撃準備は万端、あとは当日に島の天気が良くなりますように!

H-IIAロケット14号機による超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の打上げまで、あと5日!
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内之浦からロケット飛ぶ。次は種子島!

2008-02-06 | 宇宙
(写真:内之浦宇宙空間観測所 Mセンター)

冬のロケット、無事に内之浦の夕空に羽ばたきました!

S-310-38号機、打上げ成功!(宇宙科学研究本部トピックス)
「ロケットの飛翔および搭載された機器の動作は全て正常」
「マグネシウムイオンイメージャ、中波・超長波帯電波測定器、磁力計、高速ラングミューアプローブ、インピーダンスプローブ等の搭載観測装置は全て正常に動作」
JAXA宇宙研と、東北大学、東京大学、富山県立大学、東海大学、名古屋大学、首都大学東京、情報通信研究機構の皆さん、お見事!

打ち上げ地点の内之浦はここ↓


…熊本県八代市からは全然見えなかったけどね。雲のバカヤロー!!

宇宙科学研究本部トピックスのリンク先の写真では、いい感じに炎を噴射して格好良く飛んでるんだけどなぁ。。。
やっぱりロケットは飛んでる様子を直に見ないとなぁ…ああ、見たかったなぁ…

という訳で、来週の金曜日にロケット見に行く事にしました。
場所は種子島宇宙センター、H-IIAロケット14号機による超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)の打上げを見送るぞ!
H-IIAロケット14号機の打上げについて(JAXAプレスリリース)

(写真:種子島宇宙センター 大型ロケット発射場を望む)

種子島宇宙センターはここ↓


超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」/H-IIAロケット14号機打ち上げまであと9日!(JAXAきずな特設サイト)
内之浦に続いて、種子島のロケット屋さんもガンバレ!

…とは言うものの、ロケットはナマもの。キッチリ予定通りに打ち上がるとは限らない。
念の為、打ち上げ予定日の2月15日(金)から予備期間になっている翌日16日(土)まで種子島に留まるつもりだが、この2日間で無事打ち上がってくれるといいが。。。
ちなみにH-IIAロケット12号機の時に引き続き今回も帰りは歩くつもりですよ、長谷公園から西之表港まで!

来週後半は天気が良くなりますように!!

小惑星探査機「はやぶさ」情報:提供 JAXA宇宙科学研究本部
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COUNTER from 07 NOV 2007

観測ロケットS-310-38号機、打上げは2月6日に延期。。。

2008-02-03 | 宇宙
(写真:内之浦宇宙空間観測所の秘密装置 打ち上げ時気象条件予報用下駄)
残念ながら今日も下駄が裏返しに転がったようです。

2月3日に予定していたS-310-38号機のロケット実験は、観測条件が満たされなかったため、2月6日(水)に打上げを延期しました。発射時刻は18時14分40秒を予定しています。(ISAS宇宙科学研究本部トピックス)

まあ今日は熊本県南部は天気悪かったですから、延期は好都合。
天気の良い日に、冬晴れの夕暮れ空に飛んでいく「冬のロケット」を見たいものです。

6日水曜日は晴れますように…!

ところで、バルカン半島のセルビア共和国大統領選決選投票のほうはどうなったかな?
親欧米派と極右民族派の両候補の支持は拮抗しており選挙結果は全く予測出来ない状況だが、
どうか、コソボ問題を乗り越えセルビアと旧ユーゴスラヴィア諸国が平和と共存の道を歩み始める方向に進んでほしい。

現職と極右民族派が激戦 セルビア大統領選決選投票始まる(共同通信) - goo ニュース

セルビア共和国首都ベオグラード市街 冬の夕暮れ
実は旧ユーゴスラヴィアは日本の宇宙科学研究所からロケットを購入したり日本から専門技師が指導に赴いたりしており、日本の宇宙科学と意外な関係がある。
今は国際的な観光地となっている世界遺産の街ドブロブニクの海岸に、宇宙研のカッパ6型ロケットが飛翔したのは1963年夏のことだったという。
ユーゴスラビアにロケット推進薬製造技術のうりこみ(1963年)(ISASニュース 1983.6 No.027)

いつかまたバルカンで、記憶の彼方に飛び去ろうとしている「夏の日のカッパ・ロケット」の幻影を追いかける旅をしてみたいと思っている。
彼の地の平和を祈る。

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平成20年2月4日追記
セルビア大統領選挙決選投票、現職で親欧米路線のタディッチ大統領が僅差で再選。
セルビアはきっと近い将来、欧州連合(EU)に加入するでしょうね。
国際社会と協力してコソボ問題を解決し、閉ざされた鉄路が再び開き列車で気軽に旅行できる日がはやく実現しますように。