宮原一般見学場:2013-08-27 正午頃
見に行ってきました、イプシロンロケット試験機打上げ!
これは現地・内之浦での打上げ日(平成25年8月27日)当日に僕が見た出来事を時系列にまとめた、その日の一部始終です。
2013-08-27
01:00 熊本県南部の自宅を出発、九州道・東九州道経由で鹿児島県大隅半島方面へ向かう
05:50 鹿児島県鹿屋市に到着
06:00 イプシロン打上げ見学に同行する友人と鹿屋市内で合流
06:40 イプシロンが打上げられる、鹿児島県肝属郡肝付町内之浦に到着
内之浦の町に近づくと、案内看板が多数。
ロケット発射場へと向かう途中、検問?が。
検問ではなく案内所で、マップと記念品のポストカードが配布された。
手持ち看板で誘導に当たる人の姿も。
途中、鹿屋と内之浦を結ぶ路線バスとすれ違う。
内之浦への唯一の公共交通機関だが運転本数も限られ、旅行者向けではないので、ロケット見学での利用は難易度が高いと思われる。
内之浦市街地を抜けて、JAXA内之浦宇宙空間観測所方面へ向かう。
宇宙空間観測所の先にある宮原一般見学場へは、27倍にもなった抽選に当たった者しか入ることが出来ない。
内之浦宇宙空間観測所のパラボラアンテナ“うっちーさん”が見えてきた。
内之浦には、昨年の豪雨災害の爪痕が今も残る。
宮原一般見学場へと向かう途中にも、土砂崩れで片側交互通行となった箇所が複数存在している。
立入禁止区域を通過。
ロケット打ち上げ時刻の数時間前から、ここは通行規制され封鎖される。
報道用の駐車場には、既にマスコミ各社の生中継機材車の姿が。
07:10 宮原一般見学場に到着
宮原一般見学場には既に人だかりが。
今朝は8時に見学場の駐車場を開く予定だったが、夜明け前から見学者が集まり始めたので急遽予定を繰り上げて、6時前には開場したらしい。
見学場に着いたら、早速見晴らしのいい場所へ…
すると、ネット仲間の宇宙ファン達が撮影機材を設置している地帯を発見。彼らに合流して、我々もここで打上げを待つことに。
08:30 宮原一般見学場で待機(打上げまであと5時間15分)
TV番組の取材を受ける宇宙ファン仲間(笑)
この日のイプシロン打上げはマスコミ各社からの注目もかなり高く、見学場内にはTV各局のレポーターが取材に駆けまわる姿が見られた。
僕は取材も受けず撮影機材も持ってきていないので、見学場を散歩。
地元のお土産売り場やコンビニの移動販売車まで設営されて、ちょっとしたお祭り騒ぎ。
長年、宇宙研のロケットを支え続けて下さった地元の方々に報いるために、僕もイプシロン刺繍入りポロシャツなどを購入。
イプシロン刺繍入りポロシャツはかなり丁寧に仕上げられたいい物だったので、お買い得だった。
09:15 宮原一般見学場で待機(打上げまであと4時間30分)
仲間が、限定販売の「イプシロンの里弁当」をゲットしてきた。9時からの当日分売り出し開始直後に売り切れたとのこと。
「イプシロンの里弁当」の中身は、地元の名産特産品の食材がぎっしり!
これは美味しそう。しまった、僕も買えばよかった。
たまたまその時、近くを通りかかったJAXA広報の阪本先生も、「イプシロンの里弁当」に興味津々のご様子。
…ちなみにこの日の宮原一般見学場は、阪本先生の他にも
「MUSICA ~宇宙はなぜ美しい?」や「Eterenal Return -いのちを継ぐもの-」「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」の上坂浩光監督をはじめ、
“宇宙のセレブレーション”な方々がそこかしこに歩き回っておられるという、夢のような豪華空間でもあったのだ。
10:45 イプシロン機体が整備等から出される(打上げまであと3時間)
ついに、イプシロンロケット試験機がその姿を現した!
この後、数十分かけてロケットランチャの角度が倒されて、打上げ準備態勢へと移行する。
12:00 M台地より観測用バルーン放球(打上げまであと1時間45分)
バルーン放球は何度も行われ、打上げ時刻が近づいて発射場M台地からの退避命令が出た後は新宮原レーダセンター付近からも放球された。
この日は上空がほぼ無風のようで、バルーンも風に流されること無く真っ直ぐに上昇していく。
天気も良く視界もクリアに澄み渡っており、まさに絶好の打上げ日和となった。
13:15 打上げGO/NOGO最終判断:GO判定 (打上げまであと30分)
打上げ最終判断GOが出た!
いよいよ翔ぶぞ、イプシロン!!
13:43:50 70秒前より打上げカウントダウン肉声読み上げ開始(打上げまであと70秒)
VIDEO
13:44:41 打上げ19秒前に姿勢異常を検知したために自動停止
13:45 イプシロンロケット試験機打上げ中止
イプシロンロケット試験機による惑星分光観測衛星(SPRINT-A)の打上げ中止について
(平成25年8月27日 JAXAプレスリリース)
帰り支度を始める人々。
我々は、ただそこにあるイプシロンを見つめる。
そして、誰もいなくなった宮原一般見学場。
…イプシロンはこの日、翔ばなかった。本当に残念だった。
だが、ある意味でこれは勝利でもある。
イプシロンロケットを統べるシステムは、正確に作動して異常を検知し、そして自らの動きを止めた。
異常を見抜けずそのまま打ち上がってしまうという最悪の事態は、見事に回避されたのだから。
イプシロンは、正しくやるべきことをやったのだ!
現在、森田プロジェクトマネージャ率いるJAXAイプシロンスタッフたちは、その英知を結集し全力で今回の原因追求と対策にあたっている。
やがて、問題は解決され、新しい打上げ日が再設定されることだろう。
「今度こそ必ず、イプシロンは羽ばたく!必ず、日本に究極の固体燃料ロケットが再び帰ってくる…!!
…そして、その日、新しい約束の日に、僕も絶対、ここ内之浦に帰ってくる!」
そう心に誓い、僕は内之浦を後にした。
そう、今年のロケットの熱い夏は、まだ終わらない!
今度こそ翔べ!羽ばたけ!僕たちのイプシロンロケット!!
(打上げレポート:つづく)